◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)


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――――【 次の日 】


青年「…本当にありがとうございました」

姉剣士「いえ、御礼をおっしゃられるほどでは」ペコッ

妹魔法師「…お礼を言って貰わないと困るんだけどね」ブツブツブツ


青年「へ…」


姉剣士「な、なんでもありませんので!」グイッ

妹魔法師「むぎゅっ…!」




青年「そ、それじゃ僕はこれで…失礼します……」ペコッ

姉剣士「あ、森の外まで送っていきますよ!」


青年「いえ、森林を通るのではなく、外回りで安全な道から帰ります。」

青年「…これ以上は、手間を取らせるわけにはいかないので」


姉剣士「ですが…」

青年「…いいんです。本当にお世話になりました」

姉剣士「そうですか…」

青年「では…」ニコッ

クルッ、トコトコトコ……



姉剣士「…」

妹魔法師「…」


トコトコトコ…ピタッ

青年「…」

青年「…あ、そうでした。」


姉剣士「はい?」

妹魔法師「うん?」


青年「姉妹堂、また何かあれば…お願いいたします。」

青年「次は、俺がもっと立派になって、高い報酬を払いたいと思いますので…」



姉剣士「…!」

姉剣士「……はいっ」ニコッ


青年「!」

青年「じゃ、じゃあ失礼します!」クルッ

タタタッ、ガチャッ!!バタンッ…!!



姉剣士「あ、あら随分と早く……」

妹魔法師「…はぁ」

姉剣士「妹?」

妹魔法師「あの青年てば、お姉ちゃんに一目ぼれしたんでしょー」

姉剣士「え、そ、そうなの?」

妹魔法師「…疎いっ!」

姉剣士「…そ、そういう経験なんてそうそうないし」

妹魔法師「も〜…」


姉剣士「…と、とにかく。青年さんに銀の薬草が無事に見つかって良かった。」

姉剣士「これで彼のお母様も元気になってくれればいいんだけど…」



妹魔法師「…元気になるに決まってるでしょ。」

妹魔法師「私たちが探して、やる気になった青年が家まで運ぶんだから。」

妹魔法師「……そうに決まってる」


姉剣士「…だね」


妹魔法師「…」

妹魔法師「…あ、そうだ。」

妹魔法師「そ、れ、よ、り!!お姉ちゃんっ!!」


姉剣士「な、なに?」ビクッ

妹魔法師「…お姉ちゃんってば、生活のほうどうするつもりなの!」

姉剣士「あ〜…」アハハ…


妹魔法師「姉妹堂を始めて結構たつけど、まともな収入はほとんどなくて…。」

妹魔法師「それもこれも、お姉ちゃんがボランティア的にやるから……」


姉剣士「こ、困った人を放っておけなくて」

妹魔法師「それは分かるけど、このままじゃうちが困った人になっちゃうでしょ」

姉剣士「ほら、森が近くにあるから獣で何とか食いつないでるし…」

妹魔法師「…久しく、美味しい"料理"ってのも食べてないんだけどなぁ」ハァ



姉剣士「えっ!」

姉剣士「普段、私が作ってる料理ってそんなに美味しくなかったかな…」


妹魔法師「そ、そういうことじゃなくて!」

妹魔法師「お姉ちゃんの料理は誰にも負けないくらい美味しいと思ってるよ!」

妹魔法師「私が言いたいのは、料理屋さんのお料理とかのこと!」


姉剣士「あ…そういうことか…」


妹魔法師「…料理だけじゃなくて、良い武器や良い防具、アイテムなんかにもお金が必要。」

妹魔法師「森林、山の中の素材を卸してお金にして生活もしてるけど…。」

妹魔法師「私たちの目的の、傭兵稼業なんかまともに仕事したことないし……」


姉剣士「ここに姉妹堂を構えて、依頼を受けたのってそんなに少なかったっけ?」



妹魔法師「えーっと…」

妹魔法師「山の狼退治、普通の薬草集め、木々の伐採。」

妹魔法師「近隣の家の雪下ろし、雪かき、今回の銀の薬草収集とか…?」


姉剣士「…全部、私が無償で引き受けたやつばっかだね」アハハ…

妹魔法師「…ボランティア稼業じゃないんだから!」

姉剣士「わかってるけど…」


妹魔法師「それに、傭兵稼業の私が言う言葉じゃないかもしれないけど…」

妹魔法師「こんな森のところで、女二人だからなのか、時々山賊紛いが来るし…」


姉剣士「あれはあれで、立派な稼ぎになるんだけどねー」

妹魔法師「…賞金がかかってるのが、この姉妹堂に襲いに来たりしたからね」

姉剣士「ゴキブリホイホイみたいな」

妹魔法師「その例えはやめよう」

姉剣士「あはは…」



妹魔法師「と、とにかく!」

妹魔法師「次の仕事は、絶対にお金になることのみ引き受けること!」

妹魔法師「そうじゃないと、私たちが幸せになれないっ!」


姉剣士「…うん、そうだね」

姉剣士「次の依頼は、もっと傭兵稼業らしい仕事に出来るように、努力もしてみるよ」


妹魔法師「努力って…」

姉剣士「…近隣の町のギルドに、私たちで出来ない仕事がないか聞いてみるとか」

妹魔法師「…あ、それいいかも」

姉剣士「じゃ、そうしよっか」


妹魔法師「…」

妹魔法師「…っていうか。最初からそうすればよかった」ハァ



姉剣士「傭兵稼業でやってますっていってるから、余りそういうのには手を出さなかったんだよね」

姉剣士「恰好つかないっていうか…」


妹魔法師「恰好を気にしてて、美味しいご飯が食べれますか!!」

姉剣士「そ、そんな力説しなくても〜…」


妹魔法師「はぁ〜…。」

妹魔法師「お客さんの手前とか、戦いについてお姉ちゃんてば凄くかっこよくて…立派なのに…」

妹魔法師「普段の姿が色々情けなくて、不安になっちゃう」



姉剣士「…」アハハ

姉剣士「ま、まぁ…とりあえず。」

姉剣士「早い段階で次の依頼も探したいし、明日には町に降りてみよっか?」


妹魔法師「え、明日?」

姉剣士「早いほうがいいでしょ?」


妹魔法師「…」

妹魔法師「…う、うんっ!」

妹魔法師「じゃ、明日は久々の町に降りることだし準備もしないと♪」


姉剣士「準備?」


妹魔法師「少ししかないけど、貯めてたお小遣いもって、欲しいのないか探すんだ〜♪」

妹魔法師「リュックとかも必要になるだろうし、探して来る〜!」

タタタタッ、ガチャッ!バタンッ!



姉剣士「…」

姉剣士「…全く、急に子供に戻るんだから」フフ

姉剣士「……まぁ、私も楽しみじゃないわけではないし、準備しておこ〜っと」

タタタタッ……!

………
……






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とある山の鬱蒼とした森の奥に、ひっそりとたたずむ"小さなお店"がある。

そこは、傭兵稼業を営む二人の姉妹が経営する「姉妹堂」。


努力家で優しく、実力もさながら美貌をも持つ姉剣士。

可愛らしさと元気一杯、お姉ちゃんが大好きな妹魔法師。

果たして、この二人はどんな物語を描いていくのか。


町のギルドへ降りた二人を待ち受けていたものとは。





次回『次の依頼-1』。








  • 次の依頼-1?へ続く

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