ポマレ6世
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otonjji256 2022年10月03日(月) 19:05:10履歴
ポマレ6世 Pomare �� | |
|---|---|
 | |
| 出生 | 1824年2月3日 |
| 出身地 | ラピタ王国タアロア |
| 死没 | 1872年6月1日 |
| 称号 | 全ラピタのアリイ |
| 配偶者 | リリウ・パキ |
| 親族 | ポマレ7世（従甥）他 |
概要 
ポマレ6世はポマレ朝ラピタ王国の第6代国王。母は王国最初の女王ポマレ5世。
生まれつき重度の言語障害を持ち、読み書きや発語などがほぼ不可能であり、幼馴染でもある王妃のリリウ・パキの献身的な補佐無しでは満足な生活も送れなかった。
しかし、その代わりか非常に優れた芸術的感受性と表現力を持ち、音楽と美術の分野で多くの傑作を残した。それらの作品は同時代の王朝文化、そして外国文化の代表とされる。
別名「玉座の上のルネサンス」（たった一人でラピタ島における文化の革新を生み出したことを指す）。
生まれつき重度の言語障害を持ち、読み書きや発語などがほぼ不可能であり、幼馴染でもある王妃のリリウ・パキの献身的な補佐無しでは満足な生活も送れなかった。
しかし、その代わりか非常に優れた芸術的感受性と表現力を持ち、音楽と美術の分野で多くの傑作を残した。それらの作品は同時代の王朝文化、そして外国文化の代表とされる。
別名「玉座の上のルネサンス」（たった一人でラピタ島における文化の革新を生み出したことを指す）。
来歴
王位継承まで
ポマレ5世元年（1854年頃）、ラピタ島の王都タアロアで生まれる。父親は摂政ロノク・ポマレ王配。本名はルナリロ・カナイナ。
生まれた直後から言語障害を患い、幾つになっても満足に話すことが出来ず、両親の悩みの種であった。
6年、王太子に冊立される。この決定に対し、幾人かの廷臣が疑義を申し立てたが、ロノク王配はルナリロ王子が発語は不可能であっても、言葉を聞き取ることは可能であるとしてこれを押し通した。（彼の言語障害の正体については諸説あるが、彼を診察した西洋人のアレクサンドル・ベルンコフスキー医師は「脳性麻痺による言語中枢の損傷」ではないかと考察している）
8年の時、彼はのちに王妃となるリリウ・パキに出会う。彼女は王家の血を引かない単なる下働きであったが、不明瞭な彼の言葉を的確に聞き分け、その意思に沿うことができた為重用された。
9年、この頃最初の作品として「王宮の写生」（王立ポマレ6世記念博物館蔵）を残している。
13年、母が死去しルナリロ王子はポマレ6世として即位した。
生まれた直後から言語障害を患い、幾つになっても満足に話すことが出来ず、両親の悩みの種であった。
6年、王太子に冊立される。この決定に対し、幾人かの廷臣が疑義を申し立てたが、ロノク王配はルナリロ王子が発語は不可能であっても、言葉を聞き取ることは可能であるとしてこれを押し通した。（彼の言語障害の正体については諸説あるが、彼を診察した西洋人のアレクサンドル・ベルンコフスキー医師は「脳性麻痺による言語中枢の損傷」ではないかと考察している）
8年の時、彼はのちに王妃となるリリウ・パキに出会う。彼女は王家の血を引かない単なる下働きであったが、不明瞭な彼の言葉を的確に聞き分け、その意思に沿うことができた為重用された。
9年、この頃最初の作品として「王宮の写生」（王立ポマレ6世記念博物館蔵）を残している。
13年、母が死去しルナリロ王子はポマレ6世として即位した。
治世前半
即位したポマレ6世だったが、父であるロノク王配は健在であり、当人も障害を負っていたことから、政治は引き続き父親が行った。彼は父親が書く詔書に署名し、捺印する職務の他は絶えず宮殿で創作や勉学に励み、リリウと共に時間を過ごしていた。
