「ん、ぷ……ふはぁ……あむ……」
柔らかな頬の内側に亀頭が押し付けられ、擦られる。
恥ずかしそうに伏せた視線は俺の下腹の辺りをさ迷い、時折りこちらの反応を確認するようにチラリと
見上げては、また下へと戻す。
やがて唾液まみれのペニスを口から解放し、小さくすぼめた唇で啄ばむように亀頭の先端に口付けた。

 ちゅるっ…。

先走りの粘液を吸い出され、こみ上げる快感に思わず股間のモノが跳ね上がる。
「あ………」
それまで無心に俺のモノを舐めしゃぶっていた女が驚いたように頭を上げ、窺うように見つめてきた。
上気した頬に、潤んだ瞳。黄色系人種の血が混じった、どこかあどけなさの残る顔立ち。
「続けろ」
一言促すと、俺の前に跪く女は再びペニスに視線を落とす。
おずおずと伸ばした舌先が裏筋の辺りに触れると、その舌を介添えにして顔を寄せていく。ぬるぬると
舌が竿の腹側を滑り、上唇が亀頭に触れた。再び口内粘膜にくるまれ、吸い上げられる。
「んむ………んむ………ん……」
ぴったりと肉棒を包んだ唇と舌が、ゆるやかに締め付けながら前後に動く。
癖の無い黒髪がつられてサラサラと揺れていた。

女の奉仕に身を任せつつ、俺はぼんやりと部屋の中を見回す。
壁にはACメーカーが送りつけてきた企業宣伝カレンダーと、安物のパネル型テレビ。
肘を乗せたテーブルには食べかけのピザと空になった幾つもの合成ビールの缶。テーブルを挟んだ
向かいの椅子に掛けられた、女物のジャケット。
そして椅子に腰掛ける俺の前では、そのジャケットの持ち主が、カーゴパンツから飛び出した肉茎に
熱のこもった口唇奉仕を続けている。
普段と変わらぬ俺の部屋に広がる、普段と違う華やかな女の香り。
あらためて膝の間の女を見下ろす。青いタンクトップに同色のショーツだけの格好で、荒事稼業の割に
細めな体つきが容易に見て取れた。
グロテスクに血管の浮き出た牡の器官を半分以上口に含み、ねっとりと舌を絡めながら吸い上げては
時折り先端を甘噛みする。さらに喉の奥いっぱいまで飲み込み、竿の根元を唇で締め上げる。
男を昂ぶらせる術を心得た口戯に耽りながらも、恥じらうような伏し目がちの表情は変わらない。
女の名はスミカ・ユーティライネン。俺と同じ“レイヴン”──傭兵だ。
出会ってまだ1ヶ月と経っていないが、既に幾つかの死線を一緒に潜り抜けてきた。腕は悪くない。
地下都市アンバークラウンを拠点にしているらしいが、詳しいことは知らない。いや、それどころか
俺はこの女の素性について何一つ教えられてはいなかった。

発端は、差出人不明のメールだった。
俺を試すかのような幾つかの仕事依頼に続いて要請された、ある研究施設に囚われている人物の救助。
その救助対象がスミカだった。脳に機械を直結して究極の強化人間を創造するという、全く新しい
タイプの兵器開発計画と、それを研究する秘密機関を探っていたという。
『一緒に戦って欲しいの。私には優秀なパートナーが必要なのよ』
仕事として請け負ったからだけではなく、連中の非人道的な企みが許せない、そう言った。

──青臭い考えだ。そもそもが企業の裏の仕事に手を汚すレイヴンに、まっとうな倫理観や正義感など
似合うはずもない。そんな正論を吐く者から早死にしていく世界だ。
どうにも危なっかしい奴だと思っているうちに、知らず知らず俺は首を縦に振っていた。

「……ねぇ、何を考えているの」
呟くような女の問い掛けに、記憶を辿っていた意識が現実に戻る。
怒張から口を離し、スミカが俺をじっと見上げていた。
「…………別に、何も」「嘘。なんだか遠い目をしてた」
言って、ペニスの根元に顔を埋めた。片手を軽く添え、付け根から先端へ向かって舐め上げる。

「お前と、初めて顔を合わせた時を思い出していた」
彼女の質問に答えながら、少し背を屈める。女の胸元へ腕を伸ばし、タントップ越しに形良く突き出た
膨らみを手の中に包み込んだ。スミカは俺の手を拒まない。また根元からカリ先へと舌が伝う。
細身の体型にしては意外なほどの、掌いっぱいの量感。軽く握り締め、やわやわと揉む。ツンと張りの
ある釣鐘型の中央に、固く勃ち上がった乳首の感触があった。
「あの時は、随分生意気な女だと思ったよ。助けた直後に今度は“自分を手伝え”ときた」
「私は、……ろくでもない男だと思ったわ。追加報酬に身体を要求するなんて」
「俺としてはお前の決意の程を探るつもりだったんだが……今更言っても嘘臭いけどな」

