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ここは戦刀姫の為の格納庫、ここでは戦刀姫……レイの為だけの装備やバックアップの為の作られた彼女専用の休憩所でありカタパルト。そんな中でその中心となっているレイの顔は絶望を浮かべていた



 「……レイ、本当にごめんね。私達も断ったんだけど流石に今季からの予算全部カットなんて言われたら……」



 「……もう、それに関してはどうしようもないので諦めましたが……本当にこんなのをわたしが着るんですか!こんな!!胸丸出しで!!!ち、乳首を強調した!!!!牛柄の変態スーツを!!!!!」



 レイが顔を真っ赤にして指さした先にあるのは角型の大型アンテナを装備したカチューシャに背中にハヤテ以上の大型ブースターとカイナを大型化させた様な脚部に左右に設置された大型シールドまではいいのだが……胴体部分が牛柄にペイントされたカガリの様な全体装備に胸部丸出しで乳首に当たる部分にだけ棘上のリングが設置された新型の戦刀姫スーツなのであった。オマケのメイン武装は銛の様なトライデントだ



 「上の変態達が何を考えてるのか分かりたくないけど、こんなんでもカガリ以上の火力があって、ハヤテ以上の突破力、シズク並みの防御力があるのよ……まさに見た目を除けば戦刀姫の集大成なのよ。」



 「その見た目が大問題なんですよ!!!」



 バン!っと渡された電子資料を叩きつけながらレイの怒髪天は続く。



 スポンサーからの要望であるならば答えるのは分かるがこんなのを作って渡して着て戦え何て言われたらその要望者のビルにハヤテでもぶちこみたくなるもの。しかし、そんな事をすればただでさえ列強に押されているこちらの首を絞めて戦況を悪化させるのは目に見えている……着て戦うしか道がないがそれでもこんなをの着て戦いかえる者など頭のイカレタ奴かそっち方面の趣味がある痴女と言われる者しか出来ないだろう。まだ10代のレイにとっては耐えがたいモノだった



 しかし、資料内容を見た限り性能は間違いなくいいそれが分かってしまったのがまた頭を痛ませる。本当に上がこちらの状況を分析して必要な物に自身の欲望を混ぜ合わせて作った品物だ、最近現れた自身によく似た少女を全裸の状態で中心部分に貼り付けにした黒いアンノウンの出現で進行が遅々として進まずにいた為、この今まで以上の性能を持つこの、この……ホルスタインドレスはまさに解決の切り札になるものなのだ



 (癪です、本当に癪ですが……上に宣告していた強化装備が出来たのはありがたいんですよ。カガリの火力もダメだったハヤテの狙撃もあのフィールドで無効化されてあっちも追いつけなく千日手、カイナでの近接戦闘は直観的にアレと組みあうと不味い気配がしたのでなしでしたから。これなら、数値上のスペック通りならアレを……)



 「……レイ、流石に私達もあなたにこんな格好で戦わせる訳にはいかないわ。だからこれは「着ます。装備のシークエンスをお願いします…」えぇ!!!れ、レイ!」



 慌てる彼女の制止にレイは大きくため息を一つ付いて、諦めた顔をしながら



 「あの黒いアンノウンに対抗するにはスペック上これが最適ですからね、わたしが我慢すればみんなの仕事は続きますし、これを着ないで負けたら本当にそこで終わっちゃうし、だからコレを着ます」



 「……ごめんね、レイ。貴女にばかり嫌な思いも痛い思いもさせて」













 「戦乳姫ーホルスタインドレス装備シークエンス開始」



 響く放送、一糸纏わぬレイは腕を水平に広げてただ待つ、本来なら瞬時に装着できるようになっている戦刀姫シリーズとは違いこれの装備にはわざわざこんな大掛かりな作業が必要となっている……本当に上の変態達は趣味に走りすぎである



 「脚部、装着続いて腰部装備の装着開始」



 足先を伸ばしカイナ更に大型にした様な脚部ユニットを履く、そのままハイグレ気味のショーツと腰部のアーマーが装着され補助武装である追加トライデントもこの腰部に付いている



 「次に上半身スーツに入ります、レイ」



  両手を上げて降ろされてきたスーツを着る、胸以外を覆うスーツに一度胸を揺らされ最後に乳首を固定する棘付きリングがカチャリと装着された……



 (あれ?何か装着した時に違和感が……)



