FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

解ってる。
アイツが思っているのは、あたしじゃない…。
昔からずっと一緒にいたのに、背中を追ってきたのに。
ねぇ、こっち見てよーーー

カフェで最後の客を見送った後、飲みにいこうとスノウを誘ったのはレブロだった。
別に特別ではない。今までに何度もある事。
「おいレブロ、飲み過ぎだぜ?明日も店に出る日だろ」
「大丈夫。あたしの胃はそんなにしょぼくないよ」
そう言いながらも、口にワインを運ぶレブロの手元はふらついている。
「顔真っ赤にして何言ってんだよ。お前、運ぶの重いんだからな」
「大丈夫だってばぁ。ほら、スノウももっと飲んでよ」
レブロは不確かな手つきで、グラスに並々とワインを注ぐ。
「おいおい…、ったく…これ飲んだら帰るぞ。俺も明日、行くとこあるし」
スノウは大げさにため息をつき、グラスの液体を半分ほど一気に飲み干した。
「セラのとこ?」
「朝迎えに行く約束してんだ」
嫌だ。セラの話をするスノウは嫌だ。そんな嬉しそうに話さないでよ。胸の奥がチクリと痛む。
「そういえばさ、まだ告白してないんでしょ?」
「まぁ…そのうちな…って、お前には関係ねぇだろ」
関係ないか…。
「両思いなんだからさ、さっさと告っちゃえばいいのに。あ!押し倒しちゃうとか」
「バカなこと言ってんじゃねぇよ。セラはそんなんじゃねーの」
兄弟のように育った幼なじみ。
一緒にいすぎて解らなかった。気付かなかった。
スノウがセラを初めて店につれてきたとき、友達って言ってたけど、一目見て感じたんだ。
あぁ、この二人そうなるな…って。あたしの勘は、見事的中。既に二人の間には入り込めない。
嫌だ。嫌だ。何だか苦しいよ。
あたしはスノウが好きだったんだ。気付いた途端に失恋だ。バカみたい。鈍すぎだよ。
セラを見るのが辛い。一緒の二人を見たくない。
スノウの元カノもしってるけど、セラは今までの子とは違う。言い切れる。
何で彼女は現れたの?何処でスノウと知り合ったの?あたしはずっと一緒にいたの。
あぁ、セラは可愛くていい子なのに…。嫌な考えが次々と浮かぶ。あたしって嫌な女だ。
それでも、あたしはスノウの側にいたい。二人を応援するしかないじゃないか。 
「おーい、寝てんのか」
妄想の旅に出て黙ってしまったレブロの顔前で、スノウはがひらひらと手を振る。
「寝てないよっ」
ハッとしてつい大声になってしまった。彼はやれやれという表情でレブロを見据えた。
「もう帰るぞ。お前ヤバそうだし」
スノウが会計伝票を持って立ち上がる。
もっと一緒にいたいのに、とは言えず、その言葉をワインと共に飲み込んだ。
スノウに続いて急いで立ち上がろうとすると、ゆらゆらと地面が揺れた。
足に力が入らなくて上手く立てない。脳が下した命令を身体が拒否し、くにゃりとした身体が床に倒れそうになった。
が、がっちりとした腕に腰を抱きとめられて転ばずにすんだ。
「ほら、言わんこっちゃねぇ」
まるで子供をあやすような口調だ。
あ、あたし今スノウの腕の中にいる…。やっぱり腕太いなぁ…このままギュッてされたいな…。
この状況で、違う方向へ考えてしまう。ヤバい、すごいドキドキしてる。
「レブロちゃんが酔っぱらうなんて珍しいね」
その様子に、馴染みの店のマスターがスノウに話しかける。
「こいつ、今日はペース早かったみたいで」
言いながら、スノウはジャケットのポケットを片手であさり、札を数枚取り出しカウンターに置いた。
「毎度。ちゃんと送ってやるんだよ」
「わかってるって。また来るよ」
頭の上の方で二人のやり取りが聞こえた。レブロはまだスノウの中に収まっている。そのまま腰を支えられ店を後にした。