この頃発せられた勅命の一つに、「学書禁令の緩和」が存在し、宗教や政治思想の絡まない学術書の輸入が許可された。これは知的好奇心旺盛な息子の為に父親が敢えて心情に反する命令を出したと言われている。
この頃の彼は主に絵画に比重を置いて活動し、輸入した画集や芸術技法の書籍から知見を得て、「パペーテのマラエ」（記念博物館蔵）多くの風景画を残している。
在位11年、父ロノク王配が死去。後任として悪名高きク・ラハラハが摂政に就任する。
同年、ポマレ6世は反対を押し切ってリリウ・パキを王妃に冊立した。元来近親婚を伝統としてきた王家にとって、この決断は激震をもたらすもので、多くの一族が断固反対の意を表した。
しかし、この点において彼は極めて強硬で一切の妥協を拒否した為、ク・ラハラハは止むを得ずこれを承諾した。
12年、勅命により外国人の音楽家であるディミトリー・ヤロソフを王室付音楽教師に任命し、彼から西洋音楽を学び始める。
14年、王国史上初の西洋の技法で作曲された歌である、「アーヒヒ・ラピタ」が発表される。これより彼は音楽に活動の比重を移し、多くの楽曲を世に送り出した。また、同年の末に第一王子が誕生している。
この頃発せられた勅命の一つに、「学書禁令の緩和」が存在し、宗教や政治思想の絡まない学術書の輸入が許可された。これは知的好奇心旺盛な息子の為に父親が敢えて心情に反する命令を出したと言われている。
この頃の彼は主に絵画に比重を置いて活動し、輸入した画集や芸術技法の書籍から知見を得て、「パペーテのマラエ」（記念博物館蔵）多くの風景画を残している。
在位11年、父ロノク王配が死去。後任として悪名高きク・ラハラハが摂政に就任する。
同年、ポマレ6世は反対を押し切ってリリウ・パキを王妃に冊立した。元来近親婚を伝統としてきた王家にとって、この決断は激震をもたらすもので、多くの一族が断固反対の意を表した。
しかし、この点において彼は極めて強硬で一切の妥協を拒否した為、ク・ラハラハは止むを得ずこれを承諾した。
12年、勅命により外国人の音楽家であるディミトリー・ヤロソフを王室付音楽教師に任命し、彼から西洋音楽を学び始める。
14年、王国史上初の西洋の技法で作曲された歌である、「アーヒヒ・ラピタ」が発表される。これより彼は音楽に活動の比重を移し、多くの楽曲を世に送り出した。また、同年の末に第一王子が誕生している。
政争の苛烈化と王の憂鬱
在位17年、ク・ラハラハに主導された政敵の粛清事件である、「第一次マカヒキの獄」が起きる。これはマカヒキの祭での不手際に託けてク・ラハラハが政敵の排除を目論んだ事件であり、結果として100人を超える政敵とその関係者が処罰された。
これらの執行は全てポマレ6世の名によって行われたが、これは彼の心を強かに傷つけた。彼は王妃に対して次の様に漏らしたとされる。
王様は泣きながら、「人を殺してしまった」と仰っていた。周りの者は分からなかったが、わたしと王子だけは拝察することができた…
（リリウ王妃の回想録より）
こうした国王の心情とは裏腹に、政治の権力をめぐる闘争は激しさを増し、多くの粛清事件が発生し、彼の心を蝕んでいった。
その心情を如実に表しているのが、在位18年から22年にかけて製作された多くの絵画作品だろう。「中期作品」と呼ばれるこれらの絵画は、「苦痛という概念そのものの具象化」と海外の芸術誌に取り上げられるほど凄まじい表現で描かれ、治世後期における政治の乱れと民衆の苦しみをも見る者に伝えている。
相次いで王子、王女が誕生するという個人的な慶事もあったが、それは王としての責務と自身の無力さの板挟みとなるポマレ6世の心を癒すことはできなかった。彼は自身の権力を駆使して政争を止め、民が救われる様努力を続けたが、それは無力故に却って対象とならなかった彼とその家族が、邪悪な政治テロルの標的となることを意味した。
