◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)

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――――【 5年後 とある地方の村 】


村人「や、やめてくれ…。頼む、頼むから……!!」


…ビュオッ!!


村人「う、うわぁぁぁぁああっ!!」


ザシュッ…!


村人「あ゛っ……!」フラッ


ドサッ…!!




村人「…」ビクッ…ビクッ…


ポタ…ポタ……


青年(少年)「…」スチャッ

青年「…」

青年「……これで終わりか」


タタタタッ…

???「…す、すいませーん!」


青年「ん…」




タタタタッ…ズザザ…

兵後輩「…せ、青年さん!もう全員殺っちまったんですか!?」

青年「兵後輩か…。この程度の村で、時間をかけていられるか」

兵後輩「…凄いですね、さすが先輩だ」

青年「…」

兵後輩「……しかし、こんな小さな村を襲うなんて暴徒長も珍しいですね」


青年「…まぁな」

青年「それより何か用事か」




兵後輩「あ、そうでした。青年さんのこと、いつものように暴徒長さんが呼んでました」

青年「どこにいるんだ」

兵後輩「えぇ、村長の家で待ってると。成果報告ですよね?」

青年「……分かった。すぐに行く」


………







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――――【 村長の家 】


ガチャッ…


暴徒長(暴徒)「…来たか」

青年「…いつもの用でしょう」

暴徒長「とりあえず座れ」

青年「…」

トコトコ…ストンッ


暴徒長「…ほら、タバコ吸うか」スッ



青年「…貰います」パシッ

青年「…」

カチッ…シュボッ……


暴徒長「…まぁなんだ、今日もご苦労だったな」

青年「いえ…」フゥ〜…

暴徒長「…何人殺した」

青年「20人程度です」

暴徒長「……20人程度、か」ククク

青年「小さな村でしたからね。資源も少なければ、女も少なかった」



暴徒長「…」

暴徒長「……なぁ」


青年「はい」スゥ…

青年「…」フゥ〜…

モワモワ……


暴徒長「…お前が俺らの仲間になって、5年がたった。」

暴徒長「あっという間だっただろうが、お前の中で、まだ俺は敵か?」


青年「…どういうことですか」



暴徒長「…お前の姉を奪い、お前をこの道へ引き入れたのは…この俺だ。」

暴徒長「それで、お前は今も俺を恨んでいるかっつーことだ」


青年「…どう思いますか」


暴徒長「…正直、最近のお前の働きは凄まじい。」

暴徒長「凄まじいスピードで実力も上がり、後輩もでき、あの時の弱いお前とはくらべものにならない」

暴徒長「元々、厳しい砂漠の地で育ったという素質もあるんだろうが…」


青年「それはどうも」


暴徒長「…」




青年「……で、何が言いたいんですか」

暴徒長「お前は、俺を殺したいと思うか」

青年「…どうでしょうね」

暴徒長「答えろと言ってるんだ」


青年「…」

青年「…」

青年「そうですね、殺したいと殺したくないで言えば……」

青年「今、この煙草をあなたの眼球へとねじり込み、盲目にしたうえで裸のまま獣に食わせたい…ですか」


暴徒長「…素直なやつだ」



青年「だけど、それは無理ですね」

暴徒長「…」

青年「まだ、俺ではあなたには勝てない」

暴徒長「くく…。」


青年「……あなたはここ最近、毎回のように襲撃のあと俺を呼び、この話をしている。」

青年「恐らく、あなたは怖いんでしょう?」


暴徒長「…読まれたか?」


青年「何度も呼ばれれば分かります。」




暴徒長「……あぁ、そうだ。」

暴徒長「俺は、お前を俺の好みの人形へ仕立て上げた。」

暴徒長「だが…強すぎた。欲に素直なのはいいが、その素直な故に俺をも食おうとし始めているな」


青年「…俺の気持ちも読まれてますね」

