高橋維新のページ

　2017年2月4日放映のめちゃイケを見た。

　TBSの「プロ野球戦力外通告　クビを宣告された男達」という番組のパロディ企画である。売れずにくすぶっている芸人たち（過去に売れていたが、今はそうでもない人も含む）を集めて「トライアウト」という名のネタ見せを行うわけだが、参加芸人の波田陽区及びあかつ（とその妻子）にパロディ元よろしく密着するのである。

　パロディは、漫然とマネをすればおもしろくなるというもんではない。何度も言っているが、本家本元のパロディはパロディ元を揶揄するものである。ただ昨今の日本のテレビバラエティにおけるパロディは、特に「揶揄」という意識がなく、何かを真似ることを笑いを生み出すための一つのギミックとしているだけのものが多い。めちゃイケのパロディも多くはそうである。

　今回の企画も、「プロ野球戦力外通告」をバカにする意図は特に見られなかった。ただ、これを真似ることで笑いが生まれていたわけでもなかった。むしろ、パロディ元を忠実に真似ることを意識し過ぎたのか、「感動」寄りの演出や編集が多すぎた印象である。波田陽区やあかつの妻子からも、出てくるのは「いい話」ばかりだった。

　笑い所になっていたのは、トライアウトに参加していた芸人たちのネタ（のうちおもしろい部分）と、それがスベったり失敗したりアクシデントが起きたりした場面である。笑いが生まれる構造が、ただのネタ番組と変わらなかったのである。

　めちゃイケがそれじゃあ、ダメだろう。