正邪博士とラプトルパブ
最終更新：ID:r78Kj3gCUw 2024年01月01日(月) 03:06:41履歴
230無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:27:13No.16558903そうだねx8
「ほら右側だけどトプ牛見えてきたぞ。」
正邪博士がやる気なく話しかける。ここは秘境グンマーの入り口国道407号。
移民が多い地域で当該地域では外来種であるちやりラプトルの目撃情報があると聞いて駆け付けた正邪博士だったが本人も今回は無駄足だったと既に諦めかけている。
「うーん牛丼って気分じゃないんプスよね。せっかくだからもっとこうスペシャル感というか…」
ややあって答えた彼はトップモーター所属のレンタトプス…というわけではなく普通に東プ線でシュラスコを食べにやってきた一般観光竜らしい。
目当ての店が定休日だったのでじゃあ少し移動してZun焼きそばでも…と思ったところ正邪博士とマッチングしたらしい。
231無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:27:44No.16558906そうだねx8
いわゆる白タク行為にあたるが諸般の理由でジュラシックは目こぼしをされている。
報酬は手付けとしてガラナジュース1.5リットルと晩御飯で双方合意した。
トプス基準の晩御飯とはいえ半日の拘束と考えれば向かう方角は近いしお互いにとって手ごろなところだ。
そんなわけで目下のろのろと流れに身を任せ北上してはいるがさきほどから正邪博士の晩御飯提案を却下しているトプスである。
長野でテンホウとはいかないまでもせっかくグンマーまで来た以上せめてフライングガーデンの爆弾ハンバーグとかシャンゴのとんかつパスタクラスを報酬として食べたいではないか。
232無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:28:46No.16558911そうだねx7
一方地元トプスとマッチングして足ついでに地元情報を聞き出すという正邪博士の目論見は外れたわけだ。
収穫といえばちやりラプトルが好きらしいという生のキャッサバのみ。
普通に農家の店先で売っていたのには驚いたがすりおろして乾かして粉状にしないと食べないらしい。
今回使うのは無理だ。かといって苗木にするにも時期が悪いが資料として購入した。
さっきからロードサイドのレストランを見つけるたびにトプスに声掛けしているのには理由もある。
じつはそろそろトイレに行きたいのだ。そろそろ店を決めてもらわねば。
お互いにじりじりとストレスが溜まる展開だ。
233無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:29:22No.16558915そうだねx7
「っていうかもうそろそろZunシティに着くんじゃないか？ 下車後に飯屋探しまで付き合う気さすがに私もないぞ？
駅に着いちまったら徒歩ですぐ行ける見かけた店に入るか最悪現金渡しにさせてもらうからな？」
「あっ！せっ正邪博士っ！ ここっ！ トプここがいいプスっ！」
「おっ決まったか！ っておい！ ラプトルパブって書いてあるじゃないか！ えっ…ラプトルパブ？ どゆこと？」
「検索した感じ評判も悪くないプス！ 一応カレカレとかエンブティードとかも食べられるっプスな！」
「1セット60分料金3000円 ハウスボトル飲み放題フードは1000円前後か…ちょっとしたステージショーがつくならたしかに良心的、か。指名料やカラオケ、ラプトルへのドリンクはなしでワンセットでいいならもうここでいいよ」
「感謝するっプス！それに…こういうお店ってお手洗いも掃除は行き届いてて清潔っプスよ？」
「…くそっ なんか腹立つな」
234無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:31:34No.16558923そうだねx8
これはこれでおもしろそう、と思った正邪博士だった。もともとジュラシックとのふれあいが身上の博士にとってもそこは異国情緒と少しの怪しさが漂う未知の環境。
ショーは思ったより寸劇ミュージカル調になっていて見ごたえもあったしトプスが頼んだピーナッツソースの牛シチューのような料理もうまかった。
さっきまで踊っていたタレントラプトルが接客してくれるのも特別感があって良い。
気づけば先にドリンクをサービスしていたのは正邪博士の方だった。嬉しそうに乾杯してくれるしぐさがかわいらしい。
「ん？ ああこれはさっき話した今日の失敗談のキャッサバさ。しょうがないからスライスしてチップスにでも…えっ？欲しい？子供たちとタピオカを作る？ へータピオカってキャッサバからできてるのか…っていうかあんた子持ちなのかよ！ ハッハッハこりゃ一本取られたな！ 良いぜ、全部で2キロぐらいあるからな…ああちょうどもうすぐ1セットか。楽しかったぜ。じゃああの黒服に渡しておくからあとで受け取ってくれ おっと！ ママからのほっぺにキスとは嬉しいな」