暴徒長「まぁ、そんな欲望を教えたのは俺だ。文句はいわん」

青年「そうですか」

暴徒長「…いつか、俺はお前に食われるだろうよ」

青年「そうですね」

暴徒長「だが、俺の欲はそれを許さない」

青年「そうでしょうね」



暴徒長「…しかし、俺がお前を殺せば、お前を慕う後輩たちから反感を食らうだろう」

青年「そうなるでしょう」

暴徒長「…だからな、フィフティフィフティ…ここは平和にいかないか」

青年「どういうことでしょうか」


暴徒長「今の俺は、お前を殺せる。しかし、後輩にも殺される。」

暴徒長「だが、放っておけばいずれは俺は、お前に殺される。」

暴徒長「俺にとっては逃げ場がない、まるで地獄。」


青年「…俺としてはどのルートでもいいですがね」



暴徒長「だから、ここで平和に行く案を探していた。」

暴徒長「ここ最近、お前と話す時間をつくり、お前の今の性格を考え、最善の策をな…」


青年「で、考えついたんですか?」

暴徒長「…考えついたってわけじゃないが、ようやく…少しばかり話がまとまった。」

青年「…聞かせて貰えますか」


暴徒長「クク……。」

暴徒長「いいか、俺は平和な世が嫌いでな……?」


青年「何の話ですか」




暴徒長「…まぁ聞け。」

暴徒長「考えるに、俺は俺で、欲に自由に生きていたい人間らしい」


青年「知ってます」


暴徒長「…世界は既に、王都の力で平和な世となっている。」

暴徒長「俺らみたいな存在は、少数かつ…王都からしたら小さな集団にすぎんわけだ」


青年「でしょうね」


暴徒長「だが、俺は…俺のような欲に素直であれという人間が好きだ。」

暴徒長「もっと暴力的で、もっと自由で、もっと好きに生きれる人間ばかりになればいいと思う」



青年「…」

暴徒長「…ククク」

青年「だから、何がいいたいんですか」

暴徒長「…そんな世の中にするために、最高の道具を見つけたんだ」

青年「…?」


暴徒長「一つは、お前だ」

青年「…」

暴徒長「最初は何でもねーガキと思ってたが、気が付けば本当に俺好みの最高の仲間になりやがった」フハハ!!

青年「それはどうも」

暴徒長「…で。もう1つ、それをようやく探し当てた」

青年「…探し当てた?」




暴徒長「これを見つけたら、俺はお前と雌雄を決するつもりだった。」

暴徒長「それをようやく見つけ、今日…お前に話をしようとな」


青年「何ですか」


暴徒長「……この小さな村を襲った理由を知りたくないか」

青年「…それと関係が?」

暴徒長「あぁ、大有りだ。この村には、ある植物を栽培していてなぁ…」

青年「植物…」ピクッ

暴徒長「本来なら違法なんだが、それでこの村はやりくりをしていたんだ」

青年「その植物とは…」



暴徒長「…ハシーシュ、さ」

青年「ハシーシュ……」

暴徒長「お前も知ってるだろう、人を惑わす悪魔の植物だ」

青年「…吸えば痛みもなくなり、快感が走り、徐々に壊れていくという魔の植物ですね」

暴徒長「その通り」

青年「禁止とされているはずですが、それをこの村で…」

暴徒長「そーいうことよ。そうじゃなかったら、こんな村へは来るわけがねぇ」

青年「それで、それをどうしようと」


暴徒長「…」

暴徒長「…」ニヤッ




青年「…」

青年「……」フラッ

青年「…ぐっ!?」グラッ


暴徒長「…ハシーシュは、絞った液体の1適なら依存なく、意識を奪う効果がある。」


青年「ま、さか……」フラッ…

暴徒長「毎回、タバコを吸わせてたからな。今日もすんなりと吸ってくれただろう」

青年「タバ…コ…に…。俺を…は…めたのか……!」

暴徒長「後輩たちにも同じようにな。ククク…はっはっはっは!」

青年「きさ…ま……ぁぁぁ……!」



暴徒長「…俺の欲のままに。」

暴徒長「じゃあな」


青年「ぐっ…う…ぉ………」フラッ…

……ドサァッ……


暴徒長「…」

暴徒長「……深い眠りだ。もう、俺と会うこともないだろう」




コンコン…ガチャッ!


