システム監査のノート(仮)

概要

  • Z社・・・情報処理サービス会社
    • 開発プロジェクトの原価計算と工事進行基準による損益管理のため、「プロジェクト会計システム」を使用

プロジェクト会計システム

  • 以下のサブシステムから財務会計システムにデータが渡っていく
<プロジェクト基礎データ>                       <作業時間の実績>                <今後予定の時間・経費>
     |                    |                 |
     ↓                    ↓                 ↓
[プロジェクトマスタ管理システム]-------------->[作業実績管理システム]---------->[プロジェクト損益管理システム]  ---------------->[管理会計システム]
       (プロジェクト情報)       (作業実績集計データ)          (売上・原価)
                                            ↑
                                            |
                                        [経費管理システム]
                                           (経費実績)

予備調査状況

1.プロジェクトマスタ管理システム

  • 顧客から受注により、プロジェクト番号の発行がなされる。(あわせてプロジェクト名などなども登録)
  • 体制
    • プロジェクト責任者 ⇒ プロジェクトの売上・損益に責任を負う
    • プロジェクト管理者 ⇒ プロジェクトメンバへの指示、顧客との調整など
→ 売上・損益の規模、計画と実績の差異は責任者と管理者の業績評価項目となる
<プロジェクト番号の仮発番>
  • 仮発番を行うことで、作業の着手することができる
  1. 内示書受領
  2. 仮プロジェクト番号の発行(有効期間は2週間)
  3. 正式な注文書受領 → 正式なプロジェクト番号に切り替え

<指摘事項1>

内示書に基づいて行われる仮発番には、業務上のリスクがある。
         ↓
顧客から正式な注文が得られず損益が悪化するリスク
(仮番号が失効すると正式な注文にならず、売上が発生しない)
[リスク低減のためのコントロール]
作業実績管理システムにおいて、仮番号が
  • すべて正式な番号になっているか
  • 仮のまま残っていないか
を調査する仕組みが必要
    ↓
仮発番から2週間を過ぎると警告が表示される機能をもつべき



2.作業実績管理

  • 技術者は日々の実績を作業実績管理システムへ入力する
    • 複数プロジェクトの所属することもあるため、そのプロジェクトごとの時間実績を入力
  • 「技術者の所属部署の上長」が日々の入力内容を確認のうえ承認する(別途月次承認処理にて確定もおこなう)
  • 技術者は「勤怠管理システム」へも入力をおこなう
    • これも上長が入退室管理システムなどで時間を確認のうえ、内容を承認する

<指摘事項2>

作業時間の正当性を確保するためのコントロールが不十分である
    ↓
プロジェクト管理者が入力された作業時間を承認していない
作業時間の正当性を確保するには、実際のプロジェクト実績を正しく確認し把握できる立場の者(プロジェクト管理者)が承認すべき

[実績の信頼性を確保するコントロールについての監査]
  • 作業実績管理システムの機能一覧表を閲覧
    • メンバ以外は実績を入力できない
    • 登録されたプロジェクト期間以外では入力はできない
<指摘事項3>
技術者の誤入力以外にも、作業時間通りに実績を入力しないリスクがある。
             ↑
プロジェクト管理者が業績評価をよくするために、作業時間を過少に入力させる可能性がある
[監査手続]
「作業実績管理システム」と「勤怠管理システム」の実稼働時間を突合せする



3.プロジェクト損益管理

  • プロジェクト管理者は、プロジェクトの状況をもとに売上総額の見直しとシステムへの入力を実施
    • 入力内容が月次バッチ処理により、原価や売上が再計算される
  • プロジェクト原価の実績額の累計が当初の予定原価を超えた場合
    • アラームメールが管理者と責任者に送信される
    • 管理者は原価超過の理由と今後の対策を検討、責任者に承認を得て報告する

<指摘事項4>
プロジェクト一覧表からプロジェクト損益管理状況を確認した結果、
56件中、8件が責任者側が損益悪化を把握していなかったものがあり。
        ↓
機能の改善をすべきである。具体的には
プロジェクト管理者の修正入力を責任者が承認する機能を付与すべき

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