これらの執行は全てポマレ6世の名によって行われたが、これは彼の心を強かに傷つけた。彼は王妃に対して次の様に漏らしたとされる。
王様は泣きながら、「人を殺してしまった」と仰っていた。周りの者は分からなかったが、わたしと王子だけは拝察することができた…
（リリウ王妃の回想録より）
こうした国王の心情とは裏腹に、政治の権力をめぐる闘争は激しさを増し、多くの粛清事件が発生し、彼の心を蝕んでいった。
その心情を如実に表しているのが、在位18年から22年にかけて製作された多くの絵画作品だろう。「中期作品」と呼ばれるこれらの絵画は、「苦痛という概念そのものの具象化」と海外の芸術誌に取り上げられるほど凄まじい表現で描かれ、治世後期における政治の乱れと民衆の苦しみをも見る者に伝えている。
相次いで王子、王女が誕生するという個人的な慶事もあったが、それは王としての責務と自身の無力さの板挟みとなるポマレ6世の心を癒すことはできなかった。彼は自身の権力を駆使して政争を止め、民が救われる様努力を続けたが、それは無力故に却って対象とならなかった彼とその家族が、邪悪な政治テロルの標的となることを意味した。
退位
在位24年の2月、ハワーラに行幸していたポマレ6世は行列を見つめる不審な男を見た。
その男は懐に手を這わせ、只ならぬ視線を辺りに向けている。彼はそれに気がついたが、口に出す前に男が行動を起こした。
毒を塗った骨製のナイフを振り翳し、男が向かったのは国王ーではなく、その背後で輿に乗る王妃と幼い王子だった。
この事件を計画したのは、ク・ラハラハと対立していたボラボラ島のアリイ達で、邪魔な国王の権力を排除することが目的であった。しかし、彼らは国王が政争を止める為に発する勅令や政治措置が、国王自身の意思ではなく王妃によって行われていると誤解していたのである。
無関係の王妃が巻き込まれ、生死の境を彷徨う重傷を負わされ、王子までもが危険に晒されたということは、壊れつつあったポマレ6世の精神に最後の打撃を与えた。
同年3月10日、彼はわずか一行の退位宣言書を残し家族と共にライアテア島に逐電。12日には正式に政府に対し自身の退位と王子王妃が王族を離脱する旨を通達した。
その男は懐に手を這わせ、只ならぬ視線を辺りに向けている。彼はそれに気がついたが、口に出す前に男が行動を起こした。
毒を塗った骨製のナイフを振り翳し、男が向かったのは国王ーではなく、その背後で輿に乗る王妃と幼い王子だった。
この事件を計画したのは、ク・ラハラハと対立していたボラボラ島のアリイ達で、邪魔な国王の権力を排除することが目的であった。しかし、彼らは国王が政争を止める為に発する勅令や政治措置が、国王自身の意思ではなく王妃によって行われていると誤解していたのである。
無関係の王妃が巻き込まれ、生死の境を彷徨う重傷を負わされ、王子までもが危険に晒されたということは、壊れつつあったポマレ6世の精神に最後の打撃を与えた。
同年3月10日、彼はわずか一行の退位宣言書を残し家族と共にライアテア島に逐電。12日には正式に政府に対し自身の退位と王子王妃が王族を離脱する旨を通達した。
退位後
退位後は混乱する政府をよそに、ライアテア島のアリイの保護を受けて、音楽と美術に没頭する暮らしを送った。下らない政争からも、自らを傀儡にしようとする薄汚い政治家の根性とも離れたその生活は、非常に幸福なものであったという。
退位の5年後に発生した立憲革命で成立した憲政政府は、ポマレ6世とその家族に終生に渡る年金の支給を決めた。その際に彼は政府に対して礼状を出しているが、これが彼が最後に行った公的な活動であった。
