FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

 スピラの夜は静かだ。目の前でパチパチと焚き火の爆ぜる音以外は何も聞こえない。
 頭上を見上げても、聳え立つ高層ビルも、スタジアムの眩しいネオンも、ここには無い。
 スピラの夜空は、天気が良ければ夥しい数の星が、砂でも零したかのように空に広がる。
 ティーダは野営の日にそれを眺めるのが好きだった。
 魔物との戦いで負った傷を癒せるセーブスフィアの近くに、ルールーとユウナが協力して
魔除けの結界を張り、その中に焚き火を燃す。
 火の番をするのは、魔力で操られたルールーのぬいぐるみだ。
 ムンバと言うらしい動物を模したそれは、焚き火の周りをゆっくりと歩いて回る。
 火の勢いが弱まらないよう、時折薪を拾って火の中に投げ込む事すらこの人形がするのだ。
 どういった仕組みで一晩中動いているのか、ルールーに尋ねても教えてもらえなかったが、
その働きは確かだった。
 ふと、ティーダは辺りを見回した。
 ワッカはいびきをかいて地面に大の字になっているし、キマリは鎮座したまま目を閉じて動
かない。
 ルールーとユウナは、長い枕と大きめの毛布を共有して寝息を漏らし、アーロンも岩に寄り
かかって眠っていた。
 ティーダを除いて一人だけ、まだ眠らない者がいた。リュックだ。
 じゃあ行ってくるね、と一言、焚き火から離れている。
「そろそろいいかな。」
 皆が静かに眠っているのを確認すると、ティーダは音を立てないようその場を後にした。
幻光河でユウナ達と合流して以来、リュックは皆が寝静まった頃を見計らい、人目のつかな
い所まで離れて、自らや仲間の武器の改造を行っていた。
 人目につかないと言っても、そう遠くに離れる訳でも無い。
 ザナルカンドで当たり前のように見た白い光と、光を受けて闇夜に輝く金髪、そして魔物が
嫌うと言うリュックお手製のお香の匂いを頼りに、ティーダはリュックを探す。
 程なく、電灯の黄白色の光が見え、近づくに連れて強くなるお香の匂いを感じた。
 リュックが座っている場所は小さい川のすぐ近くらしく、ちょろちょろと水の流れる音が聞
こえてくる。
 座っているリュックからも、近づくティーダの姿が見えたらしく、やぁと声がかかってきた。
 リュックのすぐ側の平たい岩の上には、彼女の仕事道具がごちゃごちゃと散らばっていた。
 明りの下で何やらカチャカチャと音を立てるリュックの隣に、ティーダは腰を降ろす。
 武器を改造するには、エボンの教えに生きる人々が忌み嫌う機械と金属、そして魔物から採
取した特殊な物質やスフィアを必要とする。
 誰もいない場所まで離れるのは、忠実に教えに従うエボンの民との無用のトラブルを避ける
ための気遣いだった。
 ティーダはというと、そんな彼女の行動を興味津々と横で眺めている。
「今日は誰の?」
 返事の代わりに、リュックが手に持ったブリッツボールを掲げた。青と白を中心に彩られた
表皮は所々はがされ、中の繊維質が剥き出しになっている。
「はぁ…こんなの、どういじればいいのか解らないよ」
「トゲでもつけたら?」
 それもいいね、とリュックがはにかんだ。彼女は、笑うと口元に笑窪が浮かぶのが特徴だった。
 リュックは、金属製の針と鋏を使って、器用にボールの表皮を剥がしていく。
 表皮を剥がすと、中にはゴム状の黒い球体と、それを覆う白い繊維。
 覆った繊維を止めるためのピンを外し、するすると手際よく解いていく。どうすればいいか
解らない、と言った割りに、リュックの手つきはスムーズだ。
「それ、どうすんの?」
 解かれてとぐろを巻いた繊維を指してティーダが言った。
「どうしよっか?…あ、いい事思いついた。」
 一瞬目を伏せたリュックだったが、即座に何かを思いついたのか、翡翠の瞳を輝かせつつ、
側に置いてあった布袋をまさぐり始めた。
 コレとコレと、等と言いながら取り出したのは、手榴弾らしき物と、すり鉢とすりこぎ。
 それらを取り出すや否や、リュックはすぐさま作業に取り掛かる。
 先端が十字になった細い棒状の器具で、手榴弾を分解し、内部の爆薬らしき粉末をすり鉢の
中へ流し込み、座っている目の前の小川から水を汲み、それもすり鉢の中へ入れ、ゴリゴリと
音を立てて粉末を水を混ぜていく。
