心臓の進化 
基本事項
生物基礎になってから、教科書への登場率がかなり下がっており、生物基礎のみで学習を終える生徒に内容を伝えるかは微妙なところ。
扱う内容、レベル
生物基礎になってから、どの大学も出題が少ないが出題例は毎年ある。
また、2019年のセンター生物基礎に、心室の中隔が欠損した場合の影響を考察させる問題があり、心臓の進化を扱っていた場合に正答率が上がったと考えられる。
個人的には、「なぜ心臓は４つの部屋に別れているのか」「心房と心室の違い」「動脈血と静脈血」について、本題に入る前に紹介できるので、ヒトの心臓を扱う前に紹介している。
また、2019年のセンター生物基礎に、心室の中隔が欠損した場合の影響を考察させる問題があり、心臓の進化を扱っていた場合に正答率が上がったと考えられる。
個人的には、「なぜ心臓は４つの部屋に別れているのか」「心房と心室の違い」「動脈血と静脈血」について、本題に入る前に紹介できるので、ヒトの心臓を扱う前に紹介している。
発問案
ヒトの心臓の構造をこれから覚えます！印象は？ → 複雑だ。などがでる。なぜ複雑なのかこれから考えよう。
魚と哺乳類、どちらが大きい？ → 一般的に哺乳類のほうが大きい。
魚と哺乳類、どちらが大きい？ → 一般的に哺乳類のほうが大きい。
トピック
心臓中隔欠損症は、新生児の1000人に３人ほどの割合で見られる疾患である。ほとんどは幼児期に閉塞しているが、生徒のなかにこのような病気の生徒がいることに配慮が必要である。
恐竜は鳥類の祖先であるので、心臓は２心房２心室である。恐竜の大型化は肺の進化によるところが大きいが、心臓の進化も影響しているだろう。
心房と心室の覚え方について、語呂合わせに「ぼーっと入ってきて、シッと追い出される」がある(大森徹先生の本だった気がします)
生物のどの内容を扱っていてもたいてい、原始的な構造や生物にも利点があるよね、と思えるのですが、この単元については魚類・両生類の心臓が明らかに機能的に劣っている気がするのです。どんなメリットがあるのか教えて下さい。（心臓の進化は変異に対する許容範囲が狭いから、進化が遅い・・・？など考えていますが）
恐竜は鳥類の祖先であるので、心臓は２心房２心室である。恐竜の大型化は肺の進化によるところが大きいが、心臓の進化も影響しているだろう。
心房と心室の覚え方について、語呂合わせに「ぼーっと入ってきて、シッと追い出される」がある(大森徹先生の本だった気がします)
生物のどの内容を扱っていてもたいてい、原始的な構造や生物にも利点があるよね、と思えるのですが、この単元については魚類・両生類の心臓が明らかに機能的に劣っている気がするのです。どんなメリットがあるのか教えて下さい。（心臓の進化は変異に対する許容範囲が狭いから、進化が遅い・・・？など考えていますが）
心臓の構造
基本事項
右心室・右心房・左心房・左心室・大静脈・肺動脈・肺静脈・大動脈と、8個も覚える言葉があるが、かなり整理がしやすく、生理学によく見られる名前の付け方を確認できる単元である。
生徒も命名の規則性が楽しいらしく、ペアワークで問題を出させ合うと、すぐに全員暗記が完了する。
生徒も命名の規則性が楽しいらしく、ペアワークで問題を出させ合うと、すぐに全員暗記が完了する。
扱う内容・レベル
中学校では、心臓の部位は扱っていないが、血管の名称はやりました。という生徒が多いようだ。
心臓の部位の名称のほか、右心房に存在するペースメーカーについて、左心房の心筋が一番分厚いこと、弁の向き等が問われることがある。
左右の名称が逆だと指摘してくる生徒がいるが、正面から見た図なのであっている。生理学の基本なので、きちんと説明すると良い。
血管の名称についても、今後よく出てくるので、心臓に入るのが静脈、心臓から出るのが動脈、1文字めは全身なら「大」、肺につながるなら「肺」と整理してあげると良い
また、流れる順番も重要であるので、説明する時は必ず流れる順番で。生徒にも左上から何となく埋めないように指導する。心臓の内部を動脈血・静脈血の2色で塗りつぶすと、図が見にくくなるので、構造は白チョークで描き、流れる向きを示す矢印を色チョークで描くと良い。
拍動のリズム(心房心室の弛緩→心房収縮心室弛緩→心室収縮心房弛緩)については生物基礎より大抵の教科書で見られるようになったが、出題が難しいのか、入試での出題は少ない。バレーボールのレシーブ・トス・アタックの流れによく似ている。
心臓の部位の名称のほか、右心房に存在するペースメーカーについて、左心房の心筋が一番分厚いこと、弁の向き等が問われることがある。
