ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

 
「忘れてた。そうよ、なんて簡単なこと。なんて欠落、なんて無様。私はただ───ただ、れば良かったのよ。この燃え上がるものこそがネオン・レヴィナ・ミクセムだもの……!」


基本情報

【氏名】ネオン・レヴィナ・ミクセム
【性別】女性
【年齢】18歳
【出身】イギリス・サマセット地方
【身長・体重】161cm・kg
【肌色】普通【髪色】金色【瞳色】明るい緑色
【スリーサイズ】84/56/85
【令呪の位置】左手甲

【属性】混沌・善
【魔術系統】召喚術
【魔術属性】火・地・水
【魔術特性】支配
【魔術回路】質:B++ 量:A 編成:正常

【契約サーヴァント】


※寝起き


魔術・特殊技能・特性など

召喚術

魔術によって何かを喚び出し、それを我がものとして使役する魔術。都合上、支配魔術としての側面も持つ。
ネオンは霊体の召喚を得意としており、その才能は今から時計塔の門を叩いてもすぐに降霊科の若き俊英として名を馳せることができるほど。
低級霊程度であれば詠唱さえ必要とせず指や歯を鳴らすだけで喚び出すことが可能であり、中級霊も不自由なく操ることができる。
身につけている魔術礼装を用いれば上級の強大な悪霊をも使役する。2053年当時の若い降霊術師の中では間違いなく世界でも1か2を争う才能。

治癒魔術

上述の降霊術及び召喚術を応用することで治癒魔術をネオンは扱える。
無垢な霊を喚び出して患者の霊体の破れた部分と接合させ傷を塞ぐことで肉体の治癒力を高めるというもの。いわゆる霊媒治療術。
傷口からの出血を止めて傷を消すといった基本的なことから、切断された直後かつある程度の時間を要するが切り離された肉体のパーツを繋ぎ合わせることもできる。
本格的に学んだわけではなく独学の範疇なので術者のレベルとしては中級程度だが、ちゃんと指導を受ければ名のある治癒術者になれる才を持つ。

礼装・装備など

チェス盤

「そう、これがレヴィナ家が受け継ぐとっておきの礼装。ゲームを始めましょう。定跡オープニング通りに全て終わらせるわ」
ネオンが持ち歩く、長財布ほどの大きさの小さな折り畳み式チェスボード。
小粒の宝石をいくつも散りばめ、彫金による装飾が施された優美な代物。開閉のためには鍵が必要だが、物理的な鍵は存在しない。
内部には曰く付きの宝石を削って象られた綺羅びやかな駒が収められており、そのひとつひとつにレヴィナ家が封じ使役してきた『とある現象』に関する悪霊が収められている。
長い時間をかけて作られた死霊のコレクションであり、それぞれにチェスピースとしての役職を与えることで使役を安定化させている。
死霊の駒はチェス盤へ収められているもの以外にも複数存在し、普段は保管庫に安置されている。この礼装を受け継ぐミクセム家の当主が自由に中身を入れ替えることができる。
ただし、駒の中でキングとクイーンだけは入っていない。使役する者をクイーン、そしてこの駒たちを統べる最大の死霊をキングとして特別な扱いにしているためである。

蒼白猟兵ポーン
「共に過ごした時間なら彼らが最も長いわ。身近にいる誰よりも……親よりもね。よく私に懐いている可愛い子たちよ。さあ───あの人に遊んでもらいなさいな」
ネオンが最も多用する死霊。これに限らず、ネオンが装身具に封じて使役している霊にはチェスの駒の名前をなぞらえて命名されている。
犬以外の雑多な小型の動物霊が主。ネオンは烏のモチーフを使い魔として喚び出す機会が多い。
霊というものはおおむね固定化された残留意思というものを持つものだが、この「蒼白猟兵」に関してはネオンは完全掌握を完了している。
そのため個々の能力はさほど高くないが様々なことに応用が効き、その使い勝手をネオンは好んでいる。
一度に複数を展開でき、仮に全て討たれようがいくらでも替えがきくという点もメリット。
遠隔の情報を把握する目や耳としての使い方の他、周囲にばら撒いて配置させておくことでセンサーの役割を果たしたり、先導させて事前に危機を察知するなど役割は幅広い。
戦闘においても使い減りのしない鉄砲玉として機能し、個々の威力は大したことはないが動物霊ならではの挙動で回避しづらい魔力弾となる。
また「蒼白猟兵」の配置自体が高位の魔術を使用するための魔術陣として利用することもできる。
その取り回しの良さ、対応する場面の多さ、使役する上でのリスクの少なさから出番は多い。