「何してるッスか?」
「えっと、これ、石化手榴弾って言って、爆発させると中身の粉が爆風に乗って相手にくっつ
いて、それが身体を石にしちゃう爆弾なんだけどさ。この粉をその糸にしみこませて、ボール
を相手にぶつけたら中から粉がと飛び出すようにしたら…。」
「んー…そっか!ボールがぶつかったら敵が石になる!」
「そういう事!ま、ホントに石になるのかどうかはわかんないけどね。ダメだったらそれはそ
れって事でさ。」
 自分が扱う武器でも無い、そもそも本来武器ではないブリッツボールに対してこんなアイデ
アが浮かぶなんて、と、ティーダは驚いた。
 ティーダが驚いている内に、リュックは粉末と水を混ぜ終え、そこへ白い繊維を垂らし、浸
していく。広げると結構な長さになる繊維をすり鉢の中へ入れ終えると、リュックは指先まで
覆う手袋を取り出して両手にはめた。
「手についたら大変だからね。」
 リュックは手袋がはまっているか確かめるように両拳を握り、泥が付着して灰色になった糸
を、元のようにゴム球に巻きつけていく。巻き終えた所でピンを留め、右手でボールを掲げて
乾燥するのを待つ。
 ティーダは、手早く作業を済ませるリュックを黙って眺めていた。
「あ、その針使ってさ、皮の表面に何箇所か穴開けてもらっていい?」
 二つ返事で、ティーダはリュックが顎で示した針を手に取り、言われるままに穴を開けていく。
 ブリッツボールの表皮は思ったよりも硬く、少し力をこめないと針が貫通しなかった。
「リュックは凄いな…こんな事考え付かないよ。」
 穴を開けながら、ティーダはしみじみと呟いた。
「へへ…褒めたって何も出ないよ。ま、失敗する事も多いんだけどさ。なんていうか…物は試しっ
てね。」
「はーできたできた。ごめんね、ちょっと待たせちゃった」
 工具を畳み、袋の中にひとしきりしまうと、リュックが言った。
 下を向いて作業していて疲れたのか、身体を伸ばして、そのまま仰向けに倒れた。
 その足元には、トゲのついたブリッツボール。
「うん」
 そう一言だけ返事すると、ティーダの掌に汗が滲んだ。
 何度目になるんだろう。ティーダは、もう数えなくなっていた。
 仰向けに横たわるリュックと地面との間に手を差し込み、そのまま抱えて、胡坐をかいた膝の上
に降ろす。
 指先に感じる太腿や細い二の腕は柔らかく、今すぐにも乱暴に揉みしだいてしまいたくなる。
 すぐ目の前にある渦を巻いた瞳を覗き込んだ時、オレンジの香りが鼻腔をくすぐり、頬が熱く
火照るのが解った。
 そんなティーダの様子を悟ったのか、リュックは笑窪を作ってにやけた。
「今更だけど…ホントに今更だけどさ。いいのかな、友達と…こんな事」
 ティーダにとってリュックは、命の恩人で、「ユウナを守る」という同じ目的を持った仲間で、
エボンの教えだとか何だとか、面倒な事を一切気にせずに語り合える大切な友人だ。
 気分が沈んでいる時は、彼女の明るさが心底嬉しかった。
「…男と女には、こういう関係だってあるんだよ。それに…興味あったし」
 お互いに性欲を解消しあう関係―――セックスフレンド。きっかけは、ある日の夜にティーダが
自慰にふけっている所を目撃された事だった。
 17歳という若さに、滑らかなユウナの背中や、豊かに自己主張するルールーの胸元や、瑞々しい
リュックの太腿は眩しすぎた。
 襲い来る魔物との、生きるか死ぬかの戦いを切り抜け、キャンプを張って一息つけば、その途端
に股座が疼いたものだった。
 どうにかして口止めを頼もうとするティーダに対し、リュックの反応は意外な物だった。
 『手伝おっか?』と一言。それ以来段々と行為はエスカレートしていき、今に至る。
 最後までするようになったのは、ついここ数日の事だった。
「…溜まってるんでしょ?」
 そう呟くリュックの声が、いつも賑やかさからは想像も出来ないほどに艶かしく、背筋がぞくりとした。
 リュック、と名前を呼ぶと、彼女は目を細めて笑った。
 かかえたリュックの首の後ろに手をやり、抱き寄せて、口付けた。
「んっ…んふ、んむ…」
 恐る恐る差し入れられるティーダの舌を、リュックは拒まない。歯茎をなぞり、前歯の隙間を
擦ると、ティーダの首に両腕が回された。
 舌を絡めあう内に、唇から唾液がこぼれて顎を伝ったが、後で拭えばいいと思い、ティーダは
