クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

毒入りのスープを巡る悲喜劇。

それがいつから始まったのか、それがどれほど繰り返されたのか。
時には生還を遂げ、時には嬲り殺しにされ、時には囚われ。
その少女は長い時を見つめ続けてきました、数多の人々の数多の結末を。

しかし、圧倒的なまでの力を持つ神の気まぐれとて、永遠に続く事などあり得ません。
限りないループの末に綻びは蓄積し、箱庭は遂に破綻の時を迎えます。

少女が僅かずつ造り上げた楔は、勇敢なる探索者の手によって深々と打ち込まれ――。
元凶たる“丘より来る恐怖”チャウグナー･フォーンは、自身の造り上げた遊戯場から放逐されました。
牢獄は完全に崩壊し、人々が囚われる事はもはや無いでしょう。

舞台装置として使役され続けた少女もまた、現世への帰還を果たします。

去りゆく探索者達へ、この幸運な巡り合わせへ。
最後に一言、万感の思いを籠めて。

「ありがとう」――と。


≪BEST END　「そして、また会う日まで」≫

目を覚ました城野　春日は顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
泣き過ぎて瞼は膨れ上がっていたし、嗚咽のせいで声もガラガラであの夢の（彼女自身は夢とは思いたくないし、思っていないが）せいなのか体は怠く頭もぼんやりとしていたが、それでも彼女は枕元のそれ……銀の機関銃を見つけ拾い上げると、ギュッと握りしめて、それからパソコンの前へと座った。
自分が無事なのだから一緒にいた彼らも無事なのだろう。無事のはずだ。いや、無事でないと困る。そんなことを考えながら検索を繰り返し、そうして辿り着いたとある町の診療所の名前を見て城野の顔は歓喜に歪んだ。携帯電話をひっつかみ、パソコンモニターに写る連絡先の番号を押して、普段なら気にも留めない長さのコール音に早くひどく不安を抱きながら、そうして音が途切れた後のほんの少し前まで当たり前に聞いていた男性の声を電話越しに聞き…。

「裾野さあ゛ぁぁぁぁんんんん」

春日はまた号泣した。


【後日談】


「はい、はい。…じゃあ、今度の週末に。」


彼女を探しだそう。

裾野　歩への号泣電話を経て八尾　薺や村崎　紫とも連絡が取れたことで、それは自然と彼らの目標になった。
白椿。あの夢の世界で出会った美しい少女。
見た目だけじゃない内面も……決して屈しなかった強く美しい子だ。必ず会おうと約束したとき彼女は微笑んでいた。それは諦めの笑みじゃない。だって彼女は確かに解放されたはずだから。

電話を切ってから、ふと、通り歩く人たちに白椿を探す。
この世界のどこかにいるはずの彼女だが、だけど未だにその姿は見つからない。彼女のことだからすぐにでも、それこそ夢から覚めたその日にでも会いにきてくれるんじゃないかと思ったがそうは問屋が卸さないらしい。きっと彼女にも事情があるのだろうけれど、探さないという選択肢はなかった。
八尾や裾野が仕事の伝手を頼り、村崎が得意のパソコンを使って情報を集めているが、しかし捜索は難航している。
それもそのはずで、彼らは彼女のことをあまりに知らなかった。名前だって城野が勝手に決めてしまったものだし、最初に話したときの彼女は何も覚えていなかった。後から素性を聞く余裕も、少なくとも城野にはなかった。確かな情報は容姿ぐらいなもんだ。それさえも変わっているかもしれない、とは裾野の弁である。

「……いないなぁ。」

裾野たちが仕事の伝手や得意分野で探すなか、そういったスキルが無い城野にできるのはレストランを訪れる客や、こうして通りを歩く人たちに目をやることだけだ。容姿が変わっていたら意味のないことかもしれない。それでも人ごみの中に彼女の姿を探すのは彼女が会いにきてくれることを、そして彼女がどんな姿であったとしても見つけられると信じているからだ。……いや、大幅に変わっていたらもしかしたら見落とすかもしれないけれど……。

