133無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:41:24No.16093129そうだねx9

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「取り合えずトプスかまたオキナグサでいくか…いやっ!ダメだ!安易に動かしやすいキャラに頼っちゃダメだ!」
俺が怪文書ライターを目指したのは何のためだ!トプスや邪悪でも憎めないオキナグサを書くためか?違うだろ!
いまいち出番のないジュラシックたちに出番を与えたい!そう思ったからだ
しかし現実は非情である。いつものメンツ以外をメインに据えた怪文書、劇場が思いつかない。出番が少ないジュラシックは参考にする過去作も少なく鳴き声なと様々なことを考えなければならないのだ
それらしい設定考えるのって大変なんだなぁ…研究者ものも書きたいけど俺無学過ぎてそれらしい話でっちあげることも出来ないし…ちょっと気分転換しよう
「聞いてオキナグ〜サ〜ちょっと言いにくいんだけど〜怪文書も劇場も思いつかな〜「甘ったれるな」
「え?」
「甘ったれるな」
鉢植えのオキナグサに言い終る前に遮られる。満足したのかオキナグサプイと他所を向いた

134無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:41:59No.16093130そうだねx8

1人暮らしのお供に!と言う花屋のおばちゃんに勧められ何かネタになればと思わず買ったオキナグサ
こいつ買ってよかったと思ったことがあっただろうか?
飽きたら捨てればいいやと安易に飼ってしまったことを今更後悔する
単なる鑑賞植物かと思いきやペットジュラとして登録が必要とか買ってから言い出すなや花屋のおばちゃん
オキナグサを野外に捨てようものなら登録ナンバーから割り出されて条例で処罰だなんて
それに寝るとき窓際に置いたはずなのに朝起きるとベッドの側でこちらを覗き込んでるし隙を窺ってるようで怖いんだよ
仕方ないいらすとやに適当なジュラシックつっこんでネタ考えるか…
その時「コンコン」と窓が鳴った

135無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:42:48No.16093131そうだねx8

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正体は不審者でも幽霊でもはなく─「ああ、今夜も来たのかトッキー」
窓から一匹のジュラシックが入ってくる「ああ、足これで拭いて…まったく玄関から入ってきてくれたら助かるんだけどな」
「…?」彼女は首を傾げきょとんとしている
「ああ、分からないならそれでもいい、残念だけどこの間の続きはまだ書き上げてないから諦めてくれ。本が読みたいのならそこの本棚から適当に持っていくといい。おいオキナグサ訳して伝えておいてくれ」あ、オキナグサ買ってよかったわ
暫く考え込んだトッキーはコクリと頷くと本棚の方へ歩いて行った
さぁてお姫様が来たからさっきまで推敲していた怪文書や劇場よりそっちの方に取り掛かるか

136無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:44:41No.16093132そうだねx7

トッキーと出会ったのは怪文書を本格的に始める前だ
子スフラかわわる旋風に一石を投じよう、マイナージュラシックで流れを変えるんだと一念発起して書き始めたものの元々文章を書くことがなかったのですぐに行き詰った
「これじゃダメだ!」腹いせに窓からアパートの裏庭に原稿を投げ捨てる。ここは幸い住んでる住人も少ないし誰も気にしないだろう。いい様だ。俺の怪文書なんて泥にまみれ誰かに読まれることなく朽ちていくんだ
やっぱり俺に怪文書なんて無理だったんだ…また名も無きとしあきに戻ろう、そう思っていた時だ
裏庭をボーっと眺めてると彼女が…トッキーが俺の投げ捨てた原稿を読んでいるではないか。なんだあいつ?どこから入り込んだ?
ジュラにゃんやトプスみたいな社会ジュラならともかくどう見ても野生ジュラシックに彼女に文字が読めるのか?という疑問よりも先に俺の書いた原稿を一心不乱に読む姿に釘付けになった
「ん?周りを探し出したな?何探してるんだ…?入ってきたがいいが出口が分からないのか?餌でも探してるのかな?」
「それとも…いやまさか…続きを探しているのか?

137無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:45:34No.16093133そうだねx7

投げ捨てた原稿は途中まででありあの続きは存在しない
「おーい、その原稿はそこまでしかない。続きはないんだ」周囲をキョロキョロと見回す彼女に思わず声をかけた
俺の声でこちらに気付いたようだがそのまま一瞥し再び探し始める。ああ、もう!
「だからもうその原稿はそこで終わり、続きはないんだ」思わず庭まで降りてきてしまった。
「…?」
どうやら分かってないようだ。どうしたものか…ん?そういえばこいつはさっき原稿を読んでたよな…?ものは試しだやってみるか
俺はチラシの裏に『その原稿はそこで終わり。ここまでしかない』と書き彼女に渡す
「……!」
お?お?言葉は通じないが文字は分かる。そんなジュラシックもいるんだなぁ
トッキーが俺をじっと見てくる…こいつもしかして肉食?俺迂闊だだったか?
「じゃあそういうことで。その原稿はあげるよ。じゃあな」と部屋に戻ろうとする俺の服の裾をトッキーが引っ張り引き留める
これはやっちまったか。まさかジュラシックに食われて人生終わりとは思わなんだ

138無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:46:15No.16093134そうだねx8

思わず目を瞑る…待つこと十数秒…おや?攻撃が来ないぞ…?
恐る恐る目を開けるとトッキーはこちらに原稿を差し出していた
「もうそれはお前にあげるって…言っても分からないか?」じゃあ『それはあげる』と書いたチラ裏を渡す
それを見てもなお彼女は原稿をこちらに押し付けてくる
「まさか…続きが読みたいのか?」トッキーはコクンと頷いた
適当にその場ででっち上げて終わらせてもよかった。でも俺の怪文書の続きが読みたいらしい彼女にそんな塩対応はする気になれなかった
「分かった。住処はどこだ?続きは考えておくからまた来てくれ…っと分からないか。でも文字で伝えられる分マシか」
トッキーに文字で伝えると彼女は満足したように帰っていった
それからちょくちょく彼女はここに訪れるようになった
始めの頃は俺の部屋も分からず裏庭でキョロキョロしてるだけだったが何度か訪れる内にこのアパートの二階一番隅が俺の部屋という事を覚え何処からか持ってきた梯子で登ってくる
実はあの原稿の続きはまだ出来ていない。初めてのファンに読ませるんだ。俺の納得いく出来になってからだ。それまではその場凌ぎの単発で乗り切るつもりだ

139無題Nameとしあき 23/02/26(日)01:46:56No.16093135そうだねx9

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こうしてあおりんごの2人と鈴瑚トプス、ラプトル清蘭、まゆマジロの3ジュラは凶悪ジュラにゃんを討伐し平和をその国にもたらした
その帰り道、報酬で打ち上げとして焼き肉屋に向かった
「お客様は鈴瑚トプス2名、ラプトル清蘭2名、まゆマジロ1名の計5ジュラシックですね?」
「うるさいんだよ」鈴瑚は露骨に不機嫌になった
「鈴瑚さんもう認めた方がいいプスよ」「あははっ!鈴瑚ったらまたトプス扱いじゃん」「キュイ!」「はに!」
「 う る さ い ん だ よ 」
終わり
今回はこれで満足してもらおう
「おーい前の原稿の続きじゃないけどこれで今日は勘弁してくれよ」
トッキーは読んでいた走れトプスを投げ出して書き下ろした怪文書に飛びつく
「おいおい本は大事に扱ってくれよ」
こういやって喜んでくれる者が居るなら頑張って続けてみようかね
終わり

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