碧緑騎士ナイト
「言っておくけれど彼はとても強いわよ。ちょっと目を離したらやんちゃをするから忠義の騎士とは言い難いけれどね。死にたくなかったらせいぜい必死で逃げ惑いなさい」
荒事の際に喚び出す死霊。ネオンの戦闘においての主力となる使い魔。
下半身を霞として動き回り、大盾を右肩に装備し、長大な槍を携えた、中身のない鎧の騎士を外見とする。
同時に1体しか使役できない代わりに高出力・高機動・高耐久と三拍子揃った取り回しの良い戦力。
ネオンの制御下にいないと暴走の危険性があるものの、逆に言えばネオンが支配権を掌握してさえいれば「碧緑騎士」は頼りがいのある護衛騎士となる。
強く、硬く、疾い以外にはこれといって特別な能力を持たないものの、そこはネオンが「碧緑騎士」を盾にしながら魔術を行使することでカバーできる。
本格的な戦闘となるとネオンはこれを喚び出すことが多い。レヴィナ家の至宝たる礼装のひとつであり、曰くかつては旧き時代の王国の筆頭騎士だったとか。

菫紫智鱗ビショップ
「水場が多いならこのチョイスもありかなって。それにしても確かこの“駒”を制作したのは五代前の当主だけど……よくもこんな緻密で面倒な抽出を根気強くこなしたものだわ」
水場が常に身近にある、という環境を考慮してネオンがストックしてきた霊。
その属性は“流れる水”。流水に強い親和性を持ち、水が流動している場所では水そのものに溶け込んで姿を表さない霊。
水の停滞した場所では不定形かつ半透明の魚のような姿を取る。もともと水と霊は相性が良く、レヴィナ家の過去の当主がその要素を摘出して礼装に封じたもの。
水流に乗って辿り着ける場所であれば大抵のところへ侵入することができる。特定状況下における情報収集がネオンの思惑のひとつ。
また流水を操作する性質も持ち、水中に落ちたものを水面を浮かび上がらせたり、水の中を素早く移動させるといったこともできる。
反面攻撃力は低く、基本的に水を媒体にして使役するため特に地上での戦いではほとんど役に立たない。
大抵の状況は上述の2種の悪霊で十分として、環境を利用した絡め手に応じるために持ち込んだもの。
最悪の場合の手段として水路へ飛び込み「菫紫智鱗」をモーターにして逃げるという使い方も脳裏をよぎったがエレガントではないので却下。
おそらくそんなことをする場面は訪れないだろう。メイビー。

玄黒砦獣ルーク
「本気? この霊に関しては私は支配が終わってないのよ? 喚起した瞬間に術者に蹄を振り上げてくるんだから! あーもう、喚べばいいんでしょ、喚べばっ!」
基本的には召喚することのない死霊。というのも、この死霊に関してはネオンはまだ完全な制御下に置いていないため。
見た目は馬鎧を身に纏った巨大な軍馬。現代におけるサラブレッドのイメージとは全く違う、分厚い身体の厚みを野太い脚で支える黒馬の霊。
空と地を俊敏に駆け、蹄の踏み鳴らしで雷電を発生させる。霊体としての濃度は「碧緑騎士」よりも高く、ただ突進するだけで進行方向にあるものを轢き潰す。
ただし、物凄い暴れ馬。ネオンだからこそ召喚まではどうにか漕ぎ着けられるというレベルであり、彼女をして背に乗って走るためにはあと10年は研鑽が必要。
当然「玄黒砦獣」を受け継いできた歴代のレヴィナ家の魔術師も相当に手を焼いており、呼びかけに応じて姿を表すところまで至ったのは10人に満たない。
絶体絶命の状況にでもならない限り召喚するのは極力避けたい駒であり、そもそもそういう最大のピンチには後述の最大の切り札があるため扱う予定はない。
それでも何故携行してきたかといえば聖杯戦争に半端な霊を封じた礼装を持って行くくらいなら尖った駒を持っていったほうがよかろうという判断によるものである。

