やっと規制解除か・・・リリウムには屈託の無い笑顔で笑って欲しくてなのになんでこうなった

「それから・・・ほ、本日のお茶会には有澤隆文様が・・・・・ブッフ!」
「落ち着くんだリリウム・ウォルコット、今笑っては本番で耐え、た・・・耐え切れんぞ」
「オッツダルヴァ、お前さんカップを持つ手が震えているぞ?」
「ローディー・・・何故貴様は耐えられるんだ!?」
「くふふふ・・・あの濃い顔で”何故空は広いのにクレイドルはせま、せままま・・・アーッハッハッハ!!」
「リリウム、品が ブフォア!
リリウム・ウォルコットが笑いを堪え切れず笑い転げ、オッツダルヴァが「思い出し笑い」に耐え切れず口に含んでいた紅茶を噴出し、その紅茶が運悪く正面に座っていた王小龍に直でぶっかかり
「ウィンディー・・・お前は私を嫌っているのだろう?なら何故連れて来た」
「一人だけ逃げるなど許さんと言うことだよダリオ・エンピオ、あと目を開けろ本番を寝てすごすなど許されるなど思うなよ?」
「ならお前も目の焦点を有澤に合わせるんだなそしたら考えてやる」
ウィン・D・ファウンションとダリオ・エンピオが言い争いを続けただ一人ローディーだけが平静を保っている。
元々この「お茶会」は和やかとは程遠い集まりではあった、しかし一人の男によりカオスへと変貌を遂げた

a few week later

「有澤の宗主であるGAのローディー殿以外とは始めましてだな、有澤隆文だ以後お見知りおきを・・・」
GAの隷下とは言え企業のトップでありながらクレイドルへの移住を固辞し続け、
コジマ粒子に汚染された大地に住むことを固持し続けるだけでなく自身もネクスト「雷電」を駆るリンクス有澤隆文、彼の「お茶会」への参加はおよそ一般的とはいえないリンクスたちの好奇心を満たすには十分だった。
「ウィン・D・ファウンションだ、有澤隆文個人的なことを聞いてもいいか?」
「構わんよ、答えれることならの話だが」
「何故地上に住み続ける?アスピナのようにネクストに対し偏愛とも言える愛情を抱いていたとしてもクレイドルでも十分な量の情報は得られるだろうし、間近で見たいのならばもっと安全な場所でPAを展開せずに動いている様を見ることも可能だろうに、何故地上に拘る?」
いきなり聞いたか、しかしよくやった。ただ一人を除いて参加者全員がそう思った。
「空は広いのに何故クレイドルは狭い。一番の理由はこれだな」
「はっ?」
呆気に取られる一同、ただひとり有澤の宗主GAの構成員で多少面識のあるローディーを除いて。
「私はね空の青さが好きなんだよ、それ以上に空を飛びたいとも思っている・・・ネクストでは風を感じることは出来ないがね」
「勿論、クレイドルに住めとGAからも何度か言われたよ、しかしね」
「クレイドルの空気は硬い、場の空気もだしこうやって」それだけ言うと有澤隆文は大きく深呼吸をした「実際に吸う空気も硬い」
その濃い顔には不釣合いな穏やかな微笑にはダリオ・エンピオのような憎らしさもロイ・ザーラントのような演技臭さもない。
本心である、間違いなくこれらの言葉は有澤隆文の本心だ。
「それから思い上がりと自惚れかも知れないが、偉い人が全員大地を見捨てたら本当に駄目になるとも思っているからだよ」
「確かに汚染されたこの大地は緑など数えるほどしかない、砂漠か水没した都市後ばかり緑など数えるほどしかない、それでも・・・それでもクレイドルの硬さは私には耐えられなかった・・・!」
声を荒げ胸の内を吐き出す有澤隆文しかし彼の大真面目な気持ちとは裏腹にお茶会は予想外の変化を見せる。

彼の姿にいち早く反応したのはリリウム・ウォルコットであった。
年相応の風体、落ち着きのある太い声でセンチメンタルな事を言い続け更に時折涙まで見せるその姿に彼女はギャップを感じたのだろう
そしてそのギャップを彼女は「笑い」へと昇華させてしまった。
有澤隆文自身はこの詩的な演説に夢中で気づかなかったが彼以外はリリウム・ウォルコットの変化に気づいていた、
下唇を噛み歯を食いしばりどことなく目も焦点が合っていない、ちょうど笑いを堪える人の姿そのものであった、彼女はかなり早い段階からこの状態に陥ってしまった。
そして彼女の次に変化を見せたのはランク1オッツダルヴァであった。
リリウム・ウォルコットが笑いを堪える為に戦っている様を見たあたりから彼も気づいてしまった”あぁ・・・そう言えばこの絵面結構面白いよな”そして彼も堕ちてしまった
丁度有澤隆文が声を荒げたあたり、あろう事か彼は少量であったとは言え口に含んでいた紅茶を少し噴出してしまった、
彼からすればぐら付く心を落ち着けるために紅茶を口に含んだのであろうが、笑いを堪えることと液体を口に含むことは正しく水と油である本来絶対に避けなければならない事だ、
そしてそれが「噴出してはならない」場面であればあるほどその効果は張本人に何倍にもなって帰ってくる。
ただ彼にとっての幸運は紅茶を噴出した瞬間が丁度有澤隆文が声を荒げた瞬間であったことだそれ故有澤隆文には気づかれずに済んだ、他の参加者には隠しようが無かったが。

