kagemiya@ふたば - 永劫善悪輪廻 エーヴィヒカイト
「開け、我が淵獄────」


「────輝け、我が天階」



永劫善悪輪廻 エーヴィヒカイト

忘却係数:B++
対応座標:エジプト・アレクサンドリア周辺〜ドイツ
対応大系:天使と悪魔(神学)、オリゲネス的二元論
『聖杯』:聖天翼種マルアハ総本図書館アレクサンドリア*1
     堕天魔族アルコン総本観測所プロイセン*2
幻想基盤:「永劫回帰」「性善・性悪説」「開発競争」
主要人族:聖天翼種マルアハ堕天魔族アルコン、"背信徒ソドム"
喪失帯の王:オリゲネス、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

解説

全人類が"カルマ"と呼ばれる魂の基準を持つ喪失帯。
罪への意識、あるいは後ろめたさと、正義への憧憬、あるいは自己陶酔によって変化するパロメータ。
要はその人間が「自分の行いは善だ」あるいは「自分のやっていることは悪だ」と思い込むほどに、カルマが善、あるいは悪へ傾く。
そして一定以上善あるいは悪へと傾いた人間は、完全にその魂がそのカルマに染め上げられ、善あるいは悪と思える行動しかとれなくなる。
こうなった状態の人間は、善ならば聖天翼種マルアハ、悪ならば堕天魔族アルコンと呼ばれ、互いに互いを嫌悪し合い勢力を組んで殺し合いを続けている。
(なおこの呼ぶ方は、あくまで聖天翼種マルアハの呼び名であり、堕天魔族アルコンはそれぞれ別の呼び名でそれぞれを呼んでいる。便宜上解説では善側の呼称で統一する)

通常ならばどちらかが滅びれば争いは終わるが、この喪失帯は永劫に善と悪の闘争が続いている。
その最大の理由こそ「永劫回帰」と呼ばれる近代哲学の幻想基盤。これによる全ての人類は、どれだけ死しても同じカルマを辿る。
つまり聖天翼種マルアハとして死ねば必ず次の転生でも聖天翼種マルアハとしての人生を辿り、堕天魔族アルコンとして死ねば必ず次の転生でも堕天魔族アルコンとしての人生を辿る。
そのため双方の絶対数は永遠に変わらず、両者は永劫に争い続ける。理由は簡単。自分たちこそが正しいと証明をするために他ならない。
「人間は悪として生まれるのが正しいからお前たちは間違っている」「人間は善として生きるが正しいからお前たちは間違っている」
湖に塩は不要なように。鰐にとっての天国は鯉にとっての地獄のように。相容れない両者は手を取り合えない。
これは紛れもない"生存競争"に他ならない。故に喰らい合う。故に殺し合う。そうしなければ自分を保てないから。

この争いの根本的な理由は、「開発競争」と呼ばれる幻想基盤。この基盤を得た事で聖杯が二つに分かれた事が発端。
二つに分かれた聖杯は天使と悪魔、そしてオリゲネスによる二元論により争いを作り上げ、そして永劫回帰により永遠の競争を生み出した。
2つの勢力は自分たちが幻想基盤の操り人形となっているのも分からないままに、己の為に殺し合い続ける。
そう、たった1つの勢力……"背信徒ソドム"を除いて────。

勢力

世界情勢としては、聖天翼種マルアハ堕天魔族アルコンの住まう場所がパッチワークのように分かれており、
それぞれの築く魔道科学文明とサイバーパンク文明が継ぎ接ぎに配置されている。それらの境界線では衝突が絶えない。
そしてどちらにも所属しない場所では、"背信徒ソドム"らが逃げ隠れるように難民キャンプを作っている。

聖天翼種マルアハ


「人は善に生まれ、そして正しく生きるために生まれている!!」

「悪なる者を殲滅した果てに天の国は降り立つのだ!」


自らを善であると思い込んでいる人間たち。その自己暗示は肉体を天界の御使いへと昇華させる。
破壊と退廃を是とする堕天魔族アルコンに対抗し、清廉潔白を掲げ己の力のみを利用し、正しさの下に堕天魔族アルコンを討ち滅ぼさんと誓う。
そのため自己の内部のオドを利用して様々な技術に応用する分野が発展しており、魔道科学文明に近い社会構造となっている。
だがその全員が「自分こそが真に善である」と思い込んであり、非常に攻撃的で自己中心的な面が目立つ。