「歩けるか?」
「うん…大丈夫」
本当はちゃんと歩けそうだったが、無理を装ってレブロはスノウにしなだれかかって歩いた。
海の方から吹いてくる夜風は冷たいけど、スノウの腕は暖かい。こうして歩いていると、カップルみたいに見えないかな、などと思ってしまった。
「ほら、座れ」
エアバイクの後部に座らされ、スノウもバイクに股がった。彼の腰に手をかけ背中に顔をぴったりつける。
コートに染み込んだタバコの匂い。彼の匂いを沢山吸い込む。乗り慣れたスノウのバイク。もうすぐでここはセラの指定席になるんだ。
嫌だ。嫌だ…。
鼻の奥がつんと熱くなり、涙が溢れてきた。視界が潤みスノウのコートの刺繍が水の中にぼやけていく。
「うぅっ…っ」
その様子に気付き、正面を向いていたスノウが振り向く。
「あ…やだ…ごめん」
レブロは無理矢理笑顔を作って涙を止めようとするが、次から次へと頬をつたう。
「おい、どうした?」
心配そうな彼の顔。
「ごめん…ほんと、大丈夫だから」
スノウの言葉に、レブロはぐすぐすとすすり上げながら、涙の溢れる目を手の甲でこすった。
しかし、涙と子供のような嗚咽は治まりそうになかった。
「どうしたんだよ」
スノウはレブロの頭をぽんぽんと撫でる。
「…どうして…どうしてあたしじゃないの?…」
考えていなかった言葉が思わず口に出た。
「どうして…あたしは…あたしはずっと…」
堰を切ったように出てきた言葉は、勢いづいてとんでもない事を口走りそうになる。
「今更…何言ってんだよ…遅いんだよ」
最後の台詞は、スノウの言葉に遮られた。
やっぱりね、気付いてたんだ。あたしの気持ち。でも、スノウもあたしの事、意識してたよね。ちょっと前までは。
大人になるにつれて、何となく二人とも微妙に距離を置くようになって…。幼なじみって難しい。
幼い頃は、結婚するってじゃれ合って遊んだ。お互い素直に好きだって、言い合ったのにね。
「ねぇ…キスして…」
口に出して後悔した。彼がキスしたいのはあたしじゃなくてセラだけだ。しかし、引き下がる気はちっともおきなかった。
「何言ってんだよ」
スノウは少し怒った口調でレブロを制する。
「今だけ…今だけだから…お願い…キスして」
彼は何か言いたげな、難しい表情で考え込んでるみたいだ。
「あのさ…っ!…」
おずおずと話しだしたスノウの言葉をレブロは口で塞いだ。
彼の首に手を回し、片手でスノウの頭の後ろを押さえ込む。ずっと近くにあったのに、初めて触れたスノウの唇。
鍛えられた身体は固いのに、唇はとっても柔らかい。もっと彼を感じたい。
唇を押し当てている間、スノウの目は開かれたままだった。スノウに身を引き離され、唇が離れた。
「レブロ…お前…」
「あたし…本気だよ。やめてあげないから」
躊躇する彼を無視して、再び自分から唇を重ねた。もっと…もっと沢山。
触れ合わせるだけではもの足りず、舌を滑り込ませる。上下の唇を舐め、開かせた歯列を割って暖かな口腔内を舌で探る。
好きなの。大好きなの。
とどめていた想いが一気に溢れ出る。その想いは次から次へと生まれてきて押さえる事など出来なかった。
「ん…んっ!」
拒むように動かなかったスノウの舌が、レブロを受け入れるように動いた。確かめるように、レブロの口内にゆっくりと舌が差し込まれた。
最初は躊躇いがちに動いていた舌が、徐々に奥へと入り込み濡れた舌が絡み合う。
生暖かく、ざらりとした感触がこの上なく気持ちいい。口付け合う水音が甘く響く。
跳ね上がる心臓の音が耳の遠くに聞こえる。頭がぼぅっとして、全身の血が子宮に集まるような感覚に陥り、下半身が重く、熱くなった。
腰に手が回される。女の腰は細く、男が力を入れれば簡単に折れてしまいそうだった。