───しかし、この暴れ馬を乗りこなせないのは現代を生きる人間たちの話。英霊、それも万夫不当の者なれば───

嵐の王ガブリエル・ラチェット
「さあ、嵐の時だ! 喇叭を鳴らせ! 地の果てまで獲物を追い立てろ! 亡霊の群れ、旧き王たちのパレード───ワイルドハントの始まりよっ!」
普段は首から提げている五芒星のペンダントに封じられている霊。ネオンが持つ最大最強の切り札。
と同時に、この死霊を解き放つことはネオンが従え使役している霊たちの正体を明かすも同然であり、サーヴァントにおける真名解放と似たものである。
ガブリエル・ラチェット。ネオンの故郷であるサマセットに伝わる伝承であり、それは即ち他地方でも著名な伝説“ワイルドハント”である。
嵐の夜に大挙して空を駆け抜ける、死者と彼らに率いられた地獄の猟犬たちによる猟団。北欧神話においては主神オーディンによって導かれし軍勢。
その首領はあるいはアーサー王、あるいはサー・フランシス・ドレイク、あるいはディートリッヒ王、あるいはグウィン・アプ・ノーズ……
ヨーロッパ各地へ伝承が伝わるにつれその土地の英雄の伝説を取り込み、今も尚人々の間で信じられている“嵐”の伝承である。

ネオンが繰り出す「ガブリエル・ラチェット」とはワイルドハントにおいて死霊たちが従えている猟犬。
ヨーロッパでは古くから犬や狼は神聖な生き物であり、亡霊を食い千切るもの。亡霊たちの猟団に使役される犬が生半可ではないのは当然だ。
現世に喚び出されるその姿は3メートルを優に超える巨躯を誇る真っ黒な犬。
どの程度の技量の魔術師や魔術使いであろうと、それが現代において召喚できるのが奇跡に近いような濃厚な神秘であることはひと目で分かるだろう。
その巨体からは想像もつかないほど俊敏に動き、爪や牙による一撃は物理的にも魔術的にも容易な防御を決して許さない。
咆哮は多くの神秘を“竦まさせ”、たちどころに雲散霧消させる。その血走った眼差しは抵抗できぬ者を放心させ、速やかに凍てつかせる。
“嵐”であり“王”であるため、喚起されている間は風や雷、ワイルドハントに属する死霊を勝手に喚び出して自身に付き従わせる。個体として強力ながら群体としての強さも併せ持つ。

総じて、英霊という特殊な存在を除けば現代の人間が使役できる悪霊としては最上位の存在。
レヴィナ家が代々受け継いできた秘宝と呼べる霊である。時計塔の君主でさえよくぞ練り上げ従えてみせたものだと手放しで称えるだろう。
サーヴァントの基準で見ても総合力ではDランク相当の性能を発揮し、生じた隙への瞬間的な迫撃という限定的状況ならば英霊にさえ深い傷を負わせかねない。
当然ながら使役する側も相応の才能を要求され、レヴィナ家の歴史の中でまともに従えることができたのはネオンを含めて3人ほどしかいない。
ネオンほどの才能、そして彼女の弛まぬ努力によって、ようやく運用できているというのが実情だ。
それでも完全に操りきれているわけではなく、召喚が持続する時間はあまり長くない。それを過ぎると暴走の危険性を孕む。
これを喚び出すということはレヴィナ家の魔導の真髄を開帳するも同義。集中を乱せば主さえ喰い殺す狂犬を放つのは彼女に言わせればまさに最後の切り札ラスト・サプライズ


