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※注意
拙作「たいきょうに 悪いです」の続きとなります。
妊婦ネタを含みます。そう言った性癖に嫌悪感を示される方は、回避をお勧めします。


「まったく、買い物に出かけるのにわざわざ車を出すなんて、過保護に過ぎますよ」
怒ったような口ぶりで俺に問いかける彼女。その言葉とは裏腹に小鳥さんの表情は嬉しげだ。
「たまには家族サービスをしなきゃね。夫らしいこと、できる時にはしたいしね」
ステアリングを片手で操りながらそう口にする俺の言葉に、真っ赤になってうつむく彼女の表情が視界の端に映った。

俺の妻となった女性、音無小鳥が俺との愛の結晶をその身に宿してから5か月余り。
安定期を迎えた彼女は再び765プロに戻り、事務員として事務所の庶務にあたる事となった。
しかし、アイドルのプロデューサーとして彼女たちのレッスンを担当したり、営業のためにTV局やレコード会社を駆けずり回る
俺と共有できる時間は思いのほか少ない。
これから数か月先までのCD販売のスケジュールを協議し、次の番組枠へ向けての大まかな予定を担当アイドルと固めたところで
ようやく回ってきた数少ない休日を、俺は小鳥さんとのショッピングに充てる事と決めたのだ。

「事務所に戻ってきた日、亜美ちゃんは真美ちゃんは目を丸くして、『ぴよちゃんったらおなかに詰め物をしてどーしたの?』なんて
聞いてきたわ。お父様がお医者さんでもまだまだ子供がどうやってやってくるかと言う事はいまいち実感が無かったみたい」
車中での他愛のない会話。事務所で顔を合わせる時でも、家に帰ってからでも忙しさに流されてなかなか会話を持てなかった
俺たちにとっては得難い時間だ。
「『この中に赤ちゃんが居るのよ。もうすっかり大きくなったから時々中から私の蹴ったりするのよ』って言ったら、亜美ちゃんたら、『そんな事されて、痛かったり気持ち悪かったりしないの?』
なんて聞いて来るんですもの。二人とも、普段は手が付けられないくらいやんちゃな癖に、他の人達の事はちゃんと見ているんだから。『自分の中にもう一人別の何かが居る。不思議な気分だけれど悪いものじゃ無いわ。
亜美ちゃんや真美ちゃんだって、そうやって生まれてきたのよ』そう言ったら、二人ともますます目を丸くしちゃって」
事務所での出来事を話す小鳥さんは本当に楽しげで、安定期に入ってからは仕事に戻っても差し支えないと言う医者のアドバイスに従い
復職したのは正解だったな、と一人合点した。
芸能事務所での仕事は煩雑なものが多く、その時間も不定期で母体にも少なからず影響がある。
彼女が俺の子供を宿した時、その後の仕事について話し合った事がある。
小鳥さんからの強い要望もあって、引継ぎの資料をまとめ終わるまで事務所に戻ることを俺は承諾した。
結果として、この判断は正しかったと今になってはそう思う。
765プロと言う場所は、彼女にとってもう一つの家の様なものなのだろうから。
「やよいちゃんは家族に年の差がある兄弟が居るから、母親になると言う事がどういう事か分かっていたみたい。
私のお腹と私の顔を見比べてから、まぶしいくらいの笑顔で、
『音無さん、お母さんになるんですね』って言ったわ。それと『きっと生まれてくる子供も、音無さんみたいにすっごく
美人なんでしょうね』って、私ったら恥ずかしくてしばらく顔が上げられなかったわ
……あ、あなた、目的地が見えましたよ」
助手席から軽く身を乗り出すと、小鳥さんはお目当てのショッピングモールを指差したのだ。

