35無題Nameとしあき 22/04/26(火)23:54:38No.15309266そうだねx10
鈴瑚トプスが謎の壁前を通りかかると、今にも倒れそうな
疲労困憊したスピノヤツハシが倒れていた。 頭の上には
指定外来種オキナグサが生えている。 それはせわしなく、
「アマッタレルナ! アマッタレルナ!」と騒ぎ続けていた。
鈴瑚トプスはその目に余る状況を打破しようと試みた。
鈴瑚トプスはオキナグサを引き抜こうとしたが、
「ンギィィィィッ!」と叫びなかなか抜けず、千切れない。
そこで妙案が思いついたトプスは、大変可愛らしい
スピノフランを連れてくると、物凄くあっさりと
根を剥ぎ、そちらへ飛び移ろうとしたので、トプスは
その瞬間、オキナグサをわしづかみにし、スピノフランに
お礼をして、自分の家の鉢植えにオキナグサを植えた。
「ンギイイィィィーッ!!」 と恨み言のような音を発し、
しばらくは騒いでいたが、水や肥料をトプスに与えられると
やがて大人しくなった。 オキナグサは鉢植えで生き始めた。(続

36無題Nameとしあき 22/04/26(火)23:55:15No.15309271そうだねx8
このオキナグサは、指定外来種として除草が告知されていた。
ある日、複数のイグアウドンが目を血走らせながら、オキナグサに
除草剤を吹き付ける、恐ろしい集団ヒステリーを起こし始めた。
「ンギイィィィィッ!!!」と、この世のものとは思えぬような
激しい断末魔を挙げて、死に絶えていくオキナグサ。 それを
イグアウドンは正しい事をしたとしか考えず、楽しんでいた。
やがてオキナグサを除草し回っていたイグアウドン達は、
鈴瑚トプスの家に鉢植えで育てていた無害なオキナグサにまで
手を伸ばした。 敷地内に無断で入り、他の植物まで荒らし、
見た事も聞いた事もないような除草剤をあたりにばらまいた。
「ギイィィィーッ!!!」と、激しい断末魔を挙げたオキナグサ
の声に驚き、庭の様子を見ると複数のイグアウドンが鉢植えの
オキナグサを除草剤の海に沈めていた。 鈴瑚トプスは、
自分の敷地内に無断で侵入してきた者達に、殺意を抱いた。
「…お前達は、トプを本気で怒らせたようプスな!」 (続

37無題Nameとしあき 22/04/26(火)23:55:47No.15309276そうだねx9
鈴瑚トプスが正気を取り戻すと、傍でまゆマジロが泣いていた。
「…すまんプス。」
既に散ってしまった命はもう帰ってこないが、トプスは
せめて、オキナグサの仇を打ったという事に満足していた。
「はに…。」
まゆマジロは言った。 オキナグサの挙げた悲鳴が離れない、と。
「…すまんプス。」
無断侵入したイグアウドン達は、何とも言えなかった。
「…キュイ。」
やがてラプトル清蘭が、見慣れない霧吹きを持ってきた。
ラプトル清蘭がその霧吹きをシュッと吹き、イグアウドン達に
歩み寄ってきた。 シュッ… シュッ… と。 液体を噴霧しながら。
イグアウドンは、恐怖に引きつった顔をして、叫び、逃げて行った。
「ははは…。 たかが霧吹きで、情けないヤツらプス。」
トプスはまゆマジロを抱きしめながら、軽く笑った。(終

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