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軍貫マン
「これ、マスターのですよね」

 ハイネはヴェールに写真を見せる

 「ありがとう。見つからなくて困ってたのよ」

 これはヴェールがマギストスとして活動していた頃のものだ

 「ふふっ、懐かしいわね」

 ヴェールは写真を眺めながら微笑む

 「マスター、この男の子ことなんですけど……」

 ハイネは顔を赤らめながら写真に写る小柄な少年を指差す

 「ああ、この子はね……」

 ヴェールが答えようとするとギルドに訪問者が現れる

 「お久しぶりですね」

 「クロウリー!…じゃなかったアレイスターだっけ?ホント久しぶりね」

 その人物はハイネが指差した写真の少年によく似ていた

 「ハイネが会うのははじめてだったわね。さっきの写真の子はこの子よ。随分と大きくなってるでしょ?時の流れって感じよね」

 「あなたの場合は逆行してますね」

 笑い合う二人は気づいていなかった

 ハイネの表情が曇っていることに

 それからしばらくして…

 「ねぇジェニー、最近のハイネって変よね」

 「マスターもそう思いますか」

 ヴェールとジェニーは顔を見合わせる

 「「これは恋人の気配」」

 二人の考えは一致していた

 「そうよね!そうよね!最近のハイネは仕事の終わり頃になるといつも挙動不審でソワソワしてるもの!」

 「わかります!エーデルたちが恋バナしてるときとかあからさまに動揺してますもんね!」

 ハイネの恋人、それは二人にとってハイネをイジる最高のネタである、興味を持たないはずがない

 「じゃあ調べてやりましょう」

 後日

 ジェニーは有給をヴェールはサボりすぎて使えないので無断でギルドの仕事をサボり、ハイネの自宅に侵入する

 「マスター、流石にプライバシーの侵害では?」

 「じゃあ、あなたはなんで一緒なのかしら?」

 「それはそれとして知りたいからですよ」

 見た目こそ対象的な二人だが本質的には似ているようだ

 「まぁいいじゃない。どうせバレやしないんだし」

 「それもそうですね」

 二人は他人の家に不法侵入しながら会話を続ける

 「それでどこを調べるのかしら?」

 「彼氏彼女と言えばやはり寝室でしょう」

 「確かに、定番中の定番よね」

 ヴェールとジェニーは寝室に入った瞬間驚きの声をあげる

 「ゴーレム!……って驚かさないでよ。動いてないじゃない」

 ゴーレムとはギルドが誇る魔法工芸の最高傑作であり自立して動く人形のことである

 ギルドで服飾と仕立てに携わるハイネはゴーレムのデザインも担当している

 「そう言えばハイネってなにかこっそり作ってる感じだったけど、ゴーレムだったのね」

 「マスター、このゴーレム可愛すぎませんか」

 そのゴーレムは子供の体型で顔はアルル以上に精巧作らておりかえって人間味をかんじないほどだ

 「ハイネって結構凝り性だけどなんというか凄まじいわね」

 「なんで、子供なんでしょうね。戦わせるのに抵抗がありませんか?」

 「となると考えられそうなのは……子供の姿の方が色々と都合が良いってところかしら?」

 ヴェールがそういうと、ジェニーがなにやら思いついたようだ

 「もしかして身寄りのない親に向けた商品なのではないでしょうか。それならば容姿にも納得がいきます」

 ジェニーの推測にヴェールはニヤリと笑う

 「甘いわねジェニー。それはないわ、だとすればあの子はちゃんと私たちに伝えるはずだもの。だからこれはもっと後ろめたい理由ね」

 「流石です。マスターが言うと説得力があります」

 「それ褒めてないわよね」

 ヴェールが口を尖らせる

 「恐らくだけどこれは親子プレイよ」

 「親子プレイ?」

 ジェニーは首をかしげる

 「そうよ。ハイネは子供好き、恐らくいるであろう彼氏も子供が好きなのよ。でもハイネって怖がりだからきっと彼氏とはまだ手を繋いだくらいの関係なのよ。そんな時に少年のゴーレムという存在が現れたら……」

