kagemiya@ふたば

【氏名】アルス・ヴィクトリアス
【性別】男性
【年齢】8歳
【出身】英国
【身長・体重】121cm・21kg
【肌色】白【髪色】金【瞳色】翠
【外見・容姿】ベッドに横たわる小さな子供
【令呪の位置】左胸

【属性】中立・中庸
【魔術系統】なし
【魔術属性】なし
【魔術特性】なし
【魔術回路】質：なし 量：なし 編成：なし
【起源】不明→なし

【所属】不明
【階位・称号・二つ名】31番

【契約サーヴァント】ライダー

凡ゆる敵、凡ゆる困難に勝利して、人類社会を牽引する完璧な指導者として作られた血統種。
その成れの果て、尽く廃棄された最後の生き残り。
屈強な獣の筋肉は定着しなかった。追加された脳髄は機能しなかった。心を惑わす魔眼は視力を潰した。
ただ無数に切り苛まれ、数多の薬を与えられ、拷問器具のような装置に繋がれた。自らを形作る起源さえ作り替えられた。
そして何一つ、成果を得ることはなかった。

年齢の平均より少し小さく見える痩せた子供。
末端の麻痺によりベッドの上から動くことは出来ず、固形物の摂取もできないため栄養は全て点滴で賄っている。
翠色の瞳は濁り、視界がぼやけて見えてしまう。そのため窓の外の要素を眺めることもできない。
聴覚と発話は比較的健常、ただ時折咳き込むこともあり、声色は掠れている。
出来るだけ微かな声が相手に伝わるように、一つずつ区切ってゆっくりと喋る。

大阪のとある病院のベッドに寝かされている少年。
名門ヴィクトリアスの子息であったが、重い病気の末期状態にあり、懸命な治療の甲斐無く次の月まで生きられるかも定かではない。
時折家の者が様子を見に来るばかりで、その関係性が既に家族に最期を看取られるものでないことを確信させている。
表向き、彼はそうして死ぬことになる。そして計画の産物は全て処分される。

イメージカラー：白
特技：なし
好きなもの：思い出せない
苦手なもの：また機械に繋がれること、薬を与えられること、手術を受けること
天敵：なし
願い：ただ死ぬまでに意味が欲しかった

【一人称】僕　【二人称】あなた　【三人称】

政治と深く繋がる魔術結社のグループが作り出した実験体の一つ。
元々彼らは、人類史から汲み出し得る傑物の因子をかき集めて完全なヒトの創造を目指す研究を進めていたが、
国際政治上有益となる人材の提供と引き換えに国家からの優遇を得るという話を持ちかけられ、研究を転用した開発が始まった。
幾つかの案の中から「強く人気があり、操る側にとって都合のいいリーダー」を作り出すことになり、
それに適した遺伝子サンプルをかき集め、遺伝子調整で産まれた子供に能力向上のための様々な処置が施された。
結論から言って、その試みは全て失敗した。組織は多様なアプローチを試みたが、いずれもが生命の在り方に対する冒涜に終わった。
計画が失敗に終わると共に、産まれた実験体はなるべくバラバラの方法で処分され、証拠は抹消された。
記憶を消して孤児院に送られた者、戦地に放り出された者、ドブ川でネズミの餌となった者。いずれも無事に死亡が確認された。
アルスはその中で、仮初の名前とカバーストーリーを与えて病院で生涯を閉じる手筈となった。
与えた薬の効果は良好で、このまま病室に放置しても怪しまれることなく、彼を病死らしく殺してくれることだろう。

あと僅かで消える魂、散々に弄り廻され残骸と成り果てた肉体、何も感じないよう自ら漂白した心を持つ少年。
先の通り、アルス・ヴィクトリアスという名前自体が適当に付けられたものでしかなく、当然家族も存在しない。
産まれた時から実験を受ける立場であり、抗ストレス性の計測のためにあえて一般的な良識を与えた上で過酷な精神負荷を与えられた過去がある。
そのため刺激に対する反応が淡白なものとなり、ある意味で陰惨な状況に置かれていても(知覚も薄いため)眉ひとつ動かさない。
一方でその精神状態ゆえに揺さぶりに強く(揺れるものがない)、状況を俯瞰的に見るセンスの片鱗が残されている。

詰め込まれた教育の賜物で外界の知識には意外と明るいが、あくまで普遍的なものの域を脱しないため街中のことには世間知らず。
実際には体感したことのないものがほとんどで、それらに触れる機会があると微かに人の感受性を取り戻しそうになる。
既に触覚や視覚等がほとんど機能していないため、環境音や詩歌等の聴覚情報に関心が深い。
とはいえ彼の既知のレパートリーや知識は限られているため、ただ感覚的に響くフレーズを好んでいるに過ぎない。
また、当人は喉が枯れてしまっているため発信側に立つことは好まず、基本的に受け手に回っている。

既に彼の生命力は尽きかけており、余命がごく僅かであることを理解しても、それを人並みに嘆くことも足掻くこともできない。
ただ、彼は31人の実験体の最後の生き残りだった。
30人いた「みんな」―――同胞とも兄弟とも言い難いが、とにかく同じ境遇であった者たちは皆死んだ。
そして、アルスは最後の一人になってしまった。当然、自分を作ったものたちは早く自分が終わることしか望んでいない。
だから、
少しだけ、寂しかった。
何の意味もなく、自分ひとりで死んでいくのが。

「おうてい？おう？あなたは、王様なのです、か？」
耀く黄金のひと。濁った視界にそれは太陽のように見えた。
孤独にかける願いは確かにあったかもしれないが、現れた人物が全てにおいて自分の世話をすることに当初は戸惑いがあった。
やがてそれが気紛れであり、自分とは天地よりも遠い存在であることを知りながらも、
ただ側にいてくれることは、意味もなく終わる命に幾許かの救いとなったかもしれない。

ただもうすぐ死ぬだけの子。
基本的に病室から動けない。外に出す場合は移動先の医療体制を十分に揃えた上で、
しっかりと抱えて、ショックを与えないように徒歩で、尚且つ迅速に運ぶ必要がある。たとえ戦闘の只中でも。

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