最終更新:ID:RffNEyErQg 2020年03月14日(土) 21:56:49履歴
No.89 夏と花火と私の死体
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
大人気作家・乙一のデビュー作。死体を隠す兄妹の物語である。
特殊な点としてはすべての物語が死体の視点から描かれていること。語り部の「わたし」は作中序盤で殺される少女であり、死後もまるで死んでいないかのように語りを続ける(当然だが、作中では死んでいるので体を動かすとかそういうことはない)。
特殊な点としてはすべての物語が死体の視点から描かれていること。語り部の「わたし」は作中序盤で殺される少女であり、死後もまるで死んでいないかのように語りを続ける(当然だが、作中では死んでいるので体を動かすとかそういうことはない)。
最後に、踏み台にしていた大きな石の上に背中から落ちて、わたしは死んだ。鼻の穴や耳の穴、いつも涙が出てくる部分など、体中の穴から赤黒い血が流れだしている。それはほんの少しの量だったが、そんな顔を健くんに見られるのかと思うと悲しくなってきた。主人公「わたし」の死んだ場面。特に章の切れ目でもなく、このまま淡々と物語は進む。
タグ
コメントをかく