◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)


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――――【 隣の部屋 】


警備隊員「…っ」


アサシン「さて、お前が聞いていた通り…少し俺らにとって不利な事態となっている。」

アサシン「そこでお前には、俺らに知恵を貸してほしい」


警備隊員「……お、お前がアサシンなのか」

アサシン「そうだな」

警備隊員「け、今朝の一家惨殺…!お前の仕業なのか!」

アサシン「男を殺したのは俺だが、家族を殺したのは俺じゃない。そこにいる三人だ」



兵幹部「どーも」

豪幹部「よっ」

黒髪幹部「最高の殺し方だっただろ?」ニカーッ


警備隊員「な、なぜあんなことを…!」

警備隊員「彼らに、なぜあんな非道をっ……!!」


アサシン「仕方ないことだ」


警備隊員「仕方ないだと!?」


アサシン「あの家族は、十字軍の旦那を持っていた。」

アサシン「十字軍は俺らを追い詰めるために組織されたものらしいからな…」

アサシン「その前に潰そうと動いただけだ」



警備隊員「…だからといって、家族まで襲うことは!!」


アサシン「情報を漏らさないためには、殺すことが一番早い。」


警備隊員「なっ…!」


アサシン「それより、質問がある。」

アサシン「お前はそれに応えればいいだけ…。それ以外はしゃべるな」


警備隊員「…素直にしゃべると思うか!」


アサシン「しゃべらせないと…思うか?」チャキンッ




警備隊員「ッ!!」ゾクッ!!


アサシン「爪を1枚ずつ剥がし、全ての指を少しずつ切り刻み…」

アサシン「髪の毛をペンチでまとめて皮ごと剥がす。」

アサシン「人というのは不便な生き物だな。痛みに耐えられる人間は…この世にはいない」


警備隊員「ひっ…!?」

アサシン「小指から折るか。剥がすか、斬るか。片目に針を刺すか?」

警備隊員「…ッ!!」


アサシン「痛みを伴うか、それとも…しゃべるか。」

アサシン「どっちがいい」




警備隊員「…っ」ドクッ…

警備隊員「……っ」ドクッドクッ…

警備隊員「………っ!」ドクッドクッドクッドクッ……!!


アサシン「…3秒以内に選べ」チャキッ


警備隊員「…ッ!!!」

警備隊員「……お、俺は王都を守るべき警備兵ッ!!!」

警備隊員「い、いかなる時でも民のためを想いっ…!!!」


アサシン「…了解した」ビュッ…




…………
……



警備隊員「…がっ!!!」

警備隊員「がぁぁあああああああぁぁあああぁっ!!!!!!」



……
…………


…………
………
……







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 数十分後 】


ベチャッ……!!

警備隊員「…こ、答え…ます……」ゲボッ…

警備隊員「なん…でも…答えます…はら……っ」

警備隊員「もう…や…めて……下さい……」


アサシン「…わかった。」

アサシン「幹部長、先ほどの部屋に俺が持ってきた王都周辺の地図…」

アサシン「それを持ってきてくれるか」


幹部長「はっ、ただいま!」

タタタタッ……



黄金商人「う、うぷっ…」フラッ

兵幹部「おいおい、こんなんで吐き気かよ」

黄金商人「だ、だって見てるだけでも…痛いです……」

兵幹部「くくく、アサシン様の手際は見事なもんなんだぜ?」

黄金商人「そ、そうなんですか…」


兵幹部「人は痛みでも気絶するし、死ぬことだってある。」

兵幹部「拷問っつーのは、どれだけ痛みを与え、どれだけ気を失わせないかが勝負でもある。」

兵幹部「それをアサシン様は、ここまで上手く出来るんだぜ」


黄金商人「そ、そうですか…」フラフラ



タッタッタッタッ……

幹部長「アサシン様、地図を」ペラッ


アサシン「ありがとう。」

アサシン「して、警備隊員」クイッ


警備隊員「な、なんで…しょうか……」


アサシン「緊急配備といったが、今回の緊急配備はどれくらいが動く?」

アサシン「どのレベルの人間が、どの範囲で、どのように動くか細かく説明しろ」

アサシン「地図に記載し、展開図を描け」


警備隊員「は、はいっ…」フラッ

警備隊員「……っ」フラフラ




アサシン「……どうした、早くしろ」

警備隊員「う、腕が…痛く……て……。指もない…です……し……」ズキズキッ


アサシン「…」

アサシン「……これを口に当て、深く息を吸え。痛みがなくなる」スッ


警備隊員「ひゃいっ……」パシッ

警備隊員「…」スゥッ

警備隊員「……っ!」パァッ!


