細胞の情報伝達 
基本事項
新単元の導入の単元。器官のコントロールの必要性を気づかせ、神経系と内分泌系の2系統で調節していることを紹介する。押さえるべき情報は少ない。
扱う内容、レベル
日常の生活体験から、導入を始めると良い。授業直前の休み時間の生徒の状態(前の授業で疲れた、眠たい、ご飯を食べた、暑い、寒いなど)を把握しておき、そのときにどんな変化が起こっているのか発問する。
また、これまで扱ってきた心臓・肝臓・腎臓について、様々なシュチュエーションで、どんな変化になるべきか考えても良い。
神経系と内分泌系について、なぜ2つの調節があるのかを紹介したい。入試の記述問題などにも2つの違いを説明させるものがある。
情報の伝わり方については、軸索という言葉を用いなくても良い。(発展)
また、これまで扱ってきた心臓・肝臓・腎臓について、様々なシュチュエーションで、どんな変化になるべきか考えても良い。
神経系と内分泌系について、なぜ2つの調節があるのかを紹介したい。入試の記述問題などにも2つの違いを説明させるものがある。
| 情報の伝わり方 | つながる細胞数 | 情報の伝達速度 | 効果の持続時間 | |
| 神経系 | 軸索の興奮(電気信号) | 少ない | 早い | 短い |
| 内分泌系 | 血液中のホルモン(化学信号) | 多数 | 遅い | 長い |
発問案
運動している時って、心臓はどうなっている？ → 早くなっている。
眠い時って、心臓はどうなっている？ → 遅くなっている。
水のみすぎた時は、腎臓はどうしたらいいだろう？ → 尿を増やす。
これらの臓器のコントロールは、どこが行なっている？ → 脳だ、という漠然とした認識はあることが多い。
脳からの命令は、心臓にどうやって伝わる？ → 神経自体は中学校で既習。ホルモンはなかなか出ない。
ヒトは何個の細胞からなっている？ → 37兆個。これらの細胞が調和のとれた活動をする必要がある。
眠い時って、心臓はどうなっている？ → 遅くなっている。
水のみすぎた時は、腎臓はどうしたらいいだろう？ → 尿を増やす。
これらの臓器のコントロールは、どこが行なっている？ → 脳だ、という漠然とした認識はあることが多い。
脳からの命令は、心臓にどうやって伝わる？ → 神経自体は中学校で既習。ホルモンはなかなか出ない。
ヒトは何個の細胞からなっている？ → 37兆個。これらの細胞が調和のとれた活動をする必要がある。
トピック
いきなり神経とホルモンのメリットってそれぞれなんだろう？という話をしても考えられる生徒は少ないので、身近な連絡手段に置き換えて話すと良い。
最近高校生にとって、両方ともLINEという表現になるが、通話機能とメッセージ機能の使い分けは生徒が普段からしていることなので、聞いてみると良い。通話は、情報を早く1人に対して伝えるのに適しているが、通話が終わると記録は残らない。メッセージは情報をたくさんの人に伝えるのに適し、記録も残りにくいが、確実に相手に情報が届くには時間がかかる。
最近高校生にとって、両方ともLINEという表現になるが、通話機能とメッセージ機能の使い分けは生徒が普段からしていることなので、聞いてみると良い。通話は、情報を早く1人に対して伝えるのに適しているが、通話が終わると記録は残らない。メッセージは情報をたくさんの人に伝えるのに適し、記録も残りにくいが、確実に相手に情報が届くには時間がかかる。
神経細胞（ニューロン）
基本事項
ニューロン・興奮という言葉自体は、教科書にあるが、それ以外の伝導と伝達や、神経伝達物質は「発展」の扱いになっている。時間があれば扱うが、センター試験レベルの理解が目標なのであれば扱わない。
扱う内容、レベル
生物�気任蓮▲縫紂璽蹈鵑鮠椶靴�扱っていたので、自律神経を扱う際に、交感神経が主にノルアドレナリン、副交感神経はアセチルコリンを神経伝達物質としていることを問う問題が出題されていた。
生物基礎ではニューロンを興奮が伝わることは伝えるが、その詳細については扱わない。
