25. 無題 Name としあき 2018/04/26 23:25:08 No.10328813
ぬちゃり

ネバついた水気の感触が目覚めの瞬間に飛び込んでくる

「またやっちゃった…」

布団の中には一晩さかのぼればまだ命だったものが転がる、殻ジュラシックだったものだろうか、割れた殻から流れ出た液は気分の悪い臭いをまき散らす

もう何度目か

女苑はシオンガイに亡き姉の姿を重ね見、つい感情が昂るとそれを抱きしめて眠りにつくクセがあった

27. 無題 Name としあき 2018/04/26 23:26:49 No.10328819
ジュラシックは生物、ぬいぐるみなどではない

抱きしめられたシオンガイはまず外へ脱そうと足掻くが身体に組み付く女苑の腕はふりほどけない
小型で頑強ではないシオンガイは抱きしめられればそれは万力に締め上げられる事にも等しい

故にそのずんぐりボディは悲鳴を上げる
そのうち、何もできないままに苦しみの中で押しつぶされる
かくして、哀れな貝は割れてしまうのだ

「また買わないと」

女苑は少しだけ残念がったが、直ぐに掃除を済ませて近所のジュラ屋JURANYANにシオンガイ購入へ出掛けた

姉の面影を感じられるのだ、貝の値段も命も安い

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