アサシン「ハシーシュの効き目で、腕は上がるだろう。それに、しっかりしゃべれるはずだ」

アサシン「さぁ、地図へ書け」




警備隊員「は、はいっ……」フラッ

警備隊員「えと……、今回の…事案は…相当数な数が動きます……」


アサシン「ふむ」


警備隊員「あ、アサシン教団が潜入している可能性が高いということは、国の軍事リーダーが動きます…。」

警備隊員「十字軍の軍隊長に、副長が直接…指揮をとるものかと……」


アサシン「十字軍の本部はどこだ」


警備隊員「王都の中心に建つ、王城内部になります…」

警備隊員「恐らく、我々警備隊の含む、全ての十字軍および十字軍配下が街に敷かれるかと…」




アサシン「王城を中心に、王都全域へ十字軍がくまなく配置されるということか」

警備隊員「は、はい……」

アサシン「…王都を安全に抜けるには、どのルートが一番いいんだ」


警備隊員「この隠れ家は、王城へ比較的近いため…危険であります……。」

警備隊員「厳戒体制は、恐らく最大24時間から…3日……。」

警備隊員「それが終わるまでは…動けないものかと……」


黒髪幹部「み、三日!?」

兵幹部「冗談じゃない、そんな長くここへいられるか!」

豪幹部「…俺らの顔は知られていないわけだし、そのまま逃げられるんじゃないか?」




アサシン「ふむ、それはいい考えかもしれないが…それはどうなんだ?」

警備隊員「そ、それは無理かと……」

アサシン「どうしてだ」

警備隊員「厳戒体制時は、王都の住民以外は王城十字軍本部で素性の調査を受けさせられます…。」

アサシン「つまり、俺らでは捕まってしまうということか」

警備隊員「…は、はい。それに、この場所も危ないかもしれません」

アサシン「どうしてだ?」

警備隊員「恐らく、空き家等にも全て捜索が入りますので……」


黄金商人(……こ、この警備隊員、嘘をついて俺らを騙すことも出来るはずなのに…)

黄金商人(それほどに拷問に堕ちたのか、アサシン様の恐怖してるのか……)

黄金商人(どちらにせよ、俺がアサシン様の仲間へ認められて、本当によかったと思う……)




アサシン「…ふむ、どうしたものか。」

アサシン「お前ら、いい考えはないか?」


幹部長「…」

幹部長「それならば、本日の夜より脱出を行う…ということはどうでしょうか」


兵幹部「…は?」

豪幹部「……ち、ちょっと待って下さい幹部長殿」

黒髪幹部「そ、それは危険では!」


幹部長「逆に考えた行動だ」


アサシン「どういうことだ」




幹部長「向こう側は、偽物のせいで、我々が王都で潜入していると認識してしまった。」

幹部長「それにより、今回襲った一家の事件も、全て我々のやったこととバレてしまいました。」

幹部長「……そこで彼らは、緊急配備により我々を捕えるために動いているのでしょうが、」

幹部長「彼らは、さすがに我々もすぐには動かないと思っているはずです」


アサシン「だろうな」


幹部長「だからこそ、その初日に脱出する。」

幹部長「緊急配備初日にいきなり動けば、明日以降よりも少しは楽に抜けられるはずです」


アサシン「……なるほど、一理ある」




幹部長「それぞれの実力ならば、現在の十字軍に囲まれても脱出は容易…。」

幹部長「固まっての脱出は危険ですので、個々で四散し、目的地に集合する形でどうでしょう」


アサシン「どこへ集合にするか」


幹部長「我々が最初に尋問をした、あの森の中でどうでしょうか」

幹部長「あそこならば、外側ですし夜ならばバレずに行動を行うことができる」


アサシン「……なるほど、いい作戦だ」


兵幹部「…なら、それでいきますか」チャキッ

豪幹部「暗闇なら、十字軍の兵士をそれなりに殺りながら進めますね」スチャッ

黒髪幹部「本来の目的を遂行しつつ脱出ですか。任せて下さい」チャキンッ



アサシン「集合場所は、王都の外側街道にある付近の森の中だ。」

アサシン「丁度、陽も落ち始めた今より行動を開始し、各々の判断で行動し、最終的に目的地に辿り着け。」

アサシン「本来の目的であった十字軍への殲滅行動は自由とする」


兵幹部「…はっ」シュルッ

豪幹部「闇に潜みし準備を」シュルッ

黒髪幹部「面白くなってきましたね」シュルッ

幹部長「必ずや、目的も含め生きて戻りましょうぞ」シュルッ


黄金商人(…で、出た!この黒装束をまとうのが何よりもアサシン教団らしいなと思う…。)

