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nevadakagemiya 2024年06月09日(日) 21:36:30履歴
「そう。私は人類緊急脱出艇であり、人類移住可能天体捜索船でもあった。∴ 私は大陸ではない。巨大な艦艇なのだ」
ランク:??? 種別:??? レンジ:??? 最大捕捉:???
神々がムーに与えた最大の存在意義を示す能力。
オリュンポス十二神がそれぞれの権能の一部を提出しあって生まれた『人類の生存』に特化した権能。
人類の生存に必要なあらゆる機能がムーの真体の内部では発揮され、地球という星を脱して新天地に辿り着くまで人々が絶滅しないようひとつの“世界”を形成する。
ここでいう生存とは単純な生命維持のみならず、精神的、あるいは運命的な要因まで細かく操作可能。
また新天地に辿り着いた際に人類がその地に根ざして生きていけるよう汎用的なテラフォーミング機能も有している。
このため、ムーという疑似機神が現実空間へ出現すると段階的に現実がムー内部と同じ空間、神代に近いものへ置き換わっていく。
一方、ムーは“脱出艇”であるため過剰な攻撃機能は有していない。
障害破砕用の端末を運用できる程度。とはいえその攻撃用端末の性能は神獣のそれに匹敵、あるいは凌駕するため、並のサーヴァントで歯も立たない。
神々がムーに与えた最大の存在意義を示す能力。
オリュンポス十二神がそれぞれの権能の一部を提出しあって生まれた『人類の生存』に特化した権能。
人類の生存に必要なあらゆる機能がムーの真体の内部では発揮され、地球という星を脱して新天地に辿り着くまで人々が絶滅しないようひとつの“世界”を形成する。
ここでいう生存とは単純な生命維持のみならず、精神的、あるいは運命的な要因まで細かく操作可能。
また新天地に辿り着いた際に人類がその地に根ざして生きていけるよう汎用的なテラフォーミング機能も有している。
このため、ムーという疑似機神が現実空間へ出現すると段階的に現実がムー内部と同じ空間、神代に近いものへ置き換わっていく。
一方、ムーは“脱出艇”であるため過剰な攻撃機能は有していない。
障害破砕用の端末を運用できる程度。とはいえその攻撃用端末の性能は神獣のそれに匹敵、あるいは凌駕するため、並のサーヴァントで歯も立たない。
航行において支障のある障害が発生しこれを回避できない場合、船外に展開してこれを排除するためにムーの真体へ搭載されていた攻撃用端末。
神々しい雰囲気を帯びた真っ白なカラーリングのロボット、というのが現代人が見た際に受ける印象。
機体を保護するために都度発生できるエネルギーフィールドで防御し、主兵装は両腕部に装備したレーザーキャノン。
背部にマウントした砲身を伸長させてのエネルギー照射を奥の手とし、またレーザーキャノンからビーム刃を展開しての近接戦闘も可能。
実際に現代で使用することになった世界線ではこれでもオリジナルのものより兵装や機能の数は相当減った状態。
また本来は複数を同時に運用することが前提であり、1機しか運用できないというのはムーが殆どその機能を発揮できないほど弱体化しているということを意味している。
神々しい雰囲気を帯びた真っ白なカラーリングのロボット、というのが現代人が見た際に受ける印象。
機体を保護するために都度発生できるエネルギーフィールドで防御し、主兵装は両腕部に装備したレーザーキャノン。
背部にマウントした砲身を伸長させてのエネルギー照射を奥の手とし、またレーザーキャノンからビーム刃を展開しての近接戦闘も可能。
実際に現代で使用することになった世界線ではこれでもオリジナルのものより兵装や機能の数は相当減った状態。
また本来は複数を同時に運用することが前提であり、1機しか運用できないというのはムーが殆どその機能を発揮できないほど弱体化しているということを意味している。
ムーとは、太古の昔に太平洋の南に存在したという伝説上の巨大大陸である。
約1万2000年前まで古代文明が大陸上で栄華を極めていたが、地震などの天変地異により大陸は海中に没した。
ハワイ諸島を始めとする南太平洋上に点在する諸島群はこの大陸の名残とされる。
発見のきっかけは18世紀後半。
フランスの聖職者にして赴任先の先住民の文化を研究していたシャルル・エティエンヌ・ブラッスール・ド・ブールブールがマヤ文明の写本を解読していたことに始まる。
