ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

「欲しいのなら手を伸ばして奪い取りなさいな。私はそうして生きてきましてよ」





基本情報

【氏名】アネット・オンブレ
【性別】女性
【年齢】18歳
【出身】フランス
【身長・体重】162cm・52kg
【肌色】白人【髪色】灰青に金のインナーカラー【瞳色】緑
【スリーサイズ】91/52/93
【外見・容姿】上品な雰囲気を纏ったスタイルの良い美少女
【令呪の位置】左手背

【属性】中立・悪
【魔術系統】発声魔術
【魔術属性】風
【魔術特性】干渉
【魔術回路】質:A 量:B 編成:正常
【起源】遡逆

【所属】「秘儀科コーシャ」・ブラネット家
【階位・称号・二つ名】

【契約サーヴァント】

【イメージイラスト】

(Bing Image Creatorで作成)

(Novel AIにて作成していただきました)

魔術・特殊技能・特性など

魔楽の嬌声ル・ミュルミュール・ド・ディモン

自らの声を個体のように自在に固定・移動・炸裂させることのできる魔術。
魔術の詠唱を事前に"固定"しておいた上で"炸裂"させることにより発動を時間差で遅らせたり、"固定"した状態で"移動"させることにより弾丸のストックのように容易をしておくことが可能である。
もちろん魔術的な要素のない単純な声の""固定"も可能。
これを用いて自らの居場所と予め"固定"した声を反対方向に移動させて居場所を誤解させたり、自分のいた場所に残して"固定"しておいた声を"炸裂"させることで時間的・空間的な攪乱を行う戦法を得意とする。

夢楽発声

詠唱を行わず、一般的な会話や意味のない発声の中に暗示の魔術を仕込む技術。
詠唱や明確な魔術回路の励起などを伴わず暗示を行うため、常にパッシブで魔術に対策を行っている対象でもない限り暗示を防ぐことは難しい。
暗示の内容としては恐慌を引き起こすものを多用するが、他にも些細な勘違いを呼び起こすもの、自身への好意を生まれさせるものまでその方向性は多岐にわたる。

礼装・装備など

ミュート

アネットが使用する魔術回路に直接作用する魔術礼装及びそれを用いた魔術の総称。
本来は全身の関節などを叩くことで引き起こされる魔術的な振動を体内にて反響させることで魔術回路の魔力循環を改善したり、発動中の魔術を共鳴させ自身を強化する、いわゆる「調律魔術」の一種。
本来は繊細な調整が必要な難易度の高い魔術で、失敗するとむしろ魔力が霧散したり魔術が暴走する危険がある。
しかしアネットはそれを逆に魔術師への攻撃に利用している。
即ちこの礼装で殴打することにより魔術回路の調律を意図的に乱し、敵対魔術師の体内にある魔力を意図的に暴走させるのである。
あくまでも無茶苦茶に乱すことが出来ればよいので繊細な調整のようなものは一切必要なく、また敵が強力な魔術を用いているほど効果が上がるという利点を持つ。

外見・容姿の詳細など

その激しい気性とは裏腹に、どこか儚げで触れたら壊れてしまいそうな雰囲気を纏った美少女。
薄く曇りがかった冬空のようなダークブルーの髪は真っ直ぐで長く、腰に届くほどにまで長い。
瞳の色は緑柱石ベリル色で、透き通った輝きの中に一滴だけ濁りが混じり込んだような複雑な模様が浮かんでいる。
目つきは鋭く、なおかつ昏い。にこやかに笑っているときですらその瞳の中から警戒心と敵意が消えることはなく、やや吊り目気味なこともあって傷ついた猫のような印象を与える。
鼻筋は真っ直ぐ通っていて高く、顔全体の堀りが深い。やや薄い唇は血色が悪く、常に堅く引き結ばれている。
そもそも顔自体の血色があまりよくなく、更に肌の色が透き通るように白いこともあってやや人間離れした色白さ。人形のよう、と例えてもよい。
美しく均衡のとれた女性的な肉体を持つが、それをアピールすることはあまりない。
これはそもそも自らが美しい・色気があるなどと言われても嬉しいとは思わない価値観の持ち主であるためだが、他者から羨まれる肉体を持っていること自体は自覚しており、それを利用することはある。
普段はライトベージュのラッフルブラウスにチャコールグレーの膝上丈のサスペンダースカート。ホワイトのニーハイソックスにピアノブラックのパンプスといった出で立ち。
そのどれもが高級な素材で作られた高価なものだが、これは私服ではなく、雇い主であるブラネット家当主イザークから与えられた「制服」であり、これ以外の服には滅多に袖を通さない。
本人の服装の好みはこのような豪華なものではなく、むしろ動きやすい簡素なものであるが、聖杯戦争が始まった後も彼女は制服に袖を通し続けている。

