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スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ

 OGシリーズの、何作目になるんでしょうか。とにかく、最新作です。多分、方々で言われているようなことしか書きません。

・ストーリーがほとんど進まない。
 今回ストーリーの中核になっているのはスパロボシリーズのうち「J」と「GC」ですが、本当にこの二作品と+αを扱っただけで終わります。散々批判された魔装機神シリーズの2作目(ROE)・3作目(POJ)と同じような極端に小さい刻み方です。スパロボ25周年というアニバーサリーイヤーに鳴り物入りで登場したOGシリーズの最新作なんだから、顔出しだけに終わった3次αを全面的に巻き込んでも良かったと思います。
 また、中核となった二作品のうち、Jはかなり優遇されており、原作ではスカスカだった設定やストーリーが補完されているのですが、GCの扱いはあっさりしすぎです。サリーとジークはあっさり味方になってしまうので地球側につくまでの葛藤みたいなものがないし、そもそも彼らのガディソードという勢力も宇宙人数万人の集団であって、すでにゾヴォークみたいなもっと大きな宇宙人や、宇宙そのものを滅ぼしかねない人外と戦っている身としては、話の規模がパワーダウンした感は否めません(これはこのタイミングでGCを扱う以上避けては通れない問題ですが)。
 ストーリーがあっさりしている結果、ステージ数も全47話と昨今の据置機スパロボとしては少なめのうえに、1話で済むような話を何話にも引き延ばしています。いずれも3話を費やしているガディソードやフューリーとの決戦マップは、1〜2話ぐらいにまとめられるはずです。

・シナリオが薄い
 このように引き延ばした話である結果、シナリオデモは薄く、テキストの分量も少ないです。話すことが、ないのでしょう。ボスとの戦闘前会話も、ラスボスですらほとんどありません。
 シナリオデモが少ない結果、面子は空気化している面々が多く、一番出てくるのがマイルズという今作初登場の堅物の軍人です。このおっさんは、味方の足を内部で引っ張るタイプの敵役かと思いきや、物語中に成長してしまいます。こんなおっさんにフィーチャーするぐらいなら、GCにもっと話を割いた方が良かっただろうと思う方は多いのではないでしょうか。

・難易度
 今作は高いと言われていますが、まあ、こんなもんでしょう。グランゾンはやっぱり強い。

 全体的には、もっとコンパクトにまとめられるので、実質的な分量はOG外伝と同程度です。フルで売るから、文句も言いたくなるのです。魔装機神の頃から同じことをやっているので、こういうことを続けているとシリーズが終わってしまう気がします。気をつけましょう。ただJだけは優遇されているので、Jや三人娘のファンはやっていいと思います。
 OGシリーズをやるたびに感じるのが、前作で強かったユニットが弱体化していることへの遣る瀬無さです。今作ではD勢がかなりの弱体化を喰らっています。次回作では今回強かったJ勢が弱体化するのでしょう。今作でさえ中盤は出撃枠が全然足りないので、今後OGシリーズを続けていくと登場キャラが多すぎるという事態になってしまう気がしますが、早めに何とかした方がいいと思います。
 次回はいよいよ3次αを完全再現してαシリーズを完結させるとともに、携帯機もWに止まらずKぐらいまで出して、クォヴレーとミストさんという2枚看板で売り出しましょう。そうしましょう。

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