東京は電車網が発達しているが故に、徒歩で移動する人間には優しいが自動車を運転する人間には優しくない。
これは東京の交通事情の一面を表している言葉ではあるが、必ずしも真であるとは言えない。
山手線を環と見立てた場合に縦横に走る幹線道路、そしてその周りをぐるりと囲む環状線。
中には旧街道の名前が付いたまま道路の拡張もされていないところも無いではないが、整備された街道の多くには
郊外型のショッピングセンターが並んでいる。
そのうちの一つ、大手スーパーマーケット系列のショッピングモールの駐車場に車を滑り込ませると、
ギアをニュートラルに戻し、サイドブレーキを引き上げ、シートベルトを外す。一連の動きを滞りなく行うと、
小鳥さんより先に車外へと出た。
我ながら随分と手慣れたものだと自画自賛したいところだが、アイドルプロデューサーとしての日々のたゆまぬ営業の成果、と思うと
少々恰好がつかない。
頭の中に浮かんだ考えを振り払うと、助手席へと向かい、ドアノブに手を掛ける。扉を開け、小鳥さんが車内から出てくると、
俺は手にしていたオーバーを肩口に掛けた。
二月初旬。日差しは少しずつ春の気配を感じさせるようになってきたものの、外気は体に染み入るように冷たい。
俺は小鳥さんの体に差し障りが無いよう、優しく彼女の肩を抱いて、ショッピングモールへと入って行った。

「ティッシュペーパーにトイレットペーパーにキッチンペーパーに……随分と買い込むんだね」
「折角自動車でやってきたことですし。それにお仕事の方も忙しくなってきているから、買えるうちにしっかり買いだめをしておかないと」
いつの間にかカート一杯になった荷物を眺めて零した言葉に、笑顔で小鳥さんは答えた。
大げさだな、なんて言葉が一瞬浮かんできたものの。臨月を迎えるころには小鳥さんだって買い物にも難渋するようになるだろうし、
俺にしたって職掌柄好きな時に休暇がとれるとは限らない。
何事も用心をするに越したことがないのだ。
そう自分を納得させ、カートを押す彼女と肩を並べて歩くと、加工食品のエリアへとたどり着いた。
「生鮮食品は後回しにして……まずはシリアルや缶詰だけでも買ってしまいましょうか」
カートから離れ、ちょこちょこと陳列棚へと小鳥さんは向かうと、お目当てのファミリー用のシリアルが並ぶ陳列棚への最上段へと
小鳥さんは手を伸ばした。
小鳥さんは決して料理が下手な女性ではない。ただ、出勤時間の早い俺たちにとっては、悠長に食事を済ませるよりはシリアルと
簡単なサラダで朝食を済ませるのが習わしになっている。
時折しっかりした食事が恋しい、と言う気持ちが無いと言えば嘘になるが、あわただしい結婚生活の中でしか味わえない時間だと思えば
それも貴重なものに思えてくる。
全くの余談だが、シリアルには性欲を抑制する効果があると民間伝承で言われていたが、それが事実なのか俺には知る由が無い。
何せ、肌を重ねることは無いにしてもお互いの「処理」は定期的に行っているからだ。
さて、陳列棚へと向かっていった小鳥さんに目をやると、彼女はいまだにシリアルのケースを手に取ろうと必死に格闘していた。
平均身長ほどしかない彼女では、陳列棚の一番上にある商品には届かない。
背伸びをし、必死に指を伸ばして並べられたシリアルを取ろうとする小鳥さんを手伝おうとして、俺の動きは止まってしまった。
美しい。その言葉が頭の中をいっぱいに埋めてしまった。
身重となった彼女はぴっちりとした服装を避け、マタニティドレスにゆったりとしたウェストのサブリナパンツを穿いている。
新しい命を抱きその存在を示す彼女のウェストから描く曲線に、俺は確かに母としての小鳥さんの姿を見た。
「ちょ、ちょっとあなた、助けて〜」
お目当てのシリアルを手にした代わりに、思い切りバランスを崩した小鳥さんがこちらへと倒れこんできた。
俺は冷静に体を小鳥さんの後ろに滑り込ませると、倒れそうになった彼女の体をしっかりと抱きとめた。
「もぅ、ぼーっと見とれていないで手伝ってくれたっていいじゃないですか」
「倒れるのは何とか防いだのだから、それでおあいこって事じゃ駄目かな?」
ぷぅ、と頬を膨らませて愚痴をこぼす小鳥さんに、申し訳なさそうに頭を下げる俺。
そしてしばしの沈黙を経てから。
目を合わせて、声を上げずに俺たちは笑いあった。