性善説こそが正しいと信じており、それ故に自分は善に染まったと信仰している。悪く言えば、善への自己陶酔。
だからこそ、性悪説を主張する堕天魔族アルコンを嫌悪し、この世から滅ぼそうと"開発競争"を続ける。
また、所属する人間の中では非常に強いカルマの自己暗示により己を天使へと変ぜさせる特殊な力を持つ人間もいる。
全てで7人存在し、喪失帯のサーヴァントもその中には含まれる。彼らは『美徳の七聖天』と呼ばれている。

基本的には"善"であることを尊ぶため、仲間と協力し合うことが多い。が、人によって"善"の基準や方向性が曖昧の為、それによって諍いとなる事も。
また逆に言えば「我らの行うは善である」とすればそれがそのまま力になるため、それを利用し他者を平気で犠牲にする事も躊躇わない過激な思想の集団も多い。

堕天魔族アルコン


「悪を喰らえ、悪を成せ、そして己が悪を育て上げろ」

「自由に生き、喰らい、殺し、そして遊べ。何故なら我ら、霊長であるが故に」


自らを悪であると思い込んでいる人間たち。その自己暗示は肉体を堕天せし邪悪へと変貌させる。
正義と秩序を是とする聖天翼種マルアハに対抗し、無慙無愧を掲げ他者を、資源を、星を喰らい尽くして聖天翼種マルアハを討ち滅ぼさんと誓う。
そのため星の資源を利用して兵器や武器を作り上げ発展する技術が盛んであり、サイバーパンク文明に近い社会構造となっている。
だがその全員が「自分以外の人間はどうなってもいい」と考えており、非常に攻撃的で自己中心的な面が目立つ。

性悪説こそが正しいと信じており、それ故に自分は悪に染まったと信仰している。悪く言えば、悪への自己陶酔。
だからこそ、性善説を主張する聖天翼種マルアハを嫌悪し、この世から滅ぼそうと"開発競争"を続ける。
また、所属する人間の中では非常に強いカルマの自己暗示により己を堕天使へと変ぜさせる特殊な力を持つ人間もいる。
全てで7人存在し、喪失帯のサーヴァントもその中には含まれる。彼らは『大罪の七堕天』と呼ばれている。

基本的には"悪"であることを是とするため、基本的に協力することは少なく、あるとしてもどこかで裏切りなどが発生する。
言うならば自分の事しか考えずに行動する者が多く、個人主義。それ故に個々の力は強いが集団戦法には弱いという弱点がある。

"背信徒ソドム"


「私たちは、世界から外れている。これは祝福なのか? それとも呪いなのか────。」


聖天翼種マルアハにも、堕天魔族アルコンにも、どちらにも染まれなかった"外れ者"。
善としても悪としても自己を確立させることは出来ず、ただ猶予期間モラトリアムで固定された人々。
基本的には生まれないが、稀に発生する。永劫回帰の影響を受けない状況下にあり、前世が善でも悪でもなる可能性はある。
聖天翼種マルアハ堕天魔族アルコンのどちら側からも忌み嫌われ、世界中に安息の地が無いままに追われ続け難民キャンプを続けている。
だが心のどこかではこの世界は間違っていると思い続け、この世界を否定するために行動を起こしたいと強く願っている。
以前は存在しない勢力であったが、異邦人が多く出現するようになってから発生するようになった。
戦う術を持たないが、ある時1人のサーヴァントが彼らの側についたことで勢力図が書き換わる……。
補足だが、一度背信徒ソドムとして生まれた物は永劫回帰により永劫に背信徒ソドムとして生きることを義務付けられる。