仲間暴徒「入るぞ…」

暴徒長「…来たか」

仲間暴徒「終わったのか?」

暴徒長「あぁ、すげぇ効果だ。今ならケツにぶち込んでも目ぇ覚まさないぜ」ククク

仲間暴徒「はっはっはっ!あのガキの時ならすぐに奪ってたんだがな!」

暴徒長「…ふははは、お前のほうは終わったのか?」

仲間暴徒「あぁ、こいつを慕う若い連中は全員落とした」


暴徒長「…」

暴徒長「…んじゃ、コイツを含めて全員、この村のハシーシュの栽培してる秘密の洞窟へ棄ててこい」



仲間暴徒「おうよ…」

仲間暴徒「……クク、こいつらの顔を見るのも最後か」


暴徒長「…」

カチカチッ…シュボッ……

暴徒長「…」スゥッ…

暴徒長「ふぅ〜……」


仲間暴徒「あの時のガキが、まさか暴徒長を脅かす存在になるなんてな」ハハハ

暴徒長「全くだ。これ以上、恐怖に怯えなくていいと思うとせいせいするぜ」



仲間暴徒「…棄てたあとに、俺らは次の村でアイツらを迎え撃つ準備は出来ている。」

仲間暴徒「俺らも歳だ、若い連中にどこまでやれるか…」


暴徒長「だが、これで種は撒けた。」

暴徒長「俺らが望む世の中のために、あいつらは俺の欲のために犠牲になってもらうんだがな」


仲間暴徒「はっはっは、これでこのガキは一生お前には勝てなくなったわけだ」

暴徒長「くっくっく…」

仲間暴徒「はっはっはっはっ!」

暴徒長「くはははははっ!」

……………
……






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……
…………
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――――【 数時間後… 】

「ん…」

「……さん…」

「ねん………さん……」

「せいねん…さん…」

「青年さん…!」


兵後輩「……青年さんっ!!」


青年「ッ!」ガバッ!