黄金商人(何事もないで忘れていたが、今いるのはアサシン教団の部隊長レベル…。)

黄金商人(こうして衣装をまとうと、オーラが出ているのが分かる…っ)



アサシン「…成金はココへ残れ。」

アサシン「落ち着き次第、アジトへ戻り、王都の状況と我が教団への資金の援助を行え。」

アサシン「王都はこれより防衛を高めるだろう。それを破る為、金が必要だ」


黄金商人「は、はいっ…!」


警備隊員「……お、俺はどうすれば」

アサシン「あぁ、そうだったな」

…グイッ!

警備隊員「…ふむぐっ!?」

アサシン「ご苦労だった、あとはお前に用事はない」ビュッ

…スパッ!!




警備隊員「っ!!」

…ブシュウッ!!!シュパァァアアッ……!!


黄金商人「う、うげっ!?喉をナイフでっ……!!」

黄金商人「血、血が噴水のよう…に……」


警備隊員「な、なんで……」フラッ

…ドシャアッ!ドクドクッ…


アサシン「…」


幹部長「…終わりましたな。それでは参りますか」


アサシン「うむ……」



警備隊員「…」

警備隊員「……ま…て……」ピクッ


アサシン「ん…」


警備隊員「ま、待て…!げほっ……!!」ゴボゴボッ…


兵幹部「…へぇ、まだ動けるか」

豪幹部「普通ならば一瞬で気を失い、そのまま果てるはずだが……」

黒髪幹部「ハシーシュのせいですね。相変わらずすげぇ効力だな……」



警備隊員「ごほっ、げほっ……!」

警備隊員「お、お前ら…は……!か、かな…必ず……っ!」

警備隊員「俺の仲間…がっ……!」ゲホォッ!!


アサシン「…」


警備隊員「よ、欲の自由…?」ガフッ!

警備隊員「そんな…外道は…!神が…じ、地獄…へ……」

警備隊員「おと…す……」


アサシン「…」ビュッ!!

……ズブシュッ!!スパァッ!!



警備隊員「がっ!!」ブシュッ…!!!

警備隊員「…っ」

警備隊員「…」ガクッ


アサシン「…」


黄金商人(よ、容赦ねぇ〜……!)


アサシン「……俺に説教垂れる奴は、大勢見てきたが……。」ボソッ


黄金商人(ん…)


アサシン「どんな奴も、天罰が落ちること、報いが来ること…そういう言葉ばかりだな」フゥ


黄金商人「…!」




アサシン「本当に神がいるならば、お前らが悪と呼ぶこの俺は、世に生など受けてはいないのではないか?」

アサシン「俺がここに生きているということは、お前らの言う神は…この世にいないということだ。」

アサシン「……欲とは、人が人である証拠。」

アサシン「お前らが言う立派な人間というのは…僧侶か?平和な世を作ったという王か?」

アサシン「煩悩を消したいという僧侶。人を幸せにしたいと思う王。それこそ…欲ではないか。」


幹部長「…」


アサシン「欲を捨てたいという欲。」

アサシン「人を幸せにしたい欲。」

アサシン「……それと俺たちの欲が違うのか?」

アサシン「…何も違わない。何も……な」


兵幹部「…」



アサシン「欲こそが人間の本質。」

アサシン「素直に行動してこそ、人は人間と呼べる。」

アサシン「それこそが俺の生きる証、仲間の生きる証……。」

アサシン「それを否定したいのならば、俺を殺してから言えというのだ」


豪幹部「…」


アサシン「……王都の民たち、平和を願う王たち。」

アサシン「今宵は俺を滅する好機の夜。」

アサシン「お前らが言う天罰が…神が…報いが…。その全てがあるというのなら……」

アサシン「俺を今日…殺して見せるがいい。これ以上の好機は二度とないと思え…」


黒髪幹部「…」





アサシン「……わずかな月明かりにも姿を見せるな。」

アサシン「暗闇に身を隠し、己が生きることを考え、その欲のまま行動しろ。」

アサシン「…全員が、無事に脱出できることを切願う。」


幹部長「……はっ!!」

兵幹部「はっ!!」

豪幹部「はっ!!」

黒髪幹部「はっ!!」

…ビシィッ!!


黄金商人「…っ!」


アサシン「……行動、開始だッ」バッ!!!





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