左右の名称が逆だと指摘してくる生徒がいるが、正面から見た図なのであっている。生理学の基本なので、きちんと説明すると良い。
血管の名称についても、今後よく出てくるので、心臓に入るのが静脈、心臓から出るのが動脈、1文字めは全身なら「大」、肺につながるなら「肺」と整理してあげると良い
また、流れる順番も重要であるので、説明する時は必ず流れる順番で。生徒にも左上から何となく埋めないように指導する。心臓の内部を動脈血・静脈血の2色で塗りつぶすと、図が見にくくなるので、構造は白チョークで描き、流れる向きを示す矢印を色チョークで描くと良い。
拍動のリズム(心房心室の弛緩→心房収縮心室弛緩→心室収縮心房弛緩)については生物基礎より大抵の教科書で見られるようになったが、出題が難しいのか、入試での出題は少ない。バレーボールのレシーブ・トス・アタックの流れによく似ている。
発問案
(心臓の心室・心房を板書後)名前の付け方で、何か気になることない？ → 右左が逆。間違えやすいところなので、生徒に気づかせる。
何で、右と左が反対なんだろう？ → 実際に医者と患者の会話をイメージさせると良い。患者が右腕が痛いと言ったら、医者が見るのは向かって左側の腕。
（心臓の各部位を示しながら）ここはなんて名前？ → 説明した名称のルールを使わせる。
左心房が一番厚いのはなぜ？左心房はどこに血液を送り出している？ → 全身に血液を送るため強い拍動が必要
（心臓の弁の位置を指しながら）弁は何で必要？弁はどっち向きについている？ → 静脈・リンパ管の構造と結びつける。弁の向きも流れる方向が理解できればすぐにわかる。
何で、右と左が反対なんだろう？ → 実際に医者と患者の会話をイメージさせると良い。患者が右腕が痛いと言ったら、医者が見るのは向かって左側の腕。
（心臓の各部位を示しながら）ここはなんて名前？ → 説明した名称のルールを使わせる。
左心房が一番厚いのはなぜ？左心房はどこに血液を送り出している？ → 全身に血液を送るため強い拍動が必要
（心臓の弁の位置を指しながら）弁は何で必要？弁はどっち向きについている？ → 静脈・リンパ管の構造と結びつける。弁の向きも流れる方向が理解できればすぐにわかる。
トピック
教科書や参考書によっては、洞房結節(ペースメーカー)と書かれているものがあり、洞房結節の英訳がペースメーカーと誤解してしまうので注意、洞房結節は部位の名前で、ペースメーカーは働きの名称である。あと読み方は「ドウボウケッセツ」。
心臓の形をイラスト化したものが、❤(ハートマーク)である。メールなどでハートを使う時、心臓の絵文字を送っていると思うと、気持ちが悪い。生徒に心臓の模式図をノートに書かせる時は、大きなハートマークをかかせ、中央に直線的な肺動脈・大動脈を追加、左上・右上に大静脈・肺静脈を追加すると良い。
心臓の位置について、よく人体の左側、とされることが多いが、実際には第二肋骨〜第六肋骨のほぼ中央にある。左心房が他より大きく、拍動も強いのでそう勘違いされるのであろう。左手を握って、中央に当てると、ほぼ心臓の大きさ・形を示している。(進撃の巨人の心臓を捧げよ、のポーズ)
心拍の速度は、平均75拍/分であるが、強い運動をすると、250拍/分まで伸びる。
最近、スマートフォンのアプリで、カメラを使って心拍数を測定し、(指を押し当てると、心拍に合わせて指先の赤色の濃淡が変化するのでそれを測定している)ストレス状態などを判断するものがある。
また、Apple Watchは自動で心拍を記録し、病的な心拍数の変化があると通知してくれるし、
Nintendo Switchのリングフィットアドベンチャーでは、コントローラーのカメラで心拍を読み取り、運動強度が適切かどうかソフト側が調節してくれる。
心臓の拍動は、当たり前だが死ぬまで繰り返される。ヒトの場合約20億回と言われているが、驚くべきごとに哺乳類では寿命の長短に関わらず20億回ほどで寿命を迎える生物が多い。(寿命の短い生物は心拍数が一般に多い)この話は、ベストセラー「ゾウの時間ネズミの時間」（本川達雄）に詳しい。
心臓に関する病気で亡くなる人は、約16％（6.25人に1人）とかなり多い。導入として、自分や大切な人が病気になった時、「知りたい」と思う、その時新書程度の本を読めることは大切だ、という話をすることもある。
心臓の拍動リズム、血液の流れは以下の動画が非常にわかりやすい。
https://youtu.be/pBl0LQpBzJg
