◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)

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――――【 そして 町の中の一角 】


ザッザッザッ……

少年「…」

友戦士「…」

友商人「…」


少年「…」

友戦士「…」

友商人「…」


少年「……おい、友商人」




友商人「な、何かな……」アハハ…

少年「…どこにも、お前の親父も王都の人間もいねえじゃねえか!!!」

友商人「あ、あれーおかしいなー」

少年「嘘ついたんじゃないだろうな」

…グイッ

友商人「う、嘘なんかつくかよ!」

少年「じゃあどこにいるんだよ!」ググッ…

友商人「探せばすぐ見つかるって、落ち着けって!くるし…い…!」ギリギリ

少年「……ったく」パッ

友商人「げほげほっ!すぐに暴力ばっか……」



少年「なんかいったか」

友商人「いえなんでも」

少年「…ふん」

友戦士「……つーか、マジでいねえじゃん。町を何周すれば出てくるんだよ」


友商人「そろそろ町の中を案内するって言ってたのになぁ…」

友商人「絶対いるはずだって、絶対に!」


少年「だったら、どこにいるか言ってみろよ!」

友戦士「歩くのだりーんだよ…。今日とか、めっちゃあっちーし…」ダラダラ…



友商人「ど、どこにいるかってなぁ……」キョロキョロ

友商人「…」

友商人「…ん?」ハッ

友商人「…………あれ、おかしいな?」


少年「何がだよ」

友戦士「なんか見つかったのか?」


友商人「…あそこのドア、なんで開いてるんだ?」

…キィ…


少年「…あそこって、あのでっかいボロ屋?」




友商人「そう…。」

少年「ドアでも壊れたんじゃねーの?」

友商人「…いや、そんなわけないはず。あそこはうちの親父が管理してる物件だし」

少年「放置してたから壊れたんだろ」

友商人「…他の人が入れないように、先日、錠を新しくしたばっかなんだよ」

少年「…じゃあなんで開いてるんだ?」

友商人「だから、何で開いてるんだって言ったんだよ」

少年「あ、あぁ…」ハハ…


友戦士「まさか、泥棒かなんか入ったとかじゃねえのか?」

友商人「…こんな白昼堂々と、しかもボロ屋に入るわけないんじゃないか」




少年「…だけど、鍵が開いてるってのは誰か入ったってことだろ」

友商人「まさか、本当に泥棒か何かが…」

少年「…い、一応親父呼んできたほうがいいんじゃねえの」

友商人「だから、親父と母さんは今の時間、王都の商人の案内で家にいないんだってば!」


少年「…」

少年「…あ、それじゃもしかしたら、お前の親父がいるんじゃないか?」


友商人「…え?」

少年「鍵が開いてるってことは、お前の親父がいるってことなんじゃねーの?」

友商人「……あ、そうかも」



少年「ほら、そうだって絶対!」

友商人「だけど、王都の商人を連れて中に入るかな…」

友戦士「もしかすると、その商人がここでお店を出したいとかそういうことだったりしたんじゃね?」

友商人「あ〜…そうかなぁ」

友戦士「絶対そうだって!」

ギャーギャー!!ワイワイ……!!


少年「…」

少年「……ん」


ガチャッ…!ギィィィ…………





少年「……おい、ドア開いたぞ。」

友商人「!」

友戦士「!」


…ザッ

???「…」


少年「……って、見た事ないオッサン出てきたぞ!?」

友商人「えっ!?」

友戦士「ど、どう見ても友商人の親父じゃねえな…」



少年「まさか、マジで泥棒じゃ!」

友商人「……い、いや違う…」ボソッ

少年「…あん?」

友商人「あ、あの人は…確か……!」


ザッザッザッ…

???「…」

???「…」キョロキョロ

???「……おやっ?」ハッ


友商人「…王都商人さんっ!!」ダッ!

タタタタタタッ…!