彼は先人の残したマヤ文字とアルファベットの対応表を駆使し、「Mum」と呼ばれる大陸が災害によって沈没したという伝説が写本には書かれていると解読する。
ブラッスールは当時その存在を信じられていたアトランティス文明との類似性を「Mum」に見出し、これを世間へ発表する。
その後アトランティス大陸の研究に紐づけられて「Mum」という大陸とそこで栄えていた王国は人々に認知されていくことになる。
19世紀に入り、アメリカ合衆国の作家であるジェームズ・チャーチワードがムー大陸に関する発信を始める。
チャーチワードはイギリス陸軍に在籍時、植民地であったインドで出会ったヒンドゥー教の高僧から「ナーカル文書」と呼ばれる粘土板を見せられた。
そこに刻まれていた内容を解読したことで、「ムー」と呼ばれる大陸がかつて存在し、この粘土板はその大陸の聖典であり歴史書であると知る。
ムー大陸は人類の起源となる地であり、そこで生じた王国は当時のあらゆる文明を凌駕する技術を有した超古代文明であった。
しかしその行き過ぎた文明が神の怒りを買い、様々な天変地異が起こった末に大陸は海に沈んでしまったのである。
世界各地にある古代文明の碑文からはこの「ムー」を示す絵文字が見つかっており、これは大災害を逃れたムー大陸の人々が世界中にそれぞれの文明を興していった証である。
チャーチワードはこうした趣旨の主張を新聞やラジオなどのメディアを通じて行い、更に著作を出版してムー大陸の実在を人々に伝えた。
しかし発端であるブラッスールが用いたマヤ文字とアルファベットの対応表は正確なものではなく、写本の翻訳も不明な部分を想像によって補ったため誤訳が多い。
現在ではムー大陸について記されているとされる写本はマヤ文明の天文学や占星術についての記載であるということが分かっている。
またチャーチワードの発表した内容もはっきりとした原典が示されていない眉唾な内容であり、そもそも彼は身分詐称しておりイギリス陸軍に在籍したという記録は存在しない。
後年の海底調査でも南太平洋の海底がかつて陸地だった痕跡は全く存在せず、学術的にムー大陸の存在は否定されている。
フィクションやオカルティズムの題材として世界中で取り扱われているものの実際には実在しない空想上のものであるというのが定説である。
約1万2000年前まで古代文明が大陸上で栄華を極めていたが、地震などの天変地異により大陸は海中に没した。
ハワイ諸島を始めとする南太平洋上に点在する諸島群はこの大陸の名残とされる。
発見のきっかけは18世紀後半。
フランスの聖職者にして赴任先の先住民の文化を研究していたシャルル・エティエンヌ・ブラッスール・ド・ブールブールがマヤ文明の写本を解読していたことに始まる。
彼は先人の残したマヤ文字とアルファベットの対応表を駆使し、「Mum」と呼ばれる大陸が災害によって沈没したという伝説が写本には書かれていると解読する。
ブラッスールは当時その存在を信じられていたアトランティス文明との類似性を「Mum」に見出し、これを世間へ発表する。
その後アトランティス大陸の研究に紐づけられて「Mum」という大陸とそこで栄えていた王国は人々に認知されていくことになる。
19世紀に入り、アメリカ合衆国の作家であるジェームズ・チャーチワードがムー大陸に関する発信を始める。
チャーチワードはイギリス陸軍に在籍時、植民地であったインドで出会ったヒンドゥー教の高僧から「ナーカル文書」と呼ばれる粘土板を見せられた。
そこに刻まれていた内容を解読したことで、「ムー」と呼ばれる大陸がかつて存在し、この粘土板はその大陸の聖典であり歴史書であると知る。
ムー大陸は人類の起源となる地であり、そこで生じた王国は当時のあらゆる文明を凌駕する技術を有した超古代文明であった。
しかしその行き過ぎた文明が神の怒りを買い、様々な天変地異が起こった末に大陸は海に沈んでしまったのである。
世界各地にある古代文明の碑文からはこの「ムー」を示す絵文字が見つかっており、これは大災害を逃れたムー大陸の人々が世界中にそれぞれの文明を興していった証である。
チャーチワードはこうした趣旨の主張を新聞やラジオなどのメディアを通じて行い、更に著作を出版してムー大陸の実在を人々に伝えた。
しかし発端であるブラッスールが用いたマヤ文字とアルファベットの対応表は正確なものではなく、写本の翻訳も不明な部分を想像によって補ったため誤訳が多い。
