◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)

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――――【 4日後 ハシーシュ栽培所(隠れ家) 】


ダッ、ダダダダダッ……!!

兵後輩「…せ、青年さん!!」

兵後輩「大変です、青年さんっ!!」


青年「また慌ててどうした。地下牢に男でもいたのか」


兵後輩「ちち、違いますって!!」

兵後輩「ち、近くの町に、暴徒長の情報を入手する為に出した伝達役より、情報が!」


青年「それで、何か分かったのか」

兵後輩「分かったも何も…!」

青年「なんだ」



兵後輩「……ぼ、暴徒長たちは」ゴクッ

青年「…」

兵後輩「…っ」

青年「…」

兵後輩「……ッ!」

青年「…どうしたというんだ」


兵後輩「そ、その……」

兵後輩「……こ、公開処刑されております!!」




青年「…」

青年「……何?」


兵後輩「王都の守備が伸びている地区で、号外情報で流されていました…。」

兵後輩「我々が置き去りにされたのち、2日後に西南の村で王都遠征軍と衝突し…捕まったそうです。」

兵後輩「その後、王都にて"最後の反逆者"として平和の象徴のため、処刑されたと……」


青年「…暴徒長が、死んだ?」


兵後輩「…っ」コクッ


青年「……あの、暴徒長が?」



兵後輩「はい…。」

兵後輩「それで、最後の言葉が大々的に取り上げられておりました……」


青年「…処刑の前の言葉か」


兵後輩「……はい。"種は撒いた"、と。」


青年「種…」


兵後輩「俺が望む世界の種は、既に撒かれている…と。」

兵後輩「それが最後の言葉だったそうです」



青年「…」

青年「…!」ドクン



……

暴徒長「俺の逃げ場のないことは分かっている……」

暴徒長「…それで、考えついたってわけじゃないが、ようやく…少しばかり話がまとまった。」

暴徒長「ククク、俺は平和な世が嫌いでな……?」

暴徒長「そんな世の中のために、最高の道具を見つけたんだ」

……





青年「その一つが……俺だった…か……」

青年「そして、暴徒長は俺に負けたくなかった……。」

青年「平和な世の中は嫌いで……」

青年「ガキは使える…。前の村で拾った黒髪の男……」

青年「俺に…頼む……」

青年「…種は、撒いた……」

ブツブツ……


兵後輩「…」

兵後輩「…せ、青年さん?」




青年「…クク」ボソッ

兵後輩「!」

青年「ク、クククク……!」

兵後輩「青年…さん……?」


青年「ハハ、ハッハッハッハッハッハッハッ!!」

青年「ハハハハハッ、なるほど、そういうことか!!」


兵後輩「…せ、先輩?」



青年「今更、俺が元の生活へ戻れるわけでもなし…」

青年「アンタに仕込まれてきた全てで生きていく他はなし…」

青年「暴徒長の慕うメンバーで死を選び、俺を慕う後輩を残した理由……」

青年「……"王都の軍勢から逃げられない"と踏んだアンタは、俺らを種として……」


兵後輩「…っ」


青年「…最後の最後まで、俺はアンタに出会った頃と一緒。」

青年「縄で縛りつけられたまま、結局…殴られ続けるってことか……」

青年「……負けた。」

青年「負けだ、負けた。これで俺は、一生アンタをこの手で殺すことは出来なくなったわけだ!」




兵後輩「青年さん…」


青年「……完璧だ。」

青年「種は俺ら。水はハシーシュ。栄養は、俺らの次の世代へのガキ。」

青年「…………どうしようもねぇよ。なんだこれ……」

青年「……」

青年「…ッ」


兵後輩「…」




青年「…」

青年「……兵後輩」ギロッ


兵後輩「は、はいっ」ビクッ


青年「すぐに全員呼び集めろ。」

青年「これから俺らは、この隠れ家を拠点にして行動を行う」


兵後輩「!」

青年「……暴徒長がいないなら、俺らは俺らで行動する」

兵後輩「…はいっ!」ビシッ!

青年「欲のままに、欲の自由のために、そうだな…?」

兵後輩「…自由のままに!」




青年「いいぜ、いい……。」

青年「アンタが残してくれたもの、全部を使わせて貰う……。」


兵後輩「…青年さん、それではあなたが次の我々のリーダーになりますね」


青年「リーダーか…」

兵後輩「…これから、我々の立場を印象づけるために、色々と必要になるでしょう」

青年「ふむ…」

兵後輩「暴徒長たちがやっていなかった事を、我々で新しく作り上げていきましょう」



青年「それは面白いかもしれないな…」

兵後輩「…」ペコッ

青年「…ならば、俺はあの人に負けた意味を込め、残したハシーシュから名を取ろう」

兵後輩「ハシーシュから…?」

青年「ハシーシュは元々、特別な文字としてHashishiと書くのは知っているか」

兵後輩「え、えぇ…それは…。」


青年「暴徒長は未熟と思う俺らに、武器としてハシーシュを残して逝った。」

青年「俺らは、そのハシーシュの軍として…暗躍することとなるだろう。」

青年「だが、頭が消えた今。頭(Head)はいらんということ……」


兵後輩「…」



青年「それから名を貰おう。そうだな…Assassin。」

青年「そう…アサシン。アサシンと名乗らせてもらおうか……」


兵後輩「…アサシン」

アサシン(青年)「……我々は、頭の残した種、ハシーシュの軍、アサシン軍…」

兵後輩「…!」


アサシン「…今日より、我々はアサシン軍。」

アサシン「いや、欲の自由を残した教えを継ぎ…アサシン教団……」

アサシン「そうだ…。」

アサシン「我々は、アサシン教団として今日より活動を開始するッ!!」バッ



兵幹部(兵後輩)「…はっ!」

兵幹部「仰せのままに……!」


アサシン「後々、色々と取り決めることもあるだろうが…それはこれからだ」

兵幹部「…」ペコッ

アサシン「…これからも、よろしく頼む」

兵幹部「こちらこそ、よろしくお願いします。アサシン…様」

アサシン「…」

兵幹部「それでは、新たな発足のため、全員を呼び集めて参ります」クルッ


タッタッタッタッタッ……

…………
……






アサシン「…」

アサシン「…」

アサシン「ぉ…」

アサシン「…」ボソッ

アサシン「ぇ……」ボソッ

アサシン「…」ボソッ

アサシン「……ゃ」ボソッ

アサシン「ん……」ボソッ

アサシン「…」

アサシン「……」

…………
……




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――――その後。

アサシン率いるアサシン教団は「欲の自由」を掲げ、

暴力と支配を繰り返し、仲間を増やしつつ巨大な組織となっていった。


やがて、地下牢にいたあの男は再びアサシンの前に姿を現すと、

その成長した姿に頭を下げ、アサシン教団の「幹部長」として迎えられた。


その幹部長の『元王都守備兵隊副隊長』として培った技術は、

アサシンを含む幹部だけでなく、新人、教団全員へと広まり、

アサシン教団はより強固な集団として成長していった。



無論、「真の平和」を掲げる王都は無論それを見過ごすことはなかったが、

既に力を得ていたアサシン教団に対し、

彼らが活動する「地方」は遠征となり、ホームであるアサシン教団の勝利が続いた。


……そして、その状態を繰り返しながら実に、約18年の月日が流れ……


「あの日を迎える。」


――――大雨の夜、一頭の馬車が走っていた――――と……。


……………
…………
………
……





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【 E N D 】

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