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視察も兼ねてドラグマの外に出掛けたフルルドリス。陽が落ちて星空に月が浮かぶ頃、一軒の宿屋に入る。
酒場も兼ねているようで、入店したフルルドリスに気付いた何人かの酔っ払いの視線が向く。
彼女はその視線を無視し、酒と煙草の臭いが漂う店内を見回す。
カウンター席に座る1人の獣人女性を見つけると、真っ直ぐそちらへ歩きだした。
声をかけようとする酔っ払いを睨んで黙らせ、目的の席へ辿り着く。
桃色の毛並み、背中から見ても分かる引き締まった身体。今夜は彼女に付き合ってもらおうと決めた。

「レディ、隣に座っても?」

女性はフルルドリススの顔を見上げて笑う。

「私、レディって言われたの初めてよ。良いわ、座って」

「では失礼して……マスター、ミルクをお願いします」

「飲まないの?」

「悪酔い防止です」

椅子に座ると同時にミルクがカウンターに置かれ、フルルドリスはそれを少しずつ飲み始めた。

「フェリジットも少しはこの姉さんを見習え。何杯飲んでやがる」

「はー?ちゃんと代金払ってるから問題ないでしょ!」

マスターとの会話で聞くつもりのなかったフェリジットの名前を知ったフルルドリスは固まった。

(徒花のフェリジット……)

ドラグマと争う鉄獣戦線の幹部と出くわすと思ってなかった彼女はこの情報をどう処理するか一瞬悩む。

(今日は公務ではありませんし、ただのフェリジットさんという事で……)

教導の騎士たる使命と自らの欲望を天秤にかけ、欲望が勝ったのを見届けて酒を注文する。

「フェリジットさんのおすすめは?」

「呼び捨てで良いわよ。マスター、私と同じやつ出してあげて!」

それから2人は飲みながら話をする。
荒らされる上司の家庭菜園、アプローチしてもまるで分かってない朴念仁の同僚、お互いの妹……
そうやって話していると、2人の前に水の入ったコップが置かれる。