気にしなかった。
 息苦しくなってきた所で唇を離すと、お互いの舌に橋がかかった。
 既にズボンの中は歩く事すら難しい程に窮屈で、裏地に触れただけで声が漏れそうだった。
 今すぐにでもファスナーを開けたかったが、我慢してリュックの脇腹辺りにあるベルトに手をかけた。
「脱がすよ、リュック」
 なるべく落ち着いた風を装って話しかけると、一瞬困ったような顔をしながらも、リュックは自ら
上半身を曝け出す形になった。
 青白い月光に照らされた身体は、発展途上にあるらしい事が見て取れる。
 首から下げたゴーグルの下に広がる二つの丘はなだらかで、桜色の乳頭が僅かに頂上で色づいている。
 ティーダは控えめながらも整ったそれを、素直に綺麗だと思った。
 背が小さくて、腕も脚も細くスラリとしたリュックの身体とバランスが取れていて、美しい。
 早く先へと手を進めたいのに、ティーダは乳房から目が離せずにいた。
「あっ」
 そんな視線に気付いたのか、リュックは慌てて両腕で胸を覆って隠した。
 グローブやリストは外さずにいるせいか、華奢な肩が目立つ。
「あ、あんまし見ないでよ。結構気にしてるんだからさぁ」
「俺は全然気にしないッスよ」
「あたしは気にするんだってば!ルールーはボーンだし…ユウナんだって大きいし…キミも、
大きい方が好きでしょ?」
「…リュックらしくて、可愛いと思うんだけどな」
 どちらかと言えば胸の大きな女性の方が好みではあったが、その言葉はティーダの正直な
気持ちだった。
 むしろ、仲良くしている友人が目の前で裸を晒していると言うだけで、これ以上無い程の
興奮がある。
 胸が大きいか小さいかなど、言ってしまえばどうでも良かった。
「ホント…?」
「嘘ついてどうするんだっつの」
 宵闇に消えてしまいそうな小さい声で「わかった」とリュックは言うと、両腕を自身の背
中に回して胸を張った。
「い、痛くしちゃヤだよ」
 顔を真っ赤にして、照れくさそうに目を逸らしながらもはにかんで見せる彼女がいじらしく
思えて、ティーダの顔がほころんだ。
「じゃ、遠慮無く、と」
 そっと手を伸ばして触れる。そこには張り詰めた肌の瑞々しさと、不可思議な柔らかさとが
同居していた。
 すべすべとした肌からリュックの熱が暖かく伝わってくる。
「あったかいな、リュックのここ。それに…凄く柔らかい」
「い、言わなくていいよ、そんな事」
 もっと、思う存分に触りたいという欲望そのままに、ティーダは乳房全体を捏ね回す。
 荒い吐息に混じったリュックの細い喘ぎが、更にそれを加速させようとしているように感じた。
「…っあ!」
 きめの細かい肌に覆われた双丘を手の中で弄ぶ内に固くなってきた頂点を、爪の先で軽く
引っかき、リュックが1オクターブ高い声をあげた。
 白い首を仰け反らせてかぶりを振って、結んだ髪の先端に付けた羽根飾りの赤が胸元に散った。
 その鮮やかさに一瞬目を奪われた後、ティーダの脳裏に一つのイタズラが浮かんだ。
「えっ?ティーダ、何を…きゃっ!あ、ちょっとぉ…」
 羽根飾りを指で摘み、羽根で膨らみの頂をかすめ、くすぐる。リュックは身をよじり、逃げ
ようとする。
「や…だぁ…そんな事するために付けてるんじゃないのに……んっ…あ…」
 しかし、それが本当に嫌がってる様子ではない事を確認して、ティーダは責めを継続させる。
 頂の先端へと血が集まり、うっすらとそこが隆起しているのが羽根を通して感じられた。
「はっ…ん、あっ…、ちょ、そこばっかりコチョコチョしないでよぉ…。」
 肩で呼吸するリュックの潤んだ瞳を覗き込むと、アルベド特有の渦が滲んでいた。
 頬を上気させたその表情に、後頭部がカッとなり、腰の奥がじんと疼いた。刺激していない
のに射精感が込み上げる。
「…悪い、もう我慢出来ない。」
「えっ?」
 言うが早いか、右手をリュックのショートパンツの中へと滑り込ませた。
 さらりとした薄い陰毛の感触を通り過ぎた先は、沼地のようにぬかるんでいた。
「あぁっ!うっ…んんっ…」
 触っても痛くは無いであろう事を確かめると、人差し指を裂け目に沿ってなぞらせて終端近く
の穴を探り当て、指を潜り込ませる。
 スムーズに入ったかと思いきや、内部の抵抗は強く、滑りが良くなっているおかげで痛くは無い
が、強い締め付けを感じる。
 空いた親指で秘烈の上端を撫で回すと、リュックの腰が跳ねた。