これ以外に視床下部の神経分泌細胞の働きを扱う際にも、ニューロンでの興奮の伝わり方が理解できていると伝わりやすい。
生物基礎ではニューロンを興奮が伝わることは伝えるが、その詳細については扱わない。
これ以外に視床下部の神経分泌細胞の働きを扱う際にも、ニューロンでの興奮の伝わり方が理解できていると伝わりやすい。
発問案
トピック
神経伝達物質が引き金になっている病気・状態は、うつ病・パーキンソン病・統合失調症・ADHDなど様々なものがある。また、ヒトの感情は大まかにいうとセロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンなどのバランスで成り立っていると言われている。
全校生徒が履修することが多い生物基礎の単元で、これらの病気・状態はその人の持つ考え方、パーソナリティに問題があるのではなく、生理学的な問題があることを伝え、理解を深める機会となる単元である。
全校生徒が履修することが多い生物基礎の単元で、これらの病気・状態はその人の持つ考え方、パーソナリティに問題があるのではなく、生理学的な問題があることを伝え、理解を深める機会となる単元である。
ヒトの神経系
基本事項
正面から扱うと、非常に新出単語が多くなる単元である。恒常性の理解に大切なのは、間脳・視床下部・脳下垂体の関係と、自律神経系である。これら以外は入試にも問われにくい。
扱う内容、レベル
中枢神経を扱う際に重要なのは間脳・視床下部・脳下垂体の関係であり、大脳・中脳・小脳・延髄などは白チョークで書くと良い。
また、全身の末梢神経の紹介もするが、体性神経の感覚神経・運動神経は白チョークで書き、自律神経を強調するようにする。
脳の構造や神経の分類自体は教科書に載っているので、一応紹介はすると良い。
また、全身の末梢神経の紹介もするが、体性神経の感覚神経・運動神経は白チョークで書き、自律神経を強調するようにする。
脳の構造や神経の分類自体は教科書に載っているので、一応紹介はすると良い。
発問案
(中枢神経の図・説明を図説などで見ながら)恒常性の中心になっていると書いてあるのはどこ？ → 間脳。多くの情報の中から重要な部分を見つける訓練に。
感覚神経で伝わるものにはどんなものがある？ → 五感など。方向性についても紹介。
運動神経がつながっているのは、どこ？ → 筋肉。方向性についても紹介。
意識的に筋肉を動かすこと、できる？ → 大体はできる。体性神経は意識に上がる神経。
意識的に心臓を早くすること、できる？ → 直接的にはできない。自律神経は無意識に働く「自律」性がある。
感覚神経で伝わるものにはどんなものがある？ → 五感など。方向性についても紹介。
運動神経がつながっているのは、どこ？ → 筋肉。方向性についても紹介。
意識的に筋肉を動かすこと、できる？ → 大体はできる。体性神経は意識に上がる神経。
意識的に心臓を早くすること、できる？ → 直接的にはできない。自律神経は無意識に働く「自律」性がある。
トピック
自律神経は意識的に切り替えることはできないが、呼吸や姿勢、意識を調整する事で間接的に切り替えることができる。ヨガなどのリラックス効果のある呼吸法や運動は、意識的に副交感神経に切り替える運動である。
(交感神経が亢進していると胸式呼吸になりやすいので腹式呼吸に誘導する。体の部位に意識を集中させることも、副交感神経を働かせる要因になる。)
また、自律神経症状が出ているうつ病などの患者には、自律訓練法という副交感神経を優位にさせる訓練をさせることもある。
(交感神経が亢進していると胸式呼吸になりやすいので腹式呼吸に誘導する。体の部位に意識を集中させることも、副交感神経を働かせる要因になる。)
また、自律神経症状が出ているうつ病などの患者には、自律訓練法という副交感神経を優位にさせる訓練をさせることもある。
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