人物像


イメージカラー:ダークブルー
特技:即興劇
好きなもの:パン、ミルク、缶詰
苦手なもの:豪勢な食事、ネズミ
天敵:各務湊之郎、ネオン・レヴィナ・ミクセム
願い:私に幸福な人生を
CV:田辺留依

【一人称】わたくし 【二人称】貴方 【三人称】彼・彼女

台詞例

来歴

フランスの貧民街にて私生児として生まれる。
母親の名前はフェンネル、父親は不明。
あまりにも貧しくアネットを病院で生むことすら出来なかったフェンネルだが、実は彼女には魔術の才能があった。

何を隠そうオンブレ家は8代を数えるフランスの魔術師の名家であった。
代々婿を迎えながら女系の魔術家系として栄華を誇っていたオンブレ家であったが、フェンネルの祖母の代で魔術師同士の権力争いに敗れて魔術世界での地位を失う。
更には巨大ワイナリーの所有者という"表"の地位すら他の魔術家系の計略にかかり喪失したことによって、オンブレ家は極貧の生活を強いられることとなったのだった。
フェンネルの母はともかくフェンネル本人は既に貧民としての生まれであった為に、もはや魔術師としての最低限の矜持すらその母親から受け継ぐことはなかった。
ただその意味も分からず魔術刻印のみを継承していたフェンネルは、その魔術を大道芸のように用いて通りすがりの人々を喜ばせ、日銭を稼いでいた。
そして同時に自らの身体も売り物としており、その中でどの客の男の物とも知らぬ胤で孕んだのが一人娘のアネットであった。
フェンネルは感情の起伏が激しく、自らの苦しい生活を嘆いてはアネットを人売りに手放しかけることもあれば、僅かな彼女の失敗にも激怒し、流血するほどの折檻を咥えることもあった。一方で冷静さを取り戻したときには泣いてアネットに謝罪することもあり、母親という存在からアネットは人間の感情の不安定さを理解した。
そんなことがありながらもなんとかアネットを育てていたフェンネルであったが、「魔術を大道芸に使う」という行為が時計塔に見つかるのは時間の問題だった。
神秘の秘匿に反する、と時計塔に追われる身となった彼女に、しかし身を守る術など存在しなかった。

10歳にして母を失ったアネットは、同じフランスの魔術家系、ヴィーニュ家に引き取られる。
引き取られる、というのは体のいい方便のようなもので、実際のアネットの扱いは奴隷同然のメイドとしての立場であった。
部屋は余りに余っているのにも関わらず、アネットに与えられたのは埃だらけの屋根裏の部屋とすら呼べない空間一つ。
食事は朝と夜に小さなパン切れを与えられるだけ。
とても果たしきれないほどの大屋敷の掃除を一人で為すように命じられ、果たせなければ魔術による折檻を受けた。
ただ視界にいたのが目障りだったというだけの理由で、当主から水をかけられた。
その様子が余りにも惨めだったからと、嫡男から何度も大量の水を被せて遊ばれるようになった。
そのために高熱を出して部屋で倒れていても、朝に顔を見せなかったという理由で、当主の妻に蹴り飛ばされた。
他のメイドと比べても遙かに劣るその扱いは、彼女がそもそも退屈を紛らわす玩具として引き取られたからだと気づくのにそう時間はかからなかった。
この頃から自分以外の生命に対する価値への頓着が薄くなっていった。
屋根裏のネズミに噛まれてワイル病で死にかけて以降、ネズミがトラウマとなり見かけるごとに殺すようになる。
地獄のような日々だったが、それでも他に身を寄せる場所がなかったアネットはひたすら耐え続けた。