 「ハイネ、彼氏、ゴーレムの疑似家族が完成する」

 ヴェールの妄想にジェニーも引き込まれる

 「まあ、ただの妄想だけど、だからちゃんと証拠を掴まないと」

 そういってヴェールはゴーレムに何かを仕込む

 「ゴーレムに録画と配信機能を付けてやったわ。これで夜のハイネを丸裸にしてやるのよ」

 「マスター、私も協力します」

 二人は悪巧みをしながら帰って行った

 その日の夜

 ガチャリ

 「帰ってきたわね」

 「ですね」

 ヴェールとジェニーはモニター越しに様子をうかがう

 「あっ、ハイネが来たわ…男はいないか」

 「ですがゴーレムを起動したようです」

 ハイネはゴーレムを見つめている

 「これはテストプレイ、これはテストプレイ。なにもおかしくない、なにもおかしくない」

 ハイネは自分に言い聞かせるように何かを呟く

 ヴェールとジェニーはその異様な光景に言葉が出なかった

 だがそこからの様子は普段のオドオドとした姿とは打って変わってどこか艶っぽい

 「ゴーレムくん、いい子にしてましたか?ふふっ、いま着替えるので少し待っていてください」

 するとハイネはゴーレムの死角に隠れて服を脱ぎ始める

「ちょっとマスター、これすごく嫌な予感がするのですが」

 「落ち着きなさい。まだ始まったばかりよ」

 そう言ってヴェールは動画を見続ける

 「どうですかゴーレムくん?似合ってますか」

 ゴーレムは命令を聞くことはできるが言葉を発することはできない

 「なっ!」

 「えっ…」

 ヴェールとジェニーは絶句した

 恐らくハイネが自作したであろう下着は布面積が極めて少なく、もはや下着としての意味を成していない

 豊満な乳房や肉付きの良い太もも、さらには尻まで露出している

 中途半端に隠されていることでかえって全裸以上に扇情的だ

 そして何よりハイネのボディラインがくっきりと浮き出ている

 つまりハイネの身体の凹凸を際立たせるデザインなのだ

 ハイネは恥ずかしそうに顔を赤らめる

 「ゴーレムくんはこんなエッチなお姉さんは嫌い?」

 自身の身体をこれでもかと見せつけるようなポーズをとる

 命令で動くゴーレムではなく、人間であれば鼻血を出して倒れていただろう

 「おかしいと思っていたのよ。確かにハイネは怖がりだけど、可愛いし、スタイル抜群だからモテないはずがないのに、これまでそれらしき気配がなかった」

 「マスター、これはどう考えても……」

 ヴェールとジェニーは口を合わせる

 「「ハイネはショタコン」」

 それしその事実はヴェールのなかでハイネのすべてが繋がった

 「発端はあの写真、ショタコンのハイネはあれに写るクロウリーに恋をした、でもそれは叶わなかっただって彼はもう大人だから。たとえ結ばれても時の流れには逆らえない」

 ジェニーはじゃあお前はなんなんだと思ったが空気を読んで黙った

 「つまり…だから年を取らない子供のゴーレムを作った」

 「だから、だからハイネはあんなことをしてたのね」

 ヴェールとジェニーに見られていることを知らないハイネはゴーレムとの蜜月を過ごす

「ちゅっ……んむぅ……じゅる……ぷはぁ、んっ……ごめんね、今日はマスターとジェニーさんがいないくて忙しかったから……寂しい思いさせちゃったね」

 ハイネはゴーレムを抱きしめながらキスをする

 ハイネはもとからこんな倒錯的な恋愛をしたかったわけではない

 だが時が経ち積もり積った欲求不満は人ならざる永遠の少年に向けられる

 「ゴーレムくん、触って」

 ゴーレムは指示通りにハイネの胸に触れる、するとハイネは嬉しそうな表情を見せる

 「あっ、うん、気持ち良いよ。そのまま続けて」

 ゴーレムに意思はない

 だがハイネが多くの経験を積むことでその指示は次第に的確に急所を突くものになる

 それはまるでなにも知らない少年を自分色に染め上げるような背徳感と興奮を生み出す

 「はぁはぁ、そこぉ、もっと強く揉んでぇ」

 ハイネは快楽に身を委ねる

 「現実の相手では満たせない欲求を魔法工芸で発散する……ある意味では健全と言えるのかしら」

 「そうですね。なにが好きかは人それぞれですし」

 二人は複雑な心境でモニターを見る

 ハイネの行為はエスカレートしていく

 「ゴーレムくん、こっちもお願い」

 ハイネは自身の秘部に指を差しゴーレムに触れるよう指示をするゴーレムは言われた通りに従う

 「あんっ、いいよ。ゴーレムくん上手だよ」

 ゴーレムは器用にハイネの陰核を刺激する

 それはこれまでのハイネが行っていた自慰の比ではなくハイネを絶頂へと導く

 「ああ、イクッ、イッくううう!!!」

 ハイネは盛大に潮を吹き出し果てる

 「ふふっ、ゴーレムくん、次は私のここに入れてみて」

