アライアンスの切り札―――「レビヤタン」
この迎撃を任されたのが俺だった。味方のMTは2機目のレビヤタンとの交戦中に全滅。
死ぬ覚悟で2機目を破壊したところに最後のレビヤタンが接近。
手持ちの武器を全て撃ちつくし、なんとか接近してブレードで撃破した。
7年以上使ってきた愛機も左腕とコアをのぞいて今はただの鉄の塊になってしまった。

コアから出て外を見るとそこは目もあてられない状況だった。

黒焦げになったMT。黒く変色した機体と大地。
あちこちで火がくすぶり、その燃える音すらも風でかき消される。

そこはただ、ただひたすらに静かだった。時折聞こえてくるのはわずかな風音。
「・・・・ひどい有様だな・・・・」
自然と口が動き、守れなかった味方に懺悔するように言葉をつむぐ。
「結局・・・俺は・・・・誰も守れなかったのか」
確かにレビヤタンには勝った。しかし―――

――――これが本当に彼の見たかった風景だろうか。

濃いグレーで塗装された巨大な兵器。
つい数十分前まで次々と味方を火に包み、グレネードを降らせていたそれは
静かに横たわっていた。丘陵に乗り上げ、大地の所々をめくりあげている。
遠くを見れば、さらに2機が大地に沈んでいた。
「俺は・・・お前に勝ったのか・・・?」
わずかに感じる喜びもさらに大きな悲しみと後悔で塗りつぶされる。
「ちくしょう、俺はな・・あいつらを死なせる気はなかったんだ!!」
雫が頬を濡らす。彼は真正面からレビヤタンの残骸を睨みつけ

「ガゴン!!!」

・・・・不意に音がした。それはレビヤタンの背中部分のハッチから。
吹き飛んだハッチの装甲は彼のはるか遠くに落ちた。鉄がひしゃげる音が背後に響く。
「・・・・!!・・な、なんだ・・!?」
停止したはずのレビヤタン。その穴から外に出てきたのは――――


「どうも、レビヤたんです。」


青いスーツに身を包んだ17歳ほどのオニャノコ。
水色のショートカットが風になびく。彼は固まったまま動かない。思考速度がついていけない。
「むぅ。無視ですか。ならばもう一度。レビヤたんです。どうも。」
レビヤタンから飛び降りるレビヤたん。
軽々と着地するところを見るとどうやら強化人間らしい。
「え・・・あ・・・?よ、よろしく・・・・?」
動揺する彼の両肩に小さな手が同時に置かれる。振り返り見て見ればそれは
レビヤたんよりひとまわり小さな少女が二人。青いスーツと水色のショートカットは変わらない。
「「む、お姉ちゃん、先に自己紹介するなんてズルイです。」」
二人の少女は全く同時に発音して更に

「「妹です」」

とも付け加えた。
彼「オ、オニャノコだったのかレビヤタンは!!!」

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