No.385 やぎ少年ジャイルズ

作品基本情報

原題

Giles Goat-Boy

作者

ジョン・バース

発表年

1966年

媒体

小説

原語

英語

あらすじ

巨大なコンピュータに統治され、東西に決裂したキャンパスでヤギとして育てられた少年ジャイルズは、謎の女クリーム髪女史により人間であることを知り、自らの英雄性に目覚めた。
バースが描く、奇想に満ちた世界史の荒唐無稽なパロディ。(「MARC」データベースより)

奇書性・実験性・特殊性概要

ポストモダン、冷戦時代の世界をデフォルメした「大学」

特筆すべき点

アメリカのポストモダン文学を代表する作家の1人であるジョン・バースの長編小説。
物語の舞台となるのは巨大な「大学」であり、東西対立する冷戦時代の世界の縮図となっている。
大学のキャンパス全体は政治的に西キャンパスと東キャンパスの2つに分裂しており、それぞれWESCAC(西側)とEASCAC(東側)というコンピュータに支配されている。
カレッジは国家の比喩で、ニュー・タマニー・カレッジがアメリカ、ニコライ・カレッジはソ連、アマテラスは日本といった具合。

主人公のジャイルズは人間だが13歳の時までやぎとして育てられた少年。ある時自分がヤギではなく人間だと知り破滅の危機にある世界の救済を目指して旅に出る。
という壮大な英雄譚だが、漫画みたいに濃いキャラクター達、ギャグ調の会話、あちこちに散りばめられた荒唐無稽なパロディなど、全体的にタッチは明るく、かなりの長編だが楽しく読めるポストモダン小説である。

入手するには

国書刊行会より発売されています。

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