「こちらグローバル・アーマメンツ社のネクスト、フィードバックだ。
 老兵は気にせず好きにやりたまえ。」
「・・・了解。ストレイド、行きます!」

「衛星破壊砲基地襲撃」これが今回受けたミッションだった。
目標は三基ずつ、二箇所に分かれている衛星破壊砲エーレンベルクを破壊することだ。
こちらの基地は俺とGA社のネクスト、フィードバックを駆るローディーで襲撃し
もう一方の基地はランク3、リリウム・ウォルコットそれに王小龍が襲撃。
同時刻に作戦開始の予定だ。
「ネクストを確認。クラースナヤだ。」
オペレーターの通信が聞こえる。
「やはり奴はORCAに与するか・・・。私がやろう。エーレンベルクは任せる。」
「了解。」
僚機の提案に短く返答する。
どうやらクラースナヤ以外の防衛部隊はノーマルしかいないらしく、
それもネクストから離れるに従って防衛部隊は少なくなっていった。
「エーレンベルク全其の破壊を確認。それに向こうも片付いたようだな。」
オペレーターの声を聞きレーダーを見てみると、ネクストの反応は
僚機のフィードバックの物のみとなっていた。
しかし、おかしい。ORKAの最重要拠点とも言っても過言でない場所にしては
警備が手薄すぎる。僚機も不審に思ったのか回線を繋いでくる。


「・・・どう思う?」
開口一番ローディが聞いてくる。こちらも疑問に思ってることを察したらしい。
「警備が手薄過ぎますね。ネクストが配備されていましたが、こちらも
 精鋭で来ることを相手が予測していなかったとは、考えられません。」
そう話していると、突如オペレーターから通信が入る。
「糞ッ!!やられた!!こっちの基地はダミーだ!今、両方の基地ににAF部隊が
 接近している。恐らくネクストで時間稼ぎして、始末するつもりだったのだろう。」
「なるほどな。」
回線を繋いでいたので、ローディーにも聞こえたのだろう。納得したように頷く。
「こちらの残りはノーマル部隊だけだ。私はこちらを始末するので、 君は
向こうの二人を助けてやってくれ。恐らく向こうにはかなりの手練がいるはずだ。」
「確かにそれが最良ですね。解りました。セレンさん、
向こうの位置を送ってください。」
「了解した。OBを併用していけば10分ほどで着くはずだ。」
「解りました。ローディーさん、後は頼みます。」
任せろ、と言わんばかりに回線が切られる。
本物の基地に向かっていると突如、回線から舌打ちが聞こえた。
「どうしたんですか?」
「・・・向こうにいるアンビエント、及びストリクス・クアドロが劣勢だそうだ。
 いついかなる時でも何かを企んでいる。王小龍とはそういうような輩だからな。
負けると解ればすぐに逃げ出すだろう。」
・・・オペレーターの声を聞きながら心の中ですこしだけリリウムを哀れに思う。
彼にとっては自分が育てたリリウム・ウォルコットも駒ですらないないのだろうか、と。



「ネクスト反応は一機だ。・・・一足遅かったようだな。」
前方に見えるのは複数のノーマル、敵ネクストの月輪、
そして機能停止したアンビエントだった。
「こちらストレイド、敵ネクストの排除、並びに、エーレンベルクの破壊を開始する。」
「了解した。敵は先の戦闘で少なからず消耗している。一気にたたんでしまえ
 しかし、無茶をして奴の二の舞にはなるなよ?」
「了解。」
そう言って既に機能停止しているアンビエントを一瞥し、敵ネクストに攻撃を仕掛けた。

「止めろよ・・・メルツェル。」
「・・・終わったか・・・。」
脱力感に満ちた頭にオペレーターの声が響く。
「敵ネクスト及びエーレンベルクの破壊を確認。ミッション完了だな。
 ローディーの方も片付いてるようだ。AFの方も別働隊が片付けたらしい。」
それだけ聞くと、機能停止しているアンビエントに機体を寄せる。
(・・・緊急脱出装置が作動している?)
リンクスがいる筈のアンビエントのコックピットはもぬけの殻だった。
だが、少し離れた所に、コジマ粒子の汚染から内部を守るように
密閉されたカプセルが転がっていた。
「・・・!セレンさん。アンビエントの搭乗者の生存を確認!
至急輸送機、並びに救護班の手配を!」
「・・・ふぅ。全くお前という奴は・・・。わかった、手配しよう。
 ・・・だが責任はお前が持てよ?これは私の管轄外だ。」
「・・・感謝します。」



