最終更新:ID:1NZz4bJK8w 2015年06月30日(火) 21:22:09履歴
- 信号の周波数成分と帯域という概念
- 総ての周期関数を正弦波、余弦波の和であらわすことができる
- 各周波数成分は基底関数である正弦波、余弦波の直交性により求められる
BPS:通信速度, b[bit/sec] | T(msec): 周期 8/b[sec]をmsecで表したもの | First harmonic(Hz): 基本周波数, b/8[Hz] | Harmonics sent: 3000[Hz]内に入る調和項の数, 3000/(b/8)=24000/b [個] |
300 | 26.67 | 37.5 | 80 |
600 | 13.33 | 75 | 40 |
1200 | 6.67 | 150 | 20 |
2400 | 3.33 | 300 | 10 |
4800 | 1.67 | 600 | 5 |
9600 | 0.83 | 1200 | 2 |
19200 | 0.42 | 2400 | 1 |
38400 | 0.21 | 4800 | 0 |
3000Hzの伝送路の例
8[bit]の繰り返しなのでb[bit/sec]の基本周波数はb/8[Hz]となる
これが3000[Hz]の中にいくつ入るかを示したもの
- 伝送できる調和項の数が少ないと波形は再現できなくなる
最大周波数成分がf[Hz]のとき、2f[Hz]で標本化すれば元の波形を再現できる.
すなわち、帯域幅H[Hz]のローパスフィルタを通った後の信号は、2H[Hz]で標本化すれば完全に復元できる
標本当りV段階(つまりlog 2 V[bit])の情報量があれば
H[Hz]のローパスフィルタを通った後の信号を再現するためのデータレートS[bit/sec]は
S = 2Hlog_2 V
ここで注意する必要があるのは以下のような問題である.
上記の例ではノイズの影響を考えていないが,実際には当然ノイズが入る.
もともとの伝送帯域がH[Hz]で、信号とノイズの電力比がS/Nのとき、最大伝送速度C[bit/sec]は、以下の式で表せる.
C = H log 2 (1 + S/N)
すなわち、帯域幅H[Hz]のローパスフィルタを通った後の信号は、2H[Hz]で標本化すれば完全に復元できる
標本当りV段階(つまりlog 2 V[bit])の情報量があれば
H[Hz]のローパスフィルタを通った後の信号を再現するためのデータレートS[bit/sec]は
S = 2Hlog_2 V
- これは伝送路にノイズがない場合
例題1
音声帯域として4KHzまでを想定し、量子化精度は 8[bit/sample]、理想的なローパスフィルタが使えたとき、この信号を伝送するために必要なビットレートは?
4000[sample/sec] * 2 * 8[bit/sample] = 6400[bit/sec]
A. 64[Kbit/sec]
ここで注意する必要があるのは以下のような問題である.
例題2
16[bit/sample]の量子化精度で22[KHz]までの帯域をカバーしたCDの場合は?
22000[sample/sec] * 2 * 16[bit/sample] * 2 = 1408000[bit/sec]
A. 1.408[Mbit/sec]
- CD の場合, ステレオ音源なので最後に 2 倍する必要がある.
上記の例ではノイズの影響を考えていないが,実際には当然ノイズが入る.
もともとの伝送帯域がH[Hz]で、信号とノイズの電力比がS/Nのとき、最大伝送速度C[bit/sec]は、以下の式で表せる.
C = H log 2 (1 + S/N)
例題3
一般の公衆回線では帯域が3000[Hz]でS/Nは30dBS[W]R[dB] = 10 log程度である.この時, 伝達速度の上限を答えよ 3000 × log 2 (1+ 10) = 3000 × log 2 (1001)
≈ 30000 = 30[kbit/sec]
- 昔のモデムは4800[baud]で4位相の9600[bit/sec]
- 今のモデムの速度は実は公衆回線がデジタルであることを利用したもので、ここの話とは前提が異なる
- ボーレート [baud]
- 伝送システムの速度を[シンボル/Sec]であらわしたもの
- ビットレート [bps]
- 伝送システムの速度を[bit/sec]であらわしたもの
- シンボルあたりのビット x ボーレート
たとえば、振幅として4段階の区別がつけば一つのシンボルあたり2bitで、これを300[baud]で送れば600[bps]
モデムでは、位相と振幅の両方で多値シンボルを実現する(後出)
- ベースバンド伝送方式
- デジタル信号を生のまま送信
- 簡単に回路がつくれる
- 長距離伝送は困難
- LAN (最近は高速化により事情が異なりつつある)
- ブロードバンド伝送方式
- アナログに変換(= 変調:Modulation)して伝送
- 変換装置(モデム)が必要
- 長距離伝送、多チャンネル伝送が可能
- WAN, Cable TV, ADSL
名前 | 方法 |
---|---|
NRZ(Non Return to Zero)符号 | 1はHi 0はLo |
NRZI(Non Return to Zero Inverted)符号 | 0(1でもいいがどちらか)のときに変化させる |
RZ(Return to Zero)符号 | 1/2クロック経ったら必ず0に戻る |
マンチェスタ(Manchester) 符号 (=ダイパルス符号) | 立ち上がりパルス、立ち下がりパルスを符号として割り当てる |
- 最近の高速技術では単一のbit単位では扱わず、また、シンボルあたりの情報も1 bitではない
- 振幅
- 周波数変調(Frequency Modulation)
- 周波数偏移変調(Frequency Shift Keying)
- 周波数
- 振幅変調(Amplitude Modulation)