王都商人「…おや、どこかで見た子だと思ったら」

友商人「お、お久しぶりです!」

王都商人「親父商人の息子じゃないか。俺を覚えてるのか?」

友商人「はいっ!」

王都商人「そうかそうか、大きくなって。嬉しいねぇ」


友商人「今日、親父と母さんが王都商人さんを案内してるって聞いてたんですけど……」

友商人「今は王都商人さん、おひとりなんですか?」キョロキョロ


王都商人「…あ、あぁ。」

王都商人「ちょっとね、ココへお店を出したいとかそういう話は聞いてなかったかい?」



友商人「あ、そうでしたね…。そうか、だから王都商人さんがあの空き家に……」

友戦士「……な?だから言っただろ」

少年「オメーの親父が鍵を渡しただけだって」


王都商人「…君の親父商人さんとお母さんは、既に家に戻ってるはずだよ」

王都商人「どれ、一緒に帰ろうか」


友商人「あ、俺はまだ友達と遊んでたいので……」

王都商人「そうかい、残念だ」

友商人「ごめんなさい」

王都商人「いやいいんだよ」ハッハッハ



少年「…」ジロジロ

少年「へぇ〜…。あんたが王都から来た王都の人間なんだ」ジロジロ


王都商人「うん?」


少年「…なんか成金って感じだな。」

少年「姉ちゃんが言ってたほど、平和のための王都に住んでるって感じがしねぇな」


王都商人「な、なんだって?」


友商人「こ、こらっ!!」

友商人「……ごめんなさい、王都商人さん!」




王都商人「はは、気にしないよ」

友商人「あ、ありがとうございます…」


少年「…なぁオッサン。王都って、現王ってやつが平和の為に戦ってるって本当なのか?」

王都商人「うん?」

少年「うちの姉ちゃんが、もうすぐ平和になるから勉強しろ勉強しろっていうんだよ」

王都商人「ふむ」

少年「平和になったら、勉強が役立つからって…。本当に王都のおかげで、世界は平和になるのか?」

王都商人「……あぁ、なるさ。本当だよ」

少年「うげっ…マジで……」

王都商人「…えっ。ガ、ガッカリすることかい?」



友戦士「ははは、こいつってば、平和な世の中になったら勉強しないと過ごせないのが嫌なんだってさ」

少年「うっせー!お前だって一緒のこといってただろ!」

友商人「はは……」


王都商人「…世界が平和になることは、誰も怯えなくていいってことなんだ。」

王都商人「王都にいる現王様は、世界平和を実現し、世界を幸せに導こうとしている。」

王都商人「……平和は人が幸せになるための第一歩なんだよ」


少年「ふーん……」


王都商人「お姉ちゃんは正しいさ。勉強は大事なんだ、しっかり勉強しなさい」ハハハ


少年「ううぇぇ……」




友戦士「…しっかしお前さ、いつも勉強は姉ちゃんとなんだな。」

友商人「お前、愛姉ちゃんのこと、好きすぎだろ」


少年「う、うっせー!俺だって好きで一緒にいるわけじゃねーよ!」

友戦士「はっはっは、恥ずかしがるなって」

少年「マジで勉強、勉強、勉強ばっか!そ、そりゃ優しいところもあるけどさ…」

友戦士「…そういや、いつも姉ちゃんの支配下だったのに、今日はよく外に出て来れたな」


少年「あぁ、姉ちゃんのおっぱい揉んで怯んだところを脱出してきた」


友戦士「…」ブフッ

友商人「えぇっ!?」

王都商人「…おいおい」



少年「いや知らないんだけどよ、最近、姉ちゃんってばおっぱいかなり大きくなってんだよ」

少年「気にしてたみたいだし、そこを揉んだら怯んだ」ハハハ


友戦士「…なんて羨まし、いや!けしからんことを!」

友商人「お前なぁ…」


王都商人「…」

王都商人「……ふーん。そのお姉ちゃんは、王都や勉強に興味があるのかい?」


少年「あぁ、平和になったら王都で勉強したいっていっつも言ってるよ」

王都商人「お姉ちゃんはいくつなんだい?」

少年「15歳になったばっかだけど…なんで?」



王都商人「…」

王都商人「…」ペロッ

王都商人「…そ、そうか。15歳なら確かに王都に興味が出る頃かもしれないねぇ」


少年「そうなのか」


王都商人「…良ければ、俺がお姉ちゃんに色々と教えてやってもいいんだけどね。」

王都商人「勉強についてとか教えたりして、ついでに君にも勉強勉強言わないように説得しようか?」ハハハ


少年「…マジで!?」

少年「それ本当かよ!うちに来て、姉ちゃんに言ってくれよ!」グイッ!



