ターミネーター、イシュバランケー。
キチェ族の神話、ポポル・ヴフに登場する双子の英雄神フンアフプーとイシュバランケーの片割れ。
その名の意味は、小さなジャガー、妖精などと訳される。
創造神の子フン・フンアフプーとシバルバーの貴人の娘イシュキックの子であり、その生誕、そして生涯は実に奇妙な物語に彩られている。
だが、その逸話の内───ターミネーターとして抽出されているのは、
ヴクブ・カキシュとその息子たちを討伐し神々に逆らう巨人族を滅ぼしたという逸話と、父と叔父の仇である
フン・カメーとヴクブ・カメーを倒し冥界の持つ権能を弱めたこと、そして、復讐を果たした後に天に登り、その身を太陽と月に変じたということ。大きくこの三点である。
ターミネーターとしてのイシュバランケーは、性質こそ穏やかなものの、その内実はプラスの感情もマイナスの感情も破壊性によって破壊されているにすぎない。
初めて見る存在である人間に興味を示すのも、生(?)前の記憶に関係なく接することのできる存在であり、そして感情の模倣がしやすい相手だから、である。
彼らが英雄神足るのは二人で一つでこそであり、単身では逸話を再現する力は大きく制限される。
特にイシュバランケーは、常に自らの先を行く太陽であったフンアフプーの居ない状態では更にスペックの下降を受けるだろう。