- 振幅偏移変調(Amplitude Shift Keying)
- 位相
- 位相変調(Phase Modulation)
- 位相偏移変調(Phase Shift Keying)
モデムの例 (Fig. 2-25, 2-26)
一つの媒体を複数の通信に利用
- TDM (Time Division Multiplexing) (Fig. 2-33)
- タイムスロット
- 電話の世界では毎秒8000スロット、つまり125μ秒周期というものが基本
- FDM (Frequency Division Multiplexing) (Fig. 2-31)
- 異なる搬送波で変調
- 正弦波という直交関数を用いて情報を表現
- WDMは光波長でのFDM (Fig. 2-32)
- CDM (Code Division Multiplexing) (Fig. 2-45)
- 直交符号を用いて情報を表現
- ひとつの"宇宙"
- 優れた周波数特性
- アナログ伝送には最適
- 特性インピーダンスというものが存在
- 50Ω(デジタル、通信)と75Ω(アナログ、放送)
- 技術的というよりは過去の経緯による差異
- 終端抵抗が末端には必要
- コネクタはBNCコネクタが一般的
- 撚り合わされた銅線のペア(信号の行き帰り) が複数まとめられたもの
- シールドありの方が当然ながら特性は良い
- 現在LANで多く使われているのは8芯4ペアのUTP
- 周波数特性により、カテゴリ(class)分け
- 10Base-T, 100Base-TXでは2ペアのみの利用だが、100Base-T4、1000Base-T、1000Base-TXでは並列伝送
- コネクタはRJ-45が主流
Fig. 2-7, 2-5
- 石英の筒の中に光を通す
- クラッドの中にコアがある形
- 発光部にレーザー、LED、受光部にフォトダイオードを用いて電気-光変換
- 高速、長距離伝送が可能
- 周囲の電磁波などによる影響を受けない
- 高価
- 媒体の接合が困難
- 波長: ファイバ中での減衰の少ないところ
- ファイバの材質、製法
- 0.85μ, 1.30μ, 1.55μ
- モード: 光の通る道筋
- シングルモード: 一つの道筋を通る光だけ使う
- マルチモード: 複数の道筋を通ってもなるべく揃える
- 光ファイバの屈折率分布
- SI (Step Index) シングルモードに利用
- GI (Graded Index) マルチモードに利用
マルチモード
シングルモード
コネクタ
- GI 50/125μ or 62.5/125μ
- 短距離(2Km, 550m)
- 安価、接合が比較的容易
シングルモード
- SI 8-12/125μ
- 長距離(80Km, 35Km)
- 高速、WDMでの利用
- 高価、接合に高度な技術を要する
コネクタ
- SC, MTRJ, ST, FC, MU, LC, SMA, MIC, etc.
- フェルール嵌合が基本原理
- 端面処理も重要 (PC, SPC, UPC, APC, etc.)
無線(radio) (Fig. 2-11)
赤外線 (Fig. 2-14)
衛星
- 利用する周波数帯域により物理特性が異なる
- 高い周波数ほど使いにくくなってくる
- 直進性、分子による吸収、電気回路の実現困難さ
- 多分に政治的な要素が出る(媒体はこの世に一つ 既得権)
赤外線 (Fig. 2-14)
- 空気中を伝播する光には安定性の問題がつきまとう
- ビーム(beam)方式と拡散(diffuse)方式
- 遮蔽が容易
衛星
- 遅延(250-300m秒)とカバー範囲が問題
- VSAT (Very Small Aperture Terminals) (Fig. 2-17)
- 低軌道衛星 (Fig. 2-18)
- 8の字軌道衛星、気球
- 速度、他の通信との分離の面で優位
- UTPが主流: 全てのペアを活用する並列伝送の時代に
- 光ファイバは技術が進展中: 次第に電気のコード並に
- POF (Plastic Optical Fiber)の高速版、曲がるファイバ
- 光波長制御、光インターコネクト、アドドロップ
- 電力線(PLC)、電話線、テレビ用の同軸など、既存配線の転用
媒体の敷設不要=位置の自由度の面で優位
ファイバ + 近距離無線 + 可視光 など、組み合わせもある
- 通信速度、通信距離、消費電力、などの観点から様々な技術
- 自由空間内の光(レーザー、赤外、可視光)も高速な伝送を提供
- 衛星は使い方次第で極めて有効だが最近はやや停滞ぎみ
ファイバ + 近距離無線 + 可視光 など、組み合わせもある
- サンプリング定理とは何か説明してください。
- ノイズのある伝送路の最大伝送速度の理論的上限は、信号対雑音比がR、伝送路の帯域がBのとき、どのような式であらわされましたか? また、この式からわかることを説明してください。
- 3KHzの帯域を有する電話回線で信号対雑音比30dBのとき、最大伝送速度の上限はどれくらいになりますか?
- ベースバンド伝送方式とブロードバンド伝送方式の違いはどこにありましたか。また、各々の特徴について説明して下さい。
- 変調とは何でしたか。例を3つ挙げて説明して下さい。
- 1シンボル当たりnビットの情報を持つbボーの伝送システムで、転送速度をbit/Secであらわすといくつになりますか?
- 多重化とは何でしたか。また、複数の例を挙げ、各々について説明してください。
- マンチェスタ符号の特徴を、RZ符号およびNRZ符号と比較して述べてください。
- 同軸ケーブルとより対線を比較して特徴をあげてください。
- 光ファイバにはシングルモードファイバと呼ばれるものとマルチモードファイバと呼ばれるものがあります。各々の原理と特徴を説明してください。
- 衛星通信の特徴を挙げてください。
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