そしてある日、彼女に転機が訪れる。
アネット14歳の春。ヴィーニュ家は本家筋に当たる大魔術家系、ブラネット家の当主・イザークを食事に招く。
ブラネット家はかつては時計塔・呪詛科の有力な魔術家系であり、「秘儀科コーシャ」の成立と同時にシンガポールへ派遣されそちらを本拠地とした魔術家系であった。
その後ソルポートの建築にも多大な資金を出資し、現当主イザーク・シャルボ・ブラネットはそこの運営にすら口を出すことのできる有力家系として辣腕を振るっていた。
多くの魔術家系との政争に勝利し、確かな眼力を持つイザークはその食事会においてメイドとして同席していたアネットの存在に目聡く気がついたのである。
そもそも、かつてオンブレ家を政争にて蹴落としたのがイザークの父であった。
イザークはアネットのオンブレという姓にまず目を付け、そして彼女にまでオンブレ家の優秀な魔術回路が引き継がれていることも理解した。
そしてアネットはに高額にて「購入」されることとなる。
しかし、それもまた決してアネットのことを想ってのものではなかった。
ブラネット家がオンブレ家の資産を簒奪して出資した巨大海上人工都市ソルポート。
かの地で行われる聖杯戦争にて、聖杯を手にすることこそブラネット家の悲願。
だが、イザーク本人は自らその争いに命を懸けて参加するリスクを取ることを良しとしなかった。
それどころか自らの血筋の者すらその聖杯戦争で喪失することを危惧していた彼は、ブラネット家のマスターとして参戦する傀儡を求めていたのである。
魔術の才能に恵まれながらも幼い頃から厳しく躾られ、主に従順なアネットはその傀儡に相応しいと見出されたのであった。
そしてイザークの元で厳しい魔術の修行が始まった。
しかし、その苦痛が自らの糧となるというだけでもヴィーニュ家での暮らしとは天と地の違いであった。
質素ながら三食食事を与えられ、狭いながらも自室すら用意された。
イザークに恩義を感じながらもアネットは厳しい修行と礼儀作法を叩き込まれる。
それまで母の見様見真似でしか使えなかった魔術を戦闘用にまで鍛え上げ、聖杯戦争とサーヴァントの仕組みについても学習し、過去の土夏で起こった聖杯戦争の顛末までも頭に叩き込んだ。
そして4年の月日が経過し、アネットは立派な魔術師──否、魔術使いとして鍛え上げられた。

そして、聖杯に魔力が満ち、アネットがサーヴァントを召還したとき。
真っ先に行ったのは、サーヴァントによるイザークの暗殺であった。
怒りがあったわけではない。
憎しみがあったわけでもない。
むしろ彼に対して抱いていたのは感謝の念だった。
ただ、生きることは奪うことであるとそれまでの人生で学んだだけのこと。
アネット・オンブレは魔術師ではない。求めるものは根源ではない。
聖杯を求める理由はただ一つ。
今まで奪われてきたものを奪い返すため。
自分自身が幸せに生きるため、今手にしたチャンスはもう手放さない。
私は誰かから幸せを奪い取って、これからは自由に生きるのだ。
相手が民間人であろうと手段は選ばない。
なぜって、「世界の幸福の量は一定であり、奪い合いにより決まる」のだから。
それがアネット・オンブレという一人のマスターの形であった。