王都商人「お、おいおい…引っ張らないでくれよ」

少年「急いで急いで!王都から来た人の言うことなら、絶対聞くって!」

王都商人「わかったわかった…」ニタァ


友商人「うおおい、王都商人さんに迷惑かけるんじゃないからなぁ!」

友戦士「あーあ、王都商人さんも迷惑だな」ハハハ

友商人「……ちぇ、俺が折角色々と教えてもらおうと思ったのに。」

友戦士「あとでどうせ、お前の家には来るんだろ」

友商人「そりゃそうだけどさ…」

友戦士「アイツがいねーと暇になるし、お前の家に遊びに行くわ」



友商人「あぁ、うちに母さんたちも戻って来てるって言ってたし…別にいいよ」

友戦士「そのうち、王都商人さんも戻ってくるだろ」

友商人「だな」


友戦士「俺もその時に、王都の話でも聞かせてもらおーっと」

友戦士「……そうだ、女子たちも呼ぼうぜ。お前の家は広いし、遊びながらまってりゃいいや」


友商人「あ〜…みんないたほうが楽しいもんな」ハハハ


タタタタタタタッ…………

…………
……




……

……




………


……………
……




………
……








………



…………キィ…


キィ……


……ギシッ…



…ギッ…



……




……
………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

――――【 鍵の空いた空き家の中 】

ギシッ…


「…」

「……っ」

親父商人「……う、ぐっ……!」ゴホッ…

ドロッ…

親父商人「お、おのれ……っ!おのれ、王都商人っ……!」ブルッ…


???「…ちょーっと待ちなって。どこに逃げようとしてんの?」ビュッ

…ズブシュッ!

親父商人「…ッ!?」

親父商人「が、がああああぁぁぁあああっ!?」



???「…今、外に出られたら困るんだよ」

???「俺らの計画が台無しになっちまうだろ?」


親父商人「き、貴様らぁぁぁ…!」

親父商人「王都商人め、う…裏切ったのか……!店を出したいと…!あの言葉は……!」


???「…王都商人は、この砂漠の町への偵察者♪」

???「商人同士で仲良くすれば、守り人のつく町村へ侵入することなんて容易いわけで」ハッハッハ

???「お店を開きたいなんかウソに決まってるだろ。」

???「空き家を持ってるお前と知り合って、隠れ家の為の視察して…。」

???「鍵を開けてもらったところに、こんな立派な隠れ家にさせていただいたって寸法よ」


親父商人「……っ!」



???「…世界のほとんどが、王都の守備隊のせいで遊べない世の中になっちまってさぁ」

???「だ、け、ど。砂漠の田舎なら、まだまだ穴があるんだよねぇ…」


親父商人「貴様らのような人間がいるから、紛争はなくならない…のだ……!」ギリッ

親父商人「それほどに人を弄びたいのか…!戦争の暴徒…め……!」


暴徒「世界の紛争時代、いい時代じゃあないか。」

暴徒「自由が罪にならない、最高の時代……。」

暴徒「王都商人も、王都の出身者なんかじゃねえよ。俺と同じ、小さな田舎の町の出身者さ」ククク

暴徒「夜になったら、隣の部屋で"お前の嫁と遊んでる"俺の仲間と、本格的に町を乗っ取る。」

暴徒「……お前が俺らを町に入れたんだぜぇ」ニヤァ




親父商人「……ッ!」

親父商人「へ、兵戦士さん…すまない……!」

親父商人「町の中へ、守り人を出し抜いた形で…俺が…暴徒を……」ブルッ…


暴徒「…この町には、強い戦士が町の入口を守ってたが、お前も守り人も、王都商人の商人仲間と騙されたなぁ?」

暴徒「中に入れば楽勝よぉ…」ハハハ!

暴徒「……こんないい隠れ家も用意してくれて、な。」


親父商人「う…ぐっ……!!」

親父商人「うおおおおおぉぉぉっ……!!!!」


…………
……








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