スミカの白い指先が竿の根元を強く握って、上下に扱き始めた。同時に尖らせた舌先がチロチロと
裏筋をくすぐる。射精を促すための動き。乳房を弄ぶ手を離して黒髪に触れた。見上げる瞳が
“出して”と訴えかけてくる。
「…………くっ!」
彼女の仕草に、俺の方もこらえていた熱情が限界を超えた。一層大きく膨れ上がる怒張に絶頂が近いと
気付いたのか、スミカが目を閉じる。

 びゅくっ びゅっ びゅるっ

熱い白濁が勢い良く迸り、待ち受けるように開かれていたスミカの口の中へと撃ち込まれる。
「ん……」
嬉しそうに小さく鼻を鳴らして、スミカは俺の精液を受け止める。射精の度に、口中で粘ついた液体の
跳ねる音が俺の耳にも届いた。
射精が治まると、付け根を握っていた指の輪が、まだ跳ね続ける肉茎を先へ向かってゆっくりと扱く。
トロトロと、竿の中に残っていた白濁液が溢れて女の舌の上に流れ落ちた。
搾りきったところでスミカの小さな口が閉じ、こくりと喉が鳴る。最後にペニスの先端に滴る残りも
舐め取り、俺の精液は一滴残らず彼女の腹の中に収められた。
「上達したもんだ」「誰が仕込んだのかしら?」
皮肉めいた口調で、スミカは飲みかけの缶に手を伸ばす。
ビールを干す横顔を見ながら、俺は昨夜届けられたメールの内容を思い出した。

スミカは頭のいい女だ。コンビを組んで良く分かった。
作戦の立案と指揮はもっぱら彼女が受け持ち、ミッションでは俺がアタッカーとして矢面に立つ。
スミカ自身がミッションに同伴する場合でも俺のポジションは変わらない。俺が最前線で暴れ、彼女は
それを援護しながら状況に応じて指示を出す。彼女の操る機体はどうやら情報収集、処理能力に特化
しているらしく、密林では敵の厳重な警戒網を掻い潜って見事な奇襲作戦を実現してみせた。

缶を飲み干した女の腕を掴んで立たせる。そのまま腰を抱き寄せると、スミカは導かれるまま俺の膝に
乗って、両手を肩に置いてきた。近付いた彼女の顔が、俺を見下ろす。
腰に添えていた手をタンクトップの下に潜り込ませれば、暖かくなめらかな腹部の手触り。
「冷たい……」
微かに女が呟いた。
肌をさするように掌を上げて行くと、手首に引っ掛かった裾が自然と持ち上がる。傷一つ無い、細く
締まったウエストが表れ、次いで微かな陰影を浮き上がらせる腹部と胸骨の境が覗く。
そして指先が、ひときわ柔らかな膨らみに辿り着いた。

「は、あ……」
持ち上げるように下から握ると、スミカが切なげな声とともに息を吐いた。俺は掴んだ両の乳房を
強弱を付けて揉みほぐす。きめ細かい肌が紅く色付き、熱を帯び始め、しっとりと汗ばんでくる。
「く……ふ……や、あ……」
不規則な呼吸の合い間に小さく声が漏れる。胸をいじっていた片手を脇腹に這わせ、背中へ回した。
「ひぁっ!?」
背骨のラインに沿って撫で上げると、弓のように反り返る。もう片方の手は布地の下で胸を絞り上げ
先端を指先で弾いてやる。
「やっ! それ、あ! あ! あん!」
途切れ途切れの小さな喘ぎ声。香水に混じって、発情した女の匂いが鼻をくすぐる。
「あ、あの…………」「……何だ」
何か言いたげなスミカの様子に、俺は分かっていながら愛撫の手を止めて尋ねる。わざと気付かない
振りをして、恥じらうさまを存分に楽しむ。
「……す、吸って。私の…………私のおっぱい、吸ってください……」
視線を逸らせ、スミカがそろそろとタンクトップをたくし上げた。
恥ずかしそうに震えながら、二つの膨らみとプックリ尖った乳首が俺の前に晒け出される。