「そんなのって・・・」
「仕方がない。奴にとって彼女は用済みなのだろう」
「でも・・・!」
「・・・彼女のことはお前に任せる。だが、
 何か問題が起こったときは、私に繋げ。いいな?」
「・・・・・・。」
「後、次のミッションが決まった。ORCA旅団本隊の撃破だ。
 あまり時間はないがゆっくり体を休めておけ。」
「・・・了解。」
そこで通信は切られた。
オペレーターから聞かされた王小龍の言葉。予想はできていたが衝撃は大きかった。
「不要だから、好きにしろ・・・・か。」
そう、奴はリリウムを気遣うわけでもなく淡々と
『“アレ”は私には既に必要ない。好きにするがいい。』と言ってのけたらしい。
丁度、その時背後から物音がした。
彼女が起きたのかと思い寝室へ行ってみるとベッドの上で彼女は上半身を起こしていた。
そして、俺を見つけると開口一番、
「・・・ここは、どこですか?」
・・・どうやら俺のことは二の次らしい。
「俺の部屋だよ。・・・っと、自己紹介がまだだったな。
 俺はネクスト、ストレイドのリンクスで名前は・・・」
「いえ、存じております。・・・有名ですので。」
そうなのか?と思いつつベッドの脇の椅子に腰掛ける。
「それで、リリウムは何故ここにいるのですか?」
「それは・・・」



「おおよその事は解りました。まずはリリウムを
 助けてくれたことに感謝します。」
余計なお節介だったかもしれませんが、と続ける。
「何でだ?あそこで放っておいたら確実に死んでたぞ?」
 当たり前の疑問を口にする。
「問題ありません。王大人が助けてくれたはずです。
 あの時退却したのも、何か策があってのことでしょう。」
「それは・・・・。」
そこで口篭る。彼女が王小龍を信じていることは先ほどの口振りからも
十分に伝わってくる。・・・そこである思考が頭をよぎる。
・・・このことを彼女に伝えるべきか、と。
いずれは知ることだと解っていても、伝えることが憚られる。

「・・・捨てられたのさ。お前は。」
「セレンさん!?」
いつの間にか部屋に来ていたオペレーター。その口から容赦ない言葉が叩きつけられる。
「・・・どういうことですか・・・?」
「そのままの意味だ。お前は捨てられたのさ。王小龍にな。」
「セレンさん!!」
「黙れ。いずれは知ることだろう。それが遅いか早いかの違いだ。」
その通りだった。そしてオペレーターは淡々と話し始めた。

「・・・・・・嘘・・・そんなの・・・・」
「嘘などついてどうする。これは私が王小龍、本人から聞いたことだ。」
やはり、リリウムには相当ショックだったようだ。
無理もなかった。・・・親のように、師のように慕ってきた人に
モノ扱いされ捨てられたのだから。
彼女の呟きは次第に嗚咽へ変わり、目からは涙が溢れていた。
「・・・今はそっとしてやろう。」
セレンさんの言葉を聴き、部屋を後にすると、
背後からは悲痛な叫びが聞こえてきた・・・。


「・・・落ち着いたか?」
彼女の泣き声がおさまってしばらくした後、部屋に入ってみる。
彼女は膝を抱えてベッドの上でうずくまっていた。
部屋に入った時、こちらを一瞥したがその眼は虚ろだった。
「・・・俺はこれからビッグボックスに駐留するORCA旅団の排除のミッションに行く。」
返事は・・・ない。
「飯は用意しておいた。ちゃんと食べろよ。」
どうせ返事はないだろうと思いすぐさま部屋を後にした。

「ミッション完了だな。」
その一言でいつものように脱力感が満ちてくる。
「ミッションは無事完了だが・・・、今日は無駄な動きが多すぎるぞ?
 僚機がレイテルパラッシュでなければ、死んでいたかも知れんな・・・。」
「・・・すみません。」
「大方、奴のことでも考えていたのだろう?」
「・・・・・・。」
沈黙でそれを認める。
「お前が奴のことをどう思おうと、お前の勝手だが
戦場でのくだらない思考は死を意味するぞ・・・?」
「肝に銘じておきます。」
そんなことを言いながらも意識は彼女の事に傾いていた。

「手、つけてないか・・・。」
戻ってみると彼女に用意したご飯はそのままの状態で放置してあった。
そのまま、寝室へ向かう。
彼女は俺がミッションに出る前の格好そのままでいた。
そのまま彼女の近くに腰掛けるが、沈黙が続く。
・・・どれくらい経っただろうか、不意に彼女が話し出す。