外見・容姿の詳細など

161cmと平均よりはやや高めの身長。そこそこ肩幅があるので体格は悪くなく、さほど華奢な印象は与えない。
真っすぐ伸びた金髪は長く、内側にピンク色のインナーカラーを施している。結うことはあまりなく専ら流している。
肌色は白人種にしてはやや濃いめ。健康的な色付き。肌質が人よりきめ細やかで触るとしっとり吸い付いてくる。
極端にグラマラスというわけではないが、出るところはしっかりと出て引っ込むところはしっかりと引っ込んでいるメリハリの効いた身体。女性として誇るに足る肉体美。
瞳は明るい碧色。ふっくらとした色っぽい唇をしている。いつもしかめっ面のため気付いている者は少ないが、年齢の割にはどちらかというと童顔。

今回の旅先は南国ということもあり、いつにも増して涼しげな格好。外では積極的に薄着はしない方だがさすがに暑かった。
ノースリーブのシャツにフレアスカートを穿き、シースルーのケープレットを羽織る。この格好でサマーブーツを履いて歩き回っているのが普段の格好。
他の格好はTPOに合わせて。赴いた理由が聖杯戦争ということもあり、普段より動き易さを重視してチョイスする。
寝間着はかなり薄手のネグリジェで、寝起きが壊滅的に駄目なネオンはこの格好で朝はぼんやりしていることが多い。

いつもむっつりと唇を引き結んでいるのでどことなく不機嫌そうな印象の表情が主。実際に不機嫌であることも多いが、ごく普通にしていても周囲からは不機嫌そうだと捉えられがち。
笑うことは少ないが、意外と笑う際はけらけらと軽快に笑い声を上げるタイプ。単にいつも気を張っているから陽の感情を見る機会が少ないだけで、内心はなかなか感情表現豊かな少女。
ネオンは怒る時ははっきりと怒気を露わにするように、笑う時は屈託なく笑い、鳴く時は鳴き声をあげずに睨みつけたままぼろぼろと大粒の涙を零すような人物である。

人物像


イメージカラー:銅色
特技:彫金、努力
好きなもの:筋の通っていること、お風呂、犬
苦手なもの:寝起き、新しく触れること全般
天敵:各務湊之郎
願い:取り戻すべきものを取り戻してゼロに戻る
CV:大西沙織

【一人称】私 【二人称】あなた、君 【三人称】彼、彼ら

来歴

1200年ほどの歴史を持つ降霊科の重鎮、レヴィナ家。いくつかの分家が存在する中でミクセム家は彼らを束ねる宗家である。
それだけならば時計塔にいくつか存在する名門のうちのひとつに過ぎないが、特筆するべき点があるとすればそれは30年ほど過去に遡る。
一時期の時計塔では知る人ぞ知る極東の大儀式だった聖杯戦争の記憶が薄れつつある頃、時計塔にこんな話が持ち込まれてきた。

『シンガポール沖に存在するがために今まで手つかずだった極上の霊脈が存在する。
 その上へいずれ聖杯戦争を執り行うための浮島を作り上げ、21世紀も半分を過ぎて薄れゆく神秘を補って余りあるとされる“聖杯”を我々で独占しよう───』

あまりに壮大な計画であるために眉唾な話と嫌う者も多かったが、一方で神秘が日に日に目減りしていく時代の魔術師たちにとっては甘い誘いでもあった。
100年前であればレヴィナ家ほどの名門がこのような話など聞く耳を持たなかったろうが、21世紀は彼らをしてそれだけの危機感を抱かせる時代だったのである。
紆余曲折を経て時計塔の中で秘密裏にこの計画へ加わる一派が形成され、ミクセム家はその中核を担う魔術師として参加していくことになる。
ミクセム家は優れた降霊術の使い手であったため、後にソルポートと呼ばれる浮島へ設置された大聖杯のサーヴァント召喚システムの補修に携わった。
その貢献度は高く、当初は英霊を喚び出せて4騎ほどが限界とされていたところを6騎の召喚が叶うとされるほどの修繕を果たしたのである。
この業績によってレヴィナ家筆頭のミクセム家はいつか大聖杯に魔力が溜まり切った際の聖杯戦争への参加権を優先的に取得した。………ここまでは順調だった。