 ハイネは仰向けになり脚を開くとゴーレムに挿入するように促す

 「うわあ……エグっ」

 ヴェールはゴーレムの男性器のような突起物を見て言葉を失う

 少年の顔立ちに似つかわしくないその禍々しいモノはハイネの欲望を満たすためだけに生み出されたことを物語っており、ハイネはそれをうっとりとした表情で見つめている

 「でも興奮しませんか?あのハイネが心の奥底ではあれでガンガン攻めて欲しいと思っているんですよ。ハイネが肉欲に溺れてるってギャップがいいです」

 テンションが上がっているのかジェニーの鼻息が荒い

 「ジェニー、あなたって結構マニアックなのね」

 「マスターは違うんですか?」

 「こっちとしてはハイネはビービー泣きながらも優しく彼氏に抱かれる方がそそるわ。最後はデロデロに甘える感じで」

 ヴェールとジェニーは身勝手に恋人としてのハイネ像を語る

 「ゴーレムくん、来て」

 ハイネの言葉に反応しゴーレムの突起物がハイネを貫く

 「ああっ!入ってきた。ゴーレムくんのおちんちんきたよお」

 ゴーレムはピストンを開始する

 外観は少年であるがゴーレムなだけあって腰の動きは力強く激しい

 「ああっ…すごいっ、ゴーレムくん、ゴーレムくん」

 ハイネは快感に身を悶えさせる

 170を超える長身のハイネが小柄なゴーレムに蹂躙される姿はひどく背徳的だだ

 「いやあ…だめぇ、そんなに激しくされたら壊れちゃう」

 ハイネは抵抗するが、ゴーレムは容赦なく責め立てる

 「あれっ?ゴーレムってそういうを反応したら止まるはずでは?」

 ジェニーは疑問符を浮かべる

 ゴーレムは命令者の不足の事態に備えてある程度のセーフティーが備わっている

 「まさか弄ったとか?」

 ヴェールの推測は当たっており、ハイネは本質的には責められるのが好きなマゾヒストだ

 だがゴーレムは忠実すぎるあまりに少しでも否定の言葉があれば、即座に行為を止めるようにプログラムされている

 そのためハイネは改造を施し、いやだ、ダメ、やめて、といった発言はすべて「続けてほしい」として受け取るようにしたのだ

 「ああっ、そんな、動いたら…壊れちゃう」

 当然ゴーレムはハイネにお構いなしで動く

 このゴーレムは一度行為を始めればハイネが言葉を発することができなくなるまで決して止まることはしない

 「んぐっ、うっ、ああっ」

 ハイネは身体を痙攣させながら快楽を受け入れる

 「むぐっ、イクッ、イっちゃいます」

 ハイネは絶頂を迎える

 「ああっ、ゴーレムくん、ゴーレムくん、もっとお」

 ハイネは息を切らしながらさらなる快楽を求めて言葉を紡ぎ続ける

 「……なんか凄いわね」

 「……はい」

 ヴェールとジェニーはモニターから目を離せず食い入るように見ていた

 「はぁ、はぁ、ゴーレムくん、ゴーレムくん、大好きぃ」

 ハイネは何度もゴーレムの名前を呼ぶ

 その度にゴーレムは無慈悲に突起物を奥深くへ打ち付ける

 「ああっ、またイクッ、イクゥウ!」

 ハイネは再び絶頂を迎え意識を失いかける

 「はあ、はあ、まだ足りないよぉ。もっと、もっともっと欲しいよお」

 ゴーレムになすがままにされ、涙を流しながらも悦びの表情を見せる

 たとえ命令に従っているだけでも心の飢を満たしてくれるゴーレムにハイネは歓喜した

 「ゴーレムくん、ゴーレムくぅうん」

 ゴーレムの動きは一層激しくなりハイネを快楽の奈落へと突き落とす

 「あっ、あああ!イク、イッくううううう!!」

 ハイネの秘部から大量の愛液が流れ出る

 そのあまりの衝撃にハイネは意識を手放してしまう

 それに合わせてゴーレムはようやく動きを止めた

 あれほど激しく交わっていた空間から一変してモニター越しでもハイネの呼吸音と心臓の鼓動が聞こえてきそうなほど室内は静寂に包まれる

 「……終わりましたね」

 「そうね」

 二人は沈黙を破ることなくモニターの電源を 落とした

後日

 「これから新しいゴーレムの開発にとりかかるわよ。精神的搾取…じゃなかった、コミュニケーションに特化させたゴーレムを作るのよ」

 「あの、マスター、言い直しても意味はあまり変わってない気がするのですが……」

 「細かいこと気にしてたらハゲるわよ」

 「えぇ……」

 ハイネはヴェールに圧倒されていた

「まずは喋れるように改良を加えるわ」

 ヴェールは拳を握りしめる

 (ゴーレムくんが喋る?つまり私と会話が…それはホントに恋人同士みたいに…)

 (フフッ、ゴーレムが喋りだしたらハイネはどんな顔をするのかしら。楽しみだわ)

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