「・・・うすうすとは、気づいていました。」
何のこと、とは問わない。


王大人に会ってから、彼はただの一度も真っ直ぐに、
リリウムを見たことがありませんでした。」
「それでも、リリウムには王大人が全てでした。
・・・でもリリウムは王大人の期待に背いてしまいました。」
そして見捨てられた、今・・・と紡ぐ。
『もう、今の自分に生きている意味は無い』と。
あのまま見殺しにしてくれた方がよかった、と言う
そこまで聞いて盛大に溜め息が出る。
「・・・ふぅ。リリウムさ、覚えてないと思うけど
俺が助けた時、うなされていたんだよな。」
何を言い出す、と言わんばかりにこちらを見てくる。
「その時、うわ言のように繰り返してたんだよ。」
・・・死にたくないってな。
弾かれたようにこちらを見るリリウム。
「・・・本当は心のどこかで思ってるんじゃないか?死にたくない、生きたい、ってな。」
王小龍の事とは関係なしでな、と続ける。
「・・・・・・。」
沈黙。それは肯定に等しかった。
「生きることに意味や、理由なんて必要なのか?
 もう檻に戻れないなら、自分で歩くしかないんじゃないのか?
・・・もし挫けそうになったら、俺がリリウムを支えてやる。
一歩を踏み出せないなら、俺が一緒に歩いてやる。」
そこまでいって言葉を切る。何故なら・・・
「でもな、次のミッション、ウィン・D・ファンションからの依頼で、
 アルテリア・カーパルスを襲撃する、ORCAのネクストを排除することになった。
 ・・・正直、生きて帰れるかは解らない。だからさっきのこと約束は出来ない。」
本当にすまない、と頭を下げる。
「アンビエントの修理は済んでる。それと、もし俺が戻らなかったら
 ここを好きに使ってもかまわない。」
じゃあな、と言って部屋を出る。
(・・・無責任な人間だな)
そう思いながら俺は、ネクストのハンガーへ足を進めた。




「糞ッ!!」
アルテリア・クラニアムでの攻防戦は、熾烈の一途を辿っていた。
「機体損傷、60%だ!そろそろマズイぞ!!」
僚機であるレイテルパラッシュが撃破され、攻撃は激化し、消耗は激しくなった。
対して向こうは確実な連携でレイテルパラッシュを
撃破していたので、消耗を最小限に抑えていた。
・・・このままじゃマズい。そう思った瞬間、
「後ろだ!!!」
アンサングに気をとられていて背後に回りこんでいた
スプリットムーンに対して反応が遅れた。
「しまっ・・・」
淡い紫の閃光が視界の端に映る。

「・・・?」
紫の閃光は突如QBの噴射に変わり、赤い閃光が目の前を通過した。
そして通信が入る。
「アンビエント、目標を確認しました。これより援護に移ります。」
「リリウムッ!?一体どうして・・・。」
「話は後です。今は目の前のことを。」
「・・・そうだな。さっさと片付けようぜ。」
・・・どうやら「思い」でも人は強くなれるらしい。
「・・・さて、行くとしますか!」












「それでだ、どうしてあの時助けに来てくれたんだ?」
クラニアムを襲撃したネクストを撃破してから数日が経った。
あの後、企業連のお偉いさんに手のひらを返したような態度で出迎えられ、
色々ごたごたしていた為、リリウムとは今日までまともに話が出来なかった。
「・・・リリウムを支えてくれるのでしょう?
だったら死んでもらっては困りますので。」
数日前までは考えられなかったような態度で話してくる。
「それに・・・。」
「・・・それに?」
そこでリリウムが口篭る。
「・・・あなたと一緒に・・・いたかったからです。」
リリウムの顔が一気に赤くなる。
つられてこちらも少し赤くなる。
(・・・いや、マテマテマテ。今のはもしかしなくても・・・。)
そんな思考が頭をよぎっているときリリウムは・・・
「・・・。」
顔を真っ赤にしてもじもじしていた。
(あ、やばい)
「っ!!」
そう考えたときには既に自分の下にリリウムがいた。
しかし、そこで理性が巻き返してきたのか一気に冷や汗が出てくる。
「・・・スマン、頭冷やす。」
そう言って目にもとまらぬ速さで別のベッドに潜り込む。
(・・・・キマズイ・・・・。)
後ろからのリリウムの視線をずっと感じていたが、いつのまにか意識を手放していた。


