「何って、ハロウィン知らないのか?」
ジュリアス・エメリーは南瓜のタルトとやらを手渡しながら言った。
「さすがに騒ぐまではしないけどね。時間の流れにメリハリを持たせるのは大事…
…え?違う?
んー、この日は死者達が帰ってきて悪さしていくのさ。
それを容赦してもらうために菓子を渡す。子供達がその死者役になって家々を巡る」
なるほど。
日本にも地方によって死者だか神として子供が家を訪ねる、という風習があった。
―うら盆と冬至が一緒くたになっているとでも考えれば良いか…。
ジュリアスに礼を言って居室に戻りつつ、不得意な甘味を扱いあぐねる。
―死者は、帰らない。例え全てのクレイドルを生贄にしても。
シミュレータにでも行こう。ひとまず冷蔵庫に入れようとして、手が止まる。
「それ、要らないのか?」
声のした方向へ、その場で旋回する。
やけに長く感じるその間、声の主を考えないように考えないようにした。
聞き間違えも見間違えも絶望するほどやり飽きたのだから。
「甘いの苦手だもんな?なら私にくれ。トリック・オア・トリート」
数歩後ろに立つ女性が微笑みながら右手を差し出す。
「……箸」
「それしか無いのは知ってる。大丈夫、お前に少し習った」
皿と箸を渡すと難儀そうにしながら口に運ぶ。
「……悪戯」
「ん?いや、トリートがなくてもトリックを仕掛ける積もりは無かったが。」
どこから入ってきたのだろう。何故アンジェとそっくりなのだろう。
どうして箸を教えたことを知っているのだろう。
本人ではない、とすると整合のとれないことばかりだ。
「イタズラがご所望か?私は意地が悪いぞ」
にやりと笑ってみせられると、逆に悪戯してやりたい気分になる。
「お、おぉ?しんかーい?」
ORCAとなってから気が大きくなっただろうか。
あの頃なら触れるのも憚られたアンジェを、手荒く抱き寄せる。
自分にとって、アンジェはまごうことなきオルレアンの乙女、聖女だった。
「ちょ?し、真改?」
困惑が先に立って抵抗の少ない彼女を布団に寝かせる。
髪、耳元、首筋と口で感触を確かめる。
「んぁっ…こら、からかうのも、良い加減に…」
「……本気」
「本気、って、」
夢でも幽霊でも何でも良い。
欲しい。
――…漲ってきた。
抗う細腕をつかみ、パイロットスーツのジッパーを降ろす。
薄い肌着で隠れてはいるが、胸の形がくっきり分かる。
たまらず貪りついた。
「やぅ、やめろっ、へ、変な気分に、なる…」
びくん、と震えた隙に肩から脱がしにかかる。
アンジェの露出など見たことがない。下着姿というだけで予想以上に興奮した。
キャミソールをたくしあげ、控え目な胸に吸い付く。
「あっ…!しんか、いぃ…やだ…こんなの、私じゃないっ…や、やぁ!」
大きくはないが形が良く、程よい触り心地がある。
むにむにと両手で揉みほぐし、乳房を舐めあげ、突起を吸う。
「んん!ん、んっ…ふ…」
舐めながら見上げると顔を真っ赤にしたアンジェが口を両手で抑えている。
…声が…まぁ良い。
腰に掛かったスーツと下着を…ええい片足だけ脱がせば十分だ。
そのまま秘所にしゃぶりつく。
「んんんっ!?」
少し湿っただけの筋を舌で、核を人指し指で、上下にこする。
「ん、ひぅ!んむっ…」
程なくアソコがぐちゅぐちゅといやらしい音をたて、先がコリコリと硬くなってくる。
「ん、んっ!んんんんんっ!!!!」
一際大きい声をあげて跳ね、ぐったり倒れこんだ。
――イッた?
「ん、は、はぁっ…あ…」
アンジェをイカせた、背徳感のような優越感のような、妙な興奮でゾクゾクした。
「うぅ、見る…なぁ……かっこわるい…」
今更体面を繕うか。
「…お前には…見られたく…なかった……」
顔を覆うアンジェの表情は、泣いているやら怒っているやら見えない。
見られたくないとは?
恰好いいとこ見せたかった?
後輩だから?弟子だから?