「御二方、そろそろ店仕舞いだ。上がるか帰るか選んでくれ」

「そ。じゃあ……」

「一緒に上がりませんか?」

マスターの言葉を聞いてフェリジットを誘うフルルドリス。

「良いわよ」

2人で部屋代を割り勘して立ち上がった。

「あれだけ話したのに名前聞いてなかったわね」

「では、ルルワリスとお呼びください」

階段を上がりながら偽名を名乗るフルルドリス。
フェリジットがドアの鍵を開け、2人は部屋に入る。

「ルルワリス、こっちに来てくれる?」

荷物を備え付けのテーブルに置き、ベッドに座るフェリジットはフルルドリスを呼ぶ。

「はい、どうしました……」

フェリジットはフルルドリスの腕を取ると、引っ張った勢いでベッドに座る。彼女は挑発するように笑い、その手を掴むと自分の胸を触らせた。

「どの辺りから気付きました?」

「んっ……私の側に来た辺りからね、身体見られるのって案外分かるのよ?」

「不快にさせてしまったなら申し訳ないです」

「別に……っ、良いわよ。ただ珍しいなって思っただけだから」

片手で胸を愛撫し、もう片方の手で尻尾の付け根を触りながら身体を抱き寄せるフルドリリス。

「あまり褒められた趣味ではありませんので……」

「でもやめられない、って顔してるわ」

「そうでしょうね」

右手を胸から離し、フェリジットの口先へ指を運ぶ。

「ん、ちゅっ……」

彼女の舌がフルルドリスの指に絡み、唾液を付けて濡らしていく。

「ルルワリス……」

「何ですか?」

「優しく、ね?」

フェリジットは脚を開くと、服を引っ張り下着を晒す。

「はい」

フルルドリスは左手で彼女の腰を更に抱き寄せ、手をその中へ入れる。

「ぅんっ……」

「敏感なのですね」

指先で優しく秘裂をなぞると下着がじんわりと濡れていくのを感じながら、フェリジットに声をかける。

「焦らさないでよ」

「もっと激しい方がお好みですか?」

指を中に入れ、膣壁を擦るように愛撫する。

「そう、ね……っ!」

徐々に強くなる快感に声を漏らすフェリジット。
指を動かし続け、反応が強くなる一点を見つけるとそこを重点的に刺激する。

「やっ……そんなにされたら、ぁっ」

フェリジットはフルルドリスに抱きつき、身体を震えさせる。

「イキそうですか?」

「え、ええ……」

フルルドリスが更に愛撫を続けると彼女は一際大きく痙攣し脱力する。
指を抜いて身体を離すと自分の服を脱いで裸になる。

「随分と遊び慣れてるのね?」

「そんなことはありませんよ」

「ふーん?」

同じように裸になっていたフェリジットはフルルドリスの脚の間に手を伸ばして秘裂を擦る。

「こんなにして説得力ないわよ」

「それなら、貴女が鎮めてくれますか?」

「良いわ、やられっぱなしは趣味じゃないの」

フェリジットの指が秘裂に侵入し、水音を立てる。
自分のものではない指の動きに興奮しながら愛撫を受け入れる。

「ん……はぁ……っ」

「こんなに濡らして……そんなに期待してるの?」

「そうですね」

フルルドリスは彼女の秘裂へ再び指を入れて答える。互いの中に入った指は蠢き、刺激を与え続けている。

「んぁっ……!ちょっと、私の番でしょ……!」

「やっぱりしてもらうよりはする方が好きですので」

「そ、そう……んんっ!」

「気持ち良いですか?」

「聞かなくて良いわよ……!」

2人の責め合いは言葉を交える度に激しさを増していく。フェリジットは絶頂が近い事を感じ取り、フルルドリスの首筋に顔を埋める。

「フェリジット?」

「大丈夫……もう我慢出来ないから……」

「ふふ……良いですよ。私も……」

互いに激しくなる動きに耐えながら指を動かしていく。

「んぁっ!ルルワリスぅ……!」

「フェリジット……っ!」

互いに名前を呼び、身体を震わせて達する。指をゆっくりと引き抜くとフルルドリスはフェリジットの顎を片手で持ち上げ、唇を奪う。

「ん……」

「ちょ……んぅ……」

「ん……ちゅ……」

軽く唇が触れるキスを繰り返し、息を整える。
やがて呼吸が落ち着くと、今度はフルルドリスが舌を口内に侵入させる。

「んむ……ちゅる……」

彼女はそれに応えて舌を絡め、身体を擦り寄せる。

「ちゅぷ……はぁ……」

口を離すと唾液の糸が引き、切れて落ちる。

「ちょっと、スイッチ入っちゃったかも……」

「私は構いませんよ、満足するまで付き合いましょう」

「言ったわね……?」

フルルドリスを見つめる金色の目は妖しい光を秘めていた。

「女にも二言はありませんよ」

その視線をものともせずフルルドリスはフェリジットを押し倒す。

「へぇ、楽しめるかしら?」

彼女はベッドに倒れると、挑発するように脚を開く。

「勿論、誠意を込めて奉仕します」

愛液の垂れるフェリジットの秘裂に指を入れると中を優しく刺激する。

「んっ……ちょっと、朝になっちゃうわよ」

もどかしい、と言わんばかりの態度を取る彼女の余裕は次の瞬間に崩れ去る。

「ええ、この感じなら……」

入れる指を増やして反応が強くなる一点を責め、淫核に吸い付く。

「ん、にゃぁ!?」

「ん……じゅるっ……」

「あっ、これっ……!」

フルルドリスは彼女の跳ねる腰に食いついて更に刺激していく。その度に水音がいやらしく響き、嬌声が上がる。

「だめっ、もうっ……!」

トドメと言わんばかりに膣内の弱点を押し上げ、淫核を舌で転がすと大きく腰を跳ね上げ絶頂するフェリジット。
動けない彼女の身体を起こし、背後に回って背中を預けさせる。


「まだまだ足りませんよね?」

「ちょっと、まって……」

「でしたら、これを綺麗にしている間は休憩時間にしましょうか」

愛液に濡れた指を差し出すと躊躇うことなくそれを口に含むフェリジット。

「まぁ、嘘なんですが」

「んむぅ!?」

もう片方の手で胸を優しく掴み、その隙に指を引き抜く。

「この辺りはどうでしょうか」

そのまま胸を揉み、ピンと張った乳首を指の腹で潰す。

「ん、やぁっ……!」

彼女の身体が震え、息が荒くなる。
上がる声は意味を持たず、それがフルルドリスの心に火を付けていく。

「もっと、もっと……貴方の声を聞かせて下さいね」

「やぁ……イきたく、ないっ……」

弱々しく首を振るフェリジット。

「駄目ですよ、満足してもらうまで奉仕しますから」

「んぁあっ!」

空いていた片手で淫核に触れる。
摘まれ、転がされ、その度に彼女の腰が跳ねる。

「やだぁっ!あっ……!」

「嫌、なんてことはないでしょう」

指は動き続け、フェリジットの身体は絶えず快感に震える。

「いゃっ!ん、イくっ……!!」

「どうぞ」

淫核と乳首を強く摘まれるとフェリジットの身体が大きく跳ねる。それと同時にぷしゃ、と潮を噴き出した。

「ぁ……は……」

「気持ち良かったですか?」

「ん……」

小さく首を縦に振る彼女の頭を撫でると頬にキスをして微笑むフルルドリス。

「ご満足頂けて何よりです」

「ほんと、遊び慣れてるのね」

「私はただ、夜を共にするのなら楽しんで欲しいと思っているだけです」

フェリジットの身体を優しく抱きしめると、彼女は目を閉じる。

「とんだ火遊びになったわ……」

「でも、楽しかったでしょう?」

「ふふ……そうね」

「おやすみなさい」

「……ええ、おやすみなさい」

2人はそのまま朝まで眠り続けた。

翌朝、フルルドリスは目を覚ますと寝息を立てるフェリジットを起こさないようにベッドから抜け出す。

「ちょっと、置いていく気?」

「起こしてしまいしましたか」

身支度をしながら振り返ると、不満気な金色の瞳と視線が合う。

「もう少し付き合ってくれても良いんじゃない?」

「申し訳ありません、私は深入りしない主義でして」

「そう……じゃあ、良いわ」

彼女はもう一度ベッドに倒れ、布団を被りなおす。

「では、お元気で」

「ええ、戦場で会わない事を祈ってるわ」

どうやら騎士なのはバレていたようだ、フルルドリスは小さく笑うと部屋の扉を開けて宿屋を去った。
今度はどんなヒトと会えるだろうか、そんな事を考えながらドラグマへと帰るのであった。

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