【◆qqtckwrih】オリジナルSS倉庫

　
　
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――――【　アジトへ向かう馬車の中　】

ﾊﾟｶｯﾊﾟｶｯﾊﾟｶｯﾊﾟｶｯ……!!


金持ち「…っ」


ｷﾞｼｯ!ｷﾞｼｷﾞｼｯ…

母親「あっ…！くぅっ……！」

ｽﾞｯ､ｽﾞｯ!!ﾇﾌﾟｯ､ﾇﾁｭｯ…!!

母親「あぐっ…！んん〜っ……！！」ﾋﾞｸｯ!


アサシン「ハシーシュの効き目は絶大だな。拒否していた人間が、こうも素直になる」

アサシン「…夫と子の血に濡れた床を舐め、快楽を貪るとはな」


　

金持ち「…っ！」ﾌﾞﾙｯ

金持ち「お、お前…が……！」


アサシン「…ん」

金持ち「お、お前が…アサシン…か……！」

アサシン「そうだな」


金持ち「…はは。まさか、俺がアサシンに捕われるとは思いもしなかったよ…。」
　
金持ち「こ、殺しを当然の如く行う、盗賊集団…。血の盗賊集団……！」

金持ち「"欲の自由"の教えを元に、アサシン教団とも呼ばれ……。」

金持ち「そ、それが自分へ降りかかるとはな……」ﾌﾞﾙｯ




　
　
アサシン「…欲望のために生きるため、力をつけて金が欲しい。」

アサシン「それに対し、肥えたお前らは俺らにとって格好な餌食なだけだ」

　
金持ち「…全くその通りか」

金持ち「さっきまで話していた親子が、よもや…こんなことになるなんてな…」


ｽﾞｯ､ｽﾞｯ……!

母親「はっ、はっ……！」

母親「……んくっ！」ﾌﾞﾙｯ


アサシン「…人生なんて分からないものということだ。」

アサシン「一寸先、すぐ先に、終わりがあるかもしれない。」

アサシン「だから俺らは欲望のままに生き、一生を楽しむと決めただけだ」


金持ち「…その為だけに、どれだけの人が涙を！！」



　
　
　
アサシン「…知らん」

金持ち「し、知らぬだと……！」

アサシン「俺が楽しめれば、それでいい。」

金持ち「貴様…！！」

アサシン「…ちなみに、面白いことを教えてやろう」

金持ち「な、なに…！？」


アサシン「お前は、"浮気"の帰りにわざとこの悪路を選んでいたんだろう？」

アサシン「俺らのような賊に会わまいとしていた。」

アサシン「…俺らは普通、別のルートへ現れる確率のほうが高かったからな」


金持ち「…な、なぜそれを！」



　
　
　
アサシン「お前の親戚が、吐いたんだ」

アサシン「…ハシーシュに溺れさせ、それを欲しがり、吐いた。」

アサシン「王都で最高の販売店を持つ商人が、いつも通っているルートをな」


金持ち「なっ…！」


アサシン「…お前もアジトへついたら、ハシーシュ漬けにする。」

アサシン「何、気持ちいいぞ。まるで天にも昇る気持ちのはずだ」

アサシン「……俺は絶対にやらないがな」


金持ち「……や、やめろっ！！絶対に嫌だっ！！」

金持ち「か、金ならいくらでもやるから！！」



　
　
　
アサシン「…ふむ、お前が俺の仲間になると？」

金持ち「あ、あぁ…！だから、そんなことは……！」

アサシン「それは本当か？」

金持ち「…え？」

アサシン「……嘘か？」

金持ち「…え、いや」


アサシン「…」ｽﾁｬｯ


金持ち「…ま、待ってくれ！」

金持ち「俺が仲間になると言ったら、お前は信じるのか！？」



　
　
　
アサシン「…来るものは拒まない。」

金持ち「だが、仮にも誘拐しようとした相手だぞ…！」


アサシン「だからどうした？」

アサシン「仲間になるというのなら、俺らが手を下さずとも動いてくれるということだろう」


金持ち「…も、もし裏切ったら」


アサシン「…どんな奴だろうが、報復をする。」

アサシン「それが例え…世界の覇権を握る、王であろうと…！」ｺﾞｯ!!


金持ち「…ッ！！」ｿﾞｯ!!!



　
　
　
アサシン「…それで、どうするんだ」

アサシン「お前のさっきの言葉、本当なのか…嘘、なのか……」


金持ち（…このアサシン、王すら斬るというのは…本気だ…！）ﾀﾗｯ


アサシン「…答えを」


金持ち「…っ！！」

金持ち「…わ、わかった！わかったよ！！」


アサシン「…」


金持ち「…あ、アサシン…さま…！！」


アサシン「…」


金持ち「俺を…仲間に……！」




　
　
　
アサシン「…ふんっ！」ﾋﾞｭｯ!!

…ｽﾞﾊﾞｯ!!


金持ち「ひえっ！？やっぱり殺されっ…！！」ﾋﾞｸｯ!