性格

内向的・能動的。
自分の内から発せられる衝動に一切逆らうことなく、自分の求めるものを自分の求めるように行うことを至上の嗜好とする究極のゴーイングマイウェイ。
そうでありながら、同時に必要とあれば仮面を被ることも泥を啜ることも厭わない強靱な精神性を持つ。
基本的に自分以外の存在の生命の価値を認めていないため、必要とあらば恩人であろうと躊躇なく命を奪う危険性を孕んでおり、彼女に近づくことそのものが推奨されない。
そうであるにも関わらず一般的な人々の価値観とはいかなるものかということもきちんと理解している彼女は、そういった危険性を表に出すことは少なく、ゆえに多くの人間がその上品な振る舞いに騙される。

生まれがいつ命を狙われるとも分からない貧民街であった上、その後も被虐されつつ育った彼女は、動物的な危機察知能力が非常に高い。殺意や悪意といったものよりも原始的な、「獲物を狙う視線」に近い意志を直感的に感じ取り、これを鋭敏に避ける技術を持つ。罠や狙撃などといった不意打ちによる殺害を試みるには相応の対策が必要となるだろう。

彼女自身は自らの容姿が美しいことも自らの肉体が妖艶であることにも何の感慨も持っていないが、それが他者にとっては価値があるものであることは知っている。
そのため日常的には美容によく気を使っており、その美しい容姿は決して生まれもってのもののみではなく絶え間ない努力の賜といえる。
同時にその身なりや立ち振る舞いも利用価値という観点から非常に意識しており、余程のことがない限りはその優雅さを崩すことはない。

だが、そのような姿が仮面であることが露呈した場合や、そもそもそうした体面が必要ないと判断した相手には獰猛な本性を剥き出しにする。
幼い頃から魔術世界にあらゆるものを奪われ、虐げられてきた彼女であるが、しかしそのようにして育ってきたがゆえにその社会構造に憎悪や嫌悪を抱くことはなかった。
何もしていなければ奪われるのは当然のこと。
ただ生きているだけでも何かを喪失するのは当然のこと。
喩え自らがどんなに誠実に生きていようとも、世界は自分から躊躇なくあらゆるものを奪ってゆく。
ならば、奪わなければ生きてゆけない。
幸せとは誰かから奪い取るもので、自然に生まれるものでも誰かと共有するものでもない。
そうした価値観が当然の世界で生きてきたことが、彼女の価値観を形作っているためである。
ただし、憎悪や嫌悪が存在しないのはあくまでもそういった社会構造に対してであり、彼女の抱く幸せへの渇望はむしろ非常に強く激しい。
自らから何かが奪われるときには何よりも怒りを剥き出しにし、奪われまいと抵抗し、残虐なまでに敵意を相手に向ける。
そして自らが何かを奪うときにもまた、何よりも歓喜の表情を顔に浮かべ、嘲笑とともに相手の尊厳を徹底的に踏みにじる。
幸福の奪い合いこそアネット・オンブレという少女の生きる世界の全てであり、そして同時に生きる意味でもあるのだ。
弱肉強食の世界が生んだ獰猛な獣といえるだろう。

一方で、彼女にはどこかそんな怪物的な本性を抑え込もうとする理性が存在していることにも触れなければならない。
これは奪い奪われる生き方のために被る仮面に一見しては似ているが、その実別種のものである。
彼女は、自らを形作る簒奪の価値観を口にすることを好む。
なぜ自分がそのように行動するのか。なぜその選択肢を選ぶのか。

それは大半の場合は嘲笑であったり勝ち誇りながらであったりと相手を貶めるように口にするシチュエーションが多いが──ある執着を抱き始めるとそこ傾向に変化が現れる。
情熱的にではなく冷静に。
嘲笑うのではなく哀れむように。
貶すのではなく教え導くように。
自分と異なる価値観を持つ相手が、まるで教養が足りていないとでも言うように。
こうなったとき、彼女はひどく冷静になり、まるで普段の仮面を被り直したように見えるが……。

