保管庫内検索
作品メニュー
作者別

スレ別

画像保管庫

キャラ別

編集練習用ページ

まだ必要なものあったら編集頼む
最近更新したページ
最新コメント
キャラ別 by 名無し(ID:5Lz/iDFVzA)
キャラ別 by 名無し(ID:cOMWEX4wOg)
キャラ別 by 物好きな狩人
キャラ別 by  
降りてこないリオレイア後編 by 名無し(ID:UKypyuipiw)
25-692 by 名無し(ID:PnVrvhiVSQ)
一角獣 by ケモナーかもしれない
誇り高き雌火竜 三 by ルフスキー
暴君と暴姫 by 名無し(ID:vg8DvEc9mg)
タグ
Wiki内検索
カテゴリー

Legendary Boyfriend

私は、一週間振りに訪れたその洞窟の前に立っていた。
ハンター達の狩り場である、テロス密林中央部に存在する他の巨大な洞窟群に比べると、
それは遙かに小さく、侘びしい物だ。
ここは一応テロス密林に含まれるのだが、一番目立つ湖畔のある所から三里ほども離れた所にある。
私は徐に指笛を吹く。
ハンターである私が、何故こんな寂れた所に居るのかというと・・

「・・・キュウルウゥ」
突然、洞窟の中からそんな鳴き声が聞こえたかと思えば、
体長が火竜の2倍以上はある、一頭の白い古龍が中から駆け出してくる。
その古龍は私の傍まで来ると、地面に身を伏せ、私に顎をすり寄せて来た。
「ふふっ、良い子ね」
私は、そう言ってその古龍の額を撫でてやる。
「クルル・・・」
目を細めて、その巨大な口から微かに漏らす唸り声は、最早猫撫で声に近かった。

ミラボレアス亜種・・・
この龍はそう言われる。
その中でも、人々からその存在自体が伝説と称される、祖龍と呼ばれる種だ。
そんな伝説の龍が、私にここまで懐いてしまったのには勿論理由がある。

2年前、私がポッケ村の村長から依頼を主に受けていた時に、
とある依頼を受けたのがきっかけだった。
古塔でのガブラス討伐・・・
依頼はそれ程難しくはないので、いつもの通りに完遂し、
キャンプへ帰路に付いていた時に見付けてしまったのだ。
崩れかけの建物のすぐ脇に、無造作に放置されていた白い球体。
初めは飛竜の卵かと思ったのだが、近くに寄ってみると何故かそれが特別な物に見えて仕方がなかった。
私は取り敢えず、高く売れると思ってその卵をキャンプに運んだ。
だが、キャンプまであと少しの所まで来て卵に異変が起きた。
卵が微かに動き始めたのだ。
私は思わず、その卵を地面に置いた。
すると、卵に亀裂が走り・・・

これが、この祖龍との出会いだった。
その後、生まれた幼龍は、私を親と勘違いしたのか、懐いてしまった訳である。
私は、懐いてしまった幼龍をむげに扱うことも出来ず、結局育てることにした。
1年前、流石に家で育てられなくなって、狩り場から遠く離れたこの洞窟に移した。
その後も、こうやって週に一度のペースでここに来て、この祖龍に会っている。

ちなみに、この祖龍の名前はサミンという。
「クルル・・・」
そう唸って、サミンがその場にゴロンと仰向けに転がる。
「・・・分かってるわよ」
私は苦笑しながら腕防具を取ると、サミンの真っ白で広い腹を優しく撫でてやる。
サミンはこうして腹を撫でられるのが小さい頃から大好きだった。

だが、最近この様なサミンの余りに無防備な姿を見ていると、
妙な疼きがが込み上げてくるようになった。
それが何なのかは分からない。
そんなことを考えていると、突然サミンが起き上がった。
今までは、私が呆れる程せがまれていた為に、
私はすっかり驚きに満ちた表情でサミンの顔をまじまじと見つめてしまった。
不意に、サミンの祖龍独特の紅眼と目が合う。
今まで何度も見てきた紅眼だというのに、何故か胸がとても熱くなる・・・
「クウゥン・・・」
いつの間にか、私の顔の目の前までその顔を近づけたサミンが発した子犬のような声ではっと我に返る。
サミンの息が微かに頬を撫でる。
心臓の鼓動がドクドクとどんどん増し、体が火照っていく。
まさか、これは・・・
サミンが更に顔を近づけ、その口先が私の唇にそっと触れた・・・

<続く>
2010年07月10日(土) 00:11:47 Modified by wktk2046




スマートフォン版で見る