金持ち「…っ」

金持ち「……って、はれ？」ﾊﾟﾗｯ


アサシン「…両腕の縛りはそれで自由だ。」

アサシン「お前が仲間になる以上、その枷は必要なくなった」

アサシン「……アサシン団へようこそ、成金」


金持ち「ほ、本気で…！？」



　
　
　
アサシン「…おい、女」

母親「は、はい…」


アサシン「この男、俺らを見て勃たせているな…。」

アサシン「仲間になった記念だ、次はこいつを満足させてやれ。」


母親「…っ」

アサシン「…ヤれ。もし言う事を聞ければ、ハシーシュをやろう」ﾍﾟﾗｯ

母親「は、はいっ…！」ﾊﾟｧｯ!


アサシン「……と、本人の意思を忘れていた。」

アサシン「成金、お前はこの女とやりたいか？」




　　
金持ち「へっ！？」

金持ち「い、いえ…俺は……。」


アサシン「…これが、最初の仕事にしてやる」
　
　
金持ち「え…？」

金持ち「ど、どういうことですか…」


アサシン「お前に俺から与える、最初の仕事ということだ。」

アサシン「それがこの女に、欲望を挿れるだけ…。」

アサシン「……どうする、やるか？」





　
金持ち「や、やるかって……！それが仕事……？」


金持ち（…さ、さっきまでの親父さんの顔が浮かぶ）ｽﾞｷｯ

金持ち（子供の顔、絶望の表情…。）

金持ち（目の前で、殺されていった家族の顔…が……）


アサシン「…やらないのか？」


金持ち（だが……）ﾁﾗｯ


母親「…っ」

ﾌﾟﾙｯ…ﾓﾁｯ……


金持ち「…」

金持ち「…ッ」ｿﾞｸｯ!








アサシン「…おい、聞いてるのか」


金持ち「…」

金持ち「……」ｺﾞｸｯ

金持ち「…や、やらせてください。」ﾋﾞｷｯ


アサシン「…最初の仕事、しっかり果たせよ」


金持ち「…は、はいっ！」ﾆﾀｯ


……………
………
…





　
　
　
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――――【　馬車の外　】

…ｻﾞｧｧｯ…!!


ﾊﾟｶｯﾊﾟｶﾊﾟｶｯ…!!


幹部長「…酷い雨だ」

幹部長「……ん」


アサシン「…」ﾁｮｲﾁｮｲ


幹部長「あ、アサシン様？馬車から顔を出して何を……」

幹部長「はいやっ！走れっ！」ﾊﾞｯ!

ﾊﾟｶﾊﾟｶﾊﾟｶﾊﾟｶｯ…!!




　
　
　
　　
幹部長「いかがなさいましたか！」

アサシン「お前の後ろに乗せてくれるか」

ﾊﾟｶｯﾊﾟｶｯ…!

幹部長「…よろしいですが、ハシーシュの女と成金はどうしましたか？」

アサシン「まぁ、俺は邪魔な存在なようだ」ﾊﾞｯ!!

…ｽﾄﾝｯ!!


幹部長「おっと…！どうしたんですか？」

アサシン「あの成金、俺らの下に着くらしい。仲間になるんだそうだ」

幹部長「…あぁ、なるほど」


アサシン「そんなわけで、俺はあいつに仕事を出したんだが…。」
　
アサシン「一緒の場にいるのは、どうも息苦しくなってな」



　
　
　
幹部長「…アサシン様が息苦しい…？」


アサシン「…女を自由にしていいといったが、壊す勢いで無茶苦茶をする男でな」

アサシン「見た目といえば見た目のままだが、床にある家族の血を全て舐めとらせ…」

アサシン「鬼畜という言葉が当て嵌まる荒れっぷりだったぞ。」

アサシン「ま、一度欲望の鍵を外せば、ああなるものだとは分かっているがな」


幹部長「…成金らしい。」

幹部長「しかしあの女、奴隷市場でいい値がつくでしょうし壊されたら困るのですが」


アサシン「…何、新しい仲間の誕生祝だ。」

アサシン「欲しがればそのままあの女は、成金のモノとすればいい」


　
　
　
幹部長「…寛容ですな。さすがアサシン様だ」ﾌｩ

アサシン「裏切り、嘘さえなければ俺は許すさ」

幹部長「…はは、本当に寛容だ。だから貴方は、ここまで大物になれた」

アサシン「…ただ、俺が欲しいままに生きてきただけなんだがな」

幹部長「それが素晴らしいことなのですよ」

アサシン「そうか」


幹部長「…俺も、あなたといれば自由に生きられる。」

幹部長「これからもお供しますよ」


アサシン「…宜しく頼む」


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――――時に、世界は"世界の中心"と呼ばれた"王都"が"世界平和"を掲げて支配していた。

王都の、王都による、民のための政治。

それに、その誓いのもと…世界の民は平和の笑顔であふれていた。

そう。現王が率いる、世界最強と謳われる"特別親衛隊"と"王国都市守備兵隊"の２つから成る

"王都軍"を配下に置き、世界の民を平和へと導いていたのだ。


……だが、そんな中。


王都に反する存在、"欲の自由"の教えをもとに、それを掲げ、

自由と欲望のままに生きようとする、目の敵ともいえる存在が現れた。

それが、己のままに生きる男…"アサシン"率いる、アサシン教団であった……。

• 3話:堕落の町へ続く

• アサシン｢自由に生きてこそ｣