FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

そこは、港街や宿場街によくあるスタイルの、二階以上に鍵つきの個室があり、一階にダイニングバー、
食事は宿泊客みなさんこちらで、みたいなノリの宿屋だった。明るくて元気な女主人がいて、
くるくるよく働く看板娘がいる、そんな感じの。
陽気でリズミカルな海賊の演奏に盛り上がるホールに、そいつの姿が見当たらないのが何となく気になって、
バッツは船へ向かった。
湿っぽいような風が吹く。
夜空は晴れわたっているけれど、もうすぐ雨が降るのかもしれない。
身軽にロープをよじ上り、薄暗い甲板を覗き込むと、居た。
「なにしてんだよ」
背後から声をかけられて、はっとファリスは振り返った。
その手に水滴のついた、酒瓶が握られている。
「のみたい気分だったから」
「なんだよ、それ」
「酔っぱらってるとこ、見られたくないんだ、誰にも」 
バッツは冷えた酒瓶を奪って、一口飲む。
「弱味を見せたらナメられる」
ファリスは遠くを見つめていた。視線の向こうで夜の海がうねっている。
「そういうもんか」
「そういうもんだよ」
ふふ、とファリスは笑った。その後二人は明日の天気だとか、他愛無い話をしていたけれど、
バッツの声は波の音と同じくらい心地良かった。
ふいに、バッツがファリスの細い腰を抱き寄せた。何するんだ、と言おうとして唇を塞がれる。
甘い酒の匂いがした。
バッツはマントを外して甲板に広げると、さも当然の様に、ファリスの身体を横たえる。
なんか変な感じだな、とシャツのボタンを外されながら、頭のどこかで考える。もっと、緊張とか、
あってもいいんじゃないか。こいつのこの自由さ加減はなんなんだろう。ごとん、と音がして
空になった瓶が転がる。
バッツが服を脱ぐ様子をファリスはぼんやり見上げていた。あれ、腹筋が割れてる、なんか意外だな、
なんて思っていたら、彼の冷えた指先が胸に触れて、びくりと身体が震える。
「思った以上に・・・」
ぺったんこ、という言葉を飲み込んで、バッツは言った。
「こういうのも好きだ」
上を向いているせいで、通常よりなだらかになってしまっている胸のふくらみにバッツは唇で触れた。
確かに、巨乳じゃないけど、だからって男になんか見えないのにな。丁寧に、舌を這わしながら考える。
唾液の感触や、呼吸の振動が、肌に触れて、その度に腰の裏側を、何かが震えて駆け上がる。ファリスは
目を瞑ったり、息を整えたりしながらそれを逃がしてやる。
夜風が薄闇の中吹いていて、そのせいで産毛が逆立ち、唾液で濡れた乳首がつんと固くなる。外だから、
こんなに気持ちいいのかと星空を見上げながらファリスは考える。バッツは肉らしい肉もなく、
丸みというものもない平らで薄い下腹部や臍のあたりを丁寧に愛撫し、それは、彼にも目的があるからには
違いないのだけれど、拒絶する気分にもなれなくて、ファリスは彼の舌の感触に気持ちを集中させる。
マントをしいていても、背中で硬質な甲板が痛い。
なんだってこんな狭くて暗いマストの影で自分たちはことに及ぼうとしているんだろう。
華奢な腰を持ち上げて、衣類を脱がそうとしているバッツに気づいて、ファリスは彼のベルトに手をかけた。

彼は彼女にのしかかる様にして入ってきた。
馴らしていないせいで、ぎちぎちと摩擦を感じたけれど、身を沈める様にして、ゆっくり入ってくる。
「よくやってるよ」
バッツは、ファリスに言った。
一人で、精一杯強がって生きていることを思い出す。
それをふまえて、よくやってると言うバッツの言葉は、「愛している」だとか「好きだ」とか言われるより
ずっと自分を理解してくれている気がして、ファリスは喉の奥が熱くなって、鼻をすん、と鳴らす。
上手いよな、コイツ。
気持ちいいのは、外でやってるせいだ。
味わったことのない感触。足の間から流れる粘液のなかで、ぐん、と大きくなるものが動いて、突き当たる。
火照った身体を海風が冷ます。
ファリスは絶えきれずちいさくかすれた声を漏らす。
日なたの匂いのする髪を抱きしめる。
動きを早めたバッツが苦しいような声を漏らして、それを引き抜いた。
ファリスの腹の上に、半透明のような、真っ白のような液体が飛び散る。
はあ、はあ、と荒い息を繰り返して、バッツはファリスを抱きしめる。
「しってるよ」
ファリスは汗ばんだ肌でバッツを抱きしめかえして言う。片足に、細身のパンツとゴツいブーツを絡み付けたまま。
「衝動的にっていうんだろ?」
「違う」
即座に否定。
だけど、彼らは、自分たちの中にある瑞々しい感情につける名前が見つからなくて、
ただ裸の胸を押し付けることしか出来なかった。


おしまい
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