宗家当主にして一族きっての天才であったギュネイ・レヴィナ・ミクセムと妻シリィの間にネオンが生まれたのはそれから約10年後のこと。
幼くして既に才能の片鱗を見せるネオンが世にも稀な火・地・水の三重属性と判明し、ミクセム家は順風満帆であるかのように見えていた。
父ギュネイは笑顔をほとんど見せること無くネオンに対して厳格に接したけれど、それでも確かな愛情を幼いネオンは感じていた。
母シリィは怒った顔をほとんど見せること無くネオンに対して優しく接したけれど、それでも確かな高貴さを幼いネオンは感じていた。
小さなネオンにとってふたりの両親は自慢であり、彼らの子供であることを誇らしく思った。自分は父の跡を継いで立派な魔術師になるのだと信じて疑っていなかった。
父母も憧憬の眼差しを浮かべる我が子のことを誉れに思い、きっと優れた魔術師となるだろうネオンに恥じぬ親であるためにもソルポートで行われる聖杯戦争への意気込みを強くしていた。
が、その矢先に事件が起きる。
儀式の最中に悪霊が暴走し、ギュネイとシリィの夫妻が揃って亡くなってしまったのだ。
それだけに留まらず、儀式に関わった分家たちへ様々な被害が出たことでミクセム家は分家への莫大な借金を抱えることになってしまった。
自慢の両親の突然死というショックを受けたばかりだというのに、ネオンはまだ齢が十にも満たぬ内からその身へ多額の債務を背負うことになってしまったのである。
両親が共に亡くなってしまったため宗家の跡取り娘として分家のニルギエ家へ“保護”され養育されることになったネオン。彼女の耐え難い日々の始まりだった。

ネオンのそれからの記憶とは常に周囲から真綿で首を絞められるような日々のことをいう。
宗家のお嬢様として大切に遇されているというのは建前、幼い頃からネオンに向けられていたのは慇懃無礼な嘲笑だった。
ミクセム家の当主ともあろうものが魔術儀式に失敗して犬死に。その間抜けな両親から生まれた娘。
ネオンが家門随一の優れた魔術師としての素質を持っているということに対する嫉妬もあっただろう。
扱いも悪く、一級品を与えられているようでいつもそこには心配りが宿っていない。丁重に扱われているようで常に孤立を強いられた。
でもそれらは耐えられた。ただ耐えればいいだけのことだった。
何よりもネオンの心を傷つけたのは、借金のカタにミクセム家が保有していたありとあらゆるものを身ぐるみ奪われたことだった。
その中には魔術刻印も含まれる。ミクセム家がミクセム家たる何よりも大切な歴史がいいように扱われている事実はネオンの心にいつも深い陰を落としていた。
自分がこれまで生きてきた人生も、父母から受け取ったものも、父や母やそれよりも以前に魔術の研鑽に殉じた祖先たちの執念も、ことごとくが土足で踏み躙られている気がしていた。
時折マグマのように吹きこぼれそうになる激情を『彼らは被った被害の補填を正しい形で実行し、そればかりか自分を養育している』という道理で蓋をして生きてきた。

