最終回で25年経ったりする

2007年11月16日(金) 18:08:02記
アニメ作品の最終回にて、エンディングやその前後のパートでキャラ達や世界のその後を見せる
エピローグがあるのはひとつの様式美と言っていいが、時々「その後」への時間経過を飛ばしすぎて
視聴者の大部分が望んでいないほど未来のキャラ像を見せてしまう、一種の「こんな最終回は嫌だ」
パターンの代名詞とされる例。

出典は2000〜2001年にフジテレビ系列で放映されたアニメ『デジモンアドベンチャー02』。
最終回で最後の敵・ベリアルヴァンデモンを倒した主人公達は子供達の夢を守り、人間界と
デジタルワールド、二つの世界の架け橋となった──という希望に満ちたラストシーンから
唐突に時は流れ、主人公チームの一人・高石タケルがこれまでの冒険を小説として叙述する
25年後の風景に移る。
おそらく『スタンド・バイ・ミー』のオマージュと思われるそのシーンは、メイン演出の角銅博之の
インタビュー記事などによれば本来、前作『デジモンアドベンチャー』(通称無印)の最終回として
元々予定されていたものだったのが予定外に人気が出たため続編製作が早々に決まり、
無印の最終回を次作に繋げられるものに変更して本来のものを02のラストに持ってきたという
事情だったのだが、そもそもその「予定外の人気」を支えた層は本来想定していた携帯ゲーム機
販促対象の児童ではなく、小中学生の未成熟なアニメキャラクターを愛好する人種が多くを占めており、

1.小中学生だったキャラがいきなり35〜40歳の成人となり子供まで設けていること
2.メインキャラ同士で夫婦になっている組み合わせがファンの間で希望されていたものと違ったこと
3.キャラ達は全員長じてそれなりに成功した人生を送っているように描写されていたものの
その将来図がその場の思い付きネタっぽかったり(例:ヤマトという名のキャラが宇宙飛行士に/
一乗寺という苗字で虫系デジモン使いのキャラが仮面ライダークウガの一条刑事のパロっぽい姿に)
女性キャラの職業が微妙にフェミな人の反感を買うようなお仕着せぶりだったこと
4.差し替えだったはずの前作の最終回の出来が非常に良く、神最終回評価を得ていたこと

などの理由からおおむね非難囂々の評価を受け、嫌最終回の1パターンとしての座を確立してしまった。
2008年06月22日(日) 15:43:53 Modified by animedic




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