「そろそろ自宅に荷物を運ぶのも結構体力を使うようになったわね」
「沢山買いだめしてきたことだし、今日が特別だと思うけどな」
「でも、御仲の子が大きくなったらもっと体力が要るようになるんでしょうね……それが嫌って事じゃないけれど」
シリアルの一件からその後。
俺と小鳥さんは滞りなく予定していた買い物を終えると、自宅まで無事に買いだめした生活用品を持ってきたのであった。
両手いっぱいに食料品やらなんやらを下げる姿は、さしずめバラエティに出てくる買い物に付き合わされる夫の姿そのものだっただろう。
玄関に置いた荷物を簡単に仕分けをしながら、小鳥さんは尋ねてくる。
「折角の二人の休日ですもの、夕食は豪勢にしましょうね、あなた。それともその前にお風呂でも入りますか?」
「あぁ、それがいいね。そうしようか」
自分が来ていたオーバーを脱ぎ、買い出ししてきた品物の整理を手伝いながら、ぽつりと俺は浮かんできた言葉を口にした。

「なぁ、小鳥。もし良かったら、風呂に一緒に入らないか?」

浴室から唸るように聞こえてくる、浴槽に湯を満たす音。
室内に静かに流れる、空調の風切音。
俺はソファに掛けながら、奥の部屋へと消えた小鳥さんの事を思い浮かべていた。

「無理ですよ、私なんてもうこんなにお腹がおっきくなっているのに」
はじめに俺の言葉を聞いた小鳥さんは、いやいやと小さくかぶりを振った。
「なんで恥ずかしがるんだい。お腹が大きくなったのも、その中に、その……俺の子が居るからじゃないか」
「それでもお腹もぽっこりと丸くなっちゃって、腰回りもお肉が付いちゃって……幻滅したり、しませんか?」
目を伏せて、消え入りそうな声で尋ねてくる小鳥さんの肩を掴んで、
「そんなことは無い、どんな小鳥だって俺は愛せるよ。何より今の小鳥は十分過ぎるほど、魅力的だ」
その眼を自分に向けさせて、はっきりと俺は言い放ったのだ。

(とは言ったが、小鳥さんは来てくれるだろうか)
組んだ手の間に顎を乗せ、俺は先ほどまでのやり取りを逡巡していた。
今のご時世、夫側が求めても妻が拒否した場合、行為に至ってはいけないらしい。
もし無理強いするならば、セクシャルハラスメントとして訴えられても文句は言えない、そういう仕組みになっているそうだ。
法律論はさておくとしても、あれだけ母として成熟した体に羞恥を覚える小鳥さんが
俺の求めに応じてくれるかどうか。

「お待たせしました」との小鳥さんの声が届くのと、
浴槽が満たされ入浴の準備ができたことを告げるアラームが鳴ったのはほぼ同時の事だった。

浴室に入ってから、俺は「背中を洗ってあげるよ」と半ば強引に椅子に掛けさせた。
背中を洗いながらも、俺の視線は小鳥さんの描くボディラインにくぎ付けになっていた。
結婚する以前の、アイドルはだしのメリハリのあるボディラインは今ではすっかり鳴りを潜めたが、
母として成熟した体を持った小鳥さんの体は、腰回りやヒップにまろやかな肉が付き、
良く熟した果実を思わせる柔らかい曲線を描くようになっていた。
「あの、どうしました?」
「あぁ、いや、今から洗うから」
小鳥さんの肉体に目を奪われてすっかり手が止まっていたらしい。怪訝そうに尋ねる小鳥さんに応えるように、
俺はスポンジで良く泡立てたボディーソープで、その体を洗っていった。
その柔らかい背中を、程よく肉のついた上腕を、二の腕を。
そして腕先から上腕に戻り、胸元に手が行ったところで、
俺は小鳥さんの胸をわしづかみにした。
「ちょっと、何しているんですか!?」
非難めいた小鳥さんの言葉。だけど気にしてなんかいられない。そのまま俺はゆるゆると豊満な小鳥さんのバストを
揉みほぐすように愛撫すると、
ピン、と張りつめたその先端を指でつまんだ。
「ま、まってくださいっ、いいかげんにしないと」
言葉での反抗の意思、でもそれがただの言葉だけである事は、張りつめた乳房の先端や、切りそろえられたボブから覗く
小鳥さんの肌が朱に染まっていることが教えてくれた。
「ねぇ、小鳥」
出来るだけ穏やかな声で、俺は耳打ちする。ひくりと、小さく小鳥さんの体が跳ねた。
「俺は小鳥の事を、目いっぱい気持ち良くしてあげたい。駄目かな?」
首だけをこちらに向けて、荒げた呼吸と潤んだ瞳で、小鳥さんが答える。
「だめじゃない……です……けどっ」
そのまま肩口に顎を乗せ、双丘の突起を弄る指先に込める力を強め、俺は続ける。
「じゃあ、決まりだね」
そのまま胸への愛撫を続け、それに合わせるかのように小鳥さんの吐息も荒く、熱を帯びてくる。
そうして突起を摘み上げるかのように力を込めたところで、その体はピン、と小さく突っ張ってから弛緩した。