真改はアンジェの何だった?
「えっ、ちょっと、待ってくれ、やっ…!」
アンジェを俯せて、肉欲をあてがい、一気に貫く。
どうせ『これ』は何かの間違いだ。
「ひぁんっ!あっ、や、やぁあ!」
首を舐め胸を揉みながら一心に突き上げる。
さっきの分も声を絞り出させる。
「そんなに、したらっ!き、きちゃう、あ、あぁああぅっ!!」
聖女に大量の涜れを吐く。
同時に彼女も頂点に達し、一番奥で全部を出しきった。
「この、馬鹿」
シーツを体に巻いたアンジェの拳で、殴るように胸を押し戻される。
痛くはないが、開いてしまった距離を残念に思いながら見ると、
彼女は複雑そうな顔でそっぽを向いていた。
「こんなことして…落とし前は付けてもらうからな」
じとり、と睨む顔は仄かに赤く染まっていた。
「…!…真改!」
はた、と目を開く。
見慣れたコックピットの端子のひとつから、ジュリアスの声が聞こえる。
「……応」
「お前、そんなとこで何やってるんだ」
確かシミュレータをやろうとしていたが、ネクスト本体に繋がってるとは何事か。
何だか酷く甘美で自堕落な夢を見たような気がする。
「……悪戯」
「ん?私が?何の?」
ジュリアスはAMS接続の原理や構造にも詳しい。
大抵のリンクスが知る必要もないような技術が彼女には有る。
それを使ってナニカサレタのかとも思ったが。
―理由がないか。
ふと、月光を見る。
スプリットムーンにはオルレアのデータを或る程度コンバートしている。
実益と希望を兼ねて。
オルレアのデータとは、すなわちアンジェのデータに他ならない。
それで幻影でも見たのかもしれない。
―それにしては、何故今日だけ?
インターフェースの上に、皿があるのに気付いた。
南瓜の加工品が半分ほど残っている。掴んで口に運ぶと、意外に甘くない。
―死者は帰らない。
夢か現か幻か、今すぐ思い出したいような、全て終わるまで忘れてたほうが良いような。
ひとまず、接続を終了した。
ジュリアス・エメリーは南瓜のタルトとやらを手渡しながら言った。
「さすがに騒ぐまではしないけどね。時間の流れにメリハリを持たせるのは大事…
…え?違う?
んー、この日は死者達が帰ってきて悪さしていくのさ。
それを容赦してもらうために菓子を渡す。子供達がその死者役になって家々を巡る」
なるほど。
日本にも地方によって死者だか神として子供が家を訪ねる、という風習があった。
―うら盆と冬至が一緒くたになっているとでも考えれば良いか…。
ジュリアスに礼を言って居室に戻りつつ、不得意な甘味を扱いあぐねる。
―死者は、帰らない。例え全てのクレイドルを生贄にしても。
シミュレータにでも行こう。ひとまず冷蔵庫に入れようとして、手が止まる。
「それ、要らないのか?」
声のした方向へ、その場で旋回する。
やけに長く感じるその間、声の主を考えないように考えないようにした。
聞き間違えも見間違えも絶望するほどやり飽きたのだから。
「甘いの苦手だもんな?なら私にくれ。トリック・オア・トリート」
数歩後ろに立つ女性が微笑みながら右手を差し出す。
「……箸」
「それしか無いのは知ってる。大丈夫、お前に少し習った」
皿と箸を渡すと難儀そうにしながら口に運ぶ。
「……悪戯」
「ん?いや、トリートがなくてもトリックを仕掛ける積もりは無かったが。」
どこから入ってきたのだろう。何故アンジェとそっくりなのだろう。
どうして箸を教えたことを知っているのだろう。
本人ではない、とすると整合のとれないことばかりだ。
「イタズラがご所望か?私は意地が悪いぞ」
にやりと笑ってみせられると、逆に悪戯してやりたい気分になる。
「お、おぉ?しんかーい?」
ORCAとなってから気が大きくなっただろうか。
あの頃なら触れるのも憚られたアンジェを、手荒く抱き寄せる。
自分にとって、アンジェはまごうことなきオルレアンの乙女、聖女だった。
「ちょ?し、真改?」
困惑が先に立って抵抗の少ない彼女を布団に寝かせる。