兵後輩「良かった、目を覚ましたんですね!」

青年「…ここは」

兵後輩「お、俺らもどこか分からないんです」

青年「俺らも?暴徒長たちはどうした」

兵後輩「き、気が付いたら洞窟の中で、暴徒長とその先輩たちがいなくなってて……」

青年「…暴徒長たちがいない?」

兵後輩「今、他の仲間に探させておりますが、洞窟が複雑で……」

青年「…俺も探そう」スクッ

兵後輩「は、はい…」


タタタタッ……

豪後輩「…せ、先輩〜〜〜っ!!」




兵後輩「…おい、騒がしいぞ!」

兵後輩「青年さんは今、目を覚ましたばかりなんだ」


豪後輩「うっ、すまん……」


青年「……いや、構わない。豪後輩か、どうした」

豪後輩「は、はい。実はこの近くの洞窟の一角で、ハシーシュが栽培されておりました!」

青年「何?」

豪後輩「それに、広い地下室のような空間もあり……。そこに食糧が……」

青年「…ハシーシュの栽培に、地下室。食糧…?」



豪後輩「…ですが、暴徒長たちの姿は見つかりませんでした。」

豪後輩「どうしましょうか……」


青年「…」

青年「今いる面子を、全員…ここに集めろ。」

青年「状況の把握と、それぞれ俺が眠りについていた間に調べた成果を聞かせて貰う」


兵後輩「…はいっ!」

豪後輩「了解しました!」


…………
……





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――――【 30分後 】


青年「…集まったな」


兵後輩「…」

豪後輩「…」

仲間後輩たち「…」


青年「…まず、お前は兵後輩が話を進めろ」


兵後輩「はっ!」

兵後輩「それでは、話し合いに入る。みんな、いいか」




豪後輩「はい」

仲間後輩たち「はいっ」


兵後輩「現在の状況を、豪後輩」


豪後輩「はい。」

豪後輩「ココは恐らく、昼間に襲った村のハシーシュの栽培所ではないかと思います。」

豪後輩「襲った村にあった店舗の道具や、休憩所と思われる場所に村と同じ食べ物が落ちていました」


青年「…村のハシーシュはここで栽培していた、か。」




豪後輩「それに加え、眠らされた我々は青年さんを筆頭にし年齢が若い者ばかりです」

青年「…暴徒長の姿だけでなく、その仲間も見当たらないんだな」

豪後輩「はい。てっきり、我々は殺されるものかと思いましたが…」

青年「俺もそう思った。だが、どうやら違うようだな」


兵後輩「…」

兵後輩「お、置き去りにされた…感じがしますね」


豪後輩「置き去り…だって?」

豪後輩「暴徒長たちが、青年さんや若者だけを棄てていったっていうのか!?」


兵後輩「そんなに怒らんでも…。実際にそんな形じゃないか……」



青年「…」

青年「……殺さず、俺らだけを捨てていったのか?」

青年「丁寧に地下に食糧も置いて、優しいことだな…」


兵後輩「…何か、暴徒長たちに考えがあったのではないでしょうか」


青年「…俺らが邪魔な存在なら、殺しているはずだ。」

青年「だが、俺らは生きている。それが腑に落ちない」


兵後輩「…メッセ―ジはないですが、どうやらココで待機してほしいという気もしますが」


青年「…確かに、そうかもしれないな」



兵後輩「どうしますか。」

兵後輩「ここが村の近くということも分かっているので、暴徒長たちを追えるといえば追えますが…」


青年「…」

青年「…」

青年「……食糧は、どれくらいあるんだ」


兵後輩「全員分で、もって5日かと」


青年「…なら、5日だけココで待つ。」

青年「そういうメッセージかもしれないからな、今は…待とう」




兵後輩「はいっ」

豪幹部「はいっ!」

後輩たち「はいっ!!」


青年「…」

青年「………ん」ピクッ


兵後輩「どうしましたか?」

青年「…あれは、誰だ?」

兵後輩「え?」クルッ



青年「あそこにいる、"黒髪の子供"だ」ジロッ


コソッ…

黒髪子供「ひっ…!」ビクッ!


兵後輩「…あぁ、お伝えするのを忘れておりました。」

兵後輩「先の村で、暴徒長が生かしておけと…手に入れた子です。」

兵後輩「今まで一緒に眠らされていたのですね、今起きたようです」


青年「…来い」クイッ


黒髪子供「…」ビクビク



青年「……来い。」

黒髪子供「…っ」

ソロ…ソロソロ……


青年「…」

…ガシッ

黒髪子供「ひっ!」


青年「…お前は、どうしてここにいる。」

青年「暴徒長のことは何か知らないか。」



黒髪子供「し、知らない…。」

黒髪子供「起きたら、ここにいて……」


青年「…お前はなんだ。どうして暴徒長に拾われた」


黒髪子供「…ままもぱぱも、びょうきで死んじゃったから…。」

黒髪子供「ぼーとちょうが、俺についてきたら面白いものみせるっていわれて……」


青年「…暴徒長が、お前に?」


黒髪子供「…」コクン

黒髪子供「…」

黒髪子供「……あっ!」



青年「…どうした?」

黒髪子供「ぼーとちょうが、僕に、青年についていけばいいって!」

青年「……そう言われたのか」

黒髪子供「…」コクン!

青年「…青年は俺だ。暴徒長が本当にそう言ったんだな?黒髪の子供」

黒髪子供「うんっ!」


青年「…」

青年「……ガキは便利、使える…か。」


黒髪子供「…?」



兵後輩「…とにかく、5日分の食糧がある以上、一旦は待ってみるしかないのではないでしょうか。」

兵後輩「それで何か分かるかもしれませんし…」


青年「…そうだな。では、先ほどの通り…5日の間ここへ待機する。」

青年「その後、付近の町へ出て情報を調べ、今後の行動を決めよう」


後輩たち「…はいっ!」

黒髪子供「あいっ!」ビシッ!


…………
……






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