No.367 バナナフィッシュにうってつけの日

作品基本情報

原題

A Perfect Day for Bananafish

作者

J・D・サリンジャー

発表年

1948年

媒体

小説

原語

英語

あらすじ

ビーチサイドのホテルでミュリエル・グラース夫人はニューヨークの母親からかかってきた電話をとる。
母親は娘の夫であるシーモア・グラースと娘のことをしきりに心配している。
ビーチでは黄色い水着を着た幼女シビル・カーペンターが母親にサンオイルを塗られながら、「もっと鏡を見て(See more glass)」と何度も繰り返している。
シビルは砂浜の上で仰向けに寝転がっている青年シーモアと出会う。2人は数日前からお互いが同じホテルに泊まっている、という程度の顔見知りである。
シーモアはシビルにバナナフィッシュをつかまえようと提案して海に入る。
バナナフィッシュはバナナが入っている穴に泳いでいく魚だと説明し、今日はバナナフィッシュにうってつけの日だと言う。
波がやってきて2人を襲うと、シビルは「バナナフィッシュが一匹見えた」と言う。シーモアはシビルの土踏まずにキスをする。
ホテルに戻ったシーモアは、一緒にエレベーターに乗った女性へ軽いいいがかりをつける。部屋に戻ると、妻は眠っている。
彼女を見つめながらシーモアは拳銃で自分のこめかみを撃ち抜く。(Wikipediaより)

奇書性・実験性・特殊性概要

ラストで突然自殺する主人公、謎の寓話「バナナフィッシュ」

特筆すべき点

『ライ麦畑でつかまえて』で知られるJ・D・サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』に収められた短編小説。
この作品の特異性は何よりもラストで唐突に自殺する主人公に尽きる。自殺する理由などは作中では全く明らかにされていない。
また自殺する直前に語られた「バナナフィッシュ」という寓話の意図も謎に包まれており、これが作品の不可解さを一層濃くしてくれる。
主人公が自殺した理由は一般的に戦争体験による心の傷によるものと言われているが、その他にも色々な意見は尽きない。
こういった読者に様々な解釈をさせるため、『ナイン・ストーリーズ』の短編小説の中では最も知名度の高い作品となっている。

入手するには

新潮文庫、集英社文庫、ヴィレッジブックスより『ナイン・ストーリーズ』が発売されている。

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