成り立ち

この項目では、エーヴィヒカイト喪失帯にて伝えられている歴史を記す。
この世界がこのように歪んだのは、そもそもは5世紀ごろにある1人の神学者が人類の悪性を切り離すことに成功したことに端を発する。
悪性を人類から"堕天使"という器を与えて切り離すことで、悪たる力を文字通りの糧として力を発揮することが可能になった。
人の中に生まれつき潜む悪性をエネルギーとする事で、実質的な永久機関を獲得したと当時の知恵者たちは喜んだ。
神学者は指示され、新たなるエネルギー資源として"人の悪"が注目された。

だがこれに反発したのが、キリスト教圏であった。彼らは人の心に悪があるのは生まれつきではないと主張。
故に悪の心を抽出できるのは悪に染まったものだけであり、それを利用するのは邪であるとして神学者一派を異端と認定した。
だがデメリットの無いエネルギー資源を異端として切り捨てるのは如何ともしがたいと考えた者たちが、キリスト教圏に対して戦争を仕掛ける。
他宗教圏も闘争に巻き込み、「人は神により善として生まれたが故に悪を利用するのは間違いである」と神を信仰する性善一派と、
「人は生まれつき悪であるが故に、悪を抽出して利用するのは間違いではない」と悪を崇拝する性悪一派の争いが続いた。

そしてその争いが500年ほど続いた後のこと、かつての神の子がいた聖なる土地を性善一派が奪還。
それにより、かつて神の子の血を受けた聖杯が性善一派の手に渡り、そして全ての始まりであるアレクサンドリアの地に設置される。*3
結果、人の善を悪性と同じように切り離すことができるようになり、それを魔力へと転換。人が持つ魔力────すなわちオドのみで魔術の行使が可能になる。
性善一派はこれを神からの賜り物として悪に対抗する力を得たとして誇示。力に天使の名を与えて悪との闘いは更に激化していった。
性善説を唱える宗教形は、自らを天使の写し身である聖天翼種マルアハと名乗り、対する存在を堕天魔族アルコンと名付け勢力を伸ばした。
この際、双方が互いを屠るため力を伸ばし続けた結果、己のカルマを表出させることのできる存在として、
『美徳の七聖天』と『大罪の七堕天』が生まれる。

そんな争いの中、性悪一派にも突如として聖杯が出現したのがほんの百数十年前の出来事。
原因は不明だが、この天使や堕天使と言った神の存在が前提とされている性善説と性悪説の争いの中で、
「神は死んだ」と神を否定した哲学者の存在が関係しているといわれているが定かではない。

地名

勢力の項目でも書いたように、聖天翼種マルアハ堕天魔族アルコンの両勢力は様々な箇所に点々としている。
まるで継ぎ接ぎのパッチワークのように、それぞれの拠点が各場所に存在してその合間合間では戦闘が行われている。
ここではそういった聖天翼種マルアハ堕天魔族アルコンの住まう地名のほんの一部を紹介する。

追記歓迎!

生まれざる土地

堕天魔族アルコン側の支配する土地の一部。端的に言えば工業地帯。多種多様な技術を生み出す工場と、それによる環境汚染が深刻な地域。
"世界を食いつぶす事こそが悪である"として、積極的に大地を喰らい地脈を枯らして堕天魔族アルコンの為の武器や人体改造を行い続けている。
基本此処で生まれた子供は、幼いままに攫われ人体実験の材料となるためこの名がつけられた。

流失の谷

堕天魔族アルコン側の支配する土地の一部。切り立った崖に囲まれており、かつては川が流れていたが度重なる開発により枯れ果てている。
「鬼灯園」と呼ばれる孤児院と、その近くに銃の製造工場が建っている。たまに武器を求めた堕天魔族が強盗に入ろうとするが、訓練された兵でもいるのか蜂の巣となりそこらへんに打ち捨てられている。

神の愛する丘

聖天翼種マルアハ側の支配する土地の一部。マナに満ちており、魔術の修行に最適な土地となっている。
丘には宗教施設のようなものがいくつも並び立ち、人々の営みを支えると同時に悪と戦う後継者を育てている。
だが行方不明者が多発しているなど、不穏なうわさも絶えない。

