324 :お蕎麦 ◆FuTq7EgZCQ @無断転載は禁止:2016/08/28(日) 02:31:02.47 ID:dyWSMHBr0
【第九十五話】『消えた友人』
小学生の頃、夏休みに体験した話です。
夕方、友人と二人して、誰もいない学校のグラウンドで遊んでいると、さっきまで晴れていたのに、突然、雨が降ってきました。
慌てて校舎に入ったのですが、
ふと気がつくと、一緒に校舎まで走った友人がいなくなっていました。
校舎の軒下で、友人を呼びましたが、
返事がありません。
私は怖くなってその場でしゃがみ込んでしまいました。
しばらくすると、さっきまで激しく降っていた雨が止んだことに気がつきました。
雨が止んだことにも驚きましたが
消えた友人が私の横に立っていたことに
もっと驚きました。
(1/2)
325 :お蕎麦 ◆FuTq7EgZCQ @無断転載は禁止:2016/08/28(日) 02:33:26.16 ID:dyWSMHBr0
友人にどこに行っていたのか、いつから横にいたのか問いただしたところ、
「ずっと横にいた」とのこと。
さらに友人が言うには、一緒に校舎に着いてから私が急にしゃがみ込み、何を言っても反応しなくなっていたそうです。
私が、友人が消えて、名前を呼んでいたことを話しても信じてくれません。
お互いに主張を譲らず、その日は喧嘩別れになってしまいました。
その後、不思議な体験はしませんでしたが、
オカルト分野に関心を持った今思うと
友人が消えたわけではなく、
私の意識だけが異世界に迷い込んでしまったのかも知れません。
あの世界は何だったのでしょう。
【了】
次の話へ
コメントをかく