現在ではムー大陸について記されているとされる写本はマヤ文明の天文学や占星術についての記載であるということが分かっている。
またチャーチワードの発表した内容もはっきりとした原典が示されていない眉唾な内容であり、そもそも彼は身分詐称しておりイギリス陸軍に在籍したという記録は存在しない。
後年の海底調査でも南太平洋の海底がかつて陸地だった痕跡は全く存在せず、学術的にムー大陸の存在は否定されている。
フィクションやオカルティズムの題材として世界中で取り扱われているものの実際には実在しない空想上のものであるというのが定説である。
本来の駆体は神々によって建造された超巨大な艦艇にして疑似機神であるが、人間とのコミュニケーションを円滑にするために人形端末も有している。
端末の外見はローティーンほどの少女。
あどけない顔立ち、真っ白な肌、視点次第で青みがかって見える長く美しい銀髪、そして発光しているかのような青褪めた瞳。
未熟な色気を帯びた、まだ幼くも女の性を感じさせる均整の取れた肉体。それら全てがまるで優れた彫像のような人造であるが故の研ぎ澄まされた美を感じさせる。実際作り物なのだが。
表情を殆ど変えることがないところもムーの人形めいた印象を加速させる。顔のパーツで感情を表すことは滅多になく、せいぜい目の開き具合が変わる程度。
疑似機神として本来は様々な装飾が施された神官服姿のオペレーター、というような青を基調とした霊衣を人形端末は身に纏う。
しかしある世界線では出力がまるで足りないため最終盤までこの霊衣を纏うことはなく、人前に姿を表す時は専ら白いサマードレスにサンダル履きとシンプルな格好で現れる。
無機質な表情の通り、喋り方もどこか機械的。
「∴ 」を口癖とし、どこか説明臭く堅苦しい喋り方を口調として、それらをAIが文章を読み上げているかのように淀みなく口にする。
そのためそれだけ見ると彼女は雰囲気通りに自我や感情の薄い、内面まで機械的な人物に見える。
しかしきちんと聞いてみると驚くほどムーの内心や話の内容は感情豊かなもの。
はっきりとした喜怒哀楽を備えており、またそれを口に出したり行動で示すことに躊躇いはない。自分の感情は他者へ素直に伝えるタイプ。
機神としての高度な演算能力や記憶能力により明晰な頭脳を持ち博識であるが、通常のサーヴァントではないために聖杯から与えられている知識は限定的。
なので知らないことも多く好奇心旺盛で、特に人の営みの中から生まれでたものを己の記録へ加えることに余念がない。
他に優先するべき事項が無ければ日頃から平穏を愛し、和を持って尊しとし、なるべく争い合うことは避けようとする、穏やかな性質を持つ。
疑似とはいえ機神であるためいわゆるサーヴァントの枠には収まらない超級の能力を持つにも関わらず、自己評価は低め。
かつて自らに託された絶対にして唯一の存在意義を全く果たせなかったことがそのネガティブさに繋がっている。
排除するに足る理由がなければ非好戦的であり、機神という超抜存在としての俯瞰した視座はあるとはいえ温厚で話は分かる方である。
ムーは白い滅びを前にしたオリュンポスの神々がそれぞれの権能を少しずつ分け与えて作られた艦だが、人々の営みを守り継いでいくという性質上大地母神の要素をやや強めに引き継いでいる。
そのためか、上述のように淡々とした語り口ながらも大の人間好き。
ムーにとって総体としての人類は慈しむべきものであり、人々の繋がりの中で生まれ出た文化を愛する。
それは彼女が計画通りに“脱出艇”として機能していたならば星間を渡る長い年月の間に自らの中で育まれていたはずのものだからである。
好奇心旺盛なのはそのためであり、未知の文化に触れている時のムーは彼女が夢想しながら一度も得ることのなかった尊ぶべきものの可能性に触れているようなものだ。
総体としての人類は皆愛すべきものだが、個体としての人類はまた別の秤とする。判断基準は分かりやすく、良い子は好ましい。悪い子は好ましくない。
ただ好ましくないとはいっても怒りや憎しみを向けるのではなく「どうしてそう刺々しいのだろう」と悲しむ方向。
好ましい相手のことはもちろん好ましく、相手にもよるがコミュニケーションを交わした相手へムーが好意を向けるのは珍しいことではない。
個人的に気に入った相手であれば後に敵となることが分かっていてもつい甘やかしたり助け舟を出してしまったりするだろう。
前述した通りムーが嫌うのは使命を果たすことができなかった自分自身のこと。