235無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:33:28No.16558930そうだねx9
「おい、一回会計通して私は帰るけどどうする？ お前だけ残るならここからは自腹だが あっすみません領収書サグメ研究所でお願いします。カタカナでサグメね」
「…トプも帰るプスな。ごちそうさまでしたプス」
「おっそうか？ はい、…うんOKOK サラマッポー！ うし、今度ババアにこの領収書押し付けるか」
「…正邪博士、ラプタガログ語で愛してるってputang ina moでいいんプスよね？」
「えっ!? おいおいおい！ それ"お前の母親は淫売のクソ女"的なやつだぞ」
「…やっぱりそういう感じなんプスな…最初についてくれた子に愛してるってなんていうのって尻尾撫ぜながら聞いて教えてもらったんプすけど次以降付く子にputang ina moって言いまくってたら泣かれたりビンタされたり散々だったプス…」
236無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:34:27No.16558934そうだねx9
「まあ会うやつ全員に愛してるっていうのもそれはそれでアウトだし笑い話になって良かったじゃないか。そうだ今度は私はdilaw na tabaですって自己紹介してみろよ めっちゃ受けるぞ絶対！」
「…しばらくラプパブはこりごりプスな」
「まあそういうなよ、お前のカネで6匹の幼ラプトルが週末には母ちゃんとタピオカをこねこね作って笑顔がはじけるならそう悪いカネの落とし方じゃないさ そうだ、モコチャイラプトルなら知り合いに一匹いるぞ？カレーデートとかどうよ？」
駅前ドンキに反響して響く正邪博士の上機嫌な笑い声。正邪博士もトプスも多文化混淆地域としての在り方を模索してゆくグンマーの入り口に立ったばかりだということをこの時はまだ知る由もなかった。
＜おしまい＞
※モコチャイラプトル見つけられなかったので画像なし
237無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:58:48No.16559009そうだねx4
1696336033387.png-(119499 B)119499 B
「ほら右側だけどトプ牛見えてきたぞ。」
正邪博士がやる気なく話しかける。ここは秘境グンマーの入り口国道407号。
移民が多い地域で当該地域では外来種であるちやりラプトルの目撃情報があると聞いて駆け付けた正邪博士だったが本人も今回は無駄足だったと既に諦めかけている。
「うーん牛丼って気分じゃないんプスよね。せっかくだからもっとこうスペシャル感というか…」
ややあって答えた彼はトップモーター所属のレンタトプス…というわけではなく普通に東プ線でシュラスコを食べにやってきた一般観光竜らしい。
目当ての店が定休日だったのでじゃあ少し移動してZun焼きそばでも…と思ったところ正邪博士とマッチングしたらしい。
231無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:27:44No.16558906そうだねx8
1696336064964.jpg-(236009 B)236009 B
いわゆる白タク行為にあたるが諸般の理由でジュラシックは目こぼしをされている。
報酬は手付けとしてガラナジュース1.5リットルと晩御飯で双方合意した。
トプス基準の晩御飯とはいえ半日の拘束と考えれば向かう方角は近いしお互いにとって手ごろなところだ。
そんなわけで目下のろのろと流れに身を任せ北上してはいるがさきほどから正邪博士の晩御飯提案を却下しているトプスである。
長野でテンホウとはいかないまでもせっかくグンマーまで来た以上せめてフライングガーデンの爆弾ハンバーグとかシャンゴのとんかつパスタクラスを報酬として食べたいではないか。
232無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:28:46No.16558911そうだねx7
1696336126172.jpg-(55480 B)55480 B
一方地元トプスとマッチングして足ついでに地元情報を聞き出すという正邪博士の目論見は外れたわけだ。
収穫といえばちやりラプトルが好きらしいという生のキャッサバのみ。
普通に農家の店先で売っていたのには驚いたがすりおろして乾かして粉状にしないと食べないらしい。
今回使うのは無理だ。かといって苗木にするにも時期が悪いが資料として購入した。
さっきからロードサイドのレストランを見つけるたびにトプスに声掛けしているのには理由もある。
じつはそろそろトイレに行きたいのだ。そろそろ店を決めてもらわねば。
お互いにじりじりとストレスが溜まる展開だ。