息を荒げ、俺に体を預ける小鳥さんの体をシャワーで洗い流す。
胡乱な瞳のままでこちらを見上げながら、小鳥さんは言う。
「ねぇ……あなた」
「うん」
「わたし……いっちゃったの……あなたにふれられただけで、たっしちゃったの」
「そうだね」
「みっともないおんなだと、おもわなかった?」
「そんなことないよ小鳥。凄く……愛らしかったよ」
嬉しそうに相好を崩した小鳥さんの頭を撫でながら、俺はある現実と向き合うことになっていた。
どうやらいくら格好つけたとしても、自分の中の「牡」の欲望は、すでに抑えきれないところにまで来ているらしい。
少しだけ彼女から視線を逸らしつつ、俺は小鳥さんに尋ねる。
「なぁ、小鳥」
「なあに、あなた」
一度だけ小さくつばを飲み込んでから、俺は本題を切り出した。
「小鳥は、胸だけの愛撫で十分なの?」
「え?」
頭の上にクエスチョンマークが浮かぶさまが見えるような、そんな表情をした小鳥さんに俺は畳み掛ける。
「俺は小鳥さんを抱きたい。小鳥さんの身体を俺自身で感じたい」
「あの、それって……」
「小鳥が嫌ならそれで良いんだ。俺自身は何とか自分で処理を」
そっ、と唇にふれる感触。小鳥さんの人差し指が、俺の言葉を遮った。代わりに、もじもじと探る様に小鳥さんが問いかけてくる。
「あの、私の身体を見て、笑ったりしませんよね」
俺は満面の笑顔で、
「そんな事無いって。小鳥は凄く……美しいよ」
そう、小さく耳元で囁いて。俺は小鳥さんの頭を優しく撫でた。
うっとりと目を細め、小鳥さんは俺の手を受け入れてくれた。

「ちょっと恥ずかしいですけれど……こんな感じで、大丈夫ですか」
至極当たり前の話だが、我が家には「健康イス」と言ったものは存在しないし、冷たい浴室のフローリングに小鳥さんを
腰かけさせるわけにもいかない。
そんなわけで、俺は小鳥さんに浴室の壁に手をついてお尻を突き出すようにお願いをした。
丸く肉付きを帯びたヒップの柔らかな曲線。
下腹部から胸元まで伸びるシルエットは、そのお腹に新しい命を抱いて、緩やかな曲線を描いている。
その姿が、俺自身の興奮をいやが上にも高めてくれた。
突き出された小鳥さんのヒップの前に屈みこむと、俺はその尻肉の感触を確かめるかのように、その輪郭をなぜた。
「ひゃっ」、と小さな声を上げて、小鳥さんの肩が跳ねた。
しばらく丸く、柔らかな尻肉の感触を確かめてから。
俺はその肉の合わさりをかき分けるかのように、両手を臀部に宛がうと尻肉をかき分けた。
柔らかい小鳥さんの臀部。その二つの曲線が合わさるところには菊門が引くひくと息づいていて、
そしてその下にある秘部は、零れる蜜で鈍く光っていた。
俺は小鳥さんの臀部を押さえ、秘所をあらわにさせると、それが息づくさまをしばらく眺めていた。
そして、しばらくの観察の後に。
ふぅっと、その菊の窄まりに息を吹きかけた。
軽く身をよじって、小鳥さんがこちらを振り向く。わずかに動揺の色が、その顔から伺えた。
「ちょ、ちょっとあなた、そこはお尻の穴で、使った事なんて」
にんまりと、つとめて意地悪な笑みを作って、俺は答える。
「何、ちょっと小鳥の反応が見たかっただけだよ。本命は……こっちさ」
そう言って、俺は小鳥さんの秘所へと手を宛がった。