「んんっ…ふぅ…」
レブロは愛しいスノウの唇を夢中で求めた。
「っ…はぁ…」
ようやく唇を離される頃には、身体の芯を溶かされそうな程スノウに酔いしれていた。
レブロの目が潤んでいるのは先ほどの涙のせいだけではない。少しの間、互いに見つめ合った。あたしは荒くなった息を隠そうともしなかった。
先に沈黙を破ったのはレブロだった。
「家に…帰りたくない」
意味わかるよね。
「バカ…それはお前…」
「今日だけ…帰りたくないよ…」
ひどく甘えた声色に自分でもびっくりした。レブロは少し前屈みになり、掌を重ね合わせ両手をシートについた。
両腕に押され真ん中に寄せられ強調された、深い谷間がスノウの目に入る。
「お願い…一度だけ」
心底困った表情の彼に、なおも懇願するが語尾が震えてしまった。震える手で彼のコートをギュッと掴んだ。
少しの沈黙のあと、スノウは無言で正面に向き直り、エアバイクのエンジンをかけ走らせた。
「ねぇ…」
話かけるがスノウは答えてくれなかった。しがみつくように抱きつき、彼の背中にわざとギュッと胸を押しあてる。
せめて想いが伝わるように。しかし、無言のまま時間が過ぎていく。気まずいドライブ。
このまま、終わっちゃうんだな。しゅんとして彼の背中に顔を突っ伏した。
「帰るなら今だぞ」
しばらくして聞こえたスノウの声に顔を上げた。
その先に見えたのは、妖しいネオンが光り並ぶ街だった。
抱きついた腰に力をこめながら、エンジン音にかき消されぬよう、大きな声で言った。
「やだ、帰んない」
「知らねーからな」
ネオンに彩られた、いかにもな建物にたどり着き、スノウの後ろについて歩く。
音もなく自動ドアが開く。
レブロは首を上下左右に向けて辺りを見回した。
「部屋…選ばないと」
キョロキョロと観察中に声をかけられる。
「えっ?あぁ、どこでもいい」
落ち着けあたし。
酔った勢いでこんな事出来ちゃう女だって、思われたい。
そうでなくては、彼の負担が大きすぎる…きっと…。
適当にパネルを押して歩くスノウに続いて部屋に向かった。
その部屋は、湿気とはちがう、何か湿ったような空気が漂っていた。
ベッドの頭にあるパネルや、布団がないかわりに二重に敷かれたナイロンの安っぽいシーツが
そういう場所なんだと再確認させた。
「先、入れ」
「うん」
スノウから部屋着を渡され、バスルームへ入った。
熱いシャワーは汗は流してくれたけど、色んな想いは流してくれなかった。
今、スノウは何を考えているんだろう。
脳裏にセラの笑顔が浮かんだ。
ごめんね、セラ。
初めての相手はスノウじゃなきゃ嫌なんだ。
あたしが処女だと知ってれば、スノウはここまで来なかっただろう。
男にとって、処女は重いらしいから。
前にふざけて皆でエロ話してたとき、言ってた。
神様、ファルシ様、お願いだから初めてだとバレませんように。
交代でシャワーに入った。
お湯が流れる音が聞こえる。
レブロはショーツに薄いガウンのような部屋着という格好で部屋をひとしきり見回した後
ベッドの真ん中に座った。
その間もパンツは履いてていいのかな、などという細かい事がいちいち気になった。
こんな場所ももちろん初めてで落ち着かず、頭の方にあるパネルのボタンを押してみたりしていた。
シャワーの音が止み、扉が開く。
レブロはパネルをいじるのをやめて座り込んだ。緊張で身体がみるみる固くる。
スノウがこちらに近づいてくる気配に、心臓が痛い程悲鳴をあげる。
スノウはふぅと息を吐いてレブロの横に腰掛けた。
どうしよう、まともにスノウの顔が見れない。
強張った肩に腕が回された。思わず肩がびくっと震えた。
「そんなに緊張するなよ…俺もすげー緊張してる」