233無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:29:22No.16558915そうだねx7
1696336162663.jpg-(778552 B)778552 B
「っていうかもうそろそろZunシティに着くんじゃないか？ 下車後に飯屋探しまで付き合う気さすがに私もないぞ？
駅に着いちまったら徒歩ですぐ行ける見かけた店に入るか最悪現金渡しにさせてもらうからな？」
「あっ！せっ正邪博士っ！ ここっ！ トプここがいいプスっ！」
「おっ決まったか！ っておい！ ラプトルパブって書いてあるじゃないか！ えっ…ラプトルパブ？ どゆこと？」
「検索した感じ評判も悪くないプス！ 一応カレカレとかエンブティードとかも食べられるっプスな！」
「1セット60分料金3000円 ハウスボトル飲み放題フードは1000円前後か…ちょっとしたステージショーがつくならたしかに良心的、か。指名料やカラオケ、ラプトルへのドリンクはなしでワンセットでいいならもうここでいいよ」
「感謝するっプス！それに…こういうお店ってお手洗いも掃除は行き届いてて清潔っプスよ？」
「…くそっ なんか腹立つな」
234無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:31:34No.16558923そうだねx8
1696336294051.jpg-(579808 B)579808 B
これはこれでおもしろそう、と思った正邪博士だった。もともとジュラシックとのふれあいが身上の博士にとってもそこは異国情緒と少しの怪しさが漂う未知の環境。
ショーは思ったより寸劇ミュージカル調になっていて見ごたえもあったしトプスが頼んだピーナッツソースの牛シチューのような料理もうまかった。
さっきまで踊っていたタレントラプトルが接客してくれるのも特別感があって良い。
気づけば先にドリンクをサービスしていたのは正邪博士の方だった。嬉しそうに乾杯してくれるしぐさがかわいらしい。
「ん？ ああこれはさっき話した今日の失敗談のキャッサバさ。しょうがないからスライスしてチップスにでも…えっ？欲しい？子供たちとタピオカを作る？ へータピオカってキャッサバからできてるのか…っていうかあんた子持ちなのかよ！ ハッハッハこりゃ一本取られたな！ 良いぜ、全部で2キロぐらいあるからな…ああちょうどもうすぐ1セットか。楽しかったぜ。じゃああの黒服に渡しておくからあとで受け取ってくれ おっと！ ママからのほっぺにキスとは嬉しいな」
235無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:33:28No.16558930そうだねx9
1696336408683.jpg-(114516 B)114516 B
「おい、一回会計通して私は帰るけどどうする？ お前だけ残るならここからは自腹だが あっすみません領収書サグメ研究所でお願いします。カタカナでサグメね」
「…トプも帰るプスな。ごちそうさまでしたプス」
「おっそうか？ はい、…うんOKOK サラマッポー！ うし、今度ババアにこの領収書押し付けるか」
「…正邪博士、ラプタガログ語で愛してるってputang ina moでいいんプスよね？」
「えっ!? おいおいおい！ それ"お前の母親は淫売のクソ女"的なやつだぞ」
「…やっぱりそういう感じなんプスな…最初についてくれた子に愛してるってなんていうのって尻尾撫ぜながら聞いて教えてもらったんプすけど次以降付く子にputang ina moって言いまくってたら泣かれたりビンタされたり散々だったプス…」
236無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:34:27No.16558934そうだねx9
「まあ会うやつ全員に愛してるっていうのもそれはそれでアウトだし笑い話になって良かったじゃないか。そうだ今度は私はdilaw na tabaですって自己紹介してみろよ めっちゃ受けるぞ絶対！」
「…しばらくラプパブはこりごりプスな」
「まあそういうなよ、お前のカネで6匹の幼ラプトルが週末には母ちゃんとタピオカをこねこね作って笑顔がはじけるならそう悪いカネの落とし方じゃないさ そうだ、モコチャイラプトルなら知り合いに一匹いるぞ？カレーデートとかどうよ？」
駅前ドンキに反響して響く正邪博士の上機嫌な笑い声。正邪博士もトプスも多文化混淆地域としての在り方を模索してゆくグンマーの入り口に立ったばかりだということをこの時はまだ知る由もなかった。
＜おしまい＞
※モコチャイラプトル見つけられなかったので画像なし
237無題Nameとしあき 23/10/03(火)21:58:48No.16559009そうだねx4
1696337928497.png-(347463 B)347463 B
モコチャイラプトルたぶんこれかな
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