アンダーヘアが茂るふくらみを軽く撫でてから、俺はすぐにその指を充血した陰核へと伸ばした。
これだけの反応があれば、執拗すぎる前戯は必要ない、そう判断してのことだ。
ぷっくりと膨らんだ陰核を傷めないように優しく指先で転がし、その指が走るままに、充血したカントを縁取るように愛撫する。
その度に小鳥さんは切なげな息を吐き、綺麗に切りそろえられた翠のボブカットはさらさらと揺れた。
2度、3度、4度……飽きる事なく秘唇の周辺を愛撫するうちに、花弁の重なりから零れ出る蜜の存在をはっきりと確かめることができた。
そろそろ頃合いか、そう確信した俺は、指二本を小鳥さんの蜜壺の入口へと押し当てた。
「待ってください、そこは……」
非難めいた小鳥さんの言葉を無視して、俺は中指と人差し指を、そのまま花弁の奥へと押しこめる。
「……!」
と、同時に言葉にならない喘ぎを上げて、小鳥さんはその体を震わせた。
指先に絡みつく肉の感触を確かめながら、俺は小鳥さんへと差し入れた指を抜き差しした。
俺と初めて肌を重ねたときには、まだ男を知らなかったカラダ、そして結婚すると互いに決めてからすぐに子供を授かり、
それ以降互いを重ねることが無かったカラダ。
そんな小鳥さんの秘肉は子を授かった女の物とは思えないほどきつく、複雑に俺の指にと絡みついて来る。
その抵抗に抗うように、俺は指の抽送を繰り返す。
ただ前後させるだけではなく、蜜壺をかき混ぜるかのように、腸壁との重なる部分をこする様に、Gスポットとと言われる部分を
指先でこする様に。
そして幾度目かの抽送を繰り返してから、俺は絡みつく秘肉から引き抜くように、ゆっくりとその指を蜜壺から抜き去った。
既に彼女の息は絶え絶えで、その肩が呼吸に合わせて小さく揺れた。
「小鳥」
俺は蕩けそうな瞳でこちらを見る小鳥さんの前に立つと、いきり立った俺自身を見せた。
さっきまでの蕩けた表情が嘘のように、わずかに表情に緊張が走るのが、俺にも見て取れた。
「あなた、それって……」
「小鳥、俺はお前の中に入れたい。お前と肌を重ねて、お前を感じたい」
「でも、お腹の中の赤ちゃんに」
「安定期に入ってからのセックスは、破水するほどの時期でなければ母子ともに問題ない。定期検診の時に、
ドクターも言っていただろう?」
「でも……」
「それに小鳥だって、このままで満足なのかい?」
退路を塞ぐように、小鳥さんには放った一言。観念したかのように、小鳥さんは俺の身体にその身を預けてきた。
「もう、あなたったら卑怯ですよ……完全に逃げ場をなくしちゃって。そんな事されたら、私だってあなたの願いに
応えるしかないじゃないですか」
そう言って見上げてくる瞳が余りにも真っ直ぐなものだから、思わず俺は目を逸らしてしまった。
確かに俺は卑怯者だ。あちらこちらに躓きの石を設けて、小鳥さんが自分の下に倒れてくるように仕向けたのだから。
ただ、俺にとって音無小鳥と言う女性が卑怯な策を弄してでも抱きたい女性だ、と言う事はどうか分かって欲しかった。

「それじゃあ、来てくださいね、あなた」
ちょうど先に彼女を愛撫したのと同じように、浴室の壁に手を付き、お尻をこちらに向けた姿勢で小鳥さんは答えた。
座椅子に掛ける姿勢にしなかったのは、俺自身を抽送するコントロールがしやすいだろうとの思いからで、
浴室でそのまま行為を重ねようと決めたのは、その後の処理を考えての事からだ。
「あぁ、それじゃあ始めるよ」
こちらに向けられた尻肉をかき分け、俺のペニスの先を彼女の秘部に宛がうと、ゆっくりとその先から彼女の膣内へと押しこめていく。
「はぁ……、あぁああっ」
ゆっくりと俺自身が彼女の身体に納まって行くのに合わせて、切なげな声を小鳥さんは漏らした。
「大丈夫、苦しくは無いか?」
彼女の背中にもたれかかるように体を倒すと、俺は小鳥さんに耳打ちする。
「大丈夫……ただ、あなたのが私の中に入ってくる感触があんまりにも懐かしくて、心地よくて……」
そう、蕩然と答える小鳥さんに、
「そうか……じゃあ、動かすよ」
「……はいっ」
俺は手短な言葉と、俺自身の行為で答えることにした。