今度の週末。
夢から覚めてそれなりに日が経ってしまったがようやく夢の4人が揃う。そのことに胸を膨らませる城野だが、もう一つ予感がしている。

彼女ならこのタイミングを選ぶんじゃないか、と。

もしそうなるなら、改めてみんなで自己紹介をしよう。
彼女の本当の名前を聞こう。
それから、それから……

『ありがとう、会えてよかった……』
不思議な浮遊感。彼女の最後の言葉にも霞が掛かる……。
意識を失なう自覚。それなのに、不安も恐ろしさも無かった。
でも当然だろう？　だって――

―― いつもと変わらぬ朝に、裾野 歩は目覚めた。
―― けれど彼の世界は変わっていたことだろう。
―― それを物語るのが、片時も肌身から離さない、小さな小さな銀の機関銃。
―― 魔力と思いが込められたそれは、幾年過ぎようと輝くのだった。

〜後日談〜
冒涜的な空間から脱した朝。
手早く身支度を済ませて、本日臨時休診の看板やスタッフ達への連絡に奔走する。
その時、誰も居ない受付の電話が鳴る――城野さんだ。
確信めいたそれは的中する。電話の向こうで、まだ耳に残っていた彼女のむせび泣く声が現実に聞こえてくる。
「やっぱりまだ泣いていましたね。目を冷やして、朝には暖かい飲み物がいいですよ」
苦笑と安堵がもれる。同時に、目頭が熱くなるのを感じた。
時を忘れて話し込み掛けたが、城野さんの声が枯れてきたので、携帯の番号やアドレスを伝え合っていったん切る。

そこからは忙しかった。
八尾さんや村崎君とも連絡がつき、彼らとは白椿さんの捜索で一致団結した。
僕は興信所や探偵では難しい、病院の連絡網でアプローチしよう。
もし国外だったら相当厳しいかもしれない。
使える情報は……容姿や背格好、うろ覚えの検診メモ程度。
もしかしたらこれも変わっているかも知れない。
「名前、聞いておけばよかったなぁ」
”絶対に彼女に会う”
そう決めて、あえて名前を尋ねなかった。それを後悔する。
一刻も早く再会の約束を果たしたい。この目で確かめたい。

そして週末。高校生である村崎君の住む町に、四丁の”銀の証”が揃うだろう。
彼女の足音は……きっとすぐ。

『死にたくはない』
今思えば、この一言で、僕のあの人に対する想いは既に決まっていたのだろう。
　――彼女が何者であろうと、助ける、と。

お答えしますね。

後日談の形式に決まったものはないので、書きやすい形で書くのが一番だと思います。
小説形式でも、日記風に書いても、設定箇条書きでも、イラストや詩などでも。

ただ、やっぱり小説形式で書いている方が多いような気がします。
私もそれが一番やり易いです。

白椿の裏設定については……後ほど、実際の後日談にて！

白椿さんの後日談楽しみです。急かしませんが、わくわく待機します。
返答ありがとうございます。特にこれと言った決まり事があるわけではないのですね。
どうしようか迷って、何か二つ出来上がりそうです（笑）

私の持っているセッション記録でよろしければどうぞ。ZIP形式でいろいろ入ってます。
元のログはhtmlファイルです。
『○日目.rtf』と言うファイルは、Microsoftのワードか、Windowsに元から入っているワードパッドで開けることが出来ると思います。
それぞれのソフトの表示方法で、見やすい形式でどうぞ。
これは、私が勝手に見やすく編集したファイルです。
見えやすさや話の流れ重視なので、発言の入れ替えをかなりしています。
後、明らか誤字編集や、上手く言いたいこと言えてなかった所直したりしてます。
htmlログ以外はおまけ程度に。

ファイルありがとうございます！！
早速、ログを見ながら後日談を作成したいと思います。

私からもありがとうございますー！

いえ、あのログが無いなんて悲しいこと見過ごせませんからっ。
それと、何か後日談の流れを勝手に決めてしまった感もあって、それはすみませんでした……。
白椿さんの分、楽しみにしています。