そんな彼女であるが、幼少期は貧民街で育ち、それ以降は魔術家系に幽閉されて育てられた彼女は重度の世間知らずであると言える。
そんな彼女が世界有数の観光地であるソルポートに解き放たれたとしたら、当然ながら目に映るのは煌びやかな娯楽の世界である。
彼女は無邪気な少女のように遊びほうけ、グルメに舌鼓を打ち、輝く街の中で踊り狂う。
なにせその手にはイザークから奪い取った資金がいくらでもあるのだから。
だが、そうして繁華街で思いっきり楽しんだとしても……。
聖杯戦争に勝ち残るために必要を感じれば彼女は容赦なく破壊活動や魂喰らいを行い、そこを壊滅させるのだ。
楽しんだから壊滅させるのではない。
楽しめなかったとしても壊滅させるのは変わらない。
そこに因果関係は存在しない。
必要だから奪う。
それだけ。
強いて言うなら……あんなに楽しかった場所がなくなるのは惜しい、くらいには思うかもしれないが。
どうせ、いつかは奪われるものなのだから。

行動規範・行動方針

始めて手にした自由を謳歌し、更なる幸福を得るためだけに活動する。
自らの欲望のままに活動するが、思考は狡猾であり演技や同情を誘うといった行為も厭わない。
他方、彼女は生まれて初めて手にした自由というものを謳歌したいという強い気持ちがある。
上述したように、彼女はソルポートの観光施設を目一杯楽しむだろう。
そうした機嫌のよいときであれば、彼女は敵マスターと遭遇したとしても敵対行動をとらないかもしれない。

参戦理由

ようやく手にした自由を謳歌するため。
そして、更なる幸福な生を得るため、他の主従や住人から幸福を奪い取り、聖杯を手にするため。
ただし、その願いを抱いたのはイザークとの修行を終え、ソルポートでサーヴァントを召喚した後である。
イザークの手を離れて初めて、アネットは自由というものを理解したのだから。

サーヴァントへの態度

自らに益をもたらしてくれる同盟者として、意外にも尊重した態度を取る。
何かを強制するようなことはなく、むしろサーヴァントが望んだ行為を自由にさせようと振る舞うのがアネットの態度である。
魂喰らいなども、サーヴァントが拒否するのであれば無理に行わせるようなことはない。
しかしながら、彼女自身は一般人に被害が出ることを厭わず、むしろ積極的に彼らを利用し命すら考慮しないため、そんなマスターの行動を看過できないサーヴァントとは相性が悪いだろう。
また、イザークへ取った対応を見れば分かるように、彼女と友好な関係を築いていることと彼女がその相手に危害を加えないことは一切関係がない。
もし不必要であったりむしろ邪魔であると断じられれば、彼女は躊躇いなくサーヴァントを切り捨てるであろう。

役どころ・コンセプトなど

中ボス・もしくはライバルキャラ意識。

因縁キャラ

「もし、貴方の幸福がそれならば──今のこの場で、私に殺されてくださる?」
聖杯戦争の最中に、まずは互いをマスターと知らずに出会う。
そこで何かの気遣いを受けるかもしれないし、共に何かを楽しむかもしれない。
そうだとしてもあくまでも彼とは行きずりの知り合いとしての関係に留まり、連絡先を交換することもなく、その後本来であれば二度と出会わない関係のようにして別れ──。
そして、二度目は敵対するマスターとして再会するだろう。
それはおそらく、アネットが命を奪ったり、魂を喰らわせている場にて合い見えることとなる。
即ち、マスターととして出会った瞬間には、アネットは彼の敵として立っていることになる。

誰かに寄り添い支えようとする彼の価値観を、アネットは棄却する。
何故ならばそれはアネットにとって自らの幸福を投げ捨てる行為であり、そして聖杯戦争においてはその命を投げ捨てる行為として移るからだ。
そうであるにも関わらず、アネットは湊之郎を積極的に殺そうとはしない。
魔術にて傷つけ、サーヴァントを叩き潰そうとし、更には倒れた彼を直接的に靴で足蹴にしてもなお、彼女は奪える命を奪わない。
ただ彼の生き方を否定し、罵倒し、そして放逐する。
彼を責め立てるその姿勢は、しかしいつものように情熱的なものではなく、冷静で、冷酷で、しかしどこか導こうとするような口調。