スノウは武骨な指でレブロの頬を撫でながら囁いた。
その声はいつもより低く、擦れて聞こえた。
頬をなぞる指が、ゆっくりと下へ滑り降りる。
行き着いたのは、高く突き出た豊満な胸元。その輪郭を確かめるように指が這う。
「んっ…ぅ…」
しびれるような旋律がぞくりと身体に走った。
触れるか触れないかの微妙な力加減に快感を覚える。
「ん…あっ…あぁっ…」
往復を繰り返していた指が先端に触れた。
つんと弾かれ、くにくにと弄られる。
「ふ…ぁあっ…」
柔らかな肉にスノウの指が沈む。大きな手に全体を包まれ、柔らかく揉まれる。
指の間に乳首が挟まれ、更に刺激を与えられる。彼によってそこはしっかりと起き上がり固くなった。
「んんっ…ああっ…」
部屋着の前を開けられ、肩から滑り下ろされた。
スノウの前に乳房をさらけ出す。視線が突き刺さって恥ずかしい。
どうしようもない恥ずかしさに目をつぶって耐えた。
頭を支えられ、そのまま後ろに倒される。
ベッドに沈められ、覆い被さるスノウの体温と肌の感触を全身で受け止めた。温
かくて心地よいと同時に、組み伏せられてしまった事で、これから起るであろう
事が頭を過ぎり胸がドキドキする。
「お前、ほんと小さいな」
スノウの影にすっぽりと納まったレブロを見て、彼は彼女の額に張付いた髪を優
しく払いながら言った。
「スノウが大きすぎるんだよ」
施設に預けられた頃は同じ位の身長だったのに。鍛えられた男の身体をレブロは
ぼぉっと眺めながらそんな事を思った。視線がぶつかり互いに見つめあった。ま
るで恋人同士のように。どうしようもない恥ずかしさが込み上げ、思わず顔を横
に向けて視線を逸したが、大きな手に顎を捕らえられ正面を向かされた。
再び目が合うとスノウは小さく笑い、頬に軽いキスを落とした。その唇は首筋を
辿りレブロの身体を下っていく。時折彼の髭が肌を刺激したが、それも愛しく
感じた。
「ぅん…」
鎖骨に舌を埋められ、そのザラリと滑る熱い感触に小さな身体が震える。舌は徐
々に下りていき、胸の先端を這う。
「はぁ…あんっ」
吸い付き、舐められる度に、自分でも信じられない程甘ったるい声が出てしまう
。意識とは別に肉体が勝手に快感を貪っている。
乳房を揉まれる事、肌に唇が吸い付く事、乳首を舐められる事、太腿を撫でられる事、
スノウにされる事全てが何もかも気持ちがいい。
恥ずかしさが快感に変えられていく。好きな男に身体を預ける事がこんなに
気持ちがいいものなのだと思い知らせれた。
濡れた音を立てて吸い付かれると、子宮がきゅんと飛び跳ねた。
太腿を撫でていた手が内側へ侵入し、秘部に触れた。その指は確かめるように割れ目を往復する。
「ああっ…」
薄布の上を滑る指が隙間から忍び込み、熱を帯びたそこへ直に触れた。
「すげえ…濡れてる。感じやすいな」
「やだぁ…っ…あぁ」
そんな事、耳元で囁かないでほしい。
「あんっ…ぁう…ん…」
ショーツの紐が解かれる。サイドを紐で結んであるショーツは簡単に役目を終えて、目の前の男に全てをさらけ出した。
彼は、彼女の垂れ流す蜜を指に絡めて秘裂をなぞり、上部の突起を弄ぶ。
スノウに触られてる部分がひどく熱く、そこに血が集まっていくような疼きに耐えられず
もっとして、とせがむように、勝手に腰が浮いてしまう。
「はぁ…んっ…あぁ…」
レブロは左右に身体をくねらせ快感に耐えるが、スノウの指に簡単に操られてしまう。
「っつ…!」
甘美な快感に浸っていたが、指を突き立てられ重い痛みが走った。わずかにしか侵入しなかったが
初めての来訪者をきつく拒んでいる。
「ごめん、痛かったな」
「ん…大丈夫…」
嘘。本当はすごく痛かった。これから先が一気に不安になる。怖い…。
