No.72 生まれいづる悩み
自分の仕事を神聖なものにしようともがいていた「私」は、さびしさのあまり「君」のことを思う。かつて絵を持ち込んで妙に力強い印象を私に残し姿を消してしまった「君」であったが、十年の後手紙とスケッチ帳を送ってくる。
見事に成長した「君」は「私」との再会の一晩に姿を消してからの生活と芸術の悩みを語る。翌朝すぐ帰っていく「君」を見送ると、「君」の話した内容を元に「私」は同感の力をもって「君」の生活と苦悩を書き出して行く。
思い詰めた「君」が我に帰ったところで想像の一線を引き、「君」と同じ疑いと悩みを持って苦しむ全ての人々に最上の道が開き春が訪れるように祈る。(Wikipediaより)
見事に成長した「君」は「私」との再会の一晩に姿を消してからの生活と芸術の悩みを語る。翌朝すぐ帰っていく「君」を見送ると、「君」の話した内容を元に「私」は同感の力をもって「君」の生活と苦悩を書き出して行く。
思い詰めた「君」が我に帰ったところで想像の一線を引き、「君」と同じ疑いと悩みを持って苦しむ全ての人々に最上の道が開き春が訪れるように祈る。(Wikipediaより)
教科書に載ったこともある有島武郎の小説。
語り手が「君」の人生を思うという形式により二人称小説となった作品。
語り手が「君」の人生を思うという形式により二人称小説となった作品。
私は君を忘れてはならない。もう港を出離れて木の葉のように小さくなった船の中で、君は配縄の用意をしながら、恐ろしいまでに荘厳なこの日の序幕を眺めているのだ。君の父上は舵座に胡坐をかいて、時々晴雨計を見やりながら、変化の烈しいその頃の天気模様を考えている。引用部分(第五章序盤)から「君」が主体となり、一種の二人称小説となる。
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