退位から12年を経た6月1日、ポマレ6世はライアテア島のウツロア離宮で薨去。享年48歳。
退位の5年後に発生した立憲革命で成立した憲政政府は、ポマレ6世とその家族に終生に渡る年金の支給を決めた。その際に彼は政府に対して礼状を出しているが、これが彼が最後に行った公的な活動であった。
退位から12年を経た6月1日、ポマレ6世はライアテア島のウツロア離宮で薨去。享年48歳。
死後
ポマレ6世の死後、彼が遺した多くの芸術作品は、当初タアロアの宮殿で保管されたが、王妃の意思によって記念館が建てられ、一般に公開されることとなった。
記念館は最期の地となったウツロアに建設され、途中憲政政府打倒のクーデターによって中断されながらも、ポマレ8世の治世に完成を見た。
また、現在王国政府が主催する芸術コンクールは、「ポマレ6世」の名を冠しており、その名声は今尚語り継がれている。
記念館は最期の地となったウツロアに建設され、途中憲政政府打倒のクーデターによって中断されながらも、ポマレ8世の治世に完成を見た。
また、現在王国政府が主催する芸術コンクールは、「ポマレ6世」の名を冠しており、その名声は今尚語り継がれている。
人物
ポマレ6世は歴代国王の中でも特に国民の人気が高い人物である。
彼は慈悲深く絶えず民衆を思いやっており、幾つかの福祉政策を実行するなどして支持を集めた。
また、同時に知性と優れた芸術の才能も持っており、人間性と共に高い評価を受けている。彼の音楽の教師を務めたヤロソフは、王国を離れた後このように回顧している。
王様はお言葉こそ話せないが、深い知性とお優しい性格をお持ちであるのが見て分かった。私が口で説明するよりも、何度かお手本を見せると直ぐにその本質を掴み、見事に楽器を弾きこなされた…そして、絶えずお側に控える王妃様に対しては、いつも笑顔でいらっしゃった…
彼が作曲した曲は、未だ多くの国民に愛唱されており、中でも「アーヒヒ・ラピタ」は准国歌の扱いを受けている。
彼は慈悲深く絶えず民衆を思いやっており、幾つかの福祉政策を実行するなどして支持を集めた。
また、同時に知性と優れた芸術の才能も持っており、人間性と共に高い評価を受けている。彼の音楽の教師を務めたヤロソフは、王国を離れた後このように回顧している。
王様はお言葉こそ話せないが、深い知性とお優しい性格をお持ちであるのが見て分かった。私が口で説明するよりも、何度かお手本を見せると直ぐにその本質を掴み、見事に楽器を弾きこなされた…そして、絶えずお側に控える王妃様に対しては、いつも笑顔でいらっしゃった…
彼が作曲した曲は、未だ多くの国民に愛唱されており、中でも「アーヒヒ・ラピタ」は准国歌の扱いを受けている。
エピソード
・王子時代、外に出て道に迷った彼を一人の老人が助けたが、彼はそれを決して忘れず、老人が亡くなった時にはわざわざ自身が出向いて花を手向けた。
・鎖国下で禁止されたソティル教に対しても寛容であり、死刑を主張する神官達を抑えて幾度も減刑を行った。生き延びたソティル教徒達のコミュニティは現在まで存続しており、彼は「回心せし異教徒の王」として崇敬されている。
・厳格な氏族社会のラピタ王国において、プロポーズをした最初の人間であると伝わる。王妃に対して彼が贈った外国製の指輪は、今なお記念館に残されている。
・鎖国下で禁止されたソティル教に対しても寛容であり、死刑を主張する神官達を抑えて幾度も減刑を行った。生き延びたソティル教徒達のコミュニティは現在まで存続しており、彼は「回心せし異教徒の王」として崇敬されている。
・厳格な氏族社会のラピタ王国において、プロポーズをした最初の人間であると伝わる。王妃に対して彼が贈った外国製の指輪は、今なお記念館に残されている。
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