さきに彼女のなかを俺自身の指で探って居たから分かっていた事であるが、
彼女の肉壁は、まるで男の身体で開発されきっていないように、きつく、複雑に俺自身を締め上げてくる。
その感触に心地よさを覚えながら、抵抗に抗うかのように、俺は肉樹をゆっくりと抽送する。
ぢゅっ、くちゅっ。
浴室を満たす互いの汗の香りに混じって、小鳥さんが零す蜜の放つ『オンナ』の香りが浴室に満ちてくる。
それに合わせ、抽挿する俺のシンボルに掛かる抵抗も心なしか少なくなってきた。
俺は、小鳥さんの肩を掴むと、俺自身を抜き差しする速度を速めた。

ぱぁん、ぱぁんっ。
腰と腰が重なる度に、肉と肉が打ち合う音が浴室に響き、
小鳥さんのきれいなボブヘアーが、子をなしていっそう豊満になったその双丘が、子を抱いたその腹部が、
俺の抽送に合わせて揺れた。
その光景が、ますます俺の興奮を高めていく。
後ろから掻き抱くように小鳥さんを抱きしめ、壁面に押し付けるようにすると、
彼女自身を抱きつぶすかのようにその双丘を抱き、強く腰を打ちつけた。

「あ、あなた、も、もう、わたし……」
整わない呼吸の中で、必死に小鳥さんは自分自身の絶頂が近い事を伝えてくれた。
その頬に軽く口づけをしてから。
「あぁ、そうだな……俺もそろそろ」
俺自身の限界が迫っていることを彼女に告げた。
「じゃあ、そろそろはなれないと」
「いや、このまま続ける。小鳥、君の中に出すよ」
小鳥さんの言葉に小さく首を横に振ると、俺はいっそう、抜き差しする俺自身の速度を速めた。
「いや、だって、そんなことしたらあかちゃんに」
いやいやと小さくかぶりを振る小鳥さん。でも俺はがっちりとその肩に腕を回し彼女を抱きしめていた。離れるつもりなんて、ない。
「大丈夫だよ、小鳥……このまま、行くよ」
そして俺のシンボルを深々と彼女の中に突き刺してから、俺と彼女は同時に達した。
「あぅ、ああぅあああ……」
小さく体を震わせる彼女を抱きしめ、その膣内に存分に精を吐き出すと、俺は彼女の中にあったペニスをゆっくりと抜き出した。
「おなかのあかちゃんに、かかっちゃうよぅ」
その小鳥さんの不安を示すかのように、ぷくぷくと小さく音を立てて、俺の精は彼女の蜜壺から零れ落ちた。


行為を終え、互いの身体に付いた汗や体液を洗い流してから、俺と小鳥さんはお湯の張られたバスタブへと体を沈めた。


向かい合って小鳥さんとバスタブに入っている。浴室の気温は湿度と俺たちの行為で暖まり、浴槽の湯だってしっかりと温まっているはずなのに、
心なしかうすら寒く感じるのは、俺に向けられた小鳥さんの視線のせいなのだろう。


「変態」
冷ややかな視線を向けたまま、冷徹な口調で小鳥さんはきっぱりと言い放った。
「いや、本当に返す言葉もない」
その言葉に、ただただ頭を下げるしかない。
きっ、とこちらを見据えて悪い子を叱る様に、小鳥さんは言う。
「いくらお腹の赤ちゃんに問題が無いと言われているからって、あんまりにも軽率に過ぎます」
「面目ない」
そう言って申し訳なさそうに頭を下げる俺。実際になかなかにひどい事をしたとは、自分でも判っていることだ。
「でもな」
俺は顔を上げると、真剣な面持ちで彼女を見据える。少しだけ小鳥さんの肩が震えた、気がした。
「母になった小鳥の姿を見たら、どうしても我慢できなかったんだ。それに、小鳥の事を女として愛してあげられなかった時間が余りにも長かったから……!」
一瞬きょとん、とした表情を浮かべて。そして小鳥さんはくすくすと笑いだした。
「もぅ……あなたの気持ち、しっかりと受け止めましたから。ただし、これからは今日みたいな真似じゃなくて、正々堂々として下さいね」
その包み込むような優しい笑顔に、この人を伴侶として選んで本当に良かったと心から感じたのだ。

ただ、一つだけ付言するとここまでお人よしな人が良くも悪い人に引っかからなかったなと、その偶然を感謝せずには
いられない気持ちになったものだ。
俺自身が悪い人かどうかは、ひとまず保留としておきたい。

(了)

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