No.50 虚人たち
妻と娘を別々の犯人に、同時多発的に誘拐されてしまった主人公の男。男は2人を捜し、助ける為に彷徨するが、近隣住人や警察は事件に不干渉、主人公の長男は事件に対して無関心の姿勢を貫くなど、事態はなかなか進展しない。単独で妻と娘を捜す男、しかして彼には理不尽な結末が訪れる…。(Wikipediaより)
小説内の登場人物が「自身が小説内の登場人物である」ということを認識している点。
小説内において描写が省略されていることについて登場人物が「わからない」ととらえている点。
小説内の時間が小説自体のページ数とリンクしている点。(例えば主人公が気絶している間、白紙のページが示される。これは、主人公が意識を失っているため何も書くことはできないが、小説世界において時間自体は流れていることを示している)
小説内において描写が省略されていることについて登場人物が「わからない」ととらえている点。
小説内の時間が小説自体のページ数とリンクしている点。(例えば主人公が気絶している間、白紙のページが示される。これは、主人公が意識を失っているため何も書くことはできないが、小説世界において時間自体は流れていることを示している)
今のところまだ何でもない彼は何もしていない。何もしていないということをしているという言いまわしを除いて何もしていない。冒頭。今小説が始まったばかりなので「彼」の設定・行動は何も語られておらず、したがって「まだ何でもない彼は何もしていない」。
テレビの画面に映し出されているものはもちろんテレビ番組だ。音楽番組かもしれないしドラマかもしれないしニュースかもしれないがそのうちのどれでもないかもしれない。はっきりしているのはテレビ番組であることだけだ。それがもしテレビ番組でなければ彼が今までテレビ番組を見ていたことにならないし彼はそれを画面に移っている色彩や形が単にこれはテレビ番組であるとしか表現していないことによって知ることができたのだ。序盤。「彼」自身も作中で表現された情報しか知ることができない。したがって作中で「テレビ番組」としか書かれていなければその種類はわからないし、彼自身の記憶も記述されない限り思い出すことができない。
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