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作者:名無し

 とある術師による破械隻王神ライゴウを用いた試みは失敗に終わった。
 ライゴウは式神と童子たちに別たれ、再び眠りについたのだ。

 だが、かの高名な術師がただ一度の挫折だけで諦めるはずがない。

 その憎悪は現代で再び密かに胎動しつつあった。



「ごちそーさま、おーにさん」
「おそまつさまでした。美味しそうに食べてもらえると作った甲斐があるよ」

 豊かな青髪をサイドテールに結った少女は空になった茶碗を置いて満足そうに笑う。
 そんな彼女を見て青年もまた嬉しそうに微笑んだ。

「それじゃあ……ラキアちゃん、こっちこっち」

 彼は胡坐をかくように座る自らの脚をポンポンと叩く。
 破械童子ラキアは言われた通り、ミニテーブルの向かい側にいる青年の脚の上に腰かけた。

「いつも思うんだけど、重くないの?」
「初めて会ったときみたいにいっぱい色々付けてたらさすがに無理だけど、ラキアちゃん自身だけなら平気だよ」

 青年とラキアの出会いは少し前のことだ。
 ある月が綺麗な夜、青年がワンルームマンションの敷地内で彼女が行き倒れているのを発見したのだ。
 そのときのラキアと言えば、全身の至るところを金属で拘束された薄手の服の少女である。
 控え目に言ってもただ事ではなかったが、彼は見て見ぬ振りをすることもできず、ひっそり保護した。
 それ以来、こうやって彼女に衣食住を提供している。

「ふぅん、それならアタシはいいんだけど」
「それじゃあ、いいかな?」

 ラキアは頷くように首を傾け、青年の眼前に自らの項を晒す。
 それを肯定と受け取った彼はラキアの項に顔を埋め、その匂いを堪能するかのように深呼吸し始める。
 そして、両手を背中から回すと彼女のおっぱいを包み込むように握り、ふにふにと揉み始めた。

「こんなのが楽しいなんて……おにーさんは変わってんね」

「はぁ……はぁ、そうかな? 男なら嫌いな人なんていないと思うけど」

 ラキアちゃんの涼やかで透き通るような匂いを心ゆくまで堪能できて、手に収まるくらいのサイズの柔らかおっぱいも服越しに味わえるのだ。それが嫌いな男なんているはずがない!
 そんな青年の熱意とは裏腹に、ラキアは特に興味もなさそうに身じろぎ一つせずされるがままだ。

 最初は確かに根からの善意だったのだ。
 それでも日が経つに連れて深まる青年からラキアへの愛情、そして彼の少女趣味、何より童貞の理性が女の子と同棲しながらいつまでも保っていられるはずもなかった。
 衣食住を提供しているという言い訳の下に青年からラキアへの「お願い」は日に日に直接的になりつつあった。
 もっともラキアは青年の行動の意味をよく分かってないのか、いつもされるがままなのだが。

「はぁはぁ……はぁ、ラキアちゃん。ラキアちゃん……っ!」
「……っっ」

 青年はパンツの中で痛いくらいに勃起したモノをラキアの小ぶりな尻に押しつける。
 その熱さと硬さにラキアが身体を僅かに震わせているのを他所に、青年は尻の割れ目に沿って肉棒を上下に動かし始めた。
 ぎこちない擦りつけるようなヘコヘコとした動きだが本能的なそれだからこそ、昂りを一気にかけ上げる。

 青年の視界が白ずむように弾け、パンツの中で肉棒が膨れ上がって白濁液を吐き出した。
 圧倒的な虚脱感に襲われ、彼はラキアに抱きつくようにもたれかかる。

「おにーさん、どしたの?」
「ははっ、ちょっと疲れちゃってね。もう少しだけこのままでもいいかな?」

「よく分かんないけど……、おつかれ」

 ラキアは手を伸ばして青年の頭をポンポンと叩く。

(こんな僕にも変わらず優しくしてくれるなんて、ラキアちゃんは天使だな)

 青年は撫でられながらボンヤリとそんなことを思っていた。



 何故かは不明だが、ラキアは入浴するのが苦手だ。
 元々あまり入りたがらない性質なのか、青年の言うことは大体素直に聞いてくれる彼女もこれだけは常に消極的だった。
 だから、いままでは犬猫と一緒だと念仏のように必死に言い聞かせながら青年が彼女を無理やり入浴させていた。
 しかし、ラキアの身体をオカズにしながら達するのを経験したいま、彼の中には新たな「お願い」が芽生えていた。