スノウの身体が離れ遠ざかる。そして左右の膝を折った状態で太腿大きく開かされ
彼の頭が腰の向こうへ消えた瞬間、痛みや不安が吹き飛ばされた。
「えっ…あっ…んっっ…」
指とは違う熱く柔らかなしっとりとした感触…。
びりびりと全身に電流が走った。それが舌だと気が付いて、発狂しそうになる。
「あうぅ…っ…いや、いやぁ!…そんな…ああっ…」
ぴちゃぴちゃと濡れた音に耳を塞ぎたくなった。鋭い快感が身体の中心めがけひた走る。
スノウは舌先で蜜をすくい上げ、固くなった亀裂やその上の固くなった突起を柔らかく、強く
舌を這わせていく。
「ふぅ…あぁっ…あん…っん」
恥ずかしいやら気持ちいいやら、快感の嵐に頭がおかしくなりそうだ。
舌で秘裂をときほぐされ、一番敏感な部分に吸い付かれる。
「はぁ…んんっ…!」
腰がぐっと浮き上がり、身体が強張って震える。襲いかかる快感に身体をよじり、シーツを掻いて抵抗
するも、簡単に追いやられる。迫り来る感覚にすがる物を求め、スノウの頭を両膝で抱えた。
「あぁっ…もう…もうだめ…だめぇ…っああっ…!」
身体がおかしくなって、もう耐えられないと思った瞬間、子宮がどくんと強く跳ね、頭が真っ白になった。
少したつと突っ張っていた身体の力が抜けた。息が荒く、頭がぼぅっとする。
スノウの頭を膝に挟み込んだまま、子宮がじんじんと軽く波打つような余韻に浸った。
なんともいえない心地よい疲労感に身体を包まれる。
その頃になってようやく、スノウに口でイカされたんだと気が付いた。
彼は愛液と唾液に塗れたそこにキスをする。
「んんっ…!」
余韻を残し、一際敏感になった部分への刺激に身体がびくんと跳ねる。
「気持ち良かった?」
口を開くのが重たく億劫で、見下ろす瞳に小さく頷いて答えた。
すごく気持ち良かった。おかしくなって何も考えられなかった。
いつもと違うスノウに翻弄され、溺れる。
そうしている間は頭の端に寄せているあの子の笑顔も、忘れられる。
ぼんやり意識を飛ばしていると彼の影に覆われる気配がした。俯いていた顔を上げると
スノウは頭の上の方で何かを探っていた。
あぁそうか…これからスノウがあたしの中に入ってくるんだ…。
そして取り出した小さな袋を空けようとする彼の手をレブロは押さえた。
「あの…大丈夫、つけないで」
スノウは少し驚いた表情でレブロを見据える。こういう時、男は何を考えるんだろう。
難しい顔をしているスノウの腕を掴み、もう一度囁いた。
「ほんとに、大丈夫だから…」
初めて抱かれる感触がゴム越しなんて悲しい。スノウの肌を沢山感じたいんだ。
これが最初で最後だから。
珍しく考えたこんでいた彼は、小さな溜め息を吐きようやく動き出した。
濡れてとろとろになった場所に熱く固い物をあてがわれ、滑るそこに馴染ませ
るように擦りつけられる。
押しつけられた先端が閉じた場所にめりこんでいき、入り口をぎりぎりと引き裂きさく。
「力抜いて」
「…うん」
駄目、わかってるけど出来ない、怖い。どうしても腰が引けてしまい、奥へ逃げてしまう。
スノウにされるなら嬉しい筈で、あたしが望んだ事なのに、怖い。
「…っつ…」
ひきつる痛みに涙が滲む。
震える身体を悟られてはいけないのに…痛い。ちゃんと見ておけば良かった。
そんな余裕がある筈もなく、何度か同じ事が繰り返された後、彼の動きが止まった。
「お前…まさか…」
彼の先の台詞は多分ご名答。バレずに終えるなんて甘かった。
レブロはスノウの台詞の続きを力無く答えるしかなかった。
「うん…初めて」
「マジかよ…」
心底驚いた顔してる。いや、呆れているのかもしれない。
「やだ、やめないで。最後までして」
彼の首に腕を絡めて必死に願った。