隔離地帯

高さ数十mの3重の壁に囲まれた土地。堕天魔族アルコン側の支配する土地……であるが、他の堕天魔族アルコン側土地とは事情が異なる。
大罪の七堕天の1つである、"暴食"の咎に目覚めた者が支配しているが、制御しきれておらず目につく全てを喰らう"災害"となっている。
この土地を覆う3重の壁は、住民を護る防護壁ではなく"暴食"の王を隔離するための檻の役割を果たしている。故に、隔離地帯と呼ばれている。
周囲には"暴食"の王の咎に呼応した数多の魔獣たちが、凶暴化してうろついている。

■■■■■■本山

神の名を冠する山。であるがその名を正式に発音できるものがほとんどいない場所。
聖天翼種マルアハ側の支配する土地の一部であり、彼らの勢力の最大手でもある十字教の流れを汲んでいる。
そのため影響力は絶大ではあったが、現在の聖天翼種マルアハ側の王とは反りが合わず、独断での行動が目につく。
その実情は、"昇華"と呼ぶ自爆紛いの行為を信者に行わせ悪を駆逐することを良しとする狂人の集まり。

光舞う森

現『博愛の七聖天』とその支配下にある者達の団体"純白の愛し仔カイネ・ベーゼヴィヒツ"が本拠地とする、アレクサンドリアからほど離れた自然豊かな土地。
聖天翼種マルアハ側の支配する土地の一部…ではあるが、実質『博愛』による個人支配の側面が強い。
量こそそこまでではないものの良質なマナを保有する土地で、良質な魔術薬の材料や触媒となる草木が潤沢に生えている。
僻地ながらも『博愛』が存在することにより鉄壁の守りを実現しており、周囲の堕天魔族アルコン側の領域にとっては目の上のたんこぶとなっている。

聖天翼種マルアハ総本図書館アレクサンドリア

聖杯が存在する場所にして、人類から悪が別れた始まりの場所とされている。
だが何の因果が廻ったのか、そこは現在は善を掲げる聖天翼種マルアハ側が確保した聖杯が置かれ守護されている。
基本的に"善"とされる事を是とする者たちの総本山とされており、この世界中に存在する数多の"善"を蒐集し記録を続けている。
現在は聖杯によって喪失帯の王として召喚されたサーヴァント、オリゲネスが管理を行っている。

堕天魔族アルコン総本観測所プロイセン

突如としてドイツに出現した二つ目の聖杯を中心に渦巻く悪の魔境────だが、悪が支配する領域としては争いは少ない。
理由は聖杯が呼びだした2人目の喪失帯の王、フリードリヒ・ニーチェが持つ永劫回帰の特性に起因する。彼の前では全ての人間は超人となる。
そのため悪に生きる彼らはアイディンティティを失い、力が急速に弱まるためこの周囲に限り安全な領域となっている。
……が、その領域を少し出れば悪が悪を喰らう悪の楽園となっているため、たどり着くのは至難の業。

色欲の檻

堕天魔族アルコンの支配下にある土地で、『色欲の七堕天』によって統治される巨大な歓楽街。
堕天魔族アルコンの土地にあって娯楽に満ち溢れ、多くの人が行き交い、争いの起こらない異質な地。風俗街を始めとして、カジノや飲食店等が立ち並ぶ。
その実態は『色欲の七堕天』の宝具の効力が薄く張り巡らされた土地であり、ここに入ったものはまともな思考を奪われ己の快楽のみを求めるようになる。快楽に浸る中で生じる僅かな罪悪感、後ろめたさは膿のように魂を淀ませ、それを以て、異邦者やまだ善悪どちらにも傾きうる者たちを堕天へと誘う。
なお、風俗街で働く者の多くは『生まれざる土地』から楽園を求め訪れた子供達の成れの果てである。