胸を愛撫していた手を彼女の尻へと伸ばしながら、彼女の肌に顔を寄せる。立ち昇る体温が頬に触れ、
唇に小さな突起が当たった。同時に俺は、めいっぱい大きく口を開いて収まる限りの乳肉を頬張る。
「んうぅっ!!」
スミカが嬌声を噛み殺す。口の中からツルリと逃げそうな瑞々しい弾力に満ちた柔肌を、吸い上げて
嬲る。汗の塩気を唾液で洗い流し、コリコリに充血した先端を舌先で転がす。吸い跡が残るくらい
たっぷり片方を舐め清めたところで、もう片方の乳房に吸い付く。
「ん、…………ふう…………ふう……」
双乳を代わるがわる愛撫する最中に俺の耳をくすぐる、甘い愉悦を含んだスミカの吐息。
しゃぶられた乳房がテラテラと濡れ光っている。
「ひぐぅっ!」
乳首に軽く歯を立てると、電流に打たれたように身体が波打った。
するり、とスミカの片手が俺と彼女の間に割り込む。その手はそのまま彼女の脚の間に潜り込んだ。
もぞもぞ動く指先は、どうやら下着越しに自分の敏感な部分を慰めているらしい。
こちらも尻を撫で回す手に力を込め、唇と舌で執拗に乳房を弄ぶ。
殺風景なダイニングに、密かな水音と女の喘ぎだけが響く。

「あ……も……駄目…………お願い……」
こらえきれなくなったのか、スミカの手から離れたタンクトップが俺の鼻先に滑り落ちてきた。同時に
女の首が上から覆い被さり、後頭部に手が回される。
「…………どうした?」
乳房から顔を離して問い掛けた。
「こ……これ………頂戴。……お願いだから……」
自分を慰めていたスミカの指が、半勃ちのまま放り出されていた俺のモノを包み込む。
ゆっくりと撫でさすられていくうちに滾る血がまた集まり始め、見る間に硬度を取り戻した。
「欲しいのか?」「…………」
返事を言い淀むスミカに、追い討ちをかける。
「言えよ。欲しいんだろ? お前の指示が無けりゃ、俺はミッションを遂行出来ない」
俺の頭を抱く腕に力がこもる。戸惑うようなわずかの沈黙の後、俺の耳元で蕩けそうな声が囁いた。
「欲しい、の。…………これ、挿れて。……あなたの熱いので……私を犯して……」
軽く尻を叩いて膝の上から立たせ、テーブルに身体を向けさせる。おれの意を汲んだのか、スミカは
言われるより先に両手をテーブルについた。ほんの少しの間、艶っぽい後ろ姿に見惚れてしまう。
丸みを帯びた肩。たおやかな曲線を描く背中。突き出されたヒップ。うなだれた顔は髪に隠され、
横から覗いても表情は窺えないが、待ちきれないのか先刻から両脚をしきりに擦り合わせている。

落ち着きの無い太腿の付け根へと指を割り入れると、びくん、と一瞬だけ女が身を竦めた。
青いショーツに包まれたその部分はとっくに潤んでいて、軽く指先で押さえるだけで、みるみる布に
いやらしい染みが広がっていく。
「いや、……焦らさないで。…………私の中、切なくて……耐えられない……」
誘うようにスミカが腰を振る。
ショーツを脱がすのももどかしく、濡れた股布の部分を引っ張って横へずらした。蜜に濡れ光る桃色の
割れ目と、透明の液にまみれた黒い恥毛が露わになる。ひくつく花弁に先端を当てると、それだけで
物欲しそうに吸い付いてくる。押し当てた先端で花弁を撫で上げ、零れる愛液を亀頭に塗り広げてから
そっと中へ押し込んでいく。
「あ! は!? ……ふあぁぁ!…………」
悦びに満ちた女の声と共に、ほんの先っぽしか挿れていないペニスを入り口が締め付けた。同時に膝が
ガクガクと震えだす。
「なんだ、もうイッたのか?」
「あぁ…ご、ごめんなさい……」
身体を捻り、今にも泣きそうな涙目でスミカが俺を見る。絶頂の余韻に肌が粟立っていた。
「別に謝る必要は無い。こっちも勝手に楽しませてもらうからな」
途中で止めていた腰を、また押し込む。
「や、ま、待って! いま、敏感になってるから……ひゃうん!!」
制止に耳を貸さず、蜜の溢れる肉壷にペニスを沈めていく。
狭くて温かな粘膜の合わせ目を押し広げていくと、幾重もの襞が竿の表面に絡み付く。断続的な痙攣に
思わずこちらも果てそうになりながら、膣の中を行き止まりまで蹂躙する。
根元まで押し入ったところでがっちりと腰を掴み、緩やかに中をかき回した。
「あっ…、あっ…、やぁっ!」
出し入れに反応して、一段と高い声でスミカが鳴く。粘液にまみれた肉が擦れ合い、テーブルが軋む。