「ラキアちゃん、熱くない?」
「うぅ〜、平気…」

 ロングヘアに髪を解いたラキアは体内に溜まった熱を逃がすかのように息を吐く。
 薄っすらと目を細めてのほほんとしている姿は本当に犬や猫かのようだ。

 夕食後の触れ合いを終えてからしばらく、二人は一糸まとわぬ姿で湯船に浸かっていた。

 実を言えば青年はラキアちゃんと入浴するというだけで口から心臓が飛び出そうなくらい緊張していたのだが、自らが抱いた「お願い」を結実するためにはここで怯んでいるわけにはいかなかった。
 それはそれとして、やっぱり吐きそうなくらい緊張はしているのだが。

「そういえば、ラキアちゃん。今度、外食に行かない?」
「……外食?」

 ラキアが首を傾げる。
 どうやら外食という言葉の意味が分かっていないようだった。

「う〜ん……、もっと美味しいご飯を食べに行くみたいな?」
「おにーさんのより美味しい?」

 彼女は聞き返しながら先ほど以上に首を傾げる。
 そう思ってくれるのが嬉しくて、青年の口元は自然と緩んでいた。

「疑問に思ってくれるのは嬉しいけど、僕のは所詮なんちゃって料理だからね。世の中には美味しい料理なんてたくさんあるよ」
「そなんだね。うーん……、行く!」

 テンション高く答えてくれるラキアは本当に幼い子どもかのようだ。
 愛おしく思う気持ちが溢れていたが、青年の「お願い」はここからだった。

 彼は湯船から立ち上がると、ラキアの前に下半身を見せつけるように晒す。
 肉棒はすでに反るように屹立していて、その先端からは先ほど射精したばかりなのにまた先走り汁が溢れ出ていた。

「それじゃあ、その前に……ラキアちゃんにこれをしゃぶって欲しいんだ」
「これを……?」

 キョトンとした反応のラキアを前に青年の心は早くも挫けそうになるが、ここまでやってしまった以上あとへ引くことは許されない。
 羞恥心を克己するように、むしろグイっと彼女の前に腰を突き出す。

「そ、そう。上手にしゃぶることができたらお外でご飯を食べれるよ」
「じゃあ、分かった。けど、どうやればいいの?」
「歯を立てないように咥えてくれれば大丈夫だよ」

 彼女の歯は鋭いので、そのままガブリと噛まれたら千切れる可能性が決してあり得なくはなさそうだった。

 ラキアはこくりと頷くと口を大きく開いて、青年の肉棒をかぷっと咥えた。
 しかし、その後どうすればいいのか分からないようで、困ったかのように上目遣いで彼を見る。
 それだけでも半端なく可愛くて気を抜いたら射精してしまいそうなのだが、青年は何とか平静を装って答える。

「あぁ……、えっと、そのまま顔をゆっくり前後に動かしてくればば大丈夫だよ」
「んっ……、ちゅぷ、ぬぷぅ♡ ちゃぷ、じゅぷぅ……♡」

 彼女はゆっくりと顔を前後に動かし始める。
 その動きは拙く、加えられた肉棒が時折頬の裏側に当たってしまっていた。
 だが、青年にとってはラキアちゃんが精いっぱいご奉仕してくれているだけで、夢のような心地だった。

「あ……あぁっ、ラキアちゃん……射精る、射精るから……っ!!」

 全身を支配する熱が一点に収斂するのを感じ、青年は反射的に腰を引く。

 きゅぽんと音を立ててラキアの口から肉棒が解放された直後だった。
 青年のそれは大きく膨れ上がり、先端から白濁液が勢いよく吐き出される。その勢いのまま、突然の事態に困惑している彼女を汚すかのように降り注ぐ。
 しばらくして射精が落ち着いたころには、ラキアの髪や顔、上半身は彼の精に塗れていた。

「くんくん……っ、これ……おにーさんの臭いがする」

 興味を持ったのか、ラキアは顔についた白濁液を指で掬うとそのまま口に含む。

「これが……おにーさんの味……」

 ラキアはその味に酔いしれたかのように、うっとりと呟く。

「あっ、あわわわわっ。ごごごごごご、ごめん。ラキアちゃん。いまっ、いますぐ流すから……っ」

 男の願望を具現化したかのような光景に青年は一瞬見惚れていたが、自分が引き起こした惨状を思い出して顔面蒼白に陥りながら、大慌てで近くのシャワーに手を伸ばす。

 一方のラキアは彼の愉快な慌てぶりを見て楽しそうにケラケラと笑っていた。


 その後、青年は内心自己嫌悪に塗れながらラキアを外食に連れて行ったのだが、彼女が幸せそうにご飯を食べる様を見て彼自身もまた満ち足りた気持ちになったのだとか。


後日談:もっとお願いラキアちゃん

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