「んん〜?」
夜中に、突然眼が覚める。
(なんだこの感触・・・?)
背中に妙に生暖かいものが触れている感触がある。
後ろを視界の端に入れてみるとそこには・・・
「・・・・・・。」
リリウムがいた。
(よし、とりあえず深呼吸)
そうしているとリリウムが気づいたらしく、
「起こしてしまいましたか?」
などと話しかけてくる。
「・・・何故、俺のベッドに??」
「・・・その、・・・あなたと一緒にいると・・・安心できるので・・・。」
・・・何故、そんなに理性を揺るがす事を言ってくるのだろうか。
もう歯止めはきかなかった。
リリウムの方に向きを変え、上に跨って白い首筋に舌を這わせる。
「ひゃうん!?」
純粋な反応を示してくるリリウム。
そして、そのまま服に手をかける。すると・・・
「あの・・その・・・出来れば・・優しく・・・。」
その言葉を聴いた瞬間、俺はとっさにリリウムの唇を奪っていた。
舌を絡めての濃厚な口付け。それに応じてリリウムも一生懸命、舌を絡ませてくる。
そしてリリウムの可憐な肢体が露になった。更に・・・、
「・・・キスで興奮でもした?」
リリウムの秘部は少し湿っていた。
本人はというと火が出るんじゃないだろうかと言うぐらいに顔を真っ赤にしていた。
その顔を見て悪戯心が芽生え、割れ目にそっと指を這わせた。
「ひぁ!そ、そこは・・・!」
「ダメか?」
「違い・・ます・・けど・・」



リリウムは初めてのようだった。不安なのだろう。
「大丈夫、信じろ。」
そう、優しく呟くとリリウムは体の力を抜き、俺はゆっくりと愛撫を始めた。
逆の手は柔らかな胸に押し付け、指先で桃色の乳首を指の中で転がす。
「ぅ、あっ、ひぃあっ・・・!」
そこで一旦、動きを止め真剣な面持ちでリリウムの顔を覗き込む。
「・・・いいか?」
リリウムは一瞬決めかねたようだったが、小さく頷いた。

「・・・いくぞ。」
自分の肉棒をリリウムの秘部にあて、そのまま一気に処女膜を貫く。
「痛っ、痛いぃ!」
だが、最初のうちは痛がってたようだが、徐々にリリウムも快楽に溺れていった。
「ふああああぁぁぁぁっ!」
リリウムが必死にしがみついてくる。
「んぁ!すごいぃ!すごいよぉ!!」
緩急をつけながらリリウムの中に肉棒をこすり付ける
「ひぁ、んん、はああぁぁぁん!」
喘ぎながらもしっかりと俺の背中に手を回して離すまいとしている。
そこでパッとリリウムを離してみる。
「!?ダメ、ダメェ!!」
リリウムはすぐにさっきよりも強く、俺に抱きついてきた。
「お願い・・・離・・さないで」
「あ、わ、悪かった。」
そんなリリウムがとても愛おしくてこちらも強く抱き返す。
安心したのか自分から快楽を求めるように腰を振るリリウム。
互いに徐々に絶頂へ達しつつあった。
「んんっ、あぁん、もうダメ、イッちゃうぅぅぅ!!」
秘部から愛液が噴出す、が俺はまだだった。
強く腰をリリウムに打ち付ける。
「ひゃぁ!?ダメェ、りりうむおかしくなっちゃぅぅ!!」
「・・・リリ、ウム!」
そして、俺はリリウムに自分の証を刻んだ。


事が終わった後、俺とリリウムは寝入ってしまったらしく、
眼が覚めると窓から朝日が差し込んでいた。
「ん、んん〜〜。」
大きく伸びると隣で寝ていたリリウムが眼を覚ました。
「悪い、起こしたか?」
「いえ、いいんです。」
そこで、昨晩のことを思い出して不覚にも赤面する。
リリウムも察したらしく、顔を赤くして俯いてしまった。
「今更なんだが・・・本当に俺で良かったのか?」
意味の無い質問をリリウムに問いかけてみる。
するとにっこりと笑って
「いいんです。これは、誰でもないリリウム自身が望んだことですから。」
そう言ってリリウムが続ける。
自分で選択する、リリウムは王小龍の所では学ばなかったものを学んだようだった。
「それに、支えてくれなくても、もうリリウムは一人で歩けます。」
そこで俺の気持ちは、目に見えるようにガクっと沈んだ。
しかし、それを見たリリウムが慌てて付け足す。
「で、ですが、リリウムは一人では・・その・・寂しいです。・・・そばに居てくれますか?」
これから・・・ずっと、とリリウムが言った
「・・・・・ふぅ・・・・勿論。こっちから願いたいくらいだ。」
それじゃあ、と言ってリリウムが顔を近づける。
「これは契約金の替わりです。」
頬に暖かい感触が伝わる。
「・・・長丁場のミッションになりそうだな。」
「ふふっ、そうですね。」
リリウムが微笑みかけてくる。
「・・・後、敬語はやめにしないか?」
リリウムは少し戸惑っていたようだが、やがて満面の笑みで答えてくれた。

「・・・うん♪」

このページへのコメント

「・・・後、敬語はやめにしないか?」
「・・・はい、そのつもりです」
…あれ?

1
Posted by 夏夜 2017年03月26日(日) 20:50:12 返信

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