「37.7度か……。風邪だな。」
「………済まない。迷惑を掛けてばかりだ…。」
「そういうのはナシだろ?まぁゆっくり休め。」
「……………済まない。」
「…はぁ………そこは、ありがとうだろ?」
ウィンディーの頬を引っ張りながら言い聞かせる。
意外とプニプニしていた。
うぅ、とか唸っているが気にしない。
「……すま…いや………ありがとう。」
「じゃ飯作ってるから、少し待ってろ。」
そう言ってキッチンに向かう。
(病人食と言えばお粥か……。)
そう思いながら少し罪悪感に囚われる。
実はウィンディーの風邪の原因に心当たりがあった。
彼女は、昨日の夜の「行為」の最中にかいた汗を拭かずに寝てしまっていた。
昨日まで依頼が殺到していて、二人ともろくに顔を合わせられなかったので
二人とも会えなかった分を取り戻すように、激しく交わりあっていた。
終わったころには二人とも疲れ果てていて直に眠りについてしまったのだ。
そんな事を考えているとお粥が出来上がった。
「さてと。後は薬と汗を拭くタオルか。」
桶にぬるま湯を張り縁にタオルを掛ける。
それらを持ってウィンディーの元へ向かった。

「ほら、あーん。」
スプーンに摂ったお粥を冷ましてウィンディーに食べさせる。
「……一人でも食べられるのだが。」
そう言う顔は熱のせいなのか、はたまた別の原因があるのかとても赤い。
「はいはい病人は黙って言うことを聞く。あーん」
そんな文句を言いつつもしっかり食べている辺り、そこまで具合は悪くないようだった。
「じゃあ、薬飲んだら汗拭くぞ。」
「い、いや……それはさすがに…。」
「文句言うな。ほら服脱げ。」
そう言ってウィンディーを促すと観念したのか、服を脱ぎ始める。
ウィンディーの細いがしっかりとした体が露になる。
そのまま背中を拭いていくと案の定、体は汗でかなり濡れていた。
「いつも思うんだが。ウィンディーって綺麗な体してるよな。」
「……恥ずかしいことを言うな……ま、前は拭くからタオルを貸してくれ。」
そのまま乾いた寝巻きへと着替えさせる。
そしてベッドに入るとウィンディーが訊ねてくる。
「その、…なんだ。………寝付くまで、そばに居てくれないか?
風邪などしばらくぶりだからな。……少し寂しい。」
「……あぁ。お休み、ウィンディー。」
頬に軽くキスをすると、ウィンディーは目を閉じ眠りに付いた。
彼女はその性格故に、自分で全てを抱え込んでしまうところがある。
そんな彼女が、自分を頼ってくれてるというところがとても嬉しい。
GAの災厄と呼ばれたリンクスも女なんだな、と思うと目の前の女性が堪らなく愛おしくなり、また頬にキスをする。
すると彼女はくすぐったそうに顔を歪めたあと、また安らかな表情に戻っていった。

目が覚めるとまず隣の椅子で眠っている彼の寝顔が目に飛び込んできた。
寝付くまで、と言ったはずだったが、ずっと付き添っていてくれたらしい。
彼と初めてあった頃、彼は只の野良猫、唯一彼のオペレーター以外には
誰にも心を開かない孤独な存在だった。
そんな彼が自分の事を何よりも大切に思ってくれている。
世界を救ったと言われているリンクスも只の男なんだな、と思うと
目の前の彼が堪らなく愛おしくなり、その唇に軽くキスをする。
「………あなたには感謝している。嬉しかったよ。」
感謝の言葉を添えて。

翌日

「うぅ…………」
立場が逆転した風景がそこにあった。
「風邪、移してしまったか……。」
「……気にすんなよ、ウィンディー。お前が直ったんならいいさ。」
「……ありがとう。それでは今日は私が看病しよう。」
まずは彼の額に自分のそれをあて、大体の熱を測る。
「そこまで酷くは無いみたいだな…。食欲はあるか?」
「ウィンディー作ってくれるなら何でも食べるさ。」
彼の言葉に嬉しくなるのと同時に、顔に血液が集まるのがわかった。
「ふふっ。わかった。少し待っていてくれ。」
そう言ってキッチンへ向かう。
「あ、お粥は口移しで頼むな。」
後ろから聞こえてきた声に今度は頬が染まった。

その後

看病のおかげか、熱も下がり、ウィンディーとベッドの上で談笑していた時だった。
ピンポーン
来客をつげるインターホンが鳴る。
「私が見てこよう。」
そう言ってウィンディーが玄関へ来客を迎えにいった。
程なくしてウィンディーが戻ってくる。
「誰だったんだ?」
どうやら来客は帰ったらしい。
「霞……いや、セレン・ヘイズだった。貴方に会いに来たと言っていたが風邪をひいてるからと言って帰ってもらったよ。」
「セレンさんが……?」
「まぁ気にするな。」

数十分後、再びインターホンが鳴る。
先ほどと同じようにウィンディーが出る。
「今度は誰だ?」
「……リリウム・ウォルコットだ。……全く、看病と言って彼に変な事するつもりなんだろう。全く……。」
後半は聞き取れなかったが少しイラついているようだった。

再びインターホンが鳴る。
ウィンディーは出迎えに行くが直に戻ってくる。
「今度はメイ・グリンフィールドか……。盗聴でもされているのか?」
ブツブツ何か言いながら部屋の中を何かを探し回るように歩くウィンディー。
しかしそれは再度鳴ったインターホンにより妨害される。
今度は出迎えようともしない。

「あの、ウィンディー?」
「ほっとけば、直に帰るだろう。」
「いや、いいのか?」
「あぁ、問題ない。」
ウィンディーの言葉通り来客はすぐに帰ったようだった。
数回、首輪付きィ、などと聞こえてきたが。
「………済まない。少し出てくる。」
通信端末を取り出しながらウィンディーが告げる。
どうやらガレージに繋いでいるらしい。
「?今日はオフじゃなかったのか。」
「緊急でな。……ウィン・D・ファンションだ。
至急レイテルパラッシュにコジマ兵装を積んでくれ。……重量過多?FRSメモリをあるだけつぎ込んで何とかしろ。」
なにやら相当苛立っているらしい。
「では行ってくる。安静にしててくれ。」
頬に軽くキスをしてウィンディーはレイテルパラッシュの元へ向かっていった。

数時間後
「臨時のニュースです。つい先ほど、アルテリア・カーパルスで大規模なコジマ汚染が確認されました。カーパルスでは機能停止した4機のネクストが発見され、パイロットの生存は確認されていますが何れも恐怖心のためか、犯人について黙秘を続けています。」

ということが有ったとか無かったとか

このページへのコメント

エイプーでは?

0
Posted by ストレイド 2017年09月25日(月) 01:23:15 返信

4人目は…古王か…?

0
Posted by 悠斗 2016年04月26日(火) 14:47:41 返信

qGCSdt wow, awesome blog post.Really looking forward to read more. Cool.

0
Posted by awesome things! 2014年01月21日(火) 07:12:03 返信

あれ?もう一機ってだれだ?

0
Posted by 楯無 2013年10月28日(月) 02:31:10 返信

こ、こえぇ.......

0
Posted by ハッス 2013年06月15日(土) 21:20:31 返信

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