髪、耳元、首筋と口で感触を確かめる。
「んぁっ…こら、からかうのも、良い加減に…」
「……本気」
「本気、って、」
夢でも幽霊でも何でも良い。
欲しい。
――…漲ってきた。
抗う細腕をつかみ、パイロットスーツのジッパーを降ろす。
薄い肌着で隠れてはいるが、胸の形がくっきり分かる。
たまらず貪りついた。
「やぅ、やめろっ、へ、変な気分に、なる…」
びくん、と震えた隙に肩から脱がしにかかる。
アンジェの露出など見たことがない。下着姿というだけで予想以上に興奮した。
キャミソールをたくしあげ、控え目な胸に吸い付く。
「あっ…!しんか、いぃ…やだ…こんなの、私じゃないっ…や、やぁ!」
大きくはないが形が良く、程よい触り心地がある。
むにむにと両手で揉みほぐし、乳房を舐めあげ、突起を吸う。
「んん!ん、んっ…ふ…」
舐めながら見上げると顔を真っ赤にしたアンジェが口を両手で抑えている。
…声が…まぁ良い。
腰に掛かったスーツと下着を…ええい片足だけ脱がせば十分だ。
そのまま秘所にしゃぶりつく。
「んんんっ!?」
少し湿っただけの筋を舌で、核を人指し指で、上下にこする。
「ん、ひぅ!んむっ…」
程なくアソコがぐちゅぐちゅといやらしい音をたて、先がコリコリと硬くなってくる。
「ん、んっ!んんんんんっ!!!!」
一際大きい声をあげて跳ね、ぐったり倒れこんだ。
――イッた?
「ん、は、はぁっ…あ…」
アンジェをイカせた、背徳感のような優越感のような、妙な興奮でゾクゾクした。
「うぅ、見る…なぁ……かっこわるい…」
今更体面を繕うか。
「…お前には…見られたく…なかった……」
顔を覆うアンジェの表情は、泣いているやら怒っているやら見えない。
見られたくないとは?
恰好いいとこ見せたかった?
後輩だから?弟子だから?
真改はアンジェの何だった?
「えっ、ちょっと、待ってくれ、やっ…!」
アンジェを俯せて、肉欲をあてがい、一気に貫く。
どうせ『これ』は何かの間違いだ。
「ひぁんっ!あっ、や、やぁあ!」
首を舐め胸を揉みながら一心に突き上げる。
さっきの分も声を絞り出させる。
「そんなに、したらっ!き、きちゃう、あ、あぁああぅっ!!」
聖女に大量の涜れを吐く。
同時に彼女も頂点に達し、一番奥で全部を出しきった。
「この、馬鹿」
シーツを体に巻いたアンジェの拳で、殴るように胸を押し戻される。
痛くはないが、開いてしまった距離を残念に思いながら見ると、
彼女は複雑そうな顔でそっぽを向いていた。
「こんなことして…落とし前は付けてもらうからな」
じとり、と睨む顔は仄かに赤く染まっていた。
「…!…真改!」
はた、と目を開く。
見慣れたコックピットの端子のひとつから、ジュリアスの声が聞こえる。
「……応」
「お前、そんなとこで何やってるんだ」
確かシミュレータをやろうとしていたが、ネクスト本体に繋がってるとは何事か。
何だか酷く甘美で自堕落な夢を見たような気がする。
「……悪戯」
「ん?私が?何の?」
ジュリアスはAMS接続の原理や構造にも詳しい。
大抵のリンクスが知る必要もないような技術が彼女には有る。
それを使ってナニカサレタのかとも思ったが。
―理由がないか。
ふと、月光を見る。
スプリットムーンにはオルレアのデータを或る程度コンバートしている。
実益と希望を兼ねて。
オルレアのデータとは、すなわちアンジェのデータに他ならない。
それで幻影でも見たのかもしれない。
―それにしては、何故今日だけ?
インターフェースの上に、皿があるのに気付いた。
南瓜の加工品が半分ほど残っている。掴んで口に運ぶと、意外に甘くない。
―死者は帰らない。
夢か現か幻か、今すぐ思い出したいような、全て終わるまで忘れてたほうが良いような。
ひとまず、接続を終了した。
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