◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)

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――――【 3日後 アサシン教団アジト 広間 】


幹部長「…緊急会議とはいえ、まさかこのような情報とは。」

アサシン「ふむ、魔法を扱う聖なる十字軍か」


…ザワザワッ…

幹部員たち「十字軍だって…?」

幹部員たち「クルセイダーか…。魔法は噂に聞いていたが、不思議な術だそうだ」

幹部員たち「知り合いにも使えた奴はいるが、火炎や水流を放つらしい…」

幹部員たち「王国も俺らを本気で潰すつもりなのか…」

ガヤガヤ……


幹部長「…だめだ、落ち着きがない。」

幹部長「今までなかったことですからね……」




アサシン「…」

アサシン「……しぃ、静かに」ボソッ


…ゾッ!

幹部員たち「ッ!!」ビクッ

幹部員たち「……はっ!」

幹部員たち「し、失礼しましたっ!」


…スゥッ…

幹部員たち「……っ」

幹部員たち「…」


……ッシィィーーーーーン……!!



 
幹部長「……さすがです、アサシン様」


アサシン「……まぁ、なんだ。」

アサシン「そこまで取り乱すことじゃない…まずは落ち着け」フゥ


幹部員たち「は、はいっ…」

幹部長「…」


アサシン「…幹部長、今回の情報の出所は」

幹部長「はい。王都守備兵隊長の配下に潜ませている部下の情報です」

アサシン「間違いは…ないということだな」

幹部長「…」ペコッ




アサシン「そして、十字軍の組織についての情報は?」


幹部長「…まずは親衛隊と警備隊の解体。」

幹部長「それに加え十字軍、魔法の習得…。それだけですね」


アサシン「他の情報はナシか」


幹部長「忍ばせている部下は、通常隊員ですので詳細はまだ教えられていないようです。」

幹部長「…いかがなさいますか?」
 
 
アサシン「…そうか」

アサシン「…」

アサシン「まぁ、慌てるな。いくら十字軍の組織を作ろうが、すぐに何が出来るわけじゃあない」



幹部員たち「…と、おっしゃられると?」


アサシン「俺も聞いた事はあるが、魔法の習得には神の信仰だけでなく長時間の研磨も必要だと聞く。」

アサシン「少なくとも、直ぐすぐに…という問題ではないはずだ」


幹部員たち「なるほど…」


アサシン「…本当に問題となるのは、それが覚醒した時か。」

アサシン「我ら教団といえども、その真の覚醒者に太刀打ちできるものか…否か……」


幹部長「…アサシン様でも、そのような見解を」

アサシン「あぁいや、俺はそこまで危惧はしていない。対策は出来るからな」

幹部長「何か案が?」

 
 
アサシン「…簡単なことだ」

幹部長「つまり…」

 
アサシン「…先に、十字軍を潰せばいい話じゃないのか」


……ザワッ!!

幹部員たち「ま、まさか!」

幹部員たち「なるほど、それは盲点だったが…」

幹部員たち「すぐに動くことは出来るのか…!?」

幹部員たち「しかし……」

ザワザワ……


 
 
アサシン「所詮、まだ"十字軍候補"の連中の集まりに過ぎないはず」

アサシン「と、なれば…今まで我々が勝利してきた事実が揺らがない以上、先に仕掛ける。」

アサシン「……これが、俺の今回の"欲"だ。」


ザワザワ…!


幹部員たち「…あ、アサシン様がおっしゃられるなら間違いがないのだろう」

幹部員たち「では、すぐに準備を!」

幹部員たち「…自由を奪われる前に、奪う!!」


…オォォォォッ!!


アサシン「本日より王都に向けて出発するぞ」




幹部長「…分かりました。」

幹部長「アサシン様のローブと剣、すぐに準備を……」ペコッ


アサシン「出発は8時間後。」

アサシン「1次部隊とし、俺を筆頭にしたお前たち幹部員、部隊長たちを引いていく。」

アサシン「今回のを経験にし、次回以降はお前らに任せる。」

アサシン「……準備を始めろ」


幹部員たち「…ッ」

幹部員たち「はっ!!」ビシッ!!


…………
……




 
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――――【 アサシンの部屋 】

…パサッ、チャキンッ!

シュルッ……

幹部長「全て、装備の準備を整えました。」

幹部長「それでは、失礼いたします。お着替えになったら、広間のほうへ…」ペコッ


アサシン「…」


幹部長「…」クルッ

タタタタッ、ガチャッ!バタンッ……


アサシン「…」

アサシン「…」ゴソゴソ…


 
…コンコン


アサシン「……入っていいぞ」


ガチャッ!