そうしてソルポートの聖杯に魔力が満ちる。
時計塔から派遣する魔術師の枠をひとつ保有していたレヴィナ家、その事実上の支配者となっていたニルギエ家はネオンを聖杯戦争の参加者へ推挙する。
魂胆は分かっている。聖杯を手にできればそれはそれで御の字。負けてネオンが死亡したとしても次期当主のいなくなったミクセム家は消失し、ニルギエ家がレヴィナ家の宗主となる。
それでもネオンは要請を受理した。何としてでも聖杯を手に入れて見返してやる。汚名を雪いでやる。奪われたものを取り返してやる。
尊厳、時間、誇りに思い出、愛、託されたもの───ネオンにとってソルポートで行われるという聖杯戦争は得るための戦いではなく、ゼロに戻るための戦いだった。
交渉の末に返却期限付きで取り戻したミクセム家の魔術刻印を見つめ、必ず完全な形で取り戻してみせるとネオンは誓った。

「───。………私には似合わない島ね───」

青い空。照りつける日差し。エメラルドに輝く海。硬い表情を浮かべたままのネオンはそっと呟いた。

性格

怒り。それこそがネオンという人物を一言で表すのに相応しい。
発する感情の比重は怒りが最も重い。怒りん坊で気が強い。柔らかい表情など他人には滅多に見せない。
愛想というものには縁がなく、他者に対しても遠慮というものがない。必然として交友関係に乏しく、孤立しているのが当たり前となっている。
その毅然とした態度や表情から伝わる通り、他者からの第一印象は美人であるにも関わらず関わり辛いというもの。
鼻っ柱を折ろうにもネオンは超一流の素質を持ちながら決して研鑽を欠かさない努力する天才であるため多くの魔術師が彼女の実力の前に平伏する。
その魔術に対する真摯な姿勢や熱意が真っ直ぐすぎるため、魔術師としては模範的過ぎるあまりに模範的ではない。
神秘に対し深い敬意を持ち、実直に魔導を励む姿は優れた魔術師の姿勢だが、同時に魔術師に備わっているべき婉曲さというものがネオンには無いのだ。
その高熱を放つ人格の性質はさすがにいくらかは抑えられるものの市井の人々に接する時も同様であり、通っていた一般の学校でも級友にとっては近寄りがたい人物だった。

その怒りの源泉はネオンが道理を重んじることにある。実の父からの影響だった。
正義ではなく、ネオンにとっての“正しさ”を重視する。ひたむきであること、清廉であること、筋が通っていることなど。そしてそうあるからにはその正しさが報われるべきと考える。
もちろんネオンもそういったものが常に報われるなどとは思っていない。だがそれは現実の話であって、理想はそうあるべきだ、と信じている。
だから例え相手が自分より弱い立場の相手だろうと、不倶戴天の敵であろうと、相手が築いた努力を決して否定せず嘲笑わない。
それが自分の競争相手であるならばそれを上回るだけの培ってきた力をもって圧倒するのが相手への礼儀とする。
同時に、筋の通らないことに対して強く憤り、それを放っておくことに強いフラストレーションを感じる。それが味方であろうと道理を嘲笑う者へネオンは容赦しない。
自分では研鑽を積まず、他者の足を引っ張ったり懸命な姿を嘲笑うような輩がネオンにとって最も厭うべき人間。
納得できない理不尽へは損得を度外視して立ち向かい、認めるべき理の筋道があるならば敵であろうと話に耳を傾ける。闘わない身内よりも闘う敵を尊敬する。
受けた恩讐は忘れないタイプで、殴られれば殴り返すが逆に助けられればその借りを返すことを勝利や実益よりも重視する。
魔術師的な合理主義も併せ持ってはいるのだが、それよりも優先して行動指針とするのが彼女にとっての道理だ。
ネオンは彼女自身がどうかと思っているくらい、非常に生真面目な少女である。