「お願い」
「何で…何で俺なんだよ…付き合ったヤツいただろ」
スノウの言うとうり、何人かの男と付き合った事はある。しかし身体ばかり求め
てくる彼等は、自分が身体を開かないと分かると簡単に去っていった。その後、
彼等が広めた話に尾ひれがついて一人歩きし、何故かヤリマンだとかそういった類の言葉を影で言われるようになっていた。
面倒くさいので放っていたが、恐らく噂はスノウの耳にも入ってしまっているらしい。けど本当は違う。
「スノウがいいの。スノウじゃなきゃ嫌なの」
もうワガママ言わないから。小さい頃からワガママばっかりだったけど、もう言わないから。
「お前バカだな…すげえバカ」
ほんと、バカだよね。大きな手にぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。
彼はレブロの腰の下に枕を挟んで腰の位置を高くすると、再びレブロに重なった。
「肩の力抜いて。ちょっと我慢な」
スノウはレブロの頭を優しく撫でながらそう言うと、レブロの肩を掴み自身を沈めていく。
入り口はひりつき、ぎりぎりと押しあてられる圧力に身体が悲鳴をあげる。
「っつ…うぅ…ぁ…」
「痛い…よな…」
心配そうな表情の彼と目が合った瞬間、唇が降ってきた。
スノウからされる初めてのキス。たまらなく嬉しくて、口内に差し出された舌を夢中で貪った。
求められて幸せで、涙がでそうになる。
「んっ…ふぅっ…!」
スノウの動きが止まり、強く掴まれていた肩の手の力が抜けて唇が離される。
「全部入った」
「すごい…熱いね」
身体の中で彼の一部が静かに波打つ。ほんとに一つになったんだ。
スノウはしばらく肩を抱いていてくれた。
「動いても平気か」
「ん…大丈夫」
彼がゆっくりと腰を使い始めると、麻痺していたひきつった痛みが蘇ったが
それよりも、とてつもない異物感が勝った。
「あぁっ…んっ」
動かされる度に、喉の奥から声が溢れた。
律動に合わせて濡れた物同士が擦れる音が聞こえる。
角度を変えて突き上げられ、感じた事のない感覚が子宮の奥にこみ上げる。
「ああっ…はぁっ…」
裂かれた入り口はやめてと悲鳴をあげているのに、終わってほしくない。
今スノウの目に映っているのは、間違いなくあたしだけなのだから。
「あん…あぁ…!」
長いのか短いのか解らない時間、擦れる程声をあげた。
足をスノウの肩へ上げられ、更に奥を責められる。
彼の腰の動きが一層早くなり、身体が離れた。
お腹に暖かな感触…終わってしまったんだと悟った。
二人の時間は終わった。

その後、また交代でシャワーを浴びた。繋がっていた部分は未だぼんやりと違和感を残している。
部屋着を羽織って彼の横に寝転ぶ。
「あたし眠くなっちゃった。少し寝てく」
「じゃあ、眠るまでな」
「え?」
向かって伸ばされた腕に目を丸くする。
「何だよ、嫌か」
「嫌じゃない、嫌じゃないです」
差し出された腕の肩口に遠慮なく頭を乗せた。
あたしが眠るまで、スノウは肩を抱いててくれた。

目が覚めると彼の姿は無かった。
寂しかったけど、しょうがない。今頃セラを迎えに行っている時間だ。
起きたてで浮腫んだ顔を見られなくて良かったと思う。
トイレで用を足すと、膣がピリピリと痛んだ。拭ったティッシュには少し血が滲んでいた。
スノウと繋がったしるし。
後悔は少しも無かった。

薄暗いホテルを出ると、外は目が眩む晴天だった。
眩しさに目を細めると涙が出た。
『ありがとう』
心の中でつぶやきながら、頬を伝う涙を手の甲で一気にぬぐい去り、私は海に向かって歩き出した。
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