74無題Nameとしあき 20/09/01(火)22:45:09No.13477287そうだねx9

一切合切の研究を停止し 夏季休暇はあてもない一人旅 ふらりとよった田舎道で 私は1匹のラプトルと出会った
…ペットだろうか いやに人に慣れている しかし周辺に集落は見る限りない ならば道行く人に餌付けでもされたのだろう しかし私は餌付けなどする気持ちは全く無い むしろ休暇中にまでジュラシックと接したくはなかったので 足早に立ち去ろうとした
そこからだ ラプトルが私を尾けてくるようになったのは

75無題Nameとしあき 20/09/01(火)22:45:43No.13477289そうだねx6

さてどうしたものか 辿々しく後ろを歩くラプトルを尻目に 私は久方ぶりに熟考した
月人の全力疾走ならばラプトルを振り払うのは簡単だ しかし不意な動きはラプトルを簡単にショック死させてしまうだろう トプスの精子並みにそこらで死んでるラプトルとはいえ旅先のジュラシックを死に追いやるのは目覚めが悪い 私はしばし思考を巡らせた後 全てを諦めこの小さな追跡者の存在を受け入れることにした
ジュラシックの知識など何の役にも立ちはしない

76無題Nameとしあき 20/09/01(火)22:46:13No.13477290そうだねx5

それにしても暑い 真夏の太陽が圧を持って私の身体を脅かす imoも孵化する炎天下 月人の私でも小一時間も歩けばフカしてしまうだろう しまった 帽子か何か被って行けばよかった…
ふと日が陰り 頭にずしりとしたものが乗っかった 生意気にもラプトルが頭に覆いかぶさってきたのだ 重くはないが降りなさい 頭をガクガク振るが徒労に終わった
額を刺す暑さが暖かさに変わった 相変わらず熱い

77無題Nameとしあき 20/09/01(火)22:47:00No.13477294そうだねx5

肩幅ほどもない小道をくぐり抜けると ラプトルブルーの海が見えた 地図によればこのまま海岸沿いに歩くとバス停に辿り着くらしい
ここでラプトルともお別れだ
私は恐れていた 休みの間にジュラシックと接して研究に戻ったとき 以前と同様にジュラシックと接することができるのかと考えると 怖くて仕方がなかった 私は研究者以外の目線でジュラシックを見たくはない
そっとラプトルを頭から下ろし お行きと促す ラプトルはこちらを見たまま離れようとしない

78無題Nameとしあき 20/09/01(火)22:47:32No.13477301そうだねx11

潮騒に耳を傾けて 砂の感触を楽しみながら波打ち際を歩く
結局 どうすればいいのかわからなかった さほど考えもしなかった 考えなければ恐怖も何も感じないことに気づいたのだ 頭は重けれど頭の中は非常に軽かった こののっぺりとした感情こそがジュラシックの本能かもしれないとひらめきが走ったが 走り去るまま見送った
今はしばらく ラプトルブルーに目を休めようかな
fin

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