しかしその道理を重んじる性格が生み出す矛盾はそのままネオンの弱点に直結している。
特筆すべきは育て先の分家での扱いである。ネオンにとって彼らは慇懃無礼な態度で自らを軽んじ、またミクセム家の遺産を魔術刻印に至るまで洗いざらい奪い取っていった憎むべき人々である。
しかしそれはネオンの両親が儀式の失敗によってニルギエ家を筆頭とした分家たちへ与えてしまった莫大な損害の補填であり、そこには正しい理屈と道理がある。
それに幼いネオンも彼らによって曲がりなりにも養育され、一応ながら宗家の跡取りとしてこの歳まで面倒を見てもらった恩がある。
感情では彼らへ恨みを抱きつつも彼らを恨むことは筋違いだとする二律背反の思いを長年抱え続けてきた。ネオンが頑なで尖った性格になったのはこれによって苦しんでいるのが理由として大きい。
このように「感情や感覚では筋が通っていないと感じつつも、現実では正当性が存在する」ということに対してネオンは弱い。
本来であれば噴出する激情を堪えて押し黙ってしまう。行動的であるはずの彼女が行動できなくなってしまう。
自身が優先するものと自分自身の心の板挟みになってきたネオンは身動きの取れない自分へ密かに自己嫌悪を抱き続けている。

好むものは上述の通り筋の通ったもの。生き方や理屈、主義や意思決定など、清廉な在り方を好ましいと感じる。
はっきりとは言わないもののそういったものへ肩入れをし、それを貶めようとするものへ激怒する。“正しい”ものは彼女にとって見ていて気持ちがいい。
(経験が少ないのでネオン自身もあまり自覚はないが)一度気を許した相手には非常に世話焼きであり、かなりの奉仕気質。
自分が快くなることより相手が快くなることに快楽を見出す方。仮にデートプランを任せたら入念な下調べの末に完璧な1日を過ごさせてくれる。
個人的には風呂を好む。イギリス生まれのイギリス育ちなネオンにとって、お風呂は毎日浸かるものではなくたまの贅沢。
湯船に浸かっている時間こそがネオンにとって多くの束縛から解放され無心になれる時間。彼女にとっては極稀に味わうご馳走のようなもの。
精神的にいくらか余裕がある時に嗜むものであり、気分が落ち込んでいたり追い立てられている時に気分転換で入るものではない。
また、ミクセム家が家紋とする「黒毛犬ブラック・ドッグ」の影響から動物、特に犬を好む。
犬種はあまり問わないがどちらかというと小型犬より大型犬の方が好き。犬と接する時は普段の表情の険しさが嘘のように穏やかに可愛がる。
犬からもネオンは懐かれやすく、初対面であってもネオンに心を開く犬は多い。亡霊の主という支配者たる毅然さが犬たちに敬意を抱かせる。

個人的にネオンが苦手なこととして、寝起きが挙げられる。
目覚めたばかりは低血圧で脳へまともにスイッチが入っておらず、普段の気性の荒さが嘘のように薄らぼんやりとしている。
この状態のネオンはほぼ何も考えておらず、ろくに寝間着すら脱げない。されるがままだしいつもより甘えん坊。放っておくと二度寝を始める。
気炎を発していないと意外と年齢の割にはやや幼い顔立ちなのが分かるだろう。それを本人に指摘したらそれはもう炎のごとく怒り始めるが。
当然ながらそんな隙だらけの姿なんて誰にも見せることはない。でももしかしたら、よっぽど心を許した相手になら……。
その他、こう見えて様々な事に不器用。初めて触れるものに対していきなり才能を発揮するということは滅多に無く、失敗することが多い。
そのたび負けず嫌いが発動してこなせるようになるまで意地を張り始めたりするので付き合う側はたいへん。
ネオンが現在得意としていることは彼女自身が並々ならぬ努力を丹念に積み重ねて習熟した結果というものが多い。
彫金はその最たるものであり、魔術で使用する技術であったことから最初は何度も指を切りながらそれでも諦めずに技術を会得した。

実は自分自身の弱みに対してあえて無視をして強がる程度にはネオンは自分を客観視している。
己を律し、懸命に薪を心へ焚べ、怒りの炎を燃やし続けていないと強い自分を保てない己は本当は弱い人間だと少なくともネオン自身は思っている。
自罰的で自己評価が低く、自分の持つ強さや幸福を軽視しがちで、ついネガティブに考えてしまいそうになるのを無理やり自分で自分に鞭を叩いて立ち直らせる。
もしも一度でも自分の弱さに屈してしまったら。妥協し、甘んじ、受け入れてしまったら。そうしたらきっと今の強い自分には帰ってこれない、という想像に怯えている。
それがネオンが隠し持っているもうひとりの陰気な自分の姿だ。誰もが持っている自らの弱みというものを過大に捉えがちなのがネオンの最大の欠点といえる。
(それにたったひとりで向き合ってきた彼女は十分に強い人間なのだが、それをうまく認められないくらいにはネオンは捻くれ者だ)
強い自分を保とうと頑張れば頑張るほど、強くあるために頑張らねばならない自分を見出してしまって内心で傷つく、面倒な繊細さを持った子。
その反動により、自然体で人間的な強さを示せたり素直に善性を発揮できる人間に対しては反応に困る一方で密かに憧れを持つ。
もしネオンが己の内側に持っている様々な弱みを打ち明けられる相手がいるとしたら、彼女が示す強さとは違う心の強さを表現できる人間だろう。

行動規範・行動方針

基本的には聖杯を勝ち取ることを目指すが、少なくとも聖杯戦争序盤におけるネオンは精神的に不安定な状態である。
本来は清廉を良しとするのに、聖杯を手に入れねばならないというプレッシャーから自分の価値観や主義を歪めてでも勝ち残ろうと藻掻いている。
そのためであれば彼女が最も嫌うところの行為──通すべき筋を曲げ、傷つけてはならないものを傷つけ、道理ではなく目先の勝利を選ぶ──を行いかねない。
それを回避するためには幸運からなる出会いが必要だ。ネオンが自分で自分自身を砕いてしまわないためには。

もしそうして1度躓いてから立ち上がれたならば、本来の───あるいは本来以上のネオンらしいネオンが戻ってくる。
あくまで聖杯を獲得しようというスタンスは変わらないが、義理を重んじ、恩讐を忘れず、正しさを尊び、挫くべきを挫き、助けるべきを助け、そして不徳に憤怒する。
そんな本当の意味で強いネオン・レヴィナ・ミクセムならば聖杯戦争に隠された思惑のその先まで辿り着けるかもしれない。
自ら踏み入った無明の闇の中でへたり込んでしまった自分へ、そっと手を差し伸べてくれた君と共に。

参戦理由

もともと聖杯戦争への優先的な参加権をレヴィナ家は有していたため、それに推される形で現地入りした。
目的はもちろん勝利及び聖杯の奪取だが、そこには宗家をひとりで背負う自分の肩に乗せられた莫大な負債の返済という切実な理由がある。
両親を失って以来のネオンの悲願であるため、その悲壮な熱意は彼女の瞳を曇らせてしまっている。

サーヴァントへの態度

境界記録帯。使い魔としては常識外の性能を有する、人理の影法師。
しかして聖杯戦争で喚び出されるものは聖杯という蜜に吸い寄せられた走狗。
───と、英霊に対する基礎的な知識はきちんと理解できている。
そのためか、サーヴァントに対してはあくまで使い魔であり礼装の一種として捉え、距離を置き冷たい態度を取る。

という姿勢をネオンが無理をして取っているということがきちんとネオンを観察できるサーヴァントであればすぐに分かる。
これは道理ではない。霊とは虚ろなものとはいえ仮初の意識を持つもの、まして相手はただの霊に非ず、英霊。
相手が人格を有する存在と認め、その身に帯びた伝説に一廉の敬意を持ち、関係性を構築しなければ真実の使役には至らないなど霊のエキスパートであるネオン自身がよく知っている。
だが勝利しなければならないと気負うあまりにソルポートに到着してからのネオンは迷走状態にある。彼女が彼女を構成するために何の信念を守らねばならないのか見失っている。

それを解決するような出来事が起こったならネオンは自身のサーヴァントへこれまでの非礼を詫び、改めて関係を構築して信頼を寄せるだろう。

役どころ・コンセプトなど

凛ちゃん枠。

因縁キャラ

[[]]

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