心臓の形をイラスト化したものが、❤(ハートマーク)である。メールなどでハートを使う時、心臓の絵文字を送っていると思うと、気持ちが悪い。生徒に心臓の模式図をノートに書かせる時は、大きなハートマークをかかせ、中央に直線的な肺動脈・大動脈を追加、左上・右上に大静脈・肺静脈を追加すると良い。
心臓の位置について、よく人体の左側、とされることが多いが、実際には第二肋骨〜第六肋骨のほぼ中央にある。左心房が他より大きく、拍動も強いのでそう勘違いされるのであろう。左手を握って、中央に当てると、ほぼ心臓の大きさ・形を示している。(進撃の巨人の心臓を捧げよ、のポーズ)
心拍の速度は、平均75拍/分であるが、強い運動をすると、250拍/分まで伸びる。
最近、スマートフォンのアプリで、カメラを使って心拍数を測定し、(指を押し当てると、心拍に合わせて指先の赤色の濃淡が変化するのでそれを測定している)ストレス状態などを判断するものがある。
また、Apple Watchは自動で心拍を記録し、病的な心拍数の変化があると通知してくれるし、
Nintendo Switchのリングフィットアドベンチャーでは、コントローラーのカメラで心拍を読み取り、運動強度が適切かどうかソフト側が調節してくれる。
心臓の拍動は、当たり前だが死ぬまで繰り返される。ヒトの場合約20億回と言われているが、驚くべきごとに哺乳類では寿命の長短に関わらず20億回ほどで寿命を迎える生物が多い。(寿命の短い生物は心拍数が一般に多い)この話は、ベストセラー「ゾウの時間ネズミの時間」（本川達雄）に詳しい。
心臓に関する病気で亡くなる人は、約16％（6.25人に1人）とかなり多い。導入として、自分や大切な人が病気になった時、「知りたい」と思う、その時新書程度の本を読めることは大切だ、という話をすることもある。
心臓の拍動リズム、血液の流れは以下の動画が非常にわかりやすい。
https://youtu.be/pBl0LQpBzJg
血液の循環
基本事項
中学校で既習の内容である。心臓の説明と同時に動脈血・静脈血などの説明をすると一度に与える知識が増えすぎるので、一度話を置いてから、復習も兼ねて肺循環・体循環の説明をすると良い。
扱う内容、レベル
生物基礎の内容では、肝臓と腎臓の単元でも、血管の名称が出て来る。肝門脈の特殊性は入試でよく問われるが、すぐ後の肝臓の単元で再度出てくる内容なので、扱っても扱わなくても良いだろう。
この単元でよく問われる問題として、○○の成分が多い/少ない血液は、どの血管を流れているか？などがある。ただ、この問題の内容は次の腎臓・肝臓の働きに関連することが多いので、ここで説明すると時間がかかることに注意が必要。(考査前の問題演習で、もしくは解説はしない)
この単元でよく問われる問題として、○○の成分が多い/少ない血液は、どの血管を流れているか？などがある。ただ、この問題の内容は次の腎臓・肝臓の働きに関連することが多いので、ここで説明すると時間がかかることに注意が必要。(考査前の問題演習で、もしくは解説はしない)
発問案
静脈血って、どんな状態の血のことだった？ → 静脈血の定義について、再度確認する。
肺動脈に流れているのは、動脈血？静脈血？ → 肺循環では肺を境に、体循環では毛細血管を境に動脈血・静脈血が入れ替わる。
どの血管も、どちらかの端は心臓につながっています。図の中で、両方とも臓器につながっている血管探せる
？何と何の間？ → 肝門脈の特殊性に気づかせる。
肺動脈に流れているのは、動脈血？静脈血？ → 肺循環では肺を境に、体循環では毛細血管を境に動脈血・静脈血が入れ替わる。
どの血管も、どちらかの端は心臓につながっています。図の中で、両方とも臓器につながっている血管探せる
？何と何の間？ → 肝門脈の特殊性に気づかせる。
トピック
食事後、眠くなってしまうのは、胃などの消化管に血液が集まり、脳に血液が行かなくなってしまうからである。という説明がされることがあるが、食事後の眠気はかなりいろいろな原因があるようである。
ざっとインターネットで調べたところ、3つも説が出てきた。
�� 一時的に高血糖になり、インスリンが大量に分泌され、逆に低血糖になるため
�� 消化を活発にするため副交感神経優位になる
�� 血圧の低下(前述) どれも、高校生物基礎の内容で説明ができそうである。
ざっとインターネットで調べたところ、3つも説が出てきた。
�� 一時的に高血糖になり、インスリンが大量に分泌され、逆に低血糖になるため
�� 消化を活発にするため副交感神経優位になる
�� 血圧の低下(前述) どれも、高校生物基礎の内容で説明ができそうである。
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