用語

カルマ

あるいは業。属する陣営によっては咎や美徳とも称される、この喪失帯特有の人間の魂が纏うエネルギー。
魂の基準であり、人間の魂を染め上げ力を発揮させることが出来る、マナともオドとも異なる未知なる存在。
一説では神よりの賜り物とも、人間の感情の具現化とも、あるいは魂のエネルギー化とも言われているがその真実は定かではない。
重要なのは、このカルマという存在が実際に或る事。そしてそれによりこの喪失帯は成り立っていると言えることである。

上記にもある通り、その人間が「正しい」あるいは「間違っている」と思考する行動をすればするほど、その方向に魂を染めていく。
いわば魂を計る天秤のようなものであり、傾けば傾くほどに行動はその善、あるいは悪に染まり、最終的にはそのどちらかの行動しか取れなくなる。
この喪失帯に生まれた全ての人類はこのカルマを魂に背負い、それは異邦人であれど変わらない。また、サーヴァントであれどこの喪失帯に召喚された場合カルマを持つ。
サーヴァントであるならば既にアライメントで善、あるいは悪と決まっているが、それでもこの喪失帯での行動によってはそれが反転し、オルタと呼ばれる存在に変わることもある。

このカルマが極限にまで高まり、その肉体を変化させるまでに至った者。あるいは完全に行動を支配された存在が善側悪側で揃って7人ずつ存在する。
サーヴァントや異邦人がこの枠にもカウントされることがあり、それぞれ『美徳の七聖天』『大罪の七堕天』と呼ばれている。

『美徳の七聖天』

「博愛」、「希望」、「信仰」、「知恵」、「正義」、「不屈」、「節制」の7つの"美徳"とされる行為に魂を染め上げた者たち。
あるいは支配された者とも言い換えられ、非常に強い力を得る代わりにその掲げられた美徳に反する行為の一切を取ることが出来なくなる。
星々や神々、あるいは自然の力の一部を借り受ける力を行使でき、彼ら1人を相手取るという事は災害そのものを相手取るに等しいとも言われている。
この喪失帯に召喚されたサーヴァントが「美徳持ち」となることも十分にあり得、その場合はサーヴァントでありながら神霊にも等しい出力を得れる。
1人が死ねばその死んだ者の美徳を受け継ぐ者が必ず出現するが、どれほどのブランクが開くかは誰にも分からない。

現存の七聖天
名前対応美徳種族所属解説
燦爛熾煌ヴァイセ・カイゼリン博愛喪失帯住人"純白の愛し仔カイネ・ベーゼヴィヒツ""白き影"を操りカルマを愛で塗り潰す、敵味方を問わず畏怖される強力な聖天翼種マルアハ
希望
信仰サーヴァント■■■■■聖杯を守る最強の砦。
聖天翼種在る限り、その牙城を崩す事叶わず。
知恵
進撃のセイバー正義サーヴァント無所属神の愛する丘周辺で確認されたサーヴァント。調査に向かった堕天魔族は全滅するか無傷での帰還の両極端な成果を持ち帰ってる。
不屈
■■■■(予約済み)節制喪失帯住人無所属「幾らでも、あの子に捧げたい」

追記大歓迎!

『大罪の七堕天』

「傲慢」、「憤怒」、「嫉妬」、「怠惰」、「強欲」、「暴食」、「色欲」の7つの"大罪"とされる行為に魂を染め上げた者たち。
あるいは支配された者とも言い換えられ、非常に強い力を得る代わりにその掲げられた大罪に由来する渇望に強く支配される代償を持つ。
その大罪に応じた力を得るが、肉体や精神がその渇望に耐えきれず異形へと転じたり、災害そのものへと転じる事もある。その場合は堕天魔族アルコン側からも討伐指令が出される。
この喪失帯に召喚されたサーヴァントが己の内なる大罪に支配されて一員となったという事もあり得、その場合は異形へと変化した禍々しき、オルタとも異なる存在と化す。
1人が死ねばその死んだ者の大罪を受け継ぐ者が必ず出現するが、どれほどのブランクが開くかは誰にも分からない。