神と人、それぞれの思いを込められて飛び立ったのに宙へ届く前に撃墜され守護すべきものたちを全滅させてしまったことは悔恨の一言に尽きる。
僅かな稼働時間しか存在しないムーにとって自己とは何も守れなかった役立たずそのものであり、何一つとして評価に値しないとする。
墜落し骸となって、幾星霜もの時間を海の上を漂って過ごしたような朧気な感覚もあるが、その上で築かれた王国も結局は神代の終わりと共に滅んでしまった。
はっきりとした実感が伴っているわけではないがそのこともムーの後悔の念が深まるのに拍車をかけている。
よって、もし仮に機神として蘇ることがあった場合、何よりも優先するのは最初に与えられたコマンドを完遂すること。
そのために多くの人々が抹殺されることになろうとそれだけは果たそうとする。だが同時にムーは人間を愛する疑似機神である。
そのような事態となった場合、自らの出来る限りに人々のことを守ろうとするし、人々を守ろうと行動する者をさり気なく助けようとする。
それが明確な敵対者だとしても、全力で迎撃しつつ完全に詰んでしまう状況の到達をあえて避けるような動きを取って支援しようとするだろう。
矛盾しているがその矛盾をムーは良しとする。彼女は機神であって機械ではない。オリュンポス十二神から生み出されたものは完全な整合性を求めず、感情で動くことを佳しとする。
余談だが世間ではムー大陸という出鱈目を風聴して回ったことでホラ吹き扱いのジェームズ・チャーチワードに対し密かに気を咎めている。
「彼は私に深入りしすぎたことで因果が螺子曲がってしまい、過去も現在も未来も有耶無耶になってしまった。∴ 私は彼に対し申し訳なく思っている。しょぼん」
イメージカラー:白
特技:
好きなもの:(総体としての)人間、(個体としての)良い子の人間、文化
嫌いなもの:(個体としての)悪い子の人間、果たせなかった宿命
天敵:白い巨神
望み:今度こそ与えられた使命を果たす
CV:小原好美
【一人称】私 【二人称】あなた 【三人称】彼、彼ら
端末の外見はローティーンほどの少女。
あどけない顔立ち、真っ白な肌、視点次第で青みがかって見える長く美しい銀髪、そして発光しているかのような青褪めた瞳。
未熟な色気を帯びた、まだ幼くも女の性を感じさせる均整の取れた肉体。それら全てがまるで優れた彫像のような人造であるが故の研ぎ澄まされた美を感じさせる。実際作り物なのだが。
表情を殆ど変えることがないところもムーの人形めいた印象を加速させる。顔のパーツで感情を表すことは滅多になく、せいぜい目の開き具合が変わる程度。
疑似機神として本来は様々な装飾が施された神官服姿のオペレーター、というような青を基調とした霊衣を人形端末は身に纏う。
しかしある世界線では出力がまるで足りないため最終盤までこの霊衣を纏うことはなく、人前に姿を表す時は専ら白いサマードレスにサンダル履きとシンプルな格好で現れる。
無機質な表情の通り、喋り方もどこか機械的。
「
そのためそれだけ見ると彼女は雰囲気通りに自我や感情の薄い、内面まで機械的な人物に見える。
しかしきちんと聞いてみると驚くほどムーの内心や話の内容は感情豊かなもの。
はっきりとした喜怒哀楽を備えており、またそれを口に出したり行動で示すことに躊躇いはない。自分の感情は他者へ素直に伝えるタイプ。
機神としての高度な演算能力や記憶能力により明晰な頭脳を持ち博識であるが、通常のサーヴァントではないために聖杯から与えられている知識は限定的。
なので知らないことも多く好奇心旺盛で、特に人の営みの中から生まれでたものを己の記録へ加えることに余念がない。
他に優先するべき事項が無ければ日頃から平穏を愛し、和を持って尊しとし、なるべく争い合うことは避けようとする、穏やかな性質を持つ。
疑似とはいえ機神であるためいわゆるサーヴァントの枠には収まらない超級の能力を持つにも関わらず、自己評価は低め。
かつて自らに託された絶対にして唯一の存在意義を全く果たせなかったことがそのネガティブさに繋がっている。
排除するに足る理由がなければ非好戦的であり、機神という超抜存在としての俯瞰した視座はあるとはいえ温厚で話は分かる方である。
ムーは白い滅びを前にしたオリュンポスの神々がそれぞれの権能を少しずつ分け与えて作られた艦だが、人々の営みを守り継いでいくという性質上大地母神の要素をやや強めに引き継いでいる。
そのためか、上述のように淡々とした語り口ながらも大の人間好き。