黄金商人「し、失礼します…へへ」ペコッ

アサシン「何の用だ。俺の裸を見に来たか?」シュルッ

パサッ……

黄金商人「さ、さすがアサシン様…。人前でも動じずにいい身体を……」

 
アサシン「…用があるんだろう。なんだ」

黄金商人「あ、えぇ…。ちょっと話を聞きまして」

アサシン「言ってみろ」

黄金商人「その、十字軍のことです」




アサシン「…それがどうした」

黄金商人「今回の件で、少しお力になれるかもしれないので…」

アサシン「言ってみるといい」

黄金商人「王都が広いといえども、隠れる場所には一苦労するでしょう」

アサシン「そうだろうな」


黄金商人「恐らく、自分が誘拐されたものと思ってる身内は、今も変わらず経営しているでしょう。」

黄金商人「そこへ自分が戻り、アサシン様ではなく別の盗賊団から逃げてきたことにして…」

黄金商人「先に、王都でアサシン様たちが休める場所や隠れる場所を提供しようと思うんです」
 

アサシン「…それで」


 
黄金商人「…そ、それでって。」

黄金商人「ただ、自分はアサシン教団に休まる場所を提供しよう…と……」


アサシン「…死ぬか?」

…チャキッ

黄金商人「ひえぇぇっ!?なな、なんでっ!?」

アサシン「お前は、欲を隠しているな」

黄金商人「えっ!?」

アサシン「…お前は、俺の教えを忘れているのか?」

黄金商人「ななな、何がですか!?」




アサシン「…俺は確かに教団としてトップだが、素直であればそれは関係ないと思っている。」

アサシン「これが最後の言葉だ。」

アサシン「もう1度訊くぞ…。」

アサシン「……それで、その考えがどうした?」
 
 
黄金商人「…っ!」

黄金商人「い、家に戻ったら王都の隠れ家の提供に加え…、」

黄金商人「自分は出張と言う言葉で資金をここへ提供しに来ます!」

黄金商人「で、ですから…!」


アサシン「…」



黄金商人「その時、ど、奴隷置き場や捕まえた女をもっと…自由に抱きたい……ですっ…!」

黄金商人「俺が欲しいものがあれば、アサシン様へ頼みます…っ」

黄金商人「そしたら、その分の資金も払いますから、そのお願いをお願いしますっ!!」ペコッ


アサシン「…」

アサシン「……それでいいんだ」スッ


黄金商人「は、はぁ…はぁ……」ヘナッ


アサシン「褒美として欲しいと、言葉にして言わなければ分からん。」

アサシン「素直に最初から言え。」

アサシン「……次はないぞ」


黄金商人「は、はいっ…」




アサシン「…」

アサシン「……そうだな、黄金商人」


黄金商人「な、なんでしょうか…」

 
アサシン「…さすがに全てを抱かせる、というわけにはいかん」

黄金商人「そ、そうですか…」

アサシン「……というべきなんだろうが」

黄金商人「へ?」


アサシン「俺の部屋へ来るとは、ここまで貪欲な人間は見たことがない。」

アサシン「お前はどうやら、ここが思った以上に過ごしやすいようだな……。」

アサシン「気にいった。良い、自由にしろ。」

アサシン「下の者へは、俺からの言葉だと言えば…全て自由になるだろう」




黄金商人「あ…っ!」

黄金商人「ありがとうございますっ!!」


アサシン「……それでは、先に王都へ飛べ。」

アサシン「地元の馬車から王都へ戻り次第、隠れ家等の準備を進めておけ」


黄金商人「…わかりましたっ!」

黄金商人「仰せのままに……」ペコッ


アサシン「…」


…………
……







……
…………
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――――【 20分後 アジトの広間 】


アサシン「…というわけだ。以上が新たな作戦となる」

アサシン「黄金商人を既に王都へ向かわせ、休める場所を確保させている」

アサシン「8時間後に出発し、先に着いている黄金商人の隠れ家で一度休む。」

アサシン「その後、深夜に十字軍の兵士らをその手で…討つ。」


…ガヤガヤッ…

幹部員たち「あぁ、新入りのか……」

幹部員たち「そりゃあいい奴を仲間にしたな…。事が上手く運びそうだ」

幹部員たち「金持ちの隠れ家だし、不便もなさそうだ」




アサシン「…」


幹部長「アサシン様、お言葉ですが本当にあの男を信頼して良かったんでしょうか。」

アサシン「どういうことだ」


幹部長「…お気に入りなのは分かりますが、まだ1週間程度。」

幹部長「奴が裏切らないとは…限らないのでは」


アサシン「…心配するな。大丈夫だ」

幹部長「…」

アサシン「…そんなに心配か?」



幹部長「確かに、アサシン様と我々では、現時点の十字軍には有利でしょう。」

幹部長「しかし、我々は500に満たない少数精鋭。」

幹部長「もし今回、奴に裏切られて…幹部たち、つまり部隊長たちの損失は大きい。」

幹部長「アサシン様は心配ありませんが、もしそうなれば……」


アサシン「…余計な心配だ」


幹部長「…はっ。」

幹部長「出過ぎた…言葉でした……」


アサシン「…」

アサシン「……それでは全員、8時間後に改めて会おう」バッ



幹部員たち「…ははぁっ!」

幹部員たち「仰せのままにっ!」ビシッ!


アサシン「…」クルッ

タッタッタッタッタッ……

………



幹部長(…)

幹部長(……どうも、嫌な予感が拭いきれないのは何故なのか…)


……………
……






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――――8時間後。


アサシン教団は5名を精鋭とし、王都へ奇襲作戦の決行を行った。

王都までの道のりは約2日を要したが、

全員が無事に、王都へと辿り着き……。



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