「いたっ…そこはもっと…うん、そう…やさ…し…ひゃっ!あはぁっ!」
 注意深く、触れるか触れないかのギリギリのラインで刺激すると、人差し指を入れた内部がどん
どん潤ってくるのが解る。
 漏れ出した粘っこい愛液が、掌に広がった。
「リュック…いい?」
「…うん。いいよ…」
 ティーダは返事を待って、ショートパンツも脱がせて、リュックの身体を抱えてそっと地面に寝かせた。
 ファスナーを下げて性欲の塊を取り出し、緩く閉じられた両膝をゆっくりと開き、充分に潤った
秘所にあてがう。
 まだ入れてもいないのに、触れただけで首筋が痺れ、ティーダは呻き声を漏らした。
「…へへへ」
「なんだよ、突然ニヤけて」
「ドキドキするよね。…あたし、この瞬間好きだな」
 あっけらかんと笑って、リュックが両腕を広げて首にしがみついてきた。
 こんな時、ティーダはいつも、相手がリュックなのだという事を実感していた。
 その笑顔に、思わずティーダの頬も緩む。
「…行くッスよ」
「うん…あ…入ってくる……いっあ、あぁっ!」
 入るべき穴の位置を確かめて、一気に突き入れた。熱を持ったような湿った壁に男の最も敏感な
部分を締め上げられ、鳥肌が立つ。
「リュックの中…熱いっ…」
「キミのも…熱くて、すごい固いよ」
 奥まで押し込み、抜けだす寸前まで引っ張り、また奥へ。
 腰を往復させる度に、襞の起伏に擦られ、視界が揺らぐような快感が押し寄せる。
 勢い良く責めたてようものなら、自分が先に、すぐに果ててしまう、男としてそれは避けたかった。
 しかし、溢れ出す欲望を、ありったけぶちまけたい。そんな思いが理性のタガを外し、ティーダ
の脳裏を塗りつぶしていった。
「ああぁっ!あっ!はぁ…中で…大きく…くぅぁっ!ふぅぅっ…」
 シャープな眉がハの字に下がり、整った顔を歪めてリュックは喘ぐ。
 洞穴の奥から泉が湧き出すように愛液が滲み出し、肌と肌のぶつかりに、水音が混じっていった。
 増すぬかるみとは裏腹に、洞窟の圧力は段々ときつくなり、充分に潤っていなければ痛みに呻いて
いたぐらいだ。
「んんっ…いぁ、はぁっ!あぁ、すご…あぁぁっ!」
 今にも溜め込んだ精が爆発してしまいそうだったが、もっとこの快楽に身を浸していたくて、ティーダは
歯を食いしばった。
 突っ張って自分の身体を支えていた腕をリュックの背中に回して抱き寄せ、ただひたすらに腰を振った。
 密着させた肌は汗ばんでいた。
「ティーダ、もうちょっと奥…奥…そう、そこ…そこ…が…あ、あぅっ!」
 肉棒を奥深くへと突き入れ、ザラついた箇所を小刻みに擦ると、リュックの腰が
ぶるぶると震えた。
 先端に当たるザラザラと、入り口から広がる襞が食いちぎらんとばかりにティーダ
自身を締め付ける。
 もう限界だった。
「リュック…俺…もう…ヤバイ」
「まっ…待って!もうちょい、あたしも…もうちょいだから…!」
 最後は一緒に。その望みに応えようと、門を破りそうな激流をどうにか押し留めて、
リュックの最奥を責める。
「うっ…あぁっ…い、いく…イク…あっあっあ、うあ、あぁぁぁぁぁ…!」
 リュックが達したかどうかを確かめる前に、限界を超えた濁流がどっと溢れた。
 神経が溶けていきそうな感覚が脊髄を駆け上り、溜め込んだ欲望を全て、暖かな海の中へ吐き出す。
 これ以上無い程の快感だった。

「…いっぱい出たね」
「結構ガンガンやっちゃったけど…痛くなかったッスか?」
「そういうのは終わってから言うもんじゃなくない?…気持ちよかったからいいけどさ」
 乱れた前髪を直しながら、リュックが苦笑した。 
「わ、悪い…」
「ま、あたしもスッキリしたしね?」
「そうだな。今日はどうもモヤモヤしてて集中できなかったし、明日こそは頑張って
ユウナを守らないと」
「…そうだね」
 いつもの明るい顔になったかと思いきや、リュックの表情が曇る。
「やっぱり、キミは――――」
「えっ?何か言った?」
「頑張ろうね、って事。ほら、早く戻ろ」
 本当は何と言ったのか。ティーダは、どうしてかそれを尋ねる事が出来なかった。
 さっきまで夜空にあった月は、雲に隠れて見えなくなっていた。



 終わり
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