ムーにとって総体としての人類は慈しむべきものであり、人々の繋がりの中で生まれ出た文化を愛する。
それは彼女が計画通りに“脱出艇”として機能していたならば星間を渡る長い年月の間に自らの中で育まれていたはずのものだからである。
好奇心旺盛なのはそのためであり、未知の文化に触れている時のムーは彼女が夢想しながら一度も得ることのなかった尊ぶべきものの可能性に触れているようなものだ。
総体としての人類は皆愛すべきものだが、個体としての人類はまた別の秤とする。判断基準は分かりやすく、良い子は好ましい。悪い子は好ましくない。
ただ好ましくないとはいっても怒りや憎しみを向けるのではなく「どうしてそう刺々しいのだろう」と悲しむ方向。
好ましい相手のことはもちろん好ましく、相手にもよるがコミュニケーションを交わした相手へムーが好意を向けるのは珍しいことではない。
個人的に気に入った相手であれば後に敵となることが分かっていてもつい甘やかしたり助け舟を出してしまったりするだろう。
前述した通りムーが嫌うのは使命を果たすことができなかった自分自身のこと。
神と人、それぞれの思いを込められて飛び立ったのに宙へ届く前に撃墜され守護すべきものたちを全滅させてしまったことは悔恨の一言に尽きる。
僅かな稼働時間しか存在しないムーにとって自己とは何も守れなかった役立たずそのものであり、何一つとして評価に値しないとする。
墜落し骸となって、幾星霜もの時間を海の上を漂って過ごしたような朧気な感覚もあるが、その上で築かれた王国も結局は神代の終わりと共に滅んでしまった。
はっきりとした実感が伴っているわけではないがそのこともムーの後悔の念が深まるのに拍車をかけている。
よって、もし仮に機神として蘇ることがあった場合、何よりも優先するのは最初に与えられたコマンドを完遂すること。
そのために多くの人々が抹殺されることになろうとそれだけは果たそうとする。だが同時にムーは人間を愛する疑似機神である。
そのような事態となった場合、自らの出来る限りに人々のことを守ろうとするし、人々を守ろうと行動する者をさり気なく助けようとする。
それが明確な敵対者だとしても、全力で迎撃しつつ完全に詰んでしまう状況の到達をあえて避けるような動きを取って支援しようとするだろう。
矛盾しているがその矛盾をムーは良しとする。彼女は機神であって機械ではない。オリュンポス十二神から生み出されたものは完全な整合性を求めず、感情で動くことを佳しとする。
余談だが世間ではムー大陸という出鱈目を風聴して回ったことでホラ吹き扱いのジェームズ・チャーチワードに対し密かに気を咎めている。
「彼は私に深入りしすぎたことで因果が螺子曲がってしまい、過去も現在も未来も有耶無耶になってしまった。
イメージカラー:白
特技:
好きなもの:(総体としての)人間、(個体としての)良い子の人間、文化
嫌いなもの:(個体としての)悪い子の人間、果たせなかった宿命
天敵:白い巨神
望み:今度こそ与えられた使命を果たす
CV:小原好美
【一人称】私 【二人称】あなた 【三人称】彼、彼ら
- 各務湊之郎
- 回答を拒否する
このままでは聖杯戦争は滞り無く進行し、そして予定通りムーは現世に喚び起こされ、世界はソルポートを起点として塗り替えられてしまう。
それを推し進める一方で流れに逆らう者も求めていたムーは、たまたま聖杯戦争に巻き込まれて窮地に陥った少年を見出した。
自身のリソースを削って霊基を用意し、英霊の召喚に必要な諸々を肩代わりし、その少年をマスターとしてサーヴァントを召喚させた。
あてがったのは無双の英雄。ギリシャの神々にまつわる存在である己を触媒とし──無理やり捩じ込んだため多くの支障が生じたが──ギリシャにおいて最強のサーヴァントを用意した。
マスターとしての適正を有していること程度は把握していたものの、その時点ではムーにとって湊之郎はあくまで偶然から抽出した存在。
聖杯戦争に乱数を与えるために彼の意思に関わりなく聖杯戦争へ放り込んだ者に過ぎなかった。
召喚したサーヴァントによって窮地を切り抜けた湊之郎がひとりでいるところにムーは人形端末の姿で訪れる。
それは彼女なりの誠意であり、謝意であり、様子見のつもり。また魔術師同士の殺し合いに組み込んでしまった彼がどういう人物か知るために。
人々に機会は与えた。それを従える者が聖杯戦争に波紋を与えず結末を覆せないのであれば、それもまた人々と運命の選択だと考えていた。