それ故有澤隆文には気づかれずに済んだ、他の参加者には隠しようが無かったが。
二人の変化にダリオ・エンピオが取った行動は逃げることであった。
彼はオッツダルヴァが紅茶を噴出す少し前から眠ろうとしていた.。
校長先生の詰まらない話を聞いていて眠るようにと言った消極的な理由ではない。
今眠らなければ醜態をさらす!そしたら俺の名誉に傷が付く!権力志向の彼らしい判断だ。
しかしそれを許さない人間がいたウィン・D・ファウンションであった。
彼女もリリウムからオッツダルヴァへと笑いの連鎖が起こったようにこの連鎖に巻き込まれてしまった。
そんな折にふと目をやればダリオ・エンピオ彼がこの渦からの逃避をしようとしている、それならば自身も目を閉じ渦から逃れればいい。
だが冷静な彼女はそうは思わなかった。
ここまで堕ちてしまった以上もう這い上がることは無理、ならば今この渦から逃げ出そうとしているこの男を逃がしてなるものか。
その思いから彼女はダリオのスネに蹴りを入れた、入れ続けたのである。

王小龍彼もダリオ・エンピオと同じく権力志向の強い人間であった。
彼は有澤隆文の方向を見ない事で抗いそして自身の子飼いであるリリウム・ウォルコットを目で威嚇しプレッシャーを飛ばしていた。
勿論リリウム・ウォルコットもこのプレッシャーの意味するところはすぐに理解した、
しかし理解すればするほど彼女は笑いの渦に飲み込まれていったオッツダルヴァと同じく笑ってはいけない状況であることを深く考えすぎてしまったから。
結局この日の「お茶会」は大した議題も無く早々に終了したのと初顔である有澤隆文が長居せずに一番早くに席を立ったのも彼らと彼女達にとっての幸運かもしれない、異変の張本人が居なくなった後の光景は想像に足るだろう。
笑い渦巻く中、平然と立ち上がり有澤の後を追うローディーには誰も気づかなかった。


「どうだったかな?社長殿お茶会は」
「殺風景な部屋だったな・・・話す内容ぐらいはお前さんの話やGAからの報告で大体分かるが・・・せめて一服の清涼剤で花くらい活けてもよかろう」
何故、ローディだけがこの中で笑わずにいられたのかそれは慣れてしまったからだ。

彼も初めて有澤隆文と出会ったときはその風体に似合わずセンチメンタルな事を連発し、
花を愛するこの妙な御仁の姿に何度も笑ってしまいそうになった、しかしGAと有澤重工は浅い仲ではない。
他陣営の人間やついこの間GAの軍門に下ったBFFの構成員よりも出会う機会は多くて当然であった。
慣れるまでが大変だったがなれる為の時間はたくさんあった。
慣れとは恐ろしいな・・・こんな台詞を聞いてもまったく笑えなくなってしまった、だからこそこの男を「お茶会」に参加するように煽ったのだが。内心ほくそ笑みながらまた彼は煽る
「それならば社長が花を持ってくるしかないだろうな・・・あの面子が持ってくるとは思えんし私には花を育てる素養も設備も無い、聞いた話では最近ローズガーデンを始めたそうじゃないか」
「バラ以外の花なら随分昔から育てていたがな・・・しかしあの場にバラは合わんな、とげとげしい空気にとげのある花は良くない・・・だが花を活けるのは良いな、あると無いとでは場の空気が違う何かよさそうなものを見繕うか」
あぁ・・・次の「お茶会」が楽しみだ。
後日ローディー宛に花の栽培セットが届いたのはまた別の話だった



規制解除に喜んでたら今度は行が長すぎると言われて何度もはじかれた・・・
社長とリリウムは案外いいと思うんだよね、原作ではまったく絡まないけど

このページへのコメント

ZBkuwZ I value the blog article.Really looking forward to read more. Really Great.

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Posted by awesome things! 2014年01月20日(月) 23:27:10 返信

↑俺もだwww

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Posted by ヘタレイヴン 2011年12月21日(水) 18:22:58 返信

つられてワラタww

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Posted by yh 2011年11月09日(水) 19:18:37 返信

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