現存の七堕天
名前対応大罪種族所属解説
傲慢
憤怒
嫉妬
『奈落の堕とし胤』怠惰喪失帯住人"純白の愛し仔カイネ・ベーゼヴィヒツ"堕天魔族でありながら善の陣営に所属し、積極的善行を行うにも関わらず、その在り方から七堕天に選ばれた。
■■■■(予約済み)強欲喪失帯住人無所属「幾らでも、お前から貰ってやる」
暴食喪失帯住民隔離地域暴食の大罪を制御しきれず、ただ周囲を喰らい続ける災害と化し、隔離中
微笑の大魔色欲サーヴァント色欲の檻元より内に大罪を秘めるが故に、堕天したサーヴァントでありながら確固とした自我と姿を保つ異質な存在。大罪を呑み、己の存在を元よりも強大なものへと変じさせている。

追記大歓迎!

天墜てんつい or 戒態かいたい

前者は「善側の子が悪側へと転ずること」後者は「悪側の子が善側へ転ずること」を意味する。
永劫回帰の幻想基盤が影響し、その人間が悪に傾くか善に傾くかは、環境や教育ではなくその人間の前世の魂に由来する。
そのためどれほど熱心に善側に生まれた者たちが自らの子を善になるように教育したところで、前世が悪ならば悪に染まることを決定づけられる。
例えばそれは不条理な運命に依るものだったり、例えばそれは魂の渇望によるものだったり、原因はさまざまであるが、必ず前世が悪ならば悪に染まる。
これは立場が逆でも当然変わらず、前世が善だったのならばどれだけ悪徳に満ちた世界で生涯を過ごそうとも、必ずその魂は善へと染まる。
善側も悪側もこれは承知の上であり、それぞれがそれぞれの亡命者を匿う事は歴史上でも多々ある。
彼らがもたらす情報は双方の陣営にとって非常に有益な物と成り、戦局を傾ける事もある。
主な例としては、ジェイコブ・シェイフィールドなどがあげられる。

主なサーヴァント、異邦人、住民

名前種族所属活動地域備考
オリゲネス喪失帯の王聖天翼種マルアハ聖天翼種マルアハ総本図書館アレクサンドリア「どれだけ死んでも、どれだけ苦しくても、最後にはカミサマが抱き締めてくれるから」
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ喪失帯の王堕天魔族アルコン堕天魔族アルコン総本観測所プロイセン「神が私を救おうというのなれば、その神すらも私は否定しよう」
ジャック・ド=モレー〔セイバー〕サーヴァント所属不明???「かつて堕天使が器となった私に、このような贖罪の場が与えられようとは────」
ゴドフロワ・ド・ブイヨン【オルタ】サーヴァント背信徒協力英霊???「異端(バケモノ)どもは皆殺しだ」
ジェイコブ・シェイフィールド喪失帯現地人堕天魔族アルコン生まれざる土地「人は全て等しく、他人を喰らって、踏み台にして生きている。
 数多の犠牲の上に、立ち続けている。お前も、そして俺も」
ローレンツ・クレンゲル喪失帯現地人堕天魔族アルコン側→背信徒ソドム生まれざる土地「例え惨めでも……無様でも! 心に決めた事は真っ直ぐに突き通す!
 それが僕の正義だ! 僕が進むと決めた道だ!!」
マドリガル・マルカート喪失帯現地人堕天魔族アルコン流失の谷「そこのガキ!死にたくなけりゃウチに来な!死にたくても連れてくけどね!」
リゲル・リンクス喪失帯現地人聖天翼種マルアハ???「結果が分かっているのなら、過程を楽しみたいのは道理だろう?」
トゥリアス・チャイル喪失帯現地人堕天魔族アルコン側→背信徒ソドム総本観測所プロイセン周辺「俺は必ず王を殺す。誰にも邪魔などさせるものかよ。」

追記大歓迎!

SS

地獄のような世界の中で、逃げ惑う背信徒ソドム
腐りきった世界が当たり前だと思っていた。そんな時、世界が変わるきっかけが始まる。
『博愛』との邂逅は、絶対的な幸福を意味する。
世界が罅割れていく。戦いを望まぬもの。善悪の彼岸を超越するもの。
その果てに王は対峙する。互いに譲れぬものを、譲らないために。