スミカの背中に覆い被さり、汗に濡れたタンクトップの上から乳房を掴んだ。指が食い込むほど強く
握り締め、腰の動きを速める。
「あはっ、うんっ、んんっ!」
小刻みな喘ぎを間近に聞きながら、ふと、テーブルの上に目が行った。半分残ったデリバリーピザ。
これの箱を片手にスミカが俺の部屋を訪ねて来たのが二時間前。連絡も無しに、突然の来訪だった。
なぜこのタイミングで俺の元を訪れたのか。いや、それ以前に、この女に一度でも俺の住所を教えた
事があったか? この女は、一体どれだけ俺の事を知っているのか。
後ろから攻め立てながら、また思考の迷路へと陥り始める。
思えば、スミカという女には不可解な点が多い。
彼女自身の素性はもちろん、俺を仕事に引き入れながらクライアントについては一切話そうとしない。
その一方で、驚く程の金離れの良さ。俺はスミカ自身に個人的に雇われているものだと思っていたが、
支払われる報酬は破格の額だ。彼女のポケットマネーからとは考えにくい。もし雇い主に報酬を二人分
出させているのなら、恐るべきマネージメント手腕といえるだろう。
その雇い主にしても──おそらく俺に直接スミカ救出を依頼したのは彼女のクライアントだろうが──
わざわざ彼女を助ける必要があったのか? 使い捨てが利くからこその“傭兵”ではないのか。
更に一連のミッションに対する細かい情報提供。敵の動向からアジトまで、どうやって調べ上げたのか
不思議なくらい正確なデータが揃っていてこそ、今まで失敗なく任務を達成できた。
そして、それら全ての情報を握っているのが、俺の下で喘ぐこの女。
彼女と行動を共にするようになって以来頭の隅にこびり付いていた違和感は、次第に俺の中で疑念へと
その形を変えていた。

「あっ! あっ! ダメッ!!」
考え事をしているうちに、つい腰を打ち付けるペースが上がっていたらしい。
スミカの上体がくずおれ、テーブルに俯せる。投げ出された腕に空き缶が弾き飛ばされ、カラカラと
音を立てて幾つかが転がり落ちた。
俺はあらためて彼女の腰を掴み直し、遮二無二突き上げる。
「ああっ!! やっ!! あっ!! 凄、い!……」
激しく揺さぶられながら、スミカが髪を振り乱す。こちらも次第に射精感が高まってきた。
「ふっ、うっ、……そろそろ、限界だ……」
「ま、待って!……中は……中は駄目!!……そ、外、にぃ!……」
「くぅっ!!」
膣から引き抜いたペニスを、尻に押し付ける。同時に二度目とは思えないほどの精液が噴き出し、
丸い尻肉を汚していった。
「……あぁ…………熱い……」
苦しげな呼吸の合い間に、うわ言のようにスミカが呟く。その引き締まった脚を精液が伝い、足首まで
流れ落ちた。

 * * *

シャワーの水音を遠くに聞きながら、ベッドに腰掛ける。
果たしてスミカの奴は泊まっていくつもりなのか、それとも帰るのか。いずれにしても少し部屋を
片付けておいた方が良さそうだ。
軽く一息ついてから、机の上の端末を立ち上げた。
スミカ・ユーティライネンに対する幾つかの疑念。昨夜届いたメールをあらためて読み直す。
俺が裏から手を回して、“ネスト”本部関係者から得たスミカの個人情報。
結論から言えば、彼女は間違いなくアンバークラウン所属のレイヴンだった。登録は二年前。

 ミッション経験:なし   アリーナ参加経験:なし

在り得ない話だ。
あれだけの才覚を持ちながら、スミカはレイヴンになって以来一度もネストの依頼をこなしていない。
中には闘技場の賭け試合だけで飯を食う輩も少なからずいるが、彼女はそれにすら参加していない。
完全に、肩書きだけのレイヴン。
そんな実績の無い人間が、新兵器開発阻止などという大掛かりな依頼を請け負えるはずがない。

シャワーの音が止まった。あと数分で彼女はここへ来るだろう。
俺が探りを入れたことなどとっくにお見通しかもしれないが、万一を考え端末からメールを削除する。
彼女に対する疑念は、幾つかの仮説と共に一つの確信になった。

 ──優秀なレイヴンの中には、ネストの管理を離れて特定企業の“専属”になる者が居る。
 ──あるいは、企業のエージェントが身分を隠すためにレイヴンを名乗る場合があるという。

彼女が何者なのか、それは分からない。だが、俺が酷くヤバイ仕事に関わってしまったのは疑いない。
最悪の場合、全てが終わった後で証拠と一緒に消されてしまいかねないだろう。

知らず知らず、口元に笑みが浮かんでいた。
これはゲームだ。とてつもなく危険で、それ故に金も女も、実入りは大きい。
せいぜい上手く立ち回って、生き延びるとしよう。
近付く足音に、俺は端末の電源を落とした。

 おわり

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