俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。Perfect World Battle RoyaleのまとめWikiです。

腐りきった国家を転覆させる野望を抱いた一人の男。

ある人間は彼を指差して、悪魔の生まれ変わりだと言い放った。

そんな、世間から恐れられたカリスマ的指導者。

信頼も厚く、軍の大半を動かすほどの力を持っていた男。

その末路は、あまりにも呆気ない物だった。



「あ……ああ」
全身が焼けるように熱い。
皮膚が爛れ、水分という水分が蒸発していく。
口を開いても、掠れるような声しか出ない。
逃げようと体を動かす度に、全身に痛みが走る。
やけに研ぎ澄まされた聴覚に、砂を踏みつける音が聞こえる。
「うわ、わ」
地面に這い蹲りながら、四肢を動かしその音から逃げようとする。
だが、迫りくる音から逃れられない。
急いで体を動かしても、遠ざかるどころかどんどんと近づいてくるのだ。
「あああああああ!!」
瞳に一人の男の顔が映る。
学生服に白い鉢巻、少し日に焼けたような肌を持つ。
赤目の悪魔が、そこに立っていた。
再び、体が炎に包まれる。
辺りの酸素を取り込み轟々と燃え盛る炎が、男の肉を炭化させていく。
もはや、声を出すことすら叶わない。
最後まで残っていた視覚で、見ることしかできなかった。
「悪魔」そのものが、笑っている姿を。

「ケッ……」
消し炭と化した男に唾を吐き、赤目の悪魔は去っていく。
「まだだ、まだ、焔がくすぶってんだよ」
草薙京の姿形をした悪魔は、邪悪な笑みをその顔に作る。

クローン京の製造初期は、非常に困難を極めた。
安定したクローンが生まれるまでは、草薙の力を押さえることができずに暴走する個体が殆どだった。
目を覚ました瞬間、炎に飲まれていくクローン。
生み出しては消し炭と化し、生み出しては消し炭と化し。
長い間、失敗が続いていた。
そんなある日のことである。
一体のクローンが精製され、いつも通りにカプセルから飛び出してくる。
力を扱おうとした瞬間に、クローンが巨大な火柱に包まれる。
今日もまた失敗だと、ため息をつきながら研究員が遺体を回収に回る。
実験室を開ける、まだ火柱が立っている。
そして、研究員は見たのだ。
火柱の中で笑っている、クローンの姿を。

この日、ネスツの抱える研究所の一つが壊滅した。
ありとあらゆる資料は焼け焦げ、大半の人間は炭化して絶命していた。
防犯カメラに残されていた映像と現地に残されていた血文字より、彼には名前が付けられネスツ内で急速に指名手配された。
オリジナルのような力を持ち、オリジナルとは違う力を振るう存在、「KUSANAGI」として。

人一人を簡単に燃やし尽くす炎。
オリジナルの草薙京も、その気になれば人体を消し炭にすることができる。
だがオリジナルはそうしない為に本能的に「リミッター」をつけている。
そのリミッターがクローンの精製過程で外れてしまったのが、彼だ。
強大な力を手にし、その力を振るうことに快感を得る。
凶暴な一個体として、彼は成立してしまった。
そして、何の因果か招かれたこの殺し合いでする事も何も変わらない。
向かい来る人間を、燃やす。
たった、それだけである。

ギラついた赤い目が、獲物を求めて次の場所へと向かい始めた。

【デビルリバース=モーデン@メタルスラッグ 死亡】

【G-7/道/1日目・朝】
【KUSANAGI(クローン京B)@THE KING OF FIGHTERS】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品(2〜6)
[思考・状況]
基本:暴れる
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018:ERROR
時系列順
020:がんばれアドラーくん
投下順
始動
KUSANAGI
050:リバースカードをオープン
デビルリバース=モーデン
救済

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