  顔は羞恥の為に真っ赤のままだが目を閉じていた例であったが乳首のリングに違和感を感じて片目を開けて視線を下ろそうとするが



 「レイ、このままバックパックとシールドの装着に入るわ。いい?」



 「ん、分かりました続けて下さい」



 その違和感を確かめられぬまま続くシークエンスとこの羞恥をさっさと終わらせたかったレイは違和感を無視して次の作業に移る事を優先した、あるいはここで気が付けた方がよかったのだろうが……それはもう後の祭りなのである



 「バックパック装着後、シールド装備、アンテナを装着。最後にバーストトライデントでこれの装備は完了よ」



 背中に付けられたハヤテのバックパックを二倍にしたような大型ブースター4つ、脚部の追加スラスターも合わせてこれだけハヤテの3倍の速度で急制動が出来るようになった、追加されたシールド二枚もわたしを軸として一定の距離を保ちつつ展開される様になっており相手の妨害に折り畳む事で挟んで捉える事出来る



 角の装飾がされたカチューシャは起動時には眼前に展開される様になっており相手の情報収集に眼前の保護のスクリーンが出るしくみになってる、トライデントはシンプルにこの加速力を生かしたアフターバーナーの威力UPの為と補助トライデントを展開する事で更に範囲が広くなったモノを使える様になるらしい



 「ーホルスタインドレス、全武装装着完了……レイ、いつでも出れるわ」



 「分かりました、とっとと終わらせてきます。戦乳姫ーホルスタインドレス、レイ出ます!!!」



 やけくそ気味に叫びながらレイはカタパルトから射出され列強方面へと飛び立った……だが



 (……本当に性能だけは褒めるしかないですね。こんな無茶な軌道にも対応出来てる時点で本当にこの胸部以外は……え!?)



 風を切りながら突き進み、時にジグザクと試す様に起動するレイだったがふとこの装備の最大の不満点に視線を向けた結果、何故か自身の胸と乳首の両方が見違えるレべの大きさにまで育っていた



 「な、ななな……なんなんですかこれはー!!!」



 急停止トライデントをシールドに投げつけて、自身の胸を持ち上げる……ずっしりと大きく詰まっており感覚はそのまま……乳首を撫でるとビクリッと軽く震えてしまった。幻覚の類でも立体映像でもないこの胸は間違いなく自身の胸であると言う証拠がここにある



 (どうしたのレイ!急に制止するなんて、戦闘エリアの手前だったから良いものの……何か異変が?)



 カチューシャからオペレーターの声が響く、確かに戦闘エリア手前で急に制止したのだから当然と思うが……この胸の原因はあの時感じた違和感だろうが、隠し通せる気がしないレイは何度目かの大きなため息の後に言葉を続けた



 「……他言無用でお願いしたんですが」



 (分かったわ、どうぞ)



 「胸部と乳首が肥大化しました、感覚まで少し敏感になってて……多分このリングが装着された時にこうなったんじゃないかと思うんですが……」



 (……戦闘に支障は出そう?)



 「固定だけはしっかりされてるので違和感がありますが問題ないかと、ただこのまま状態が続くのなら……」



 (してやられたわね、どうにか……!?レイごめんなさいそっちに接近する機兵あり!パターンからして例の黒いアンノウンよ)



 最悪だ、会敵する予定ではあったが向こうからしかもこんな状態で何て文句を言う暇も無く例の黒いアンノウンが目視できる距離まで接近してきた



 「あーもー!このままこのドレスの性能の通りでしたらやってやりますから、データ収集だけお願いします!」



 (えぇ、気を付けてね)



 こちらを突き出されたハンドをトライデントで迎撃する、カイナ以上のパワーである通り激突から一旦お互いに距離を取る、黒い大型の機体……ハンドに薄く膜の様なフィールド……中心部には金髪で俯いてる為顔は見えないが全裸な上に今のわたし以上の大きさの胸部にその先端部分に付けられたチューブ、そのチューブ内にある白い液体がボディの方へと流れていくゴウンと音を立てると共にアンノウンはこちらに接近してきた



 (顔は見えませんが、列強はなんだってあんなモノをアレの胸部に?後はどうやってここを切り抜けかですね!)



 脚部のスラスターを吹かせ海老反り態勢で攻撃を避けトライデントで迎撃するがまたフィールドに阻まれる……やはり狙うはとするならば



 「邪魔、しないで!」



 ぶるんと震える様になってしまった乳房と共にレイは黒いアンノウンへと飛び込むのだった

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