蚩尤:不倶戴天の敵対者にして、生涯で最も苦戦を強いられた相手。
人と神獣の混成軍を率いての戦いで、蚩尤の率いる魑魅魍魎の軍勢に九戦九敗を喫した後に、天帝や
西王母の力を借りチートじみた強化を経てようやく互角に漕ぎ着けた…というほど。
最終的には王将同士での直接対決を制し、その不死の肉体を神剣によって焼き切、拘束して首を落とし、更に身体を四つに裂き国土の四方に封印することで辛くも勝利した。
その余りの強さに黄帝は蚩尤を自らの旗印とした他、後世には戦神としての信仰が生まれたという逸話も残る。
蚩尤の存在は黄帝本体が英霊の座に留まる理由でもあり、万が一、何かの間違いで蚩尤が現世に復活した際には必ずその元に赴き再度勝利を収めんとするだろう。
……恐らく、この世界に再度顕れることがあれば紛れもなくビーストクラス。
形天:二番目に苦戦した相手。正確に言えば、黄帝に剣を抜かせた二人(?)目の相手。
蚩尤が敗北した後、蚩尤の軍に属しながらも留守を任されていた形天は単身黄帝の元に突撃。
神や神獣が含まれる黄帝の部下を薙ぎ倒し直接対決にまで持ち込み、戦いながらド田舎の常羊まで移動するほどの健闘を見せるが、最後には黄帝の振るった神剣が脳天に叩き込まれ隙を見せた瞬間に次ぐ一閃により首を切り落とされる。
しかし形天は死なないどころか、落ちた首を拾ってつけ直そうとして首を探し始めた。
そこで黄帝は常羊山を神剣によって真っ二つにし、それによって生まれた深い深い谷の底に形天の頭を転がし落とした挙げ句山を元の形へ戻すことで形天を実質封印した。
以後、黄帝に敵わないことを知りながらも敗北の怒りに燃えた形天は、自らの腹を顔とし、自らの首が眠る場所で戦いの踊りを踊り続けたという。
西王母:おいたわしや叔母
*18上。
神帝と並んで様々なものを授けてくれた、第二の母とでも言うべき神がよもやセカンドライフ満喫を目的としコスプレして現世をエンジョイしているとはさすがの黄帝も予想外であった。
彼女から貰った奇門遁甲関連のあれこれは平たく言えば中国占術と陰陽の概念と医学を全部乗っけた攻略本に最強の概念である幸運を操るパワーがおまけでついてるとでも言うようなとんでもないものであり、これ無くして蚩尤には太刀打ち出来なかったのは確かである。
その恩があるため彼女の現状に対して何かは言わないし言えない。
蒼頡:かつての部下。象形文字を編み出し、人の時代を始める一助となった優秀な臣下。
再び出会うことがあっても、既に互いの役目は終わったものとして敬意さえあれば気軽に話しかけてくれていいのよスタイルで接する。
ただし彼女が聖杯にかける願いを持っていることを知ると、「なにか昔の
帝に至らないところがあったのか……?何で言ってくれなかったんだ……?」としょげる。
彼女の願いの真意を知ってからは一転、「それ(人と神秘の別れ)は仕方のないことなんだ」と諭すが、それでも尚叶えようとするのであれば力を以て止めようとするだろう。
魃:娘。かつて蚩尤との戦いに協力してもらったものの、天へと帰れなくなりその権能も制御が効かなくなったために幽閉せざるを得なくなった過去を持つ。
それは愛を無くしたゆえではなくただ世の人のためを思っての行為であるが、黄帝の中には後悔の念として渦巻いてもいる。
そのため、変わり果てた姿の彼女を目にすれば色々と精神的な負担を抱くことになるだろう。
もし救いがあるとすれば、今のだいぶ変化した見た目であっても魃側からは父として認定されそうなことや、彼女の全力の抱擁にも耐えうる霊基で現界していること辺りだろうか。
神農:炎帝神農としての彼に対しては、黄帝はその後の時代を担った新たな支配者として位置する。
神農の時代が終わり、子孫である炎帝神農氏が力を失っていくに伴い乱れていった世を再度統一したのが黄帝である。
当時の炎帝である榆罔と、炎帝の子孫であるが榆罔から独立した蚩尤、そして黄帝という三勢力に分かれていた時期もあり、炎帝氏との関係は深い。
なお、個人と個人としての性格面の相性は比較的良好。互いに人と神の思考が混ざっているがゆえに話が通じやすいため。
勾践:子孫にあたる人物。
剣にそれぞれかっこいい名前ついてていいなぁと思う反面、
帝の剣の方が強いぞがるると大人げなく対抗心を見せる。
半ば明確な血の繋がりがあると分かっているだけあってどこか身近に感じるらしく、彼に対しては人らしさを多く見せる傾向がある。
(相手の中身が剣だった場合まぁまぁすれ違っている気もする。)
渾沌:渾沌は帝鴻と同一視され、そして帝鴻は黄帝と同一視される。共に中央の帝ゆえ、らしい。
元々
*19渾沌は黄帝の子孫であったというが、色々混ざった結果今はイコールで繋がる存在となってしまった。
その内に秘めるやや危険な野望については薄々感じ取りつつも、同一(?)のよしみとしてもにもにする。