その理由は、言葉にしてみれば簡素である。
最初の邂逅にて、アネットは彼の特質を理解していた。
美しさを知らないことを。
具体的な形こそ察せずとも、他者と違う形で人が見えていることも。
ならば……彼は理解してくれるはずだと思ったのだ。
自ら以外を顧みない利己的な生き方も、それをもたらしたアネットの人生も。
彼の他者に寄り添うその生き方を穢し、踏みにじり、そして否定することで、彼にも自らと同じ場にまで墜ちてきて欲しかった。
同じ価値観を共有し、互いに奪い合う関係になれる素質がある。
殺し合う関係になれる。
そうならなければ、彼には殺す価値がない。
否。
そこまで墜として漸く、アネットは自らの生き方を肯定できる。
自らの人生が何のためにあったのか、何のためにここまで生きてきたのか、それを理解できる。
それほどまでの運命性を感じてしまったのは、偏に彼が特異な価値観を持っていたから。
世界からズレた彼であれば、世界から爪弾きにされた自分と同じ場所に立ってくれると思ったから。
つまりは──各務湊之郎は、アネット・オンブレが自ら捨てた人間性を照らすたった一つの燭だったのだ。
「えぇ、存分に怒りなさいな。憎みなさいな。けれど───その怒り、本当にご自分のものですの?」
彼女の名前は知っていた。
当然だろう、レヴィナ家の筆頭、ミクセム家の嫡子とあれば、此度の聖杯戦争におけるマスター候補として名前が挙がらぬはずがない。
どのような経緯で今の立場にいるのかも、そして今置かれている状況も、全てイザークから教わり知っていた。
しかし、彼女の半生を聞いてアネットがまず考えたのは、魔術師としての彼女との対決でもなければ、マスターとしてサーヴァントを対峙させるシミュレーションでもなかった。
"その立場にアネットが置かれたのであれば、どうするか"。
そして、この時既にイザークの殺害を目論んでいたアネットにとって、その回答はレヴィナ家の殲滅のみだった。

湊之郎と異なり、最初から敵対するマスターとして邂逅するネオンとアネット。
その立ち振る舞い、言動、サーヴァントへの態度を見て、アネットは感じたのだ。
彼女もまた、自らと同じ場にまで堕ちてくる資格のある人間なのだと。
その怒りと鬱屈に満ちた態度を道理が邪魔している。
ただ感情のままに生きれば自分と同じ場にまで至るだろうに、正道が彼女の生き方を汚している。

何故自らを縛りますの?
何故自らを律していますの?
それがアネットには疑問で仕方がなかった。
自らの感情に素直になりなさいな。
自らの思うがままに生きなさいな。
貴方が為したいことはこんな戦いではないはずですわ。

故にアネットはネオンに執着する。
彼女が向ける魔術にも、差し向けるサーヴァントにも怯むことはなく、しかしアネットはネオンを傷つけない。
ただ身を守り、時には逃走し、それでもアネットは言葉を紡ぎ続ける。
───思うがままに生きなさいな、ネオン・レヴィナ・ミクセム。

果たして、アネットはネオンに深く共感し、そして憐れんでいる。
魔術の家系に縛られた生き方も、その中に囚われている姿も、アネットは自らが生きてきた環境に重ねていた。
故に、彼女もまた自分と同じように生きればよいのに、と思ったのだ。
なぜレヴィナ家に刃を向けないのか。
自分がブラネット家を壊滅に追い込んだように、ネオンもまたレヴィナ家から解き放たれれば、自由に生きることができるのに。
自らを縛り付ける恩というなの鎖に縛られ、その心の内の炎で自分を灼くことしか出来ない彼女は、アネットにはどこまでも哀れに映るのだ。
だからこそ、アネットは彼女を挑発し、怒りを抱かせた上で幾度も囁く。



本当はとっくにご存知のはずですわ。貴方が憎むべきは私ではなく───。
そしてもし貴方がレヴィナ家に憎悪を向けてさえくれたのならば。
私たち、とっても親しいお友達になれると思いますの。

後で追記します

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