だが、対話するうちにムーは個人的に湊之郎に対して強い興味を持ち始める。
朴訥、柔和、寛容。そうでありながら自己というものへの意識が極端に薄く、決定的な歪さを帯びている。
そして“脱出艇”としての機能から生命の状態をチェックする機能を有するムーは、このソルポートで唯一最初から湊之郎の異常な認識を把握した。
ムーはそのことも、自分が聖杯戦争に関係していることも伝えず、その場ではただ各務湊之郎という人間のことを記録して立ち去るに留めた。
基本的には人間に対する対応の仕方は全て『観察』『可能な限りの保護・支援』であるが、要注意分析対象としてその優先度を著しく引き上げたのは言うまでもない。
以降は湊之郎がひとりでいるところに決まって現れ、コミュニケーションを重ねて彼の人となりを知っていく。
彼の持つ優しさ、穏やかさ、危うさ、世界との向き合い方、何が快く、何を哀しむのか、そして不足するものをひとつひとつ確かめていく。
そしてムーも聖杯戦争を裏から全て観測している者として、彼に危機を伝えたりさり気なくヒントを授けたりして助けようとする。
また艦艇としてソルポートの上にいる人々を乗組員として捉え大切に思っていること、人間ならざるものとして人間を愛していること、それらを己の正体を明かさぬまま彼に伝える。
島内に類似する者がひとりもいない未知の人格の持ち主を解析するための対話だったのが、ムーも気づかない内に全く関係のないことまで把握しようとしていた。
もっと知りたい。もっと聞きたい。もっと感じたい。誰とも共有できない世界にただひとり、それでもそんな世界に寄り添おうとするあなたのことを。
湊之郎がひとりになるタイミングを測り、人形端末をそわそわとさせながら彼が訪れるのを待ち、彼を間近で観測すると全ての機能が賦活するのを感じながら言葉を交わす。
疑似機神がひとりの人間に抱いたその感情の名前は──────
終盤、正体を晒して海底へと伸びていくソルポート=ムーの最下層で湊之郎たちを排除するために待ち受ける。
湊之郎の異常を出会った時から知っていたことを伝えるのはこのタイミング。けれど、自身が湊之郎に対して獲得した思いについては最後まで言葉にはしなかった。
- セリカ・ハニエスト
- 恩人、協力者、仮の主
機神として再び現世へ降り立つ機会を与えてくれようとしてくれているセリカへ(彼女自身にはあまり伝わっていないが)ムーは深い感謝の念を持っている。
蘇ったことが喜ばしいのではない。再び果たすべき至上命令を与えられたことが喜ばしいのだ。心ある一方で機械でもあるムーにとって、絶対に果たさねばならないタスクを果たせなかったことは強いトラウマとなっている。
蘇らせた者の願いを叶えることはムーにとってどのような矛盾を孕もうとも、どれだけの被害をもたらすとしても、果たさなければならないことだと確信している。
そのためセリカが押し進めようとしていることに対しては基本的に協力姿勢。聖杯戦争の裏では聖杯に魔力が注がれるたびに着々とソルポートを自身の仮の神躰へ置換しつつある。
だが、それはムーという機神が判断したひとつの判断。違う判断においてはソルポート上の人々、ひいては現行人類の死滅を良しとせず、カウンターとなるものを用意している。
このふたつの判断は相反しているがムーにとっては一貫した内容。視座が機神である彼女は双方へ肩入れすることを間違っていると感じてはおらず、セリカに対しても悪びれることはない。
不和やすれ違いを起こすに足る要素をお互いに持ちながらお互いがそれらを全く問題にしていないため、一定以上の関心が薄く支障のない関係という意味合いでは良好。
ムーはセリカのことを悪く思っていないため気まぐれに雑談を振られれば(いつもの堅苦しい喋り方で)気分を害すること無く応じる。
島内の出来事はだいたい把握しているムーは24時間セリカの近辺を見守っており、万が一危険が及ぶならばすぐに対応できるようになっている。なおセリカはそのことにまるで気がついていない。
終盤、馬脚を現したムーとセリカはソルポートが完全に『ムー』へと置換し終わるのを待っていたところ湊之郎たちに辿り着かれる。
「機神ムーが作り上げる世界を見てみたい」というセリカの純粋無垢で残酷な夢想は、ムーにとって島の人々が明日